かつては出場をめぐって保護者と言い合いも。センアーノ神戸が保護者と良好な関係を築くために大事にしていること
■クラブは保護者に選ばれる時代、保護者の理解を得ることを大事にしている
――そういうフォローができているチームが多分少ないんでしょうね。それができるようになったきっかけはどういうことでしょうか?
大木当然僕も子どもができて変わった部分もあります。親心が分かるようになったので。
サッカーが好きで情熱を持って指導されている指導者には、未婚の方もいらっしゃいますが、少しでも親の気持ちを分かるようなコーチになっていくことが大事だと思います。
とくに街クラブは保護者から選ばれる時代ですからね。そういった保護者の理解を得ることは僕らもすごく大事にしてますね。
ウチのコーチも5人いますけど、僕以外は未婚で子どもがいないので、スタッフ会議でよく言うのは「難しいと思うけど、親心ってこんな感じやから、みんなもそこは意識してな」ということです。
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サッカーノートを変えただけで上達した理由
■口出しは不可、協力はしてもらう
――基本的に保護者は練習も試合も見学自由なのでしょうが、応援というか、口を出すというのは?
大木それは絶対ダメです。チームに所属する際、最初に説明会や父母会があるので、そういう会とかで、はっきりと「活動時は子どもに近づかないで、声もかけないでください」と伝えています。
「我々の考え方はこうで、子どもたちには自立して欲しいので、基本的には声をかけないでください」と。
ただ、その距離感ってすごく難しくて、保護者何にもしてはいけないみたいになるんで。さじ加減が大事です。
例えばグラウンドで低学年はゴールを運ぶのも大変なんで、その時間をちょっとでも短縮できたら子どもを試合にいっぱい出してあげられるじゃないですか。そういったときは「お父さん、すいません、ちょっとゴール運びを手伝ってください」と言った感じで、協力を仰いだりすることもあります。
■若いときは、出場機会について問いただしてくる親と揉めたことも
――昔の上手くいかなかった時期というのは、親が口を出してきたということですか?
大木昔はやっぱり(試合に)出る、出ないですね。
試合に出られなくて子どもがつらい顔をしているようなときに、「なんで出られないんですか」と問われることが多かったです。
「うちの子はすごく頑張っているのに」とか、「ほかの子より努力しているのに」と言われたりしましたね。