今回の「やさしいママのヒミツ」は、ママたちから絶大な人気を誇るこども服と雑貨のセレクトショップ
「cuccu(クック)」を運営する
佐伯さつきさん。12歳と4歳の2人の男の子のママでもあり、会社員のご主人と4人暮らしです。
佐伯さつき さん
ご主人の直哉さん、碧(あおい)くん(12歳)、類(るい)くん(4歳)の4人家族
こども服と雑貨のセレクトショップ
「cuccu(クック)」を運営。「こどもだからこそ」できるおしゃれをテーマにセレクトにしたこども服は、おしゃれだけど着せやすいとおしゃれなママたちから大人気。ショップのインスタグラムで発信するパパやお子さんとの日常のひとコマの写真にもファンが多い。
HP:
https://cuccu.net/
Instagram:
@cuccu_net
ご主人の仕事の都合で、2014年~2017年の3年間、アメリカで暮らしていた佐伯さんご一家。次男の類くんはアメリカで生まれました。
子育てと両立させながらどうやって人気ショップを運営してきたのか、
ご主人との協力体制や
年の差育児のあれこれなど、たっぷりお伺いしました。
「家族に無理をさせないビジネス規模」を継続
まずは、さつきさんの平日の一日のスケジュールを教えてもらいました。
6:30 : 夫出勤
6:50 : 長男と起床。長男と朝食を食べる。合間に台所片付け、洗濯、身支度
7:50 : 長男学校へ
8:00 : 次男起床。朝食を食べさせる
9:00 : 次男を自転車で幼稚園へ
9:30 : 仕事開始
13:50: 次男を幼稚園へお迎えに。忙しいときはそのまま帰宅して仕事の続き。オフシーズンは幼稚園ママとおしゃべりを楽しむことも
17:30: 夕食準備
18:30: 夕食
19:30: 夫帰宅
20:00: 夫が長男、次男と入浴
21:00: 夫と長男で次男を寝かしつけ
22:00: 長男就寝
23:00: 就寝
さつきさんの仕事は、ネットショップ
「cuccu」のサイト運営と仕入れ。インスタグラムの更新やメールマガジンの配信もしています。商談等がなければ仕事場は自宅です。
さつきさんが「cuccu」をオープンさせたのは
長男が2歳のときでした。
より
「息子が生まれて子ども服を買うようになったのですが、なかなか好みのものがみつからなくて。いろいろなお店をまわったり、ネットで探したり、ときには海外から通販で買ったりするうちに、自分の好きなものだけ置いているお店があればいいなあと思うようになったんです。
それと、子どもが生まれてから買い物に行きづらいことにもストレスを感じていて。野菜もネットスーパーで買うような生活では、子ども服を買うのはどうしても後回しになってしまう。夜に子どもを寝かしつけてから、ゆっくり買い物ができるようなお店をつくれたらいいなと思ったのがはじまりです」
cuccuのインスタグラムのモデルとしてもおなじみの碧くんと類くん。子ども用ブルーライトカット眼鏡をかけて。
それまでは会社員だったというさつきさん。
起業を決意するにはきっかけがありました。
「育休明けで仕事に復帰していたある日、勤めていた支店がなくなると言われて。もともと自分でお店をやりたいという思いはあったので、会社でその話を聞いた当日に夫に相談してみたら、“いいよ”と即答してくれたんです」
ママの起業は夢がある一方、失敗すれば多額の負債を抱える可能性も。「なんとかなると思って」と快諾してくれたご主人に、今は感謝しているといいます。
「私はひとつのことに夢中になるとそれしか見えなくなってしまう性格。夫もそれをよくわかってくれていて、以前から“その熱量を何かに生かせたらいいね”というのは言ってくれていました。とはいえ何か具体的な話をしたことはなかったので、いきなりだったとは思います。結局、支店はなくならないことになったんですけどね(笑)」
「cuccu」では動物ポシェットなどのファッション小物やおもちゃも人気。
当初は、自宅の一部屋を使って、商品の梱包や発送もすべて一人でやっていたそう。その後、注文が増えてきたので、在庫管理や商品の梱包・発送は別のスタッフに任せ、さつきさんはショップの運営と仕入れに集中することにしたそうです。
「ネットさえあれば私自身の仕事はどこでもできる環境を整えていたので、夫の仕事でアメリカで暮らすことになったときもショップを継続することができました。
初めての海外暮らしは、いろいろ大変でした。次男はアメリカで産んだのですが、異国での出産もわからないことだらけ。みんなでがんばらないといけなかったから、自然と
家族の団結力が生まれ、絆が強まったと思います。
cuccuは今年の12月で10周年。ありがたいことに順調にここまできました。ショップのインスタグラムの投稿に“いいね”をもらえることもそうですが、人から評価されることは
仕事のやりがいにつながっています。
長く続けていると事業を拡大する人も多いのですが、私自身は今すぐにとは考えていません。今は家族が一番なので、
自分ができる範囲でやっています。子供たちと過ごす時間も多く取れているし、家族に無理のない程度のバランスのよいビジネスができていると感じます」
デリバリーや外食も前向きな気持ちで利用
