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児童発達支援センター「福祉型」「医療型」一元化を検討?障害児福祉の変化とは

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障害者福祉サービス等の令和6年度の改定について


令和6年度より児童発達支援事業所などの運営者に関わりのある「障害福祉サービス等報酬改定」が行われる予定です。この記事では、同時に検討が進められている「児童発達支援センターの類型一元化」の内容を中心にお届けします。

はじめに、「障害福祉サービス等報酬改定」における主要事項は、次の通りです。

・障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり
1 障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実
2 医療と福祉の連携の推進
3 精神障害者の地域生活の包括的な支援

・社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応
1 障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築
2 障害者の多様なニーズに応じた就労の促進

・持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001176056.pdf
(参考)厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について

次に、発達が気になる子どもの保護者の方に特に関わりがあると考えられる「障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築」について、詳しく見ていきましょう。

児童発達支援センターの機能強化が検討される背景


基本的な考え方として、「障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築」においては、児童発達支援センターを中核とするとされています。

児童発達支援センターを中核に、身近な地域でニーズに応じた必要な発達支援が受けられる体制整備を進めるとともに、地域の障害児支援体制の充実を図る。
引用:厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001176056.pdf
児童発達支援センターは、平成24年の改正児童福祉法の施行 によって設けられました。現在(令和6年1月時点)は、「福祉型」と「医療型」の2つに分けられており、「医療型」児童発達支援については、肢体不自由児のみを対象としています。


しかし、「医療型」児童発達支援センターは全国に91施設(令和4年)というのが現状です。https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%9E%8B%E[%E2%80%A6]ataset&kikan=00450&stat_infid=000040123108&metadata=1&data=1
(参考)厚生労働省|社会福祉施設等調査 / 令和4年社会福祉施設等調査 年次推移

そのため、住んでいる地域によって支援内容や環境に差が生じ、肢体不自由児が必要な支援を受けにくかったり、肢体不自由児以外の障害のある子どもは、通いやすい場所に「医療型」発達支援センターがあっても利用できず、別の事業所を探す必要があったりといった課題があります。

さらに次のような指定基準があり、
・「福祉型」児童発達支援センターは、児童指導員又は保育士の配置人数は、障害児4人に対して1人
・「医療型」児童発達支援センターは、児童指導員・保育士の配置人数は、障害児の人数に関わらず、それぞれ1人ずつ
「医療型」は、子どもの人数に応じた児童指導員・保育士の配置が難しいため、利用する肢体不自由児に対して、乳幼児期に重要な「遊び」を通した発達支援が十分に行いにくいといった課題があります。

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000845350.pdf
(参考)厚生労働省|障害児通所支援の在り方に関する検討会報告書

これらを踏まえて、「児童発達支援センターの機能強化等による地域の支援体制の充実」が方向性の一つとして掲げられていると考えられます。

ポイント1.「福祉型」「医療型」児童発達支援センターの一元化


障害福祉サービス等報酬改定検討チームでは、児童発達支援センターの「福祉型」と「医療型」の一元化、「福祉型」における3類型(障害児、難聴児、重症心身障害児)の区分の一元化について、現在検討が進められています。

児童発達支援センター「福祉型」「医療型」一元化を検討?障害児福祉の変化とは

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障害特性に関わらず身近な地域で支援を受けられる体制の整備
〇 児童発達支援センターの基準・基本報酬について、多様な障害児が身近な地域で支援を受けられる体制整備を促進する観点から、福祉型・医療型の類型を一元化するとともに、福祉型における3類型(障害児、難聴児、重症心身障害児)の区分も一元化する。一元化後の新たな基準・基本報酬は、現行の福祉型(障害児)を参考に設定するとともに、難聴児や重症心身障害児について、現行の基準で求めている体制等も踏まえて、障害特性に応じた支援を行った場合の評価を行う。
引用:厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001176056.pdf

ポイント2.「中核拠点型」児童発達支援センターの整備


児童発達支援センターを中心とした地域の障害児通所支援の体制整備が検討されています。
その中では、「専門人材を配置して地域の関係機関と連携した支援の取組を進める」など、4つの機能を発揮して地域の障害児支援の中核的役割を担うセンターを中核拠点型と位置付けて、体制や取組に応じて段階的に評価を行う方向で検討が進められています。

児童発達支援センターの機能・運営の強化
〇 児童発達支援センターの中核機能の発揮を促進する観点から、専門人材を配置して地域の関係機関と連携した支援の取組を進めるなど、4つの機能を発揮して地域の障害児支援の中核的役割を担うセンターについて、中核拠点型と位置付けて、体制や取組に応じて段階的に評価を行う。
〇 児童発達支援センターが未設置の地域等において、センター以外の事業所等が中核的な役割を担う場合に、中核拠点型のセンターの評価も参考に、一定の評価を行う。
引用:厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について

https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001176056.pdf

まとめ


令和6年度の「報酬改定」にともない、厚生労働省では現状の課題を踏まえた「児童発達支援センターの役割(在り方)」の検討が進められています。特に児童発達支援センターの機能一元化が進めば、施設の選び方や利用方法も変わってくることが想定されます。今後、発達ナビでも最新情報をお届けしていきたいと思います。

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