連載記事:パパ小児科医の子ども健康事典
【医師監修】節分の豆で肺炎?「こわい子どもの誤えん」<パパ小児科医の子ども健康事典 第12話>
誤えんだけじゃない!「子どもは鼻や耳にも入れる」
イラスト:ぺぷり
豆を与えるのは4歳を目安にとお伝えしましたが、それ以上の年齢となる年長児などには別の注意が必要です。
好奇心旺盛な子どもたちは、なぜか豆を鼻や耳の穴に入れたがります。危険なこととして教えることはもちろんですが、もしもの時は自分でとろうとせず耳鼻咽喉科に相談してください。
ちなみに大人の方も誤えんに気をつけてくださいね。節分の豆を誤えんすることはあまりないでしょうが、大きな恵方巻きにかぶりついてむせ、食べたものが気管へ…ということはあります。
子どもの誤えん「豆以外にも要注意」
子どもは、豆以外にもいろいろなものを誤えんします。
とくに、豆と同じように丸くてつるっとしたものは詰まりやすいです。例えば、お弁当の定番、プチトマト。丸くてつるっとしているために、窒息が起こりやすい食品です。
小さい子どもに食べさせる時は半分にする、十字に切れ込みを入れて口の中でつぶれるようにするなどの対策をしてください。ブドウも同様に詰まりやすいので、同様に切れ込みなどを入れてください。
意外と盲点なのがクランチチョコレートです。ナッツなどが含まれているので、歩き食べなどをしていると、何かの拍子に誤えんしてしまうことがありますから注意してください。
子どもは、食べ物だけではなく小さいおもちゃなども口にするので、誤飲も心配ですね。3歳の赤ちゃんが口を開けた時の最大口径は約39mm。この大きさ以下なら、誤って飲み込んでしまいます。
一般社団法人日本家族計画協会が作成した
『誤飲チェッカー』(https://www.jfpa.or.jp/mother_child/prevent/002.html)は、子どもが誤飲する可能性のあるものをチェックすることができます。
誤飲チェッカーがなくても、トイレットペーパーの芯は直径が約38mm大ですので、ここに入るかどうかで簡易的に誤飲の可能性があるものを調べることができます。
1年に1回やってくる節分は、子どもの頃からなんとなく思い出として残っています。鬼に豆をぶつけるのが仕事だった私も、最近は鬼役として子どもたちから追い回される役に徹しています。
せっかく厄を払い、福を招くイベントですので、この記事のちょっとしたチェックポイントを参考に楽しい節分にしてくださいね。
参考資料
※ 「Choking Prevention」healthy children.org(American Academy of Pediatrics)
https://www.healthychildren.org/English/health-issues/injuries-emergencies/Pages/Choking-Prevention.aspx