2019年10月31日 20:00|ウーマンエキサイト

【医師監修】突発性発疹はどんな病気? 保育園はいつから行ける?


■突発性発疹になったらいつから保育園に行ける?

【医師監修】突発性発疹はどんな病気? 保育園はいつから行ける?

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▼解熱後1日以上経過で発疹があっても登園OK


突発性発疹は自然治癒でき、病院の治療証明が必要な病気ではないため、家で様子を見ているママも多いことでしょう。そこで気になるのが、「子どもはいつ頃から登園できるのか」ということだと思います。

これは、高熱が下がり、全身状態が良くなったら登園可能です。

突発性発疹にかかった後について、厚生労働省からもガイドラインが出ていて、「解熱し機嫌が良く全身状態が良い」場合は登園が認められる、としています。

全身の状態が良く、機嫌がいい場合は保育園に行って問題はないです。しかし、園によっては、発疹があると登園は難しいと判断される可能性もあります。もし心配な場合は、保育園の先生に相談してみるといいでしょう。

参照サイト:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」



▼登園許可証は必要? 不要?


登園時に気になることとして、突発性発疹で登園許可証は必要かどうかがあります。
ママもパパも働いていると長くは保育園を休ませられないという事情もあるでしょう。

登園について、日本小児科学会では「症状が改善したら登園が可能」としています。基本的には登園許可証も不要です。しかし、保育園によってルールなどが異なる場合がありますので、担当の先生にお話を聞いてみるのが一番確実ですね。

▼突発性発疹後保育園でプールに入れる?


突発性発疹後の保育園でのプールは入って構いません。突発性発疹は熱が出ているとき以外は感染力が弱いので、例えば発疹が出ていてもプールは入ること自体は可能です。ただし、発熱中のプールは控えましょう。

ちなみにお風呂は、お熱があっても様子をみて元気そうであれば、ぬるめのシャワーくらいなら問題ありません。
疲れない程度の汗を流したり、体を拭いたりすることはいいでしょう。

参照サイト:日本小児科学会 「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」(2019年7月改訂版)



■突発性発疹になったら気をつけたいこと

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▼突発性発疹の合併症


突発性発疹の合併症として、知識として知っておいたほうがよいことに「急性脳症」と「熱性けいれん」があります。

急性脳症とは、何らかの原因で脳がむくんでしまい脳機能が障害されて、けいれんや意識障害が起きる状態です。突発性発疹から脳症になることはまれで、年間に70人から100人ほどが報告されています。めったに起きませんが、その可能性もあることは情報として知っていてもよいでしょう。

主な症状は意識障害(意識がもうろうとして、刺激をしても話しかけても反応がない状態)で、けいれん(手足がふるえて硬直し、白目をむいて、話にも反応しない状態)や麻痺(まひ)、発熱が現れることがあります。これらはもとの発症した病気によって出る症状が異なります。

急性脳症はどの年齢でも発症する可能性がありますが、乳幼児期の頻度がもっとも高いです。乳幼児の脳症の原因病原体としては突発性発疹の原因ウイルスとインフルエンザウイルスが比較的多く、マイコプラズマなどが原因となることもあります。


万が一、急性脳症になると、残念ながら、後遺症が残ることもあります。

参照サイト:
日本小児科学会 「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」(2019年7月改訂版)
Medical Note「急性脳症」
Medical Note「急性脳症とは? 突発性発疹による急性脳症の症状、予後、治療」



▼熱性けいれんに要注意


突発性発疹の合併症として、急性脳症よりも多くみられるものに「熱性けいれん」があります。熱性けいれんは発熱によって起こる乳幼児のけいれんで、生後6カ月から6歳くらいまでにみられるものです。

熱性けいれんは、38度以上の発熱から24時間以内に起きるけいれんです。症状としては、顔色が急に悪くなり、手足が震えたり、意識を失ったりします。その間、周りの人の呼びかけにはほとんど反応しませんが、多くの場合、2~3分ほどたつと自然に治まってきます。そのまましばらく寝てしまう子どもも多いです。

日本人で、熱性けいれんは10人に1人が経験するといわれ、成長や発達に問題がなくても発症する可能性があります。
1回だけ起こすケースもあれば、発熱ごとにみられるケースもあります。

熱性けいれんにより脳にダメージが残ることはなく、神経系への後遺症を残すこともないと考えられています。ただ、発熱とけいれんを主症状とする病気はほかにも多数あるので注意しましょう。

子どもが成長していくと熱性けいれんの起きる割合は減っていきます。年齢が上がってもけいれんが減らない、もしくは熱がなくてもけいれんが起こる場合は「てんかん」など、別の病気の可能性が考えられます。

熱性けいれんの原因はまだはっきり解明はされていません。しかし、発熱に伴い、「神経ネットワークの制御がとれなくなることでけいれんが起こるのではないか」と考えられています。ママやパパに熱性けいれんの経験があると、子どもも熱性けいれんを起こす傾向があるため、遺伝の要素もありそうです。


参照サイト:
日本小児神経学会 「熱性けいれんはどのような病気ですか?」
Medical Note「熱性けいれん」
日本小児神経学会「熱性けいれん診療ガイドライン2015」



■まとめ

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突発性発疹は突然の高熱が出る病気なので、最初はママも驚いてしまうかもしれません。とくに今まで大きな病気をしてこなかった子どもならなおさらです。しかし通常は安静にしていれば、数日で治り、発疹の跡も残らない病気です。

ほぼ全員がかかる病気ですが、まれに起きる合併症がある、ということは知っておきましょう。熱性けいれんは「38度以上の発熱で24時間以内に引き起こるけいれん」で、「左右対称性」があり、「2〜3分ほどで自然に治まる」が特徴。

ママはあわてず、こどもの状態をよく観察して、医療機関を受診の際には医師・医療従事者に状況を整理して伝えられるようにしましょう。

参照資料:
厚生労働省
日本小児科学会
東京都福祉保健局
日本小児神経学会
Medical Note
日本小児神経学会
東京都感染症情報センター
神戸大学大学院医学研究科・研究部


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