連載記事:“生まれ順”で子育てまるわかり!
中間子とはどんな性格? 愛情不足にならない接し方【“生まれ順”で子育てまるわかり! 第4回】
■「中間子」には“ほかの子より5割増し”の愛情を注ぐイメージで
―― 私の周囲に、男の子3人きょうだいのお母さんがいて、「真ん中の子は、負けず嫌いで自己主張が激しく、一番扱いにくい」とこぼしていました。何か良いアドバイスはありますか?
五百田さん:「中間子」は愛情のエアポケットに陥りやすいので、ほかのきょうだいよりも5割増しくらいの愛情を注ぐイメージで接してあげてください。「この子だけちょっとひいきしてあげよう」くらいの比重で愛情を注ぐと、「中間子」はそこで初めて、平等に扱われていると感じられると思いますよ。
ほかのきょうだいに比べて、「中間子」はお母さんをひとり占めできる期間が短すぎるんです。だから、時にはお母さんと2人だけで遊びに行ったり、「自分は特別なんだ!」と思えるくらい、べったり過ごしてあげてください。
―― 先に言ってしまいますが、この相談者のお母さん、実は同じ「中間子」なんです。先生の理論では、同じ「きょうだい型」は理解しやすいとあり、今までの相談ではまさにその通りでしたが、「中間子」ばかりは、なかなか一筋縄ではいかないのですね…。
五百田さん:さまざまな方々にインタビューをしてきましたが、やはり「中間子」が一番むずかしいと感じています。
特に、この例は、同性の男の子3人きょうだいなので、ますます「中間子」への関心は薄くなっているはず。
こじらせると、「いつも自分だけ割を食っている」という被害者意識を募らせる危険性もあるので、相談者のお母さんはしっかり「中間子」との時間を確保して、甘えさせてほしいですね。ただでさえ愛情をいっぱい受けている「長子」と「末子」は、多少放っておいても大丈夫ですから(笑)。
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―― そうかもしれませんね(笑)。では、そんな難しい気質の「中間子」がうれしくなってしまうような、ほめ言葉はありますか?
五百田さん:「中間子」は常に周囲との関係性でものを考えるので、「うらやましい」とほめるのが効果的です。「〇〇ちゃんのママがすごいって言っていたよ」などと、他人を引き合いに出してほめるのも心に刺さります。逆に、単に「すごい」「えらい」などとほめても、客観的な評価は「中間子」にはあまり刺さりません。
―― では、叱る時に効果的な言葉は?
五百田さん:「もっとできるはず」という言葉です。
「中間子」を叱る時には工夫が必要。頭ごなしに叱っても機嫌を損ねるだけで耳に入りません。「あなたには期待しているの。もっとできるはずだから厳しいことを言うのよ」と、お母さんの愛情を込め、自分は期待されているという実感を持たせることが大切です。
愛情のエアポケットに陥りがちな「中間子」。常に上と下に挟まれて中間管理職のようなポジションにいるので、時には、お母さんがえこひいきするくらいの感じで接してあげてちょうど良いようです。
次回は、「一人っ子」についてうかがいます。
取材・文/まちとこ出版社N
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