アートで非認知スキルを伸ばす! 週に一度、10分間を親子の対話型鑑賞に捧げよう
■同じジャンルで統一する
→ジャンル例:人物画、肖像画、風景画、静物画、抽象絵画■テーマ(題材)で統一する
→同一のテーマについての複数の異なるアーティストによる作品群
例えばテーマを、新約聖書からの題材「受胎告知」にするとしましょう。これは古くから人気のテーマで、数々の芸術家たちに好まれて描かれてきました。
先日はルネサンス期のイタリア人画家フラ・アンジェリコ、サンドロ・ボッティチェリ、クレタ島出身のエル・グレコの3人のアーティストによる「受胎告知」の3作品を、子ども達と鑑賞しました。
テーマは共通していますが、異なるアーティストからは全く異なる作品が生まれます。描かれている人物の姿勢・表情・衣裳、場所・物、作品の構図、色彩の共通点、相違点など、対話の話題は尽きることがありませんでした。
そして最終的には、描かれた人物像や出来事に関心が移っていきます。
子どもの発言を肯定し、優しく問いかけて
親御さんの中には、親子で作品を鑑賞したときに、子どもと話すことが見つからなかったらどうしよう、と不安に思う方もいるかもしれません。でも心配はいりません。
お子さんはきっと、作品を見て感じたこと、思ったことを、胸の内にたくさん秘めているはずです。
そして親御さんは、ただお子さんの思いを受け止め、考えを深めるためのサポートをしてあげるだけでいいのです。まずは、お子さんの言葉を復唱して、理解を示すこと。その上で「なぜそう思ったの?」「どう感じたの?」と問いかけること。子どもの発言を肯定し、思考をそっと引き出してあげることが、ファシリテーターとしての大人の役割です。
前回ご紹介した5つのおすすめ画像入手方法を参考に好きな作品を見つけ、ぜひご家庭で対話型鑑賞に挑戦してみてください。次回は絵画以外の作品、写真や絵本、文字情報の鑑賞、そして表現力を高める対話の具体例をご紹介します。
※Julia Wegener、金燦による作品画像は、それぞれのアーティストから許可を得て使用しています。
個人の鑑賞以外の用途の使用はできませんので、ご注意ください。
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