連載記事:“生まれ順”で子育てまるわかり!
「きょうだい型」あなたはどのタイプ? 子育てのモヤモヤ・イライラの答えがここに【“生まれ順”で子育てまるわかり! 第1回】
■親の期待が大きい「長子」「一人っ子」、注目度が低い「中間子」「末子」
「次は、それぞれの具体的な性格を知るために、下の図を見てください。生まれた時点で一人である『長子』『一人っ子』には、
親からの期待や注目が大きく降り注ぎます。なので、このグループは、おおむね
真面目な生き方をせざるを得ません。
一方、『中間子』『末子』は親からの注目度が低く、さらに上にはきょうだいがいる環境に生まれます。なので、このグループは
空気を読んだり周囲との調和を重んじる性格に育ちます。
こうして『生まれ順』と『親からの影響』という2つの要素がかけ合わさって、4つの『きょうだい型』の性格が決定するのです」(五百田さん)
これを踏まえて、五百田さんは、それぞれの「きょうだい型」の性格を、下記のように分析しました。
・「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と、下のきょうだいの面倒を任せられることによって、責任感を身につける“きまじめな王様”「長子」。
・生まれたときから兄姉という前例を見ながら、要領よく甘え上手に育つ “したたかなアイドル”「末っ子」。
・上と下に挟まれ、自分のアイデンティティを模索し続ける “永遠の思春期”「中間子」。
・親の愛を一身に受け、ひたすら天真爛漫に成長する “マイペースな天才肌”「一人っ子」。
■「きょうだい型」にプラスα! 性格を形成する「4つの外部要因」
もちろん、この要素だけで性格が決定するわけではありません。ほかにも、性格を微修正する外部要因があるといいます。
「外部要因は、以下の4つ。
・年齢差
・性別
・家庭環境や親の教育方針
・家庭以外のコミュニティ
きょうだい間の影響は、3~5歳差がもっとも強く表れます。逆に、歳が離れすぎている場合は、それぞれが「一人っ子」のような状態になります。
ちなみに、双子の場合はきょうだいの上下関係は希薄で、「2人で1人」のような特殊な関係を築くようです。
年子の場合も、年齢差が小さいため上下関係が薄く、双子に似た形態になります。年が近いため、何かと比べられがちな両者ですが、双子のほうがよりお互いを意識し特別な存在だと感じがちです。
家庭環境や親の教育方針という点では、例えば、祖父母などと同居している場合や、親が子どもに対して独自の教育を行っていたり、男尊女卑(その逆も同様)などの特殊な価値観がある場合は状況が変わってくるでしょう。
また、子どもは家庭だけで育つわけではありません。外部に濃いコミュニティを持つことで当然状況は変わってきます」(五百田さん)
■夫や子どもへの理解が深まる「コミュニケーション・ガイドツール」
「こうした『きょうだい型』を提案していると、時々、読者の方から『ステレオタイプ化するのは良くない』と言ったご指摘をいただくこともあります。
ですが、私が『きょうだい型』の話で伝えたいのは、他人の性格を決めつけたり、ステレオタイプ化することではなく、自分自身や周囲の人へ理解を深めるための
ガイドツールとして役立ててほしい、という思いです。
例えば、なぜかうまくいかない夫とのコミュニケーションや、わが子の子育てにおいて、『ウチの夫、なんでこんなに気が回らないのかわからなかったけど、こういう環境で育ってきたからなんだ』とか『この子はこういう個性なんだ』などというふうに理解につながりますよね。
『きょうだい型』を手がかりに、家庭での相手の立場や育ち方を想像することができ、相手の行動原理がわかります。
それにより、
コミュニケーションがより円滑になるのではないでしょうか?」(五百田さん)
五百田さんが提唱する「きょうだい型」の原理がわかったところで、次回からは、「長子」「中間子」「末子」「一人っ子」に分けた4つの「きょうだい型」について、それぞれの特徴や上手な育て方、さらにはお母さんと子どもの相性などについてご紹介していきましょう。
取材・文/まちとこ出版社N
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