病気リスクが減少!? 子どもの「ご飯をよく噛む習慣」が健康に与える影響
こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。
仕事がら、「何を食べさせたらいいですか?」とか「どんなものを控えたらいいですか?」という質問をよくいただきます。
お子さんが風邪をひきやすいとか、お腹が弱い、アレルギーがあるなどの心配事があると、やはり気になるのが“食べ物の与え方” です。
しかし、そこで「お子さんは一口、何回くらいかんでいますか?」と質問すると、ほとんどの親御さんが答えられません。
子どもはある程度の年齢になるまでは、親が与えるものしか食べられないのですから、何を食べさせ、何を控えたらいいのかが気になるのは当然ですし、それも大切なことです。
しかし、“どう食べるか?”も非常に大切なことなのです。そこで今回は“咀嚼回数と唾液の働き”についてご紹介したいと思います。
●減少し続ける日本人の咀嚼回数
食育でよく言われる『卑弥呼の歯がいーぜ』という標語があるように、食べ物をよく噛むことが大切なのは知られています。
その一方で、現実には日本人の食事1回あたりの咀嚼回数は邪馬台国の卑弥呼の時代で3,990回、鎌倉時代で2,600回、江戸時代では1,465回。
そこから第二次世界大戦前まではあまり変化はなかったものの、戦後になって急激に減少し、現代人は1回の食事でわずか620回しか噛んでいない といわれています。
●唾液でがん予防
同志社大学の西岡一教授らの実験によると、強力な発がん物質に唾液を加えると、明らかに発がん作用が抑えられている という結果が出ています。
この実験では10億個のバクテリア細胞の発がん作用が、唾液を加えなかった方は660個もあったのに、唾液を加えた方は50個しかなかったとのこと。
唾液がいかに健康維持に役立っているのかが分かります。
●100%除去を目指すよりも、しっかり噛む習慣を
お菓子屋ジュース類、冷凍食品や加工食品を与える際、発がん性のある添加物が入っているのでは?と気になる親御さんも多いと思います。
しかし、毎日の食卓から完全に添加物を排除することは非常に神経を使わなければならず、むしろそのストレスの方が心配です。
もちろんある程度は気に掛ける必要はありますが、それよりも、しっかり噛む習慣をつけることが大切です。なぜなら、噛んでいる間は唾液がしっかり分泌され、唾液と食品が混ざり合うことで、この実験のように発がん性を抑えることができるからです。