夫婦にはセックスに応じる義務がある!? 夫婦間で強姦は成立するのか
夫婦間だからといっていつでも相手に性交渉を求めることができるものではありませんし、性交渉を命ずる判決を求めて裁判が起こせるわけでもありません。
夫婦の性交渉については、性交の拒否または不能が離婚事由になるかという形で、法的な判断がなされることがあります。
例えば、結婚後約1年半の同居期間中夫が性交できなかった事案では、裁判所は、夫婦の性生活は婚姻の基本となるべき重要事項であると指摘し、婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)があるとして、妻からの離婚請求を認めています(最高裁昭和37年2月6日判決)。
また、夫が自分が性的不能であることを告げずに結婚し、約3年半の同居期間中に性交渉がなかった事案で、妻からの離婚や慰謝料の請求を認めた裁判例もあります(京都地裁昭和62年5月12日判決)」(渡邊弁護士)
夫婦間での性交渉が法律で定められているわけではなくとも、性交渉が婚姻の継続に関わる重要なものとして扱われている以上、性交渉を求める権利と応じる義務があると解釈できるのです。
これを知らずに結婚する方は結構多いのではないでしょうか?
「ただし、結婚後に肉体的・精神的理由で性交不能になったとか、単に年を取って性交不能になったような場合には、離婚事由として認められないでしょう。