ママから子へ受け継いだ、わが家の愛読絵本 〈坂本美雨さんの場合〉
最初は悲しいというよりも、「どうして置いて行かれてしまったのかわからない」。まだそういうことが起こるという現実すら知らなかったので、とにかく「なんで?」と思っていた気がします。大人になって改めて読んでみると、国の文化の違いなど色んなことを考えさせられました。例えば、今でもヨーロッパでは長いバケーションの前には捨てペットが増える、とか。今は娘の目に触れるところにはありますが、実はまだ読んでないんです。基本は自分で興味を持つものを選んで持ってくるので、それまで待とうと思っています」(坂本美雨さん)
名作絵本_03
『わたしのワンピース』(にしまきかやこ)
ウサギさんが真っ白な布から手づくりしたワンピースを巡る、ファンタジー絵本。お花畑を散歩すると、ワンピースが花模様に。雨が降ると水玉模様に……次々変わるワンピースの模様が、読んでいる全ての女の子の心を躍らせます。
1969年12月初版。
「小さい頃、ページをめくるごとにワクワクしました。シッターさんがお裁縫が得意だったので、「こんな風につくってほしいな~」と思っていたら、この柄の布でカバンか何かを手づくりしてくれたような、おぼろげな記憶ですがそんな思い出もあります。娘はちょうどプリンセスに目覚め、ワンピースにトキメいている時期なので、彼女が着ている花柄のワンピースを「絵本のみたいだね!」と言うと、とても喜びます。ワンピースって、心模様なんだな~と感じます。周りの綺麗なものや感情に素直に染められていく、柔らかい心を持っていたいなと、絵本を通じて思いました」(坂本美雨さん)
“坂本美雨さん、
「読み聞かせ」について教えてください!”
Q1.絵本を選ぶ時に大切にしていることがあれば教えてください。
「感動させようとしていたり、教育的ではないこと。長新太さんなど、奇想天外で不条理さを楽しめるものが好きです!」(坂本美雨さん)
Q2.読み聞かせをする時に大切にしていることがあれば教えてください。
「こだわりというわけではありませんが、よくやるのは、お話だけではなくて、絵の細かい部分やおはなしと関係ないところを聞いたり、話を脱線させたりします」(坂本美雨さん)
Q3.現在、なまこちゃんはどんな絵本が好きですか?
『ムッシュムニエルをごしょうかいします』(佐々木マキ/絵本館)
『キャベツくんとブタヤマさん』(長新太/文研出版)
教えてくれたひと
ミュージシャン・坂本美雨さん
1980年生まれのシンガー。