連載記事:パパ小児科医の子ども健康事典

【医師監修】子どもの花粉症「この鼻水はカゼ? アレルギー?」<パパ小児科医の子ども健康事典 第13話>

パパ小児科医の子ども健康事典

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Twitterでも人気! 小児科医であり2児のパパでもある、パパ小児科医(ぱぱしょー)さんが、子どもの健康を守るための「ちょっとしたこと」について教える連載。子どもの病気に関する知識や、大きな事故の…

【医師監修】子どもの花粉症「この鼻水はカゼ? アレルギー?」<パパ小児科医の子ども健康事典 第13話>

イラスト:ぺぷり


2月になってスギ花粉が飛び始め、花粉症の人にとって憂鬱(ゆううつ)な季節に入ってきました。子どもでも花粉症になることもあり、小児科や耳鼻科に受診する子も増えてきそうです。

今回は、子どもの花粉症およびアレルギー性鼻炎について解説します。

■花粉症の見分け方「この鼻水はカゼ? それともアレルギー?」

花粉症の症状のひとつ、鼻水は小児科で最も多く見かける症状です。その中でも多い疑問のひとつが、「ずっと鼻水が続いている。花粉症ですか? カゼですか?」というものです

簡単に区別することはできませんが、まず前提として、鼻水は生理的に出て当たり前ということを知っておいてください。

鼻水が出たからといって、必ずしもカゼや花粉症というわけではありません。何もなくても少量出ることがあり、とくに鼻の通り道の狭い乳児であれば、生理的な鼻水でもつまって鼻がフガフガすることがあります。


では、カゼの鼻水と花粉症の鼻水は、それぞれどういった特徴があるのでしょうか?

まず、カゼの鼻水は症状のピークが2~3日で、ときにせきや発熱をともないます。おおむね1週間ほどで改善傾向となり、2週間もすれば出なくなるでしょう。

一方、花粉症はスギなど特定の花粉にアレルギー反応を起こすもので、季節性アレルギー性鼻炎(結膜炎)といいます。花粉などに反応し、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を引き起こします。

そのほか、ダニや動物の毛など季節に関係なく身の回りにあるものに対して反応する通年性アレルギー性鼻炎(結膜炎)もあります。

花粉症であれば特定の季節に悪化することが特徴で、その期間の症状には変動があまりなく、ずっと続く点がカゼとは異なるところです。

例えば、毎年春先にダラダラと3週間、鼻水や鼻づまりが続くようであれば花粉症の可能性が高い症状と考えます。

また、一般的に花粉症の鼻水は透明でサラサラです。
熱もなく元気だけど、サラサラの鼻水だけずっと出続ける場合も花粉症の可能性が高くなります。

ただ、花粉症の途中でカゼをひき、鼻水がドロドロになるなど症状が変動することもあるため、一概に鼻水だけでは区別できないことも多いです。

そのほか、花粉症の症状としては、よくさわることで鼻に湿疹ができていたり、鼻にティッシュや指を入れることが多いために鼻血を繰り返している、目の周囲に黒いくまができやすいことも特徴にあげられます。

子どもでも花粉症になるの? と思われるかもしれませんが、スギ花粉については5~9歳の有病率は13.7%(※1)と頻度の高いものです。

2歳以下での発症は少なく、とくに1歳未満では稀(まれ)です。この年齢でずっと鼻水が続く場合は、カゼが長引いている可能性のほうが高いと考えてください。


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