「子どもをほめる」ことの副作用にご用心!【子どもが伸びる「アドラー式子育て」2】
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「子どもはほめて伸ばすのがいい」とさまざまなところで言われていますが、じつは「『ほめ』には副作用がある」って知っていましたか?
「ほめるとは『結果』を評価すること」と話すのは
原田綾子さん。これまでアドラー心理学を取り入れ、1万5000人以上のママを勇気づけてきた勇気づけ親子教育専門家です。
しかし、ほめないと自信がない子に育ってしまいそうで、心配に思うママも多いことでしょう。そんな不安なママに原田さんから「子どもが安心して自信が持てるようになる方法」を教えていただきました。
「自分から行動できる子」を育てるには? 【子どもが伸びる「アドラー式子育て」1】の続きです。
※アドラー心理学とは
ウィーン生まれの医師、アルフレッド・アドラー(1870~1937年)が提唱し、後継者たちが発展させてきた心理学。フロイト、ユングと並ぶ三大巨匠。軍医として第一次世界大戦に関わったアドラーは「二度と戦争を起こさないために人間の心を変えなければならない」と考え、お互いに尊敬し、信頼し合う「よこの関係」を結び、圧力や暴力ではない民主的な方法で問題を解決することを提唱しました。
■親子関係って“タテ?” “ヨコ?”
「ほめ」の是非を考える前に、まずは親子の関係について考えてみましょう。
「なんで着替えてって何度も言ってるのにやらないの?」「いまは遊ぶ時間じゃないでしょ。
ごはんだから片付けなさい!」などと、毎日のように小言を言ってうんざりしていませんか?
「毎日の育児で子どもに注意ばかりしていると、ママも疲れてしまいますよね。ちょっと立ち止まって、
親子の関係を見直してみるといいかもしれませんね。
親子の関係は一見“タテ”のように思えるかもしれませんが、アドラー心理学によれば“ヨコ”なんです。親が一方的に決めたことに子どもが従う『主従関係』ではなく、
お互いの考えを尊重し合う『対等な関係』。年齢や家族の中での役割は違っても、存在価値は同じという考え方です」と原田さんはいいます。
ちなみに、『なあなあ』の関係になりがちな「友達親子」とは異なります。
「たとえば、ママ自身が帰宅してすぐパパに『食事の用意を早くして!』『家が散らかっているじゃないか!』と言われたらどんな気分でしょうか? 一方的に言われると、『いまからやろうと思っていたのに~!』とやる気をなくしますよね。
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子どももそれと同じなんです。
だから、子どもが言うことを聞かないからといって、一方的に親の考えを押しつけるのではなく、まずは
子どもの考えを聞くといいですね」と原田さん。