解説は読むな、◯◯展を狙え! “子連れ” 美術鑑賞 5つのコツ
奥行きを感じる色に艶がある見る角度によって違うふうに見える
これらは、美術館で実際のアート作品に出会った子どもたちの発言です。
これまで、対話型鑑賞のメリットや家庭での親子の作品鑑賞の仕方について、6回にわたってお話ししてきました。7回目となる今回は、美術館で作品を対話しながら鑑賞するコツをお話しましょう。
作品の筆のタッチや大きさ、配置や照明、鑑賞する際の距離の違いーー美術館で展示されている実際の作品からは、図版や作品集・スクリーンで鑑賞するのとは異なり、より多くの驚きと感動を得ることができるでしょう。
親子で挑戦!美術館での美術鑑賞
一口に美術館といっても、展示作品のジャンル(絵画、彫刻、写真など)から、作品が作られた時代や国、展示の仕方、美術館の周囲の環境や建造物によって、さまざまな成り立ちを持っています。ぜひいろんな美術館に足を運び、親子でアート鑑賞を楽しんでいただきたいと思います。
とはいっても、子どもが飽きてしまわないか、騒いでしまわないか、悩みは尽きないもの。そんなときは、子ども向けのプログラムがあるところから始めてみるのもいいでしょう。全国各地の美術館には子ども向けのプログラムがたくさん用意されています。
特に、横浜美術館や東京都府中市の府中市美術館のプログラムは充実しています。まだ数は多くないものの、なかには「対話型鑑賞」の企画があるところもあります。たとえば愛媛県美術館では、定期的に対話型鑑賞プログラムを行なっています。
各美術館でどのような企画が催されているかは、それぞれの美術館のホームページで確認できます。機会があり、対象年齢を満たしていれば、そのようなプログラムに参加するのもおもしろいでしょう。
ただ、必ずしもタイミングが合うとも限りませんし、近くの美術館に子ども向けのアート鑑賞プログラムがない場合も多いでしょうから、ここでは個人的に親子で対話しながら鑑賞するコツについてお話しします。
好きなときに親子で美術館に足を運び、対話を通して自由に美術鑑賞を味わうーーそんな楽しみ方もあるのです。
1. “子連れ” 美術鑑賞を成功させるための、美術展の選び方
美術展を選ぶ基準は、保護者の方の好みに合わせてかまいません。ただ、印象派の画家の展覧会のような人気の高い美術展は混んでいて、ひとつの作品の前に長い時間いづらかったり、親子でゆっくり対話しにくい空気感があったりします。