■逆子体操の原理とやり方
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逆子体操の原理
胎児の頭が上になっているのを下にするために、おなかの中をさかさまにして刺激を与えるというのが、逆子体操の考え方です。体操といっても体を動かすわけではありません。逆子体操は、赤ちゃんの体が上下逆に動くようにするためにお母さんがとるポーズをさします。
もちろん妊娠中でも簡単にできるものなので、気軽に取り組むことができます。
逆子体操のやり方1:胸膝位体操
胸膝位体操(きょうしついたいそう)は、四つんばいになってから行います。ゆっくりと肘を床につけたら、お尻を高く持ち上げて。このポーズを10~15分キープします。
逆子体操のやり方2:ブリッジ体操
骨盤高位(こつばんこうい)ともいい、文字通り骨盤を高く持ち上げる体操です。仰向けになったら、腰の下にクッションや枕などを入れ、膝を曲げてブリッジをするように腰を高く持ち上げ10~15分キープします。仰臥位(ぎょうがい)とも呼ばれます。
寝る向きも重要?
腕を下にして横向きに寝ることを、側臥位(そくがい)といいます。赤ちゃんの頭と背中があるほうを上にして寝ることで、赤ちゃんがおなかの中で回転しやすいようにするものです。妊婦健診のときに赤ちゃんの位置を確かめておきましょう。逆子体操よりも簡単にできるので、日中の休憩タイムや寝る前に試してみるとよさそうです。
逆子が直った瞬間ってわかるもの?
逆子がいつ直るのか、そして直ったことがわかるものなのかも気になりますよね。しかし、「ぐるん!」と赤ちゃんが回ったことがわかったという人がいれば、いつの間にか直っていたという人もいるので、逆子が直った瞬間にそれを感じるかどうかは人それぞれだといえそうです。
赤ちゃんがおなかを蹴る位置が変わったことで、逆子が直ったことに気がつく人もいるようです。
■逆子体操をやるときの注意点とコツ
逆子を直したいからといって、がんばりすぎるのは考えもの。ママの体調がいいときに気分転換するつもりで取り組みましょう。
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逆子体操NG行動
臨月に入ったら逆子体操をやめることは前述のとおりです。このほかにも、逆子体操がおすすめできない場合や、逆子体操をしてはいけないケースもあります。
▼長時間やり続ける
逆子体操はトレーニングではありませんし、残念ながら努力した分だけ結果が出るというものでもありません。必ず医師の指導に基づいて取り組みましょう。おなかに張りを感じたり、疲れたときには休憩しましょう。ママがリラックスすることも大切なことです。
▼つらい日にもがんばってやる
逆子を直したい気持ちはわかりますが、まずはママが元気でいることが一番! 体調や気分がすぐれない日は逆子体操をお休みしましょう。
たとえ体調がいいときでも、胸膝位体操やブリッジ体操では下になった頭に血が上ったり、側臥位では胃が圧迫されて気持ちが悪くなることも。そんなときは無理をしないで逆子体操を中断しましょう。
▼逆立ちをする
おなかの中をさかさまにして赤ちゃんを刺激するという意味では、逆立ちはぴったり。しかし、妊婦さんが逆立ちをするのはもちろん厳禁です。
おなかが大きくなっていてバランスが悪くなっていることもあり、誤って倒れたら危険です。
逆子体操ができないケースもある
早産の可能性がある妊婦さんは逆子体操をしてはいけません。
逆子のまま出産予定日を迎えるよりも、早産で赤ちゃんが生まれてくるほうがリスクが大きいのです。逆子を直すことよりも、1日でも長くママのおなかの中で赤ちゃんを育てることを考えましょう。
逆子体操のコツ
体を温め、子宮を柔らかくして逆子体操を行うのもポイントです。お風呂に入ってから心身ともにリラックスした状態で逆子体操をするといいですね。妊娠34週ごろになると、胎児は外からの刺激に反応するようになります。下腹部をトントンしながら、「頭はこっちだよ」と声をかけてコミュニケーションをとってみるのもいいですよ。
■まとめ
帝王切開よりも経腟分娩のほうが赤ちゃんとママへの負担が少ないと聞かされたら、逆子を直したいと思う人は多いことでしょう。
しかし、逆子だからといって、赤ちゃんの成長に悪影響を与えたり、早産になったりするようなリスクがあるわけではありません。万が一逆子のままだったとしても、安全に出産できるので神経質になることはありません。
赤ちゃんが逆子になっているのは、その姿勢が赤ちゃんにとって快適だからという考えもあります。「頭が下のほうが生まれてきやすいよ」と、おなかの赤ちゃんとコミュニケーションをとるつもりで、逆子体操に取り組むのもいいかもしれませんね。
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参考資料:
・国立成育医療研究センター「骨盤位外来」
・日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン−産科編2017」
・『この1冊であんしん はじめての妊娠・出産辞典』(朝日新聞出版)監修 竹内正人
・『月数ごとに「見てわかる!」妊娠・出産 新百科』(ベネッセコーポレーション)総監修 日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター顧問 杉本充弘
・『はじめての妊娠&出産』(主婦の友社)監修 北川道弘