タイムリミットは? 親の負の遺産を“相続放棄”する方法と注意点
こんにちは!ライターの月極姫です。
子育て世代になると自分の親も徐々に老年期に近づき、少しずつ体調が心配になったり、寂しい話ですが親亡き後の生活についても考えたりしなければならないときがやってきます。
シビアな話ですが、当然親の死後の財産管理についても、兄弟間で話し合う必要が出てくるかもしれませんね。
いわゆる財産を“相続”できるのは、『配偶者及び血族(子→直系尊属→兄弟姉妹の順)』と法律で定められています(民法第五編第二章より)。
一方で、ひと言に「相続」といっても、プラスになる資産だけでなくマイナスの資産、つまり借金を背負ってしまう可能性もある ということは覚えておかなくてはなりません。
親に万一のことがあったとき、あまりに長期間ぼんやりしていると大事な手続きが間に合わず、「突然多額の借金を背負ってしまった」ということにもなりかねないのです。
●親の資産状況、把握してる? 慌てて「相続放棄」するケースが増加中
親御さんの主義や親子関係にもよりますが、結婚して自分の家庭を持ってしまうと、「親がどれくらいの資産を持っているのか」についてお互いに情報を共有したり、しっかり話し合ったりしているケースは少ないかもしれませんね。
親自身が何らかの病気をしたときに、万一のことを考えて初めて子どもに資産状況を話す……というケースもあるかもしれません。
貯蓄や証券、不動産などで“プラスの財産”をたくさん持っている親の場合は、残された家族は相続順位に従って財産を分ければよいのですが、親がマイナスの資産、つまり借金を残してしまう可能性も考えなくてはなりません。
最近では、クレジットカード、キャッシングの返済が終わらないうちに亡くなってしまうというケースも多く、これは金額の多寡によらず残された家族にとっては不利なものです。
「相続する」ということはプラスの資産だけでなく、マイナスの資産、借金の返済義務も引き継がなければならないということだからです。
もちろん、「親の残した借金は子どもの責任」ということで相続し、立派に返していかれるケースもあります。
しかし、子育て世代が前触れなく多額の借金を背負ってしまうというのは、やはり酷な話ですよね。
たとえば、プラスの資産が1億、借金が1千万あるとしたら、相殺してもプラスになるので喜んで遺産を相続し、残された不動産等を売却して借金をゼロにする、というのもアリでしょう。