「子どもがきれいな字になる」秘訣は? 字がととのう鉛筆の持ち方と声がけ


■「少し太め」な筆記具が正しく持つ習慣づけの近道

――未就学児の場合、使う筆記具はどんなものが良いでしょう。

竹内先生:そうですね。まず未就学のお子さんは少し太めの色鉛筆や筆記具を持たせてあげると良いでしょう。未発達な小さな手で細い筆記具を持つと安定しません。細いと、おそらくギュッと握ってしまうことが多いかと思いますが、それだと筆圧の強いクセ字になりやすくなります。

親指で握り込むことが習慣になってしまうので、筆記具が大変動きづらくなってしまうんですね。それは、字を書くうえで、あまり好ましくありません。

――少し太めのものが良いんですね。
そういえば息子がまだ小さい時に細いペンでお絵描きさせていたら、握りすぎるのか手首を内側に丸め込むように書いていたことがありました。今はそのクセが出ていませんが、習慣にならなくて良かった…!(冷や汗)


竹内先生:きっとペンが細すぎて安定しなかったのかもしれませんね。軸がやや太めの色鉛筆や筆ペンで遊ばせると、筆圧の変化もわかり、さらに正しい持ち方も身につきやすくなるのでぜひ意識してみてほしいと思います。

■子どものやる気を引き出す「奥の手・声がけ」

「子どもがきれいな字になる」秘訣は? 字がととのう鉛筆の持ち方と声がけ

『きれいなひらがなが書けるようになる本』より(主婦の友社提供)


――先生。実は私、子どもの汚い字を目にするとつい「これダメだよ~!」とか「覚えるためにたくさん書きなさい」とか言い方がキツくなってしまうんです。それで子どもがやる気をなくしたりすることもあって…。本人のやる気を引き出す声がけの仕方ってあるのでしょうか?

竹内先生:そうですね。実は大人でも、大きくゆるめられる鉛筆の持ち方ができていない人は少なくありません。
だから、お子さんが字を書く時に「ママも一緒に書こうかな」とお母さんも自分の持ち方を見直してみてはいかがでしょう。一緒に鉛筆を正しく持ってフリフリしていると、子どもも「ママも書いてる!」と意識が変わってくるかもしれません。

――一緒にやると、子どもって喜びますよね(笑)。私もゆるめられる持ち方をしていなかったので、子どもが字を書く時、正しい持ち方を意識して一緒に字を書いてみようと思います!

竹内先生:あとは「鉛筆がよく動いているね」「小指も動いているわね」など、手の動きに注目してほめてあげると良いですね。私たち大人も何かするたびに注意されたらイヤになりますよね。「ほら、また!」などと強い口調での声がけは避け、良くできたところをほめてあげてほしいです。

■子どもが「字」に興味を持つようになる意外な方法は?

――息子に字を書くのが苦手な理由を聞いてみると「書くのが面倒」なんだそうです。字そのものに興味を持ってほしいと思うのですが、おすすめの方法などはありますか?

竹内先生:それなら「字が読めたり書けたりすると楽しい」という経験をさせてあげると良いかもしれません。
絵本を読んでもらったことのあるお子さんも多いと思いますが、それが自分で読めるようになったら自信につながるのではないでしょうか。書くだけじゃなく、読めることも字とのふれあいになります。

――なるほど! 「書かせる」ことにこだわらなくても良いんですね。

竹内先生:そうですね。まだ小さくて字を書けなくても、子どもはしっかり記憶しています。この“記憶の期間”は、字形を覚えるチャンス。「はらい」などがはっきり理解しやすい字を選び、家の中の目に付くところに貼りましょう。ひらがななどが印字されている積み木で、ママと一緒に遊ぶのもおすすめです。
遊びながら自然に字形を楽しく覚えることができると思います。


「何歳からでもきれいな字は書けるようになる」という竹内みやこ先生。正しい持ち方と筆圧を意識すれば、字をきれいに書くことは難しくないと実感でき、ホッとしました。私と同じく「子どもの字が汚くて…」と悩んでいるママも、子どもと一緒にきれいな字を目指していけるといいですね!

参考図書:
「きれいなひらがなが書けるようになる本」(主婦の友社)
「子どもがきれいな字になる」秘訣は? 字がととのう鉛筆の持ち方と声がけ
著者 竹内 みや子
縦線を書くときに必要な「パー・グー」の手の動き、横線を書くときに必要な「シュッシュッ」という横への指の動作、曲線を書くときに必要な「クルクル」という手の円運動。これらの動きと正しい持ち方、筆圧をマスターすれば何歳からでもきれいな字が書けるようになることを紹介した一冊。



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