子育て情報『それって指導? 暴力? バレーボール協会が取り組む暴力撤廃アクション、暴力と指導の間にある「未暴力」とは』

それって指導? 暴力? バレーボール協会が取り組む暴力撤廃アクション、暴力と指導の間にある「未暴力」とは

■暴力と指導の間にある「未暴力」とは

暴力撤廃アクションには「バレーボールの世界から暴力・体罰・ハラスメントを撤廃する」「暴力と指導の間にある未暴力に向きあう」というコンセプトがあります。

未暴力とは、暴力と指導の間にある、明らかな暴力とは判断しづらいもののことで、将来的に暴力へと発展する危険性があるものを指します。

日本バレーボール協会は、2023年3月25日発行の日本経済新聞に"それって、指導ですか? 暴力ですか?"という全面広告を掲載。指導現場で起こり得る事例を、指導者、選手の立場から記載し、「未暴力」の危うさを、指導者や選手に気づいてもらうことをテーマにしています。

ポスターには、次のような例が並んでいます。

【指導者】試合後、集中が足りない選手に自覚を促すために、みんなの前で指導した
→【選手】負けた後、チーム全員の前で「お前のせいだ」とコーチに責められました

【指導者】体罰にならない範囲で、気合を入れ直してもらうために、大声で喝を入れた
→【選手】バレーボールを壁にたたきつけて「たるんでる!」と大声で怒鳴られました

川合会長は言います。


「これを見た指導者に『自分がしているのは暴力ではないか』と振り返り、選手の側は『練習の中で、自分が受けた仕打ちは暴力ではないか』と気づいてもらうことが、暴力撤廃の第一歩だと思っています」

■暴力と指導の間にある「未暴力」とは

バレーボール協会は指導者、選手への啓蒙とともに、教育委員会を通じて、暴力・暴言・ハラスメントを行っている指導者へ聞き取り調査を行うなど、新たな取り組みを開始しました。

「これまで、暴力に関する通報窓口は、バレーボール協会や都道府県協会、全国連盟など分散していました。まずはそれをバレーボール協会に一元化しました。なぜなら、暴力や体罰をしている指導者が、都道府県協会や全国連盟の要職についている場合、通報したとしても、揉み消されるケースがあるのではないかと感じたからです」

暴力や体罰、ハラスメントが起きた場合、最上部の団体であるバレーボール協会に通報し、学校の部活動で問題が起きた場合は、同協会が都道府県の教育委員会に連絡し、調査してもらう流れを作ったそうです。「バレーボール協会には、問題が起きたときに調査をする権利がありません。我々は調査をする組織ではないので、学校の管轄である教育委員会に連絡をして『おたくの県でこういう問題が起きているので調べてください』と、調査してもらうようにしています」

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