連載記事:あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人
子どもに言ってはいけない「なんで○○するの?」声がけは“愛情より戦略”【あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人 第3回】
■「そうだね、すごいね」ママの共感が子どもを育てる
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――つい怒ってしまいそうな場面でも、前向きな声がけを意識するのですね。さっそく実践してみます! ちなみに、子どもの実力や個性を伸ばすOKワードはありますか?
五百田さん:特別これといったワードはありませんが、子どもの自信につながるコミュニケーションの取り方はあります。それは、子どもをよく見て、最後まできちんと話を聞いてあげること。
保育園や幼稚園でのエピソードや好きなキャラクターのことなど、大人にはたいした内容ではなくても、子どもにとっては重大な話題です。子どもが話しかけてきたら、適当に対応するのではなく、しっかり顔を見ながら最後まで話を聞いてあげてください。子どもも、大人と同様に誰かに共感してほしいのです。
このとき、「そうだね」「すごいね」などの言葉をかけてあげると◎。お母さんは僕・私に共感してくれるという安心感は、心の安定をもたらし、結果として自信につながるのです。
余談ですが、子どもはなにか上手にできると「ママ、見てー」と何度でも言ってきますね。お母さんもやることがたくさんあって大変かと思いますが、そこは忍耐が必要です! 鉄棒だったり折り紙だったり、子どもが自信をもってなにかに取り組んでいるときは笑顔で見守り、そして一言「すごいねー」と褒めてあげてください。
子どもとのコニュニケーションにおいて“聞く”姿勢も大切ですが、“見守る”姿勢も大切です。
――最後に、子どもとの会話で心がけるべきはどのような点でしょう?
五百田さん:子どもとコミュニケーションをとるうえで愛情が第一だと思われがちですが、それはちょっと違う気がします。愛情を前面に出しすぎると、どうしても感情的になってしまい、場合によってはコントロールがきかなくなってしまいます。ヒステリックになってしまうんですね。
我が子は愛すべき存在だからこそ、あえて戦略的に向き合うのが大切。良好な親子関係を築くためにも、意識して得する言葉を選び、そして心から褒めてあげる。
このバランスがポイントになってくるのです。
子どもと会話するたびに感情的になっていたら、たしかにママも疲れてしまいますね。大人ならではの知恵を上手に使って、戦略的に言葉を選ぶ。これは試してみる価値がありそうです!
参考図書:
『話し方で損する人 得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ベストセラー著者であり、話し方のプロフェッショナルである五百田氏渾身の話し方の決定版。話し方のちょっとした違いで、「損する人」にも「得する人」にもなる。よかれと思ってやっていたこと、ダメだなと思いつつ言ってしまっていること、その「損する話し方」を「得する話し方に」変えるだけで、こじれていた人間関係が改善したり、あたらしい出会いが広がる!? 本書では、各項目で「損」「得」2つの話し方を紹介。
取材・文/長谷部美佐