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パートナーからの殴る・蹴るなどの「身体的な暴力」、心を傷つけられる言動などの「精神的な暴力」、暴行を用いた性的行為の強要などの「性的な暴力」。これらはどれもDV(家庭内暴力、ドメスティックバイオレンス)に該当する暴力の形態で、日本では女性の3人に1人が被害にあっており、男性の被害者の報告数も近年増えている。(参照元:内閣府男女共同参画局、東洋経済オンライン、産経ニュース)Today's mantra: You are worthy! #MoveToEndDV pic.twitter.com/Pyz9Xo7XVF— #MoveToEndDV (@MoveToEndDV) August 24, 2016 「今日の言葉:あなたには価値がある!#MoveToEndDV(画像)あなたには健やかな恋愛をする価値がある!」統計上日本と同様に3人に1人の女性、そして4人に1人の男性がDVの被害にあっているアメリカ(参照元:NCADV)*1。同国のカリフォルニア州で事業を展開する、スポーツチームの学生たちが働く引っ越し会社「Meathead Movers(ミートヘッド・ムーバーズ)」は、法的な相談や心身のケアの専門家が揃うDV被害者向けのシェルターや支援団体と連携して、無料でDV被害者の安全な引っ越しを手伝っている。この活動は#MoveToEndDV(DVをなくすために)*2と呼ばれ、日頃よりDV被害者への対応のトレーニングを受けている学生の従業員たちが、支援団体から連絡を受けて引っ越しを手伝うというものだ。(*1)年齢の比率は異なるが、アメリカの人口は日本の2倍以上のため、DV被害者数は日本より遥かに多いと考えられる(*2)「Move」には引っ越しの意味もある
2017年08月22日これまであなたの人生にアートはどんな影響を与えてきただろうか?映画、音楽、写真、絵…アートは様々な形で存在し、私たちの日常を豊かにしてくれる。あるいは、人生を変えてくることだってあるだろう。Be inspired!では環境や人権、貧困などあらゆる「社会問題」を独自の形で表現、発信するアーティストに焦点を当てた新連載『GOOD ART GALLERY』で、まだ日本ではあまり取り上げられていない国内外の社会派アーティストを紹介していく。アートだからこそ、ときには美しく、ときには面白おかしく、そしてときにはショッキングに人の心に届くものがある。ーあなたたちは誰?私たちはカナダのフランス語圏であるモントリオール出身のアーティストです。名前はエミリー・メルシェ(29歳、フォトグラファー)とフレデリック・マルセイユ(28歳、アートディレクター&同プロジェクトのマネージャー)。ティーンエージャーのときから親友の私たちは常にアートや、光、人間、そして友情に関して同じようなセンスを共有してきた。1,001Fessesプロジェクトを始めてからは3年になる。これまでカナダ、フランス、スイス、メキシコ、そしてキューバで200人以上の女性を撮ってきたわ。ーどうしてアートを始めたの?「アートをしない」ことができないから。アートは選択的にすることではなくて、しなければならないことだと思ってる。エミリーには写真と光が必要でフレデリックには人と表情が必要なの。アートはコミュニケーションやクリエーションのはけ口で、反響させる場でもある。ーアートを通してどんなことを世界に伝えたい?美しさ。この世界は辛くて、暴力的で、冷笑的。でも本当は美しくて、真実味があって、傷つきやすいけれど光に溢れている。親密に人の自然な体や性格を表現することで私たちは孤独ではなくなる。アートは人生の壮大さを語る場でもあるの。ー同世代の子に今一番伝えたいことは?クレイジーになるべき!違いを抱きしめてあげて。オリジナリティーと本物感を自慢しちゃって!もし何か…何でもいいからアイデアがあるのなら、とりあえずやってみて。私たちを見てみてよ、お尻の写真を撮りたかったから実現しちゃった。ちょっとバカらしくても、このプロジェクトは結果的に素敵な冒険となっているわ!ーあなたの人生のモットーは?GO WITH THE FLOW:流れに身を任せて。(このモットーをタトゥーで体に入れちゃった!)Website:www.1001fessesproject.com Instagram : @1001fesses_projectFB: @1001fessesprojectTwitter: @1001fessesTumblr:@1001fessesAll photos by 1,001FessesText by Noemi Minami ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#1 人類がどれだけのビニール袋で生き物を苦しめてきたか。ストリートのアクティビストが訴える「ゴミ問題」。コーバン・ランドボーグ|GOOD ART GALLERY これまであなたの人生にアートはどんな