子どもの質問には完璧に答える必要なし!? 「なんで?」責めの上手な対処法
そんなときに大切なのは、「子どもの質問に対して正しい答えを教える必要はない」と意識すること。
前述した小﨑恭弘氏によると、子どもたちの「なんで?」は、常に答えを聞きたいというわけではないのだそう。子どもは、「なんで?」と質問したときに「答えてくれる」というやり取りを楽しんでいると、小﨑氏は言います。大切なのは、質問に答えることではなく、「関わりを丁寧にする」ことなのだそう。
子どもの質問は、「正しい答えを教えられるかどうか」よりも、「親子のコミュニケーションとして楽しめているか」が重要なのです。
子どもの質問への回答
子どもが質問期に入ったら、以下のポイントに注意しましょう。
・子どもがわかりやすい表現をする
子どもが質問をしたときには、無理に正確な答えを教える必要はありません。子どもにとって納得がいく答えを提示してあげることのほうが大切です。
白梅学園大学学長の汐見稔幸氏は、次のように例を挙げています。
例えば、「どうして雨はふるの?」と質問された場合、
「さっき草を見たら、あまり雨がふらないから、水がもらえなくて元気がなかったんだよ。それを神様が知って、なんとか水を飲ませたいと思って雨をふらせてくれているんじゃないかな?」
など、「想像力がかき立てられるような答え方」をするとそれなりに納得することがあります。
(引用元:NHKエデュケーショナル|どう答える?子どもからの質問「雨はどうしてふるの?」などの素朴な質問)
年齢や発達の度合いによっても変わってきますが、幼い子どもは、科学的な原理を知りたいわけではありません。雨が降る仕組みを説明しようとしても、子どもにとっては余計に疑問が増えてしまいます。たとえば、「雨が降るのは草にお水を飲ませてあげるため」「アリさんが行列を作るのはお行儀がいいから」「お空の色が変わるのはお着替えしたから」と、ファンタジックな世界を連想できる答えを与えたほうが、子どもは納得ができるのです。
子どもが成長して、そのような答え方では納得しなくなってきたら、「じゃあ一緒に調べてみよう」と一緒に本やインターネットを使って調べてみても良いですね。
・質問の答えを待ってもらえる関係性を作る
東京家政大学ナースリールーム主任保育士の井桁容子氏は、子どもの質問に対してすぐに答えられないときに「ちょっとあとにしてくれる?」と言っても待ってもらえるよう、普段から信頼関係を築いておくことが大切だと述べています。