日本に古くからある計算方法、そろばん。ご自身が「小学生時代に習っていた」というママも少なくないのでは?
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今でも、小学3年生と4年生の算数ではそろばんを使った学習が必修です。そして、幼児~小学生の習い事としても最近ふたたび注目が高まっているとか。
今回はそんなそろばんについて、効果や教室の選び方、気になる月謝や検定の種類などを幅広くご紹介します。
そろばんは何歳から習えばいいの?
お子さまをそろばん教室に通わせるのは、何歳からがいいのでしょうか?
一般的には幼稚園から小学校低学年くらいの間に始める子供達が多く、教室に通っているお子さまの平均年齢は「9歳くらい」
出典:日本珠算連盟
小学校の算数の授業でそろばんを使うのは3年生と4年生であることを考えても、それより少し前に身に着けさせておきたいと考える保護者の方が多いのかもしれません。
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「小学校入学前から通わせたいけれど、ついていけるかしら?」と心配なときは、お近くの教室の特徴や雰囲気を確認してみてください。
幼児クラスと小学生以上のクラスに分かれている教室もありますし、いろいろな年齢のお子さまが一緒に学習するスタイルの教室では、先輩が面倒を見てくれる仕組みのところもあるようです。お子さまの性格や個性に合いそうな教室を選ぶといいでしょう。
そろばんを習うと、どんな効果がある?
そろばんを習っているお子さまは「計算が早い」といったイメージがありますが、実は他にもさまざまな効果があるといわれています。代表的な4つをご紹介しましょう。
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発想力アップ
そろばんは指先を細かく使うことから、脳を刺激し活性化するといわれています。また、通常の計算では論理や分析をつかさどる左脳を使いますが、そろばんの暗算では、想像力や発想力をつかさどる右脳を使っているという研究結果もあります。このように、そろばんを使った学習は脳の発想力アップにつながるとされています。
集中力アップ
そろばん教室や検定試験では、既定の時間内にたくさんの問題を解きます。たとえば日商(日本商工会議所)主催の公式資格である珠算能力検定試験で一番やさしい6級でも、30分以内に合計50題に解答する必要があります。
特に、小学校低学年くらいまでのお子さまが日常ここまで集中する機会は多くないでしょうから、集中力を高めるチャンスといえます。
注意力アップ
そろばん学習では、ミスをしないよう注意深く数字を読みとる、聴きとるトレーニングを繰り返します。トレーニングを続けることで、とくに数字に関してはそろばん以外の場面でも「うっかり」や「見落とし」をしにくくなる傾向があるようです。
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情報処理能力アップ
そろばんの暗算では、右脳を使って素早く数字を処理し、左脳で正確な数字の情報に変換しているそうです。また、「読上算」という方法では先生が読み上げる数字を正確に聴き取って処理します。
指先の動きに加えてこうして多方面から瞬時に情報を処理するトレーニングをするため、素早く正確に情報処理をする能力アップが期待できます。
そろばん教室について
月謝はどのくらい?
そろばん教室の月謝は地域や教室によってさまざまですが、一般的には5000円~1万円程度が相場のようです。
東京都内の平均的な月謝は6000円(週3回・1回あたり1時間)
出典:日本珠算連盟
月謝とは別に入会金や設備費(寒冷地での暖房費など)、教材費などが別途必要なこともあるので、事前に問い合わせて調べておくといいでしょう。
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週に何回くらい通えばいいの?
通う頻度はご家庭や教室の方針によりますが、ある程度しっかり技能を定着させたい、検定試験に合格したいという場合は小学生で週3回程度通うのが平均的なようです。
教室に通わずにそろばんを習得はできる?
そろばんを習わせたいけれど近くに教室がない、月謝がちょっと……という場合はどうしたらいいのでしょうか?
ご家庭でお子さまに教える場合、テキスト選びと教える頻度がポイントです。お子さま向けのそろばんテキストはいろいろ種類があります。お子さまの年齢や教える側の習熟度などに合うものを選びましょう。
自宅での教え方
たとえば幼児のお子さまに教えたいなら、イラストが多かったりカラフルだったりして楽しい雰囲気のテキストがいいでしょう。教える側がそろばん初心者の場合は、大人も一緒に勉強するつもりでわかりやすい内容のテキストを選びましょう。
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教える頻度も大切です。そろばんのトレーニングは「繰り返し」「長く」続けることに意味があるので、週に1回1時間みっちり教えるより、2日に1回15分~20分など短時間を繰り返すほうが効果的のようです。
ただし、将来的にそろばん教室に通わせたいと考えているなら、独学でスタートすることはおすすすめしないという意見もあります。
というのも、そろばん教室や先生によって指遣いや順番などが微妙に違うことが多いため、最初にクセがついていると結局はじめからやり直すことになるケースもあるからです。
そろばん検定の種類や違いは?
そろばん検定は、実施団体によって大きく2種類に分かれます。2つの団体とは、日本珠算連盟(以下、日珠連)と全国珠算教育連盟(以下、全珠連)です。
簡単にいえば、日珠連は経済団体の日商(日本商工会議所)と関係があり、日商主催の公的資格である「珠算能力検定」の1級~6級検定を実施している団体です。段位認定、7級以下の検定、暗算検定については日珠連が独自におこなっている試験です。
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一方、全珠連は独自の検定試験をおこなっており、試験種目が多いことが特徴です。
レベルとしては、日珠連実施の日商検定のほうが難易度は高いです。一般に、全珠連の2段が日珠連の1級に相当するとされています。
日商検定は難しいものの、「日商簿記」などと同じ公的資格なので、将来の履歴書などにも書ける社会的評価の高い資格です。
日本のそろばん教室のほとんどは、日珠連か全珠連のどちらかに属しています。そろばん教室を選ぶさいには、そこで受けられる検定試験はどちらなのか(両方受けられる教室もあります)チェックしておくといいでしょう。
そろばんは意外とリーズナブル。メリットも大きい
今回は習い事のそろばんについて、効果や費用、検定の種類などをご紹介しました。週に3回で月謝が6000円程度というのは、習い事全体の相場からするとリーズナブルなほうですよね。さまざまな効果も期待できるそろばん。
お子さまの習い事の選択肢の1つとして、検討してみては?
<主要参照URL>
日本珠算連盟HP
珠算検定試験|公益社団法人全国珠算教育連盟HP
小学校学習指導要領解説算数編(前半)|文部科学省
そろばんで計算|そろばん普及委員会