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【医師監修】子宮脱、10人に1人が発症? 出産経験者が子宮脱になる原因と対策



■自分でできる子宮脱の予防対策

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子宮脱の予防には体重管理が大事です。太っていると骨盤底筋に負担がかかるため子宮脱だけではなく内臓下垂にもなりやすくなります。また、体重過多の人ほど、症状の進行が早くなる傾向もありますので、栄養バランスのとれた食事と適度な運動、ストレス発散で適正な体重を維持することが大事です。


子宮脱を防ぐ体操をしよう


ごく簡単な体操で子宮脱は予防が可能です。出産でゆるんだ骨盤周りの筋肉を取り戻すことで、下垂した子宮を元の位置に戻すことができます。簡単なので、すぐに試してみてください。

やり方は簡単! 肛門や腟をぎゅっと閉めたりゆるめたりするだけ。これを朝晩10回ずつ試してみてください。慣れてきたらゆっくり時間をかけて閉めたりゆるめたりを繰り返します。3~5秒閉めたらゆっくりゆるませるくらいの時間がちょうど良いでしょう。これがどこででもできるおすすめの骨盤底筋を鍛えるトレーニングです。


骨盤ベルトは効果的?


出産でゆるんだりゆがんだりした骨盤を、正常な位置に戻す骨盤ベルトも効果が期待できます。下着の上からベルトで骨盤を締めて支えることで、子宮や内臓下垂を防ぎます。

産院で購入できるところもありますが、市販のものもあります。出産から半年も着用すると、骨盤が元の位置に戻り、下垂が治る場合もあります。


■子宮脱の治療法を知っておこう

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子宮脱の治療は、症状や状態により違ってきます。年齢が若く、体力もあり、症状が比較的軽い場合は筋力をつけることで回復することもありますが、そうではない場合は外科手術が必要になることもあります。

治療法1:ペッサリー療法


症状や状態にもよりますが、比較的軽症の場合は手術ではなく、リングペッサリーを腟内に挿入して子宮を正しい位置に戻す療法がとられます。ただし、ペッサリーはある一定期間で交換する必要があるため、定期的な通院が必要です。


治療法2:TVM手術


子宮脱の治療はゆるんだ筋肉やじん帯を補強する手術が基本となります。しかし、効果は100%ではないため、再発した例もこれまでにあります。

以前は腟から子宮を摘出したり、ゆるんだところを縫い縮める手術が主流でしたが、現在は腟壁と臓器の間にメッシュを取り付け、それでハンモックのように内臓を支える手術が主流になっています。術後の痛みや体への負担も少なく、再発率が低いことで今後も期待されている手術です。

合併症は起きないの?


手術の合併症もまれに起こる場合があります。症状としては出血やうずきが挙げられます。これらの症状が出たとしても術後数日から数週間で消失しますし、問題がないことがほとんどです。

しかし、術後3~6カ月して、腟部びらんが起こることがあります。
こちらも発症率は1%前後と以前に比べるとかなり低くはなっています。症状はメッシュが腟壁から露出するケースや出血です。たいていは内服薬や軟こうで完治しますが、感染症が発生した場合は摘出する必要があります。

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■まとめ

出産時、お母さんの体の中では赤ちゃんの頭を通すために、ホルモンの働きで骨盤周りの筋肉やじん帯がゆるみます。その状態が元に戻らないままで骨盤底筋も傷ついていると20年、30年後、10人に1人が子宮脱になるリスクがあることがわかりました。

しかし、将来の子宮脱は落ちた筋力を産後に回復することで、自力で予防できることでもあります。腟やお尻の穴を閉めるトレーニングで骨盤底筋の衰えを防ぎましょう。みなさんもぜひ試してみてください。


参考資料:
・千葉市医師会「中高年の女性に多い『子宮脱』」
・NHK「子宮脱・直腸瘤骨盤臓器脱の症状や治療、改善できる体操を解説」
日本女性心身医学会
厚生労働省




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