こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。
老人医療に優れている長寿国の日本だけあって、ありがたいことに、親世代が元気に長生きして、子や孫世代を助けてさえくれる世の中です。
でも、確実に自分よりも年上である親。今は元気でもいつかは介護を必要とするようになるかもしれません。
親に日々の生活があるように、子にも孫にもそれぞれの大切な生活があります。「いざ、同居を!」となったとき、「よし来た!」と直ちに同居介護ができるとは限りません。
そこで、親世代に介護が必要になったときの現実的な対処法、親や周囲からのプレッシャー、自分自身が後悔しないために持っておくべき心構えについて考えてみましょう。
●「絶対必要な介護/あったらいいなの介護」「できること/できないこと」の区別
介護が必要な側には「こうしてほしい」があり、介護する側にも「こうしてあげたい」があります。
ただ、介護する側にはできないこともあるのが現実です。
介護する側は、介護される側を弱者と考えるために思いを口に出しにくく、介護される側はそれに気づくことができません。
こうして、互いの関係がギクシャクしてしまうのもまた現実なのです。
だからといって、ウヤムヤな気持ちのままでスタートを切ると、後になって「こんなはずじゃなかった」と苦しむことになるかもしれません。
親子であっても、そこに無理があれば関係は破綻してしまうのです。
介護というこれまでとは違った形で親に向き合う必要ができたそのときには、2つのことを熟慮する必要があります。
それが、「絶対必要な介護/あったらいいなの介護」「できること/できないこと」の区別 です。
●“ベスト”ではなく“ベター”の介護で、親も自分も周囲も納得
もちろんベストを尽くせるのが理想でしょう。
でも、親の生活を守るために自分の生活を犠牲にすれば、どこかにひずみが現れてくるものです。
そんなとき、できる限りの“ベター”な行動をとろうとすることが、双方のストレスを減少させてくれます。
「なんでもやってあげるよ」ではなく「これならできるよ」という介護姿勢 です。
そして、それをはっきりと口に出してから行動しましょう。
親としては自分の希望の一部がかなえられ、子である自分もできる範囲でベターな介護ができます。それを見守っている周囲も介護され介護する様子に安心感を抱きます
●“ベター”な介護をどうやって導き出すか
ベターな介護は、「絶対必要な介護/あったらいいなの介護」