子育て情報『幼少期の指導が日本と異なる⁉ スペインには自主練もドリブル塾もないのに「上手い選手」が育つ理由』

幼少期の指導が日本と異なる⁉ スペインには自主練もドリブル塾もないのに「上手い選手」が育つ理由

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幼少期の指導が日本と異なる⁉ スペインには自主練もドリブル塾もないのに「上手い選手」が育つ理由


■「認知」「分析」「決定」「実行」のプロセスがあるという共通認識

この本では「普通のサッカー」や「サッカーの本質」といった言葉を繰り返し使います。そこでまず、スペイン人のサッカーの捉え方を簡単に紹介しておきます。

まず、サッカーの本質を理解するうえで知っておいてほしいのが、スペインの「PAD+E」という概念です。


幼少期の指導が日本と異なる⁉ スペインには自主練もドリブル塾もないのに「上手い選手」が育つ理由

(イラスト提供:小澤一郎)

これは、サッカーのプレーの4つのプロセスを表す、以下のスペイン語の頭文字をとったものです。

・ぺルセプシオン[Percepción 認知]
・アナリシス[Análisis 分析]
・ディシシオン[Decisión 決定]
・エへクシオン[Ejección 実行]

最初のぺルセプシオン[認知]とは、周囲に目を配って敵味方、スペースなどの周辺状況を把握することです。

その次のアナリシス[分析]は、認知した状況を自分なりに分析することです。

次のディシシオン[決定]は、分析した状況を踏まえて、「右にトラップしよう」「左にドリブルしよう」「ワンタッチではがそう」とプレーの選択を決めることです。

そして最後のエヘクシオン[実行]が、実際に行うプレーになります。

日本においては、最後の「実行」の部分のドリブルやパス、シュートの技術ばかりが注目され、その技術が高い選手が「サッカーが上手い」と言われることが多いです。

しかし、ボールの扱いの上手さは、「サッカーの上手さ」の一側面に過ぎません。スペインには「認知」「分析」「決定」の能力が高く、「サッカーを上手くプレーする選手」という意味での上手い選手がたくさんいます。


具体的にどんな選手が「サッカーを上手くプレーする選手」なのかというと、試合の場面や、監督から求められた役割に応じて、常に適切で効果的なプレーを選択・実践できるような選手です。日本人が使う言葉で言えば「サッカーを知っている選手」という言葉に近いかもしれませんし、スペインでは「プレーすることを知っている」と表現します。

サッカーのプレーに「認知」「分析」「決定」「実行」という4つのプロセスがあることは、実際にプレーをする子どもはもちろん、その保護者の方にもぜひ知ってほしいことです。

足元の技術(「実行」の能力)を磨くことだけが「サッカーが上手くなること」ではないと理解できると、サッカーへの取り組み方は大きく変わるはずです。

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