将来賢くなる!? “いないいないばぁ”が赤ちゃんにもたらすメリット
かわいらしい赤ちゃんを見ると、自然としたくなってしまうのが“いないいないばぁ”。
どんな赤ちゃんも笑顔にすることができる、魔法の遊びですね。 日本だけではなく、世界中で似たような遊びが古くから愛され続けています。
ところでこのシンプルな遊びが、赤ちゃんの社会性や認知の発達に大変よい影響を与えることをご存じですか?
今回は“いないいないばぁ”がもたらす驚きのメリットを、認知発達の側面から紹介していきましょう。
●“ものの永続性”、“短期記憶”、“予測する力”……“いないいないばぁ”を楽しむ3本の柱
そもそも、なぜ赤ちゃんは“いないいないばぁ”をあんなにも喜ぶのでしょうか。そこには認知の発達が深く関わっていました。
実は、生後しばらくのあいだ赤ちゃんには、モノが“見えなくなること”と“なくなること”の区別がつきません。
見えなくなってしまったものは全て“消えた、消滅した”と思ってしまうのです。
これはだいたい生後7か月くらいまで続きます。
7か月ごろになると、「見えなくなっても、隠れているだけ。ちゃんと存在しているのだ」ということが分かるようになってきます。
児童心理学者のピアジェはこれを『ものの永続性 』と名付け、認知発達として理論づけました。
『ものの永続性』を理解すると赤ちゃんは、“いないいないばぁ”を少しずつ楽しめるようになってきます。
見えなくなったママの顔は消滅したわけではなく、手の向こう側に存在しているのだということが分かるようになる のです。
さらに同じ頃、赤ちゃんには“短期記憶”が発達してきます。
“いないいない”でいなくなり、“ばぁ”で現れることを繰り返していくと、その経験が記憶として蓄積されるようになるのです。
やがて、“いないいない”をするだけで、「これは前にも経験したパターンだぞ。きっと“ばぁ”でママの顔が出てくるに違いない」と予測を立て、それを楽しみに待つようになります。
そして“ばぁ”で顔が出てくると、自分が期待した通りのことが起きたと喜ぶのです。
赤ちゃんが“いないいないばぁ”で笑顔になる裏には、このような認知発達のメカニズムが隠されていたのですね。
●認知や社会性の発達を促せる!? “いないいないばぁ”の大きなメリット
“いないいないばぁ”で遊んでいるときに使っている“短期記憶”、“予測する力”、“期待する気持ち”。