男性も被害対象に!「強姦罪」はどのように改正される?
(大窪弁護士)
また、現行の強姦罪が現実に即していないなどの声も多かったようです。具体的な例があればお教えください。
「現行の強姦罪については、犯行主体が男性のみであり、犯行客体も女性のみに限定されていました。そのため男性が性交類似行為により被害を受けても、強制わいせつ罪でしか処罰できません。
強制わいせつ罪の法定刑は6カ月以上10年以下の有期懲役であり、強姦罪の法定刑と比べて著しく軽いです。しかし、男性が性交類似行為により被害を受ける場合も身体に対する侵襲を伴う点では強姦と同様であるので、これまでの扱いが現実には即していなかったと言わざるを得ません」(大窪弁護士)
強姦罪の法定刑の下限は懲役3年です。しかし、男性が被害を受けても強姦罪ではなく法定刑下限が懲役6カ月の強制わいせつ罪を適用するしかありませんでした。男性の被害が軽く見積もられている状態だったといえるでしょう。
■改正の一番大きなポイント
上記の表の通り、適用範囲や法定刑、非親告罪化など様々な変更点がありますが、強制性交等罪の一番大きなポイントはどこでしょうか?
「やはり強姦罪の名前を変えた上で性器の挿入がない性交類似行為についても従前の強姦行為と同様に厳しく処罰するようにするという点が一番大きいのではないでしょうか。