失敗は自己責任? 個人の責任はどこまで追及されるべきか…【石井ゆかりの幸福論】
になります。
でも、私たちが自分個人としての人生や幸福を考える場合は、どうでしょうか。
あるいは、自分にとってごく大切な人の人生について考えるときは、どうでしょうか。
かけがえのない大切な人が、赤か青か、間違ったほうを切ってしまったなら、私たちは基本的に、全力で相手をサポートしようと思うはずです。
自分もまた、同じ目に遭わないとも限らないことが、わかるからです。
幸福がもし、人間の心の中に生まれるものだとするなら、私たちが幸福になるにはまず、「ゲートの開け閉めの失敗について、自他を責めるのをやめる」ことが必要なのかもしれません。
人生には、誰のせいでもないことが、たくさんあります。新型コロナウイルスに感染した人を責めるのがナンセンスであるのと同じように、そこで犯人捜しをするのは、無意味なのです。
もちろん、たくさんの警告を受けながらも「自分だけは大丈夫」「このくらいは大丈夫だろう」といった無根拠な自信で行動し、感染してしまった人々に、医療従事者の方々などが苛立ちを感じるのは当然だと思います。ただ、失敗は誰にもあります。それをどのように反省し、他の人々への教訓とするかは、また別の問題と言えるでしょう。