連載記事:「幸せ力」の育て方
男の子と女の子は脳のつくりが違う! 脳と性質に合った子育ての方法(「幸せ力」の育て方 Vol.8)
生まれた時からすでにある程度、男の子と女の子の性質は決まっているようです。なぜ、違いが生まれるのでしょう。
性差の秘密について、発達心理学が専門の内田伸子先生にお話を伺いました。
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知能テストでも、男の子と女の子に違いが出る
「知能テストを行うと、『アのつく言葉をたくさん言って』というような、言葉の流暢さや言語発達を測定する課題は女の子のほうが好成績です。
棒をひっくり返して反対側の溝に倒さずに並べていくような、指先の器用さを測定する課題でも女の子のほうが高得点が出ます。
男の子が得意なのは、心的回転力検査です。異なった角度から見た図形の中で、同じ図形はどれかを当てる検査のことで、頭の中で図形を回転させて考える必要があります。
また、ダーツのように的を狙うものも男の子のほうが得点が出ます」
男の子と女の子では、能力を発揮できる得意分野が違うのですね。
男女の得意分野が違うのは、脳の性質が違うから
「脳の左側(左脳)は理性の脳と呼ばれ、言語や概念、計算を担っています。
右側(右脳)は感性の脳と呼ばれ、地図を読み取ったり、平面から立体を想像したり、音楽を聴くときなどに使います。
感情や気持ちを感じ取るのは右脳ですが、『あ、ママのご機嫌が斜め』というようにラベルを付けるのは左脳の仕事です。
このように右脳と左脳は違う働きをし、互いに協力しあっています。
右脳と左脳が協力しあえるよう、情報を伝えたり制御したりするのが脳梁(のうりょう)という部分です。
脳梁は、脳の成熟が早い女の子の方が大きくなります」
それはなんと、生まれる前に浴びるホルモンの影響なのだそうです。
「妊娠中、男の子になる受精卵(XY型の性染色体)には男性ホルモンが浴びせられ、将来、男の子になるための準備が始まります。
このとき、男性ホルモンの影響によって、成長ホルモンが抑制されるため、身体と脳の成熟が一時的に抑えられます。
その後、相対的に右脳が発達するため、男の子は図形や空間などの認識が得意だと言われています。