2016年9月12日 10:15
鏡リュウジ×寺山マル×田波有希~タロット×漫画『サングリアル』座談会vol.1【恋占ニュース】
月とカードをリンクさせるとか、そういう画的イメージというのは先生の力そのものなんですよ。
鏡:なるほど。今言われてハッとしたのですが、確かに占いのシーンって絵にならないですよね。
昔、ドキュメンタリー番組に出演させてもらったことがあるのですが、占いって動きがないから動画で見ても面白くないんですよ。料理人やスポーツ選手はアクションがあるから絵になるんですけど。結局、テレビの占いのシーンってタレントさんの「すごーい、当たってる」というリアクションでしか見せることができないんです。
でも田波さんが仰るように、この漫画には占い師側の観ている心象風景が絵として表現されているっていう面白さがあります。
田波:最初のインスピレーションでしっかり骨子をつくり、ネームを切ってきてくださったのですが、そのストーリーがある中で、あれだけ占いのイメージを表現できるって、寺山先生はものすごい才能の持ち主だなと思って。
寺山:いえいえいえ…。
鏡:これが魔術だったら、いろいろなものが飛び出してくることもあるかもしれないけど、占いの場合は、外目には、占い師の頭の中で何が起こってるかわからないですからね。
それとこの漫画は、我々のイメージする通りのタロットの世界…中世ヨーロッパ的な架空の世界になっているわけですが、この舞台はどうやって選ばれたんですか?例えば学園コメディでも良かったかもしれないですよね?
瀬尾:寺山先生、最初から中世ヨーロッパか明治時代の日本を舞台にして描きたいって仰ってたんです。