母乳、粉ミルクのそれぞれにメリットとデメリットがあるので、うまく使い分けることが大切です。粉ミルクの基本の作り方や選び方のポイントについてご紹介します。
粉ミルクと母乳に違いはある?
『粉ミルク』を選ぶか『母乳』を選ぶかは人によって意見が分かれているので、困っている人も多いのではないでしょうか?
栄養面から見ればどちらでも大丈夫
まず、非常に気になるポイントともいえる『栄養面』については、結論からいえば、粉ミルク・母乳ともに大きな差はありません。
成分量まで完全に同じということはありませんが、赤ちゃんが成長していくために必要な『タンパク質』『脂質』『オリゴ糖』などは、母乳と粉ミルクの両方に含まれています。
母乳育児を推奨されやすいため、粉ミルクを使うことに抵抗を覚える人もいるかもしれませんが、自分の体調が優れないときにまで無理して母乳にこだわる必要はありません。
母乳と粉ミルクの栄養面は変わらないため、安心してうまく使い分けるとよいでしょう。
それぞれにメリットデメリットがある
粉ミルクが母乳よりよいとされた時代もあったのですが、最近は「母乳がいい」という情報が多かったりと悩んでいる方も少なくありません。
『母乳か粉ミルクか』ではなく、どちらにもメリットとデメリットがあります。母親の体調や状況に応じて、柔軟に使い分けましょう。
まず『母乳』のメリット・デメリットをチェックしてみましょう。
- 母体から作り出されるため、ミルク代がかからない
- 母乳のもつ免疫力は様々な感染症を予防すると言われている
- 乳首が切れる、乳腺が詰まるなどのトラブルが起こりやすい
続いて、『粉ミルク』のメリット・デメリットです。
- 母乳ではないため、母親以外の人でもミルクをあげられる
- 粉ミルク代や哺乳瓶代など、費用がかかる
- 都度、洗浄や煮沸消毒などの手間がかかる
このように、母乳・粉ミルクのどちらかだけが万能ということはありません。母乳はよいものですが、母乳は出にくい人もいます。助産師さんや周囲の人に「母乳じゃないと」という価値観を押し付けられ、つらい思いをしている人がいたら「無理をして母乳をあげる必要はない」とお伝えしたいです。
粉ミルクを選ぶ際の基準はある?
また、赤ちゃんに飲ませる『粉ミルク』は、少しでも「子どもにとってよい物を選びたい!」と思うのが、親心ではないでしょうか。さまざまな粉ミルクの中から、どのような点を重視すべきかチェックしていきましょう。
成分はあまり気にする必要なし
たくさんのメーカーから販売されている『粉ミルク』ですが、含まれている成分に大きな違いはありません。
粉ミルクは、タンパク質や脂質・炭水化物をはじめとし、ビタミン・亜鉛・カルシウム・鉄から成り立っており、赤ちゃんの成長をきちんとサポートできるようになっています。
日本の育児用粉ミルクであれば、どの粉ミルクを選んでも心配はいりません。粉ミルクの成分だけで選ぼうとせずに、使用用途や月齢にポイントを置くようにしましょう。
使いやすいタイプで選ぶ
粉ミルクを選ぶ際には『どのような目的で使うか』を把握しておくことが大切です。粉ミルクには、大きく以下の種類があります。
『缶タイプ』は、一般的によく見かける粉ミルクです。普段使いはもちろん、体調不良時や震災時など、いざというときに慌てないよう常備しておくと安心でしょう。
『スティックタイプ』は、粉ミルクが個別包装になっています。必要な分だけを手軽に持ち運べるため、外出時や旅行のときに便利なアイテムです。
『キューブタイプ』は、キューブ状になった粉ミルクをカレーのルウのように溶かして使います。粉ミルクを作るときに量りがいらないため、粉ミルクを作り慣れていない人でも簡単にミルクを作れます。
月齢で選ぶのも大切
『粉ミルクが赤ちゃんの月齢に合っているかどうか』も、必ずチェックしましょう。
見た目にはどれも同じように見える粉ミルクですが、月齢に合わせて成分量を変えるなどの調整が施されています。
例えば、一般的に粉ミルクには大きく2種類あり『新生児用』と、離乳食を食べ始める『生後9カ月以降用』などがあります。
子どもの成長に合わせた粉ミルクが販売されていることも覚えておきましょう。
粉ミルクはどう扱うのが正解?
慣れてしまえば簡単な粉ミルク作りも、最初のうちは苦戦するものです。初めての人にもおすすめの基本的な粉ミルクの作り方をチェックしていきましょう。保存方法についても紹介します。
量・温度など基本的な作り方
大人が食べたり飲んだりする物であれば、多少温度が熱かったとしても我慢できますが、赤ちゃんとなればそうはいきません。
粉ミルクを作るときの適正な量や温度を確認し、基本的な作り方をマスターしましょう。まずは以下の物を用意します。
- 粉ミルク
- 哺乳瓶
- お湯(70℃)
- 湯さまし
- 計量スプーン(粉ミルクに付属の物)
次に、作り方をチェックしましょう。
- 哺乳瓶の煮沸消毒を行う
- 消毒が済んだ哺乳瓶に計量スプーンで粉ミルクを入れる
- 3/2までお湯(70℃)を注ぎ入れ、キャップを閉じてゆっくりと振り混ぜる
- 混ぜ切ったことを確認し、1/3ほど湯さましを追加して振り混ぜる
以上で粉ミルクの完成です。
最初のうちは時間がかかってしまうかもしれませんが、作り方を覚えれば簡単な作業です。ママだけではなくパパにも覚えてもらって、家族全員で育児をサポートできるとよいでしょう。
粉ミルクの保存方法
粉ミルクは、粒子が細かくさらさらとして保存がしにくいように思う人もいるのではないでしょうか?
