2018年9月1日 21:00|ウーマンエキサイト

セックス拒絶「できるのにしない草食系夫に生殺し…」子づくりもあきらめモード【リアル・モンスターワイフ、再び 第27回】



■子づくりを拒絶「セックスできるのにしない」草食夫に不満爆発!

セックス拒絶「できるのにしない草食系夫に生殺し…」子づくりもあきらめモード【リアル・モンスターワイフ、再び 第27回】

©beeboys- stock.adobe.com


そして迎えた、排卵予定日。

「純くん、今夜だよ!」

先日の様子からして、何の前触れもなく迫ったりしたら純也は逃げ出してしまいそうだ。愛美はそう思い、出勤前の夫に明るく声をかける。

ところがまた、純也は気まずそうな顔。小声で「いってきます」と言うと、そそくさと家を出てしまった。

純くん、かなり緊張してるみたい…。でも、今夜一度うまくいってしまえば、不要な緊張も解けるわ。愛美はそう考えていた。


ところが。

このところずっと7時には帰ってきていた純也が、8時になっても帰って来ない。愛美が待ちくたびれていると、純也からメールが届いた。

「愛美ちゃんごめん! 急に先輩に誘われちゃって。二次会まで付き合わなきゃいけない雰囲気だから、悪いけど先に寝てて。本当にごめん!」

先輩と飲み? それも二次会まで? 純也はお酒がほとんど飲めず、会社の飲み会が嫌いだ。どうしても参加しなければならない飲み会でも、二次会は断って帰って来る。

それなのに、どうしてよりによって今日? 愛美は、心底がっかりした。
けれど、今日のところは仕方がない。また来月頑張ろう。愛美はそう思うことにした。

しかし、ことは彼女が思うようには進まない。その後、なんと半年の間、純也は「約束の日」にはなにかと理由をつけて、日付が変わってから帰宅するようになった。

当初は「そろそろ始めなきゃ」と、のんびり構えていた子づくり計画。しかし、セックスに持ち込むことができない現実に直面して、愛美の中で一気に「緊急課題」となる。

それだけではない。
愛美は「自分はこのままセックスが皆無の人生を送ることになるのでは」という不安にもかられ始める。「セックスができない相手と結婚して、一生セックスなしでいい」と覚悟して結婚に踏み切ったわけではない。「結婚すれば、いつかできるようになるはず」と思っていたのだ。

愛美は性欲が強いほうではない。それでもまだ20代の自分が、女として求められることなく一生を終えることになるかもしれないと思うと、いたたまれなかった。そして生まれて初めて「男性から求められたい、抱かれたい」と切実に渇望するようになった。

「子どもが欲しい」と真剣に願う一方で、「このまま一生セックスなしなんてあんまりだわ。私、いつか浮気しちゃうかも」などということも考える。
頭も心もどんどん混乱してゆく。彼女はもう限界だった。

「純くん、約束の日になると、必ず予定が入るんだね。どうして? 子どもが欲しくないの? それとも私とセックスするのがそんなに嫌?

愛美に詰め寄られると、純也はあからさまにオドオドした。

「なんていうか、目的があって『今日しなきゃ!』みたいに言われると、プレッシャーっていうかさ。そういう気分になれないんだよ」

「じゃあ、今日しよう」

「え?」

「今日は排卵日じゃないよ。子づくりとか目的なしで、私とセックスしてよ

純也は追い詰められた表情になった。そして、愛美を残して部屋を出て行ってしまった。


愛美は呆然とする。ケンカをした時でさえ、純也が一方的に会話を中断してその場を離れてしまったことなど、それまでにはないことだった。

その日から愛美は雑誌やネットで、あらゆるセックスレス克服法を読み漁り、実行した。けれども、状況は一向に改善しなかった。良好だった夫婦仲もギクシャクしたものになっていった。

ある日とうとう愛美は、泣きじゃくりながら純也を問い詰めた。

「純くん、どうして? 私はただ普通にセックスをして、普通に子どもが欲しいだけだよ。私、何かワガママなこと言ってる?」

純也はいつもの困り顔で黙っている。


「私もう疲れちゃったよ。ねえ純くん、本当はどう思ってるの? 正直に答えて。本当に子どもが欲しいって思ってる?」

「それは、思ってるよ」

「じゃあ、このままずっと私とセックスしてくれないなら、不妊治療のクリニックに一緒に行ってくれる? 純くんの精子をくれる?」

「い、いきなり、なに言い出すんだよ…。突然そんなこと言われても」

「全然、突然じゃないでしょ!」

愛美は叫んだ。

「私もう、何カ月も待ったよ。でも純くん、ちっともセックスしてくれないじゃない。なんで? EDなの? セックスできないなら、もうお医者さんに頼るしかないじゃない。お医者さんに精子を取り出してもらうしかないよ」

「いや、そういうわけじゃ…」

夫のその答えに、愛美は驚いた。
純也の性格からして、浮気の可能性は限りなくゼロに近い。風俗なども毛嫌いしている。そして、マスターベーションをしているらしい痕跡も、愛美は感じたことがない。だから、純也はEDなのだと、ほとんど確信していたのだ。愛美は即座に聞き返した。

「え、どういうこと? 純くん、勃つの? 射精できるの?

「女の子がそういうこと聞くかな」

「質問に答えてよ!」

「うん…できるよ」

「ひとりでならならできるんだ?」

ひたすら居心地が悪そうにしていた純也の顔に、いらだちが加わった。そして、うんざりした口調で答えた。

「ああ、できるよ」

「最後にしたのいつ?」

「2週間くらい前かな」

…それって、私の排卵日の頃じゃない。あの時、純くんは「仕事でトラブっちゃって」なんて言いながら、ご丁寧に排卵日のみならず、その前後1日ずつまで思いっきり遅く帰って来たのだ。まさかあのタイミングで、マスターベーションしていたなんて。

夫は自分でならできる。それなのに、これだけ懇願している私とは、絶対にセックスしてくれないのだ。愛美の理性は完全に崩壊した。

「そんなに私とセックスしたくないわけ!? なんなのよ、なにがいけないのよ!? 私はどうすればいいのよ!」


子づくりにあせる気持ちと、女性として求められないさみしさ。ネガティブな感情が混じり合って、愛美さんはパニック状態に陥ってしまいました。

彼女はどこで、モンスターワイフへの道に足を踏み入れてしまったのでしょうか。次回ご紹介するチェックテストで確認してみてください。


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