なぜダメなの? お酒やタバコに手を出す子どもの実態と親の向き合い方
●子どもたちのサインはどこに?
好奇心のサインは家庭内でも表れているはずです。
親の飲むお酒の匂いをかぎたがる、「どんな味がするの?」と聞いてくるなど、最初は些細な言葉や行動で、分かりやすいサインを見せてくれるものです。これを見逃さないことが大切です。
子どもの好奇心はちょっとした経験さえあれば満たされます。親の目の届くところで、彼らの好奇心を情報という形で満たしてあげましょう 。
これが満たされずにうやむやなままだと、その好奇心を満たす場所を家庭の外に求めるようになってしまいます。
そうなると、サインを見つけるのが難しくなります。
たばこに関しては、匂いという独特のサインが表れます。
このとき、必ずしもたばこの匂いばかりがサインではありません。
たばこの匂いを消すために香りの強い制汗剤を使う、オーデコロンをつけるなどの変化も要注意です。
昨今はたばこの価格が高いため、お小遣いの使い方にもそのサインが表れやすくなります。
さらに、子どもにはお酒やタバコを購入しにくいこともあり、親に紹介したがらない年上の友人の存在 なども、サインの一つとして考えられます。
●子どもの疑問には誠意を持って対応すべき
親の方でも、子どもが出したサインに気づいたとき、もしサインがなくともなんらかのきっかけがあったときには、お酒とたばこの害について十分な情報を与えることのできる親 でいる必要があります。
親のうやむやさこそが、子どもを見えない場所での飲酒や喫煙に走らせてしまうからです。
たとえ親が晩酌好きでもスモーカーであっても、“子どもにとっての飲酒と喫煙の害”については、胸を張って「いけないことだ」と言い切れるだけの知識を持ち、その情報を子どもに与えることができれば、子どもは“飲酒や喫煙はまだ早い”ということを正しく認識できます。
これが、子どもたちのストッパーになるのです。
●まとめとして
「法律で決まっているからダメ」とか「大人だけの楽しみなんだ」といった理屈では子どもは納得しません。重要なのは「なぜ」の部分です。
「なぜ法律で20歳からと決まっているのか」に対して、「子どもの心と体の発達に悪影響を与えるから」と答えてその具体例をあげられること。
「なぜ大人だけが楽しめるのか」に対して、「適量を判断できるだけの十分な心の発達を経ていること。大きな影響を与えないだけの体の発達を終えていること」