衣服も子どもの発達に影響を及ぼしている!?


服を着ることは子どもの発達を促す

子どもたちがお昼寝をする時に、自分でパジャマに着替えるという取り組みを行っている保育所が増えています。

子どもたちは床に座り、上のパジャマの首を自分の膝の方に向けて床に置きます。そのまま手で首のあたりを持って背中にはおるようにすると、手を通した後に上着の表裏が違ったり上下逆さまに着てしまうことがなく上手に着ることができます。

うまくはおることはできたものの、ボタンをはめる段になってちょっと困ってしまう子もいますが、そこは保育士さんたちが上手にアドバイスをすることでなんとか自分でやり遂げます。子どもたちはパジャマが自分一人できちんと着られたといって得意そうです。

パジャマをはじめ、服の脱ぎ着というのは子どもの発達にとってものすごくプラスになります。手や指の複雑な動きを訓練するにはうってつけだからです。また自分一人でできた、という達成感は子どもたちをより意欲的にさせることができます。
子どもたちが夜寝るときにも、いらいらしないで子どもにやらせてあげることには大きな意味があります。

30年ほど前、NHKで「パジャマでおじゃま」という番組が始まり、子どもたちが悩みながらパジャマを着る姿が人気を呼びました。この番組を企画したプロデューサーは、子どもにパジャマを着させることが子どもにとって知育効果があるということに気づいたといいます。

大人から見ればパジャマを着るというとなんでもないことのように思えますが、例えばパジャマのボタンを間違えずにすべてはめるという行動ではボタンとボタンの穴がそれぞれ対応するという概念が確立されていなければなりませんし、ボタンをはめる順番を理解している必要があるだけでなく、平たいパジャマを体にまとうには立体としての認知力が必要になる、といった具合です。

動物と対比し、人間が特有に行う行動としては、言葉や道具を使うといったものがありますが、この衣服を身につけるという行動もそうした本質的な行動の1つです。子どもがなかなか上手に服を着ることができないといらだつかもしれませんが、そこは自分の子どもが知的な面で成長している過程なのだといったように見方を変えて、楽しんで観察してみてはどうでしょうか。


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