離婚の訴えでは、“離婚原因があるとはいえ、夫婦間の修復可能性は本当になくなったといえるのか?”ということを諸般の事情から裁判官が修復可能性がなくなったかどうかを判断し、離婚を認める・認めない判決を下すことになります。
■ 「不貞な行為」とは?
それでは、民法770条1項にある「配偶者に不貞な行為があったとき」というのは、具体的にはどういうことなのでしょうか。
この点について、最高裁は、「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」だと述べています(最高裁昭和48年11月15日判決)。
性交渉を行ったときはもちろんのこと、性交渉自体はなくてもそれに類似する行為を行ったのであれば、性的関係を結んだということになります。民法上は不貞行為の回数は問題とされていません。
■ 上司に連れられて、風俗に継続的に通っていた場合は?
上司から誘われたとはいえ継続的に通っていたわけですから、夫は、自分の自由な意思で、風俗嬢と性的関係を結んだということになるでしょう。
特に夫が自腹で風俗代を支払っていたのであれば、なおさらです。したがって、「不貞な行為があったとき」