自ら要求できる槙野智章・久保建英のような選手を育てるために、指導者や保護者に求められること U-16日本代表・森山佳郎監督インタビュー
や中村敬斗選手(シントトロイデン/ベルギー)、久保建英選手(ビジャレアル/スペイン)ら2017年U‐17ワールドカップ参戦組、2002‐2003年生まれの西川潤選手(C大阪)、若月大和選手(シオン/スイス)、中野伸哉選手(サガン鳥栖)ら2019年U‐17ワールドカップ参戦組がいて、メンタル的に成熟している選手が少なくなかったようです。
「2000年世代は自己主張する子が異常に多かったんです。由勢、敬斗、建英だけじゃなく、瀬古歩夢(C大阪)や鈴木冬一(湘南)らも要求が凄かったですね。彼らにとってプラスだったのは、久保の注目度が高かったことで競争心と反骨精神が養われた点。『1学年下の建英ばっかり』という悔しさが募って、『絶対に負けないぞ』というギラギラ、メラメラした感情がつねに感じられました。
ハーフタイムに戻ってきてケンカになることもあった。僕が『静かにしろ。落ち着け』と諭したくらい。
選手ミーティングを30~40分もやっていて、僕が呼びに行っても『選手だけで話し合ってるから来ないでください』と言われたこともありました(苦笑)。
2000年世代はそれに比べると大人しかったですけど、世界大会直前に入ってきた若月や藤田譲瑠チマ(東京V)など自分の意見を持っている選手が入ってきて引っ張ってくれたので、すごくいいグループになりました。
最近も西川がJ初ゴールを決め、唐山翔自(G大阪)や田中聡(湘南)や成岡輝瑠(清水)も試合に出始めるなど、お互いに刺激を与えあっています。特に大きいのは16歳の中野伸哉がJリーグに出場したこと。彼は今の2004年の選手と1つしか変わらない。小学校高学年や中学生から見てもほんの少し上です。そういう意味でもインパクトが大きいと思います」
■久保建英が他の選手と大きく違った点
このように森山監督の教え子からは10代のうちからプロデビューする選手が次々と出ています。その筆頭が久保建英選手ではないでしょうか。
バルセロナのカンテラで育ち、14~18歳までFC東京で過ごした彼の成長率の高さは目を引くものがあります。
「彼の強みはつねに物怖じせず、つねに自己主張するところ。2015年4月のU‐15代表の立ち上げだったインドネシア合宿の時から先輩を差し置いてFKを蹴ってましたからね。本人に聞いたら『バルサでは3~4人集まってきて<俺だ俺だ>と奪い合うのが普通』と言っていました。