引っ込み思案な子供が変わる「とっておきの絵本」とは?
「この子、人と関わるのが苦手なのかな?」わが子の消極的な姿を見ると、それが個性とわかっていても不安になることがあります。
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世界No2の営業ウーマンに上り詰め、現在は作家・営業コンサルタントとして活躍する和田裕美さんも、幼い頃は引っ込み思案な性格だったそう。そんな和田さんを強くしてくれたものとは? 和田さんの著書で、道徳の教科書(※)に掲載されて話題になった絵本のリニューアル版『ぼくは ちいさくて しろい(クラーケン刊)』からご紹介します。
■短所を長所に変える思考術
絵本の主人公は小さくて白い、ひとりぼっちのペンギン。仲間と違う容姿や能力に悩みます。そんなときにどこからともなく聞こえて来たのが、心の中に宿る今は亡き母ペンギンの声。
「おかあさん おかあさん どうして ぼくは
ほかのこよりも はしるのがおそいの?」
「それはね まえをはしっていたら
うしろのこがころんでも きがつかないでしょう。
あなたは ほかのだれかが ころんだら おこしてあげるやくめなの」
出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)P9-10より
「でも ぼくは いまたったひとりで さびしいよ」
「さびしいのは ほかのひとの さびしさを まなぶためなの」
出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)P13より
そう、母ペンギンは容姿はもちろん、環境や状況も決して否定することなくポジティブに捉えて子ペンギンに語りかけるのです。
これがまさに和田さんが実際に亡きお母さんから受け継いだ教え。見方をちょっと変えて短所を長所に変えていく思考は、和田さんが現在でも「陽転思考」としてセミナーや著書で広く伝えているものです。その教えがこの絵本には踏襲されています。
何をするのも遅くてノロマだった和田さんにお母さんは「ゆっくりなのは大物になる証拠だね」「なんでもゆっくり、遅いことも余裕があっていいことだ」と、自信をなくしているときこそ「それがあなたの良いところ」と認めてくれたのだといいます。
そのたったひと言が和田さんの心に小さな明かりを灯し、その後の人生を支え続けます。
「ダメな私にもちょっとはいいところがあるんだ」と気づいて強くなれました。それが私の素となり、いまの私につながっています。
出典:『ぼくは ちいさくて しろい』(クラーケン刊)あとがきより