連載記事:リアル・モンスターワイフ、再び
完璧な妻ほど夫の心が離れてしまう…その理由は?【リアル・モンスターワイフ、再び 第21回】
夫の愛が冷めてゆく…それは、妻に
モンスターワイフの影が見えるから…。
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前回は、仕事の忙しさを理由に、家庭生活をかえりみなくなってしまったバリキャリ系モンスターワイフをご紹介しました。
今回も同じバリキャリ系モンスターワイフに分類されますが、実は真逆。仕事と家庭の両立に非常に熱心なタイプです。しかし、そんな立派な妻も、
一歩間違えばモンスターワイフに…。
せっかく
「デキる女」と「愛され妻」を両立しようという気概を持つ健気なあなたが、迷走してしまうことがないように。こちらのエピソードをお届けします。
■髪ふり乱して手抜きメイク「仕事も家事も完璧妻」
「バリキャリ系モンスター クタクタぼろぼろ」代表:亜紀(仮名)33歳の場合
始業10分前に駆け込んだ会社の女子化粧室。
鏡に映る自分の姿に、亜紀は朝からゲンナリした。おでこも鼻もテッカテカ。髪は毎日同じ
ひっつめ髪。そしてなにより、くたびれた感じが全身からにじみ出ている。
亜紀の朝は、出勤前から戦争だ。起床と同時に洗濯機を回し、お弁当作りに朝食作り。夫の隼人を送り出したら洗濯物を干して、
超時短メイク。そのメイクも、駅までダッシュしている間に崩れてしまうのだが…。
服だって、本当はパリッとアイロンのかかったブラウスを着たい。けれど
自分の服は、ノンアイロンでOKなものと決めている。毎週末、隼人のワイシャツのアイロンがけだけでも大変なのに、これ以上手間を増やす気にはなれない。
半年前、真面目な仕事ぶりを評価され、亜紀はチームリーダーに昇進した。地道な努力が報われたのだ。亜紀は自分をほめまくった。
「わたしって最高! 家庭と仕事の両立ができてるって感じ!」
それ以来、亜紀は以前にも増して熱心に仕事に取り組んでいる。残業はほぼ毎日だ。
家事にあてる時間が短くなってしまったが、だからといって
手抜きは厳禁。手を抜くというのは怠けだ。努力さえすればできるものをあきらめるなんて、それは単なる怠惰だ。
会社で評価されたい。そして同時に、家庭でも
「理想の奥さん」でいたい。隼人が職場の友だちに「うちの亜紀は満点の奥さんだよ」と自慢する光景を何度想像したことか。
亜紀は理想が人一倍高かった。