■フィンランドには待機児童がいない日本で大きな問題になっている保育園の待機児童ですが、フィンランドにはほとんどいません。これは第二次世界大戦後のベビーブームが終わった1950年以降、急速に出生率が落ち込んだ際に、政府が打ち出した方針が影響しています。
女性の社会進出に伴い、育児しながら働く女性への支援、特に未就学児の保育の整備に取り組み、1973年に制定された保育法で、全国すみずみに行き渡る保育園のネットワークが構築されたのです。
その結果、たとえ最寄りの保育園が満杯でも、近場の保育園には入ることができるようになりました。また、地方自治体ではなく民間企業が運営する保育園も、政府からの十分な支援があるので、保育料に違いはなく、保育の質も統一されているそうです。
先ほどお話しした「家庭保育給付金」にも、3歳までは家庭で保育をすることで、保育サービスの圧迫を防ぐという目的があるようです。
■フィンランドでは、行政が運営する「子育て支援センター」が妊娠期から育児をサポート日本では、妊娠期はほとんどのママが産休ギリギリまで働いています。そのため、妊娠期の知識はもちろんのこと、出産や子育てに関するイメージを確立しないまま育児に突入しているケースが多くあります。
しかし、フィンランドでは「ネウボラ」という子育て支援全般に関する機関が、妊娠期からきちんとサポートしてくれる体制が整っていて、多くの夫婦がこのサービスを利用しているようです。ネウボラには以下のようなサービスがあります。