子育て情報『未だに罰走させるベテランコーチに、罰走をやめてもらうよう上手く伝える方法はある?』

未だに罰走させるベテランコーチに、罰走をやめてもらうよう上手く伝える方法はある?

学校の先生は上手に話してくれるかもしれません。その場合自分のチームでもパワハラと無縁の指導をしていることも重視してください。

■オシムさんも選手に「走れ」と言っていたが、罰の意図ではなかった

未だに罰走させるベテランコーチに、罰走をやめてもらうよう上手く伝える方法はある?

(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

先ごろ刊行された『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』という本では、私もインタビューを受けています。オシムさんはミスをしたジェフの選手に「走れ」と命じましたが、私はそれは罰ではなかったと考えています。

そのことが、以下のように書かれています。

命じられた選手は、走っているか歩いているかわからないくらいダラダラ行く。走り始めは全員、嫌な顔をしている。
ところが、グラウンド1周の半分ぐらいを過ぎてくると、うつむき加減だった顔が上がってくる。辛そうにゆがんでいた顔が引き締まる。目をかっと開き「次はどうしたらいいか」を考えている顔つきに変わった。

「(ミスして混乱した)頭を冷やす時間を、オシムさんは選手たちに与えていた。ミスすると走らされるという恐怖を与えるのとは違うのです」と池上。罰ではなく、考えさせる時間。それは即ち岸本の言った「準備」の一環なのだ

出典:島沢優子.オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉.竹書房,2023-05-01

最後に出てくる「岸本」とは、ジェフでゴールキーパーコーチだった岸本浩右さんのことです。私が育成部長などを務めた京都サンガでジュニアユースの監督でした。


15年のJユース杯でガンバ大阪を下して優勝させた際、オシムさんから「監督の仕事は試合前に終わっている」と言われた話をあげて「僕が立って、わめいて、指示を送ったりするというのは、この1週間準備をしてこなかったということになる。試合に出てくる彼らのミスは、実は僕のミスですから」と話しました。見本になるコーチはたくさん存在します。コーチ全員で学ぶ。学びの場や機会をつくることが大切です。

池上正さんの指導を動画で見る>>

未だに罰走させるベテランコーチに、罰走をやめてもらうよう上手く伝える方法はある?


池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。
幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。

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