2021年11月2日 15:00
社会人リーグ主将、自身も真剣にサッカーを楽しむお父さん選手がサッカー少年の育児で実践するただ一つの事
子どもたちと話していると、『コーチ、俺はこう思うんだけど』とはっきり自分の考えを口にできる子と、『はい......』という淡白な返事だけになってしまう子がいます。他の場面でも、仲間と対話できる子と、言われるがままになってしまう子、などです。もちろん、同じ子でもある場面ではうまく喋れるけど別の場面では黙ってしまうことなどもあり一概には言えませんが、コミュニケーションが得意かどうかという傾向は確実にあると思います。あまりコミュニケーションが得意でない子は、保護者がクラブに意見を言うことや、保護者の考えでサッカーを休ませることが多いんです」
サッカー以前の問題として、近年の子どもたちは実年齢よりも3、4歳幼い、と語る教育者の声もあります。
「現場に立っている身からすると、非常に納得できる数字です。昨年からはコロナ禍の影響で選手の住所などの情報を会場に提供する機会が増えたのですが、その時に子どもが自分の家の住所を書けなかったり、提出物を忘れるのが大体同じ子だったりしました。きっと普段から、いろいろな問題が起こらないように保護者が先回りしているのだと思います。提出物も保護者が書く、忘れものがないように保護者が用意する、何をすべきかも保護者が指示する。
結果、子どもは自分で判断をする機会や経験が失われていき、実年齢よりも幼く見えてしまう、ということなのでしょうか」
■何も言わなくとも息子がサッカーを始め自分と同じ高校に進学した
大塚さんは自身も2人の子どもの父親。そして2人ともサッカーをプレーしており、指導者であると同時にプレイヤーの保護者でもあります。どちらの立場もわかる大塚さんは、どのようなスタンスで子どもと接しているのでしょうか。
「僕は基本的にあまり子どもに何かを言うことはありません。僕も学生時代はサッカーをしていましたが、子どもたちにサッカーをやるように促したことはありません。長男は気づいたら僕と同じ高校に進学してサッカー部に所属していました(笑)。とても嬉しいことですが、僕から何かアドバイスをしたことはないですね。子どもたちが所属してきたチームにも、基本的に何か意見を言ったことはありません。
チームにはチームの方針がありますから、それにお任せです」
「何より自分が本業、指導者、自分のプレー、そして家庭と、いろいろな自分が混在している生活を送っています。放任とも言われてしまいそうですが(笑)。