子どもの主体性に任せる指導は甘い? 厳しい指導を求める親も多い中、それでも楚辺SCが「サカイク10の心得」を実践する理由
■子どもたちが心からサッカーを楽しむために、普段から大切にしていることとは?

(写真提供:楚辺SC)
サカイクの発信や10か条について、「大人の私たちも学び直しができるからありがたい」と松田さんは言います。
特に(1、子どもがサッカーを楽しむために最優先して考えよう)を実践するために、普段からどんな練習や活動をすれば、子どもたちが楽しんでくれるかと考えを巡らせているそうです。
教員である沢子さんは、普段から『失敗してもいいんだよ』という教室での雰囲気作りを心がけていて、(6、ポジティブな応援をしよう)が、まさに現場で大切にしていたことだったのだそうです。
「やっぱり子どもは大人のこと見ていますから。大人が子どものミスを咎めるような環境では、子ども同士でもそうなってしまうと思うんです」
楚辺SCでも同じようにポジティブな雰囲気作りをしていることで、子どもたちが伸び伸びとサッカーができていると実感していると嬉しそうに語ります。
■様々な取り組みへの工夫から、中学年代でサッカーを辞める子が一人もいなくなった
楚辺SCは子どもたちに合わせた試合や交流を重視しているため、リーグ戦を重視したり、4人制の試合を行ったり、サッカー協会に登録せずに自分たちで工夫してローカル大会を開いているそうです。同じ考えを持つチームは少しずつ増えてきているそうで、もっと賛同者を増やしていきたいと意欲を示しています。
このような活動が実を結び、楚辺SCの最初の卒業生である、現在中2の子どもたちは、全員今もサッカーを続けているといいます。今後は子ども食堂とコラボレーションした大会やサカイクのサッカーノート導入を企画中とのことで、多角的に子どもたちがサッカーを楽しめる企画を考えているのだそうです。
試合の勝敗だけを意識するのではなく、大人が視野を広げることで、サッカーは子どもたちの世界を広げる良い機会にもなります。
本質的にサッカーを楽しむために、サッカーを通じて子どもたちの生きる力や主体性を育むために、あなたのチームでもサカイク10か条を配布してみませんか?