粉ミルクの保存方法は、『ふたをしっかりと閉めて、直射日光の当たらない場所で保管する』だけで、特別な作業は必要ありません。
また、粉ミルクの質感を保つために、保管に『冷蔵庫』を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、冷蔵庫の使用は控えましょう。
冷蔵庫と室内の温度差で水分が吸着しやすく、水分が生まれることでカビが発生しやすくなり、雑菌を赤ちゃんの体内に取り込んでしまう可能性があります。
粉ミルクのシンプルな保存方法に心配になってしまうかもしれませんが、『ふたを閉じて、直射日光に当たらない場所で保管する』だけで十分であると覚えておくようにしましょう。
アレルギーが心配な場合
赤ちゃんに何かしらアレルギーの反応があった場合、使う食材一つ一つが心配になりますよね。全ての赤ちゃんにアレルギーが起こらないとはいえませんが、アレルギーがある赤ちゃんのための粉ミルクもあります。
アレルギー対策用粉ミルクをチョイス
アレルギーを起こしやすいとされている『卵』や『大豆』はもちろん、『ミルク』そのものにアレルギーを持っていても、飲める粉ミルクが数多く販売されています。
こうした『アレルギー対策粉ミルク』も、薬局やドラッグストアなどで手軽に購入できます。各大手メーカーから販売されているため、安心感もあるでしょう。
ただし、『アレルギー対策粉ミルク』であっても全ての赤ちゃんにアレルギーが起こらないという保証はありません。
初めて飲ませるときやアレルギーの発作が強い場合などは、医者の指示を仰ぐことが大切です。
オーガニックな粉ミルクもある
化学物質を使わない『オーガニックな粉ミルク』も、アレルギー対策用粉ミルクとしておすすめです。オーガニック製品の場合、日本よりも海外の物が主流です。
市販の物よりは確かに手に入りにくいですが、今はネットから簡単に注文できますよ。市販の粉ミルクよりは割高になってしまいますが、気になる人は1度チェックしてみましょう。
オーガニックの粉ミルクは、単純に『添加物を使わない』といったことだけではなく、独自の安全基準を設けていることがほとんどです。
育児の合間に、国やメーカーによってどのような違いがあるかを見てみても楽しいでしょう。
おすすめの粉ミルク3選
初めて粉ミルクを購入しようと思うと、種類の多さにきっと驚くことでしょう。初めて粉ミルクを購入する人や「結局どれがよいのか分からない!」という人に向けた、おすすめの粉ミルクを3つ紹介します。
国産初の粉ミルクブランドから はいはい
国産の粉ミルクを選ぶなら、やはり大手メーカーで歴史の長い製品に安心感を覚える人も多いのではないでしょうか?
そんな人には、『和光堂 はいはい』がおすすめです。
『はいはい』は、限りなく母乳に近しい成分で作られているため、基本的には母乳育児派の人であっても安心して使えるブランドです。また、国産初の粉ミルクブランドで高い信頼感がありながらも、安価に手に入ることもうれしいポイントですね。
甘すぎないからたくさん飲める ぴゅあ
『雪印メグミルク』からは、粉ミルク『ぴゅあ』が販売されています。
一口に『粉ミルク』といっても実は味はさまざまで、『ぴゅあ』の特徴は『甘さが控えめな点』です。
粉ミルクだと飲まなくなってしまう赤ちゃんであっても、「粉ミルクのブランドを変えてみると、しっかりと飲んでくれるようになった!」という例もありますよ。
甘すぎずごくごく飲めるので、ミルクを多く飲む赤ちゃんにもおすすめです。
初乳に近付けた はぐくみ
『初乳』の成分に近付けた粉ミルクが『森永乳業 はぐくみ』です。初乳のように赤ちゃんの成長を促す成分にとことんこだわっていることがポイントです。
ベーシックな缶タイプはもちろん、お出かけに便利な『スティックタイプ』なども販売されています。使用用途に合わせた粉ミルクを選びましょう。
赤ちゃんに合った粉ミルクを選んであげよう
現在の粉ミルクは母乳の成分とほぼ変わらない栄養価があるだけではなく、お出かけのときにも持ち運べるスティックタイプなど、さまざまなシーンで便利に使えます。
大切なわが子だからこそ母乳育児で頑張るママも多いですが、育児には体力も時間もかかります。
自分の体調や状況に合わせて、母乳と粉ミルクを上手に使い分けましょう。
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