家族を一番に考えているとはいえ、どうしても仕事の忙しさには波も。商品の入荷が多いオンシーズンは、サイトの更新などに追われ、一日中仕事をしていることもあるといいます。
「忙しいときは
遠慮せずに夫に言うようにしていますね。夫は会社員なのでいつでも助けてもらえるわけではないですが、なんとかしたいという気持ちを持ってもらえるだけでもちがいますよね。
そもそも私、家事と育児に関してはあきらめが早いんです(笑)。自分を犠牲にしてまでがんばるのは好きじゃないので、疲れたら無理はしません。仕事が忙しいときや生理前で体調がよくない日は、
“今日はママ何もしなーい”って子どもたちに宣言して、ソファでダラッとしちゃいます。夕ごはんにはデリバリーも活用しますよ。
夕食をつくれない日に夫が早く帰って来られたら、平日にみんなで外食に行くこともあります。夫も私も、お酒を飲んだり外食したりするのが好きなので、むしろ美味しいものを食べにいくチャンスだと思って楽しんじゃいます」
どうせ外食するなら「つくれなかった…」という後ろめたい気持ちで行くより、それ自体を
イベントとして楽しんでしまうほうがハッピー。「たぶん、考え方が前向きなのかも」とさつきさんはにっこり笑います。
続けるには「変わることをおそれない」
自宅のインテリアを彩る雑貨は、cuccuで扱っているものが多いそう。
「基本的に自宅のインテリアもcuccuで扱っている雑貨や服も、インスピレーションで選んでいます。シックなものが好き、という根本的なところは変わりませんが、こまかな好みは結構変わっています。
以前は“変わる”ということが、なんだかポリシーがないみたいに感じられて、口に出しづらいこともあったのですが、今は
変われるから続けていける部分もあると思っています。“自分はこう”と凝り固まってしまうと、時代の変化とともに逆に受け入れられなくなってしまうこともあるかなと思うんです」
センスのよいインテリアに囲まれた家の中は、整然と片付いていて、男の子が2人いるとは思えないほど。
「私は部屋が散らかっているとイライラしてしまうタイプ。生活が乱れる感じがしてしまうんです。実際に部屋が汚いときは、私自身の心の状態もよくないときが多いんですよね。
子どものおもちゃを片付けるのは苦にならなくて、むしろ、子どもがちょっと遊びをやめたらどんどん片付けちゃう(笑)。ただ、毎日掃除機をかけることはできないので、
ロボット掃除機を使っています」
年の差兄弟だから、あえての別行動も
弟ができたと告げたとき、涙を流して大喜びした長男の碧くん。
そのときの動画をcuccuのインスタグラムに投稿すると、たくさんの「いいね」が付きました。
リビングのブランコはお友だちにも大人気だとか。
「まさか泣くほど喜ぶとは思っていなくて、私も驚きましたね。生まれてからもとてもかわいがってくれて、オムツ交換も手伝ってくれました。
次男は元気いっぱい。長男はまったく手がかからなかったので、次男が生まれて“初めて子育てしたね”って夫と話すくらい(笑)。でも、年が離れているので、兄弟げんかはほとんどないし、長男のやさしさには私も日々助けられています。
兄弟の年の差が離れていることで、悩ましいのが
おでかけの場所ですね。遊園地に行っても乗れるアトラクションもちがうし、公園でのキャッチボールも兄弟一緒にはできない。次男が行きたいという場所に長男が興味をもてないこともあれば、その逆もあります。
片方につきあわせてばかりでは、もう一人がつまらないと思うので、そういうときは
夫婦が分かれて、子どもと2人で行動します。できるだけ長男も次男もやりたいことができるようにしてあげる、ということは心がけていますね」
長男の碧くんは3歳からピアノを習っていて、パパママどちらかとピアノライブに行くこともあるそう。さつきさんは長男の
ユーチューブチャンネルをつくり、ピアノ演奏の動画投稿をお手伝いしています。
「長男はユーチューブが大好きで、
ユーチューバーになりたいというから、試しに得意なピアノでやってみたら? とはじめました。ピアノは渡米時と帰国時に二度、約半年ほど一度中断しましたが、本人がまたやりたいといって再開している習いごとです。
実際にユーチューブに投稿するとなると、演奏をミスして何度も撮りなおさなければならなかったり、キャプションを考える必要があったり、結構大変。長男もユーチューバーの人たちがどれだけ時間をかけてつくっているかとか、そんなに簡単ではないとか、いろいろなこともわかってきたみたいです」
旅行の記録や成長記録はフォトブックで目に見えるかたちにして、旅の思い出がずっと子どもたちの記憶に残るように。
「もちろん、家族みんなででかけることもあります。最近家族でハマっているのが
ボーリング。子ども用の滑り台を使えば次男も遊べるので、家族みんなで行きます。夫と私はマイシューズも買いました。4~5回行けばレンタルよりお得なんです(笑)。
それから旅行も。もともと夫も私も旅行が好きで、子どもが生まれてからも年に一回は家族旅行へ行きます。旅行の記録はフォトブックにまとめて、リビングに飾っています。そうすると子どもたちも喜んで見返してくれます」