先生も授業もテストもない!? 自分らしさを伸ばす教育「サドベリースクール」とは
■子どもが教育を選ぶ権利これまでは、なんとなく、「子どもが学校に行くのはあたりまえであり、理由がない限り休ませてはいけない」と思っていました。しかし、憲法には「すべて国民は、(中略)ひとしく教育を受ける権利を有する。」「すべて国民は、(中略)その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。」とあります。
本来、教育を受けることは子どもの権利であり、義務ではありません。親はその権利をまっとうさせる義務があるのであって、学校に行かせる義務があるとは書かれていません。インターネットで何でも調べられる時代に、教室で一方通行の講義を受けることが退屈と感じるのは、自然ではないでしょうか。学校に行かなければ知識を得ることができなかった時代とは状況が違うのです。
昨今では、サドベリースクールだけでなく、フリースクールやホームエデュケーション、シュタイナー学校などに通う場合も、公費支援を受けられ、卒業資格を得ることができる仕組みを作ろうという動きがあります。その子にあった教育を選べる世の中になれば、つらい思いをしている親子が減ることに繋がるかもしれません。
取材の際、サドベリーに通う子どもたちを見ていたら、自分の子に対しても、「~しなさい」ということが減りました。期待したり、押し付けたりせず、子ども本人の意思を尊重し、信頼できるようになったことは、思いがけない大きな収穫でした。
取材協力:
一般財団法人 東京サドベリースクール
参考:『世界一素敵な学校~サドベリー・バレー物語~』ダニエル・グリーンバーグ・著/大沼 安史・訳(緑風出版)
『自分を生きる学校 いま芽吹く日本のデモクラティック・スクール』(せせらぎ出版)