2016年9月12日 10:15
鏡リュウジ×寺山マル×田波有希~タロット×漫画『サングリアル』座談会vol.1【恋占ニュース】
そのお話を先生が受け取り、こちらにバックしてる感じで、先生としては無意識かもしれないけど、全部がリンクしてるんです。
鏡:タロットストーリーね。通常、大アルカナと呼ばれている22枚のカードが人間の成長物語を表すという解釈は1960年代末ぐらいからされるようになりました。最初の「愚者のカード」はまだ何もない若者を表していて、その何者でもない存在が「世界」という最終ステージに向かって成長していく。そういった心理学的な解釈をするようになったんですね。
そんなタロットの世界観が、そのまま展開されているというのはとても納得できますね。これからどういうふうに物語が進んでいくのか楽しみです。
もはや『サングリアル』って物語自体が、一個のタロットと言っても過言ではないかもしれません。
寺山:ありがとうございます!
鏡:読んだ方が「スケールは違うけど、まるで自分のことを描いてるような話だ」って。
寺山:そう思っていただけたらうれしいです。
鏡:この物語の設定のモデルはどこかにあったんですか?それから、中世ヨーロッパを舞台にした理由は?
寺山:昔、王子さまが女装する風習があったというのは、ハプスブルグ家の肖像画を観て知ったんです。