食欲ダウンに注意! 夏場の寝たきり高齢者に「微熱」が続く原因&対処法
私たちは“発熱”というとついつい感染症をはじめとする“病気”が潜んでいるせいだろうと考えがちですが、医学に精通された医師の先生が看護の専門家の見解に学んでいるというところが興味深いですね。
高齢者の療養病床の現場では微熱だけにとどまらないいろいろな問題が起きていることが想定されるため、医学のみならず看護学や介護学の視点から幅広く患者さんを見ていくことが大事なのだろうと考えさせられます。
●微熱それ自体よりも食欲減退の方が問題
それから、微熱が続いていること自体より、微熱によるダルさでお母様が食事を受けつけなくなることの方が、注意を払わなければならない問題であるようなのです。
『寝たきりの高齢者が熱由来のダルさから食欲の減退を起こすようになると、食事量そのものの減少を引き起こし、低栄養、低血糖、眠気といった負のスパイラル に入るおそれがあります。現代医学では経鼻胃管栄養法や胃ろう栄養法といった栄養摂取の方法があるとはいえ、まずはそういった状態にならないように心がけるべきでしょう』(50代男性/前出・医師)
寝たきりの高齢者が継続する微熱のダルさのせいで食事をとらないようになると、飲み込む力もあっという間に衰えてしまうようです。
療養病床での寝たきり生活でも、ハリのある生活を送ることによって負のスパイラルに陥ることをできるだけ防ぐべきです。
そのために、家族も心がけて本人が興味の持てる活動というか動作を少しずつでもするように促し、生活の“ハリ”をキープさせること が大切かと思います。
微熱が続くことは心配ではありますが、それ以上に注意すべきこともまた、あるみたいです。
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)