先生も授業もテストもない!? 自分らしさを伸ばす教育「サドベリースクール」とは
■自分と向き合うことの大切さサドベリースクールは、デモクラティック(民主的な)スクールとも呼ばれています。日本国内に8校ありますが、フリースクールなどと同様に、法的には学校と認められていないため、生徒たちは近くの小中学校に籍を置いて卒業資格を得ます。大学受験をするには、高校卒業程度認定試験(旧:大検)を受ける必要があります。
サドベリースクールでは、やることが与えられないので、子どもたちはおのずと自分と向き合わずにはいられません。「暇だ~」といってうろうろする子もいますが、スタッフの杉山さんは、「こういう時間こそ大事」と話します。
自分が何をしたいのか、好きなことは何か、どんな人生を歩みたいのか。中高生たちが進路を選択するときにはじめて直面する大きな課題に、ここでは7歳の子も直面するのです。
卒業のタイミングも、自分で決めます。
この学校で何を学んだか、ほかの生徒とスタッフ全員の前で話して、認められれば卒業することができます。
■ゲームも算数も同じ価値読み書きや計算すら教えず、ゲームばかりしていても何も言わない学校なんて考えられない、と思う方も多いことでしょう。
読み書きや計算は日常生活の中で必要を感じ、身に着ける子がほとんどだそうです。40年間続く米国のサドベリーバレースクールでは、今まで読み書きできずに卒業した生徒は1人もなく、卒業生の8割が大学へ進学しているそうです。
楽しいゲームも、毎日していればいつか飽きる時がくるでしょうし、あるいは飽きずに続け、ゲームクリエイターになるかもしれません。みんなでゲームを楽しむためにはコミュニケーション力も必要です。ゲームも算数も、その子が興味を持ったものに関して、ここでは優劣をつけません。
こうした学校に入りたいと思うかどうかは人それぞれですし、合わない子も当然いるでしょう。
親としては子どもを100%信頼していなければ、通わせられない学校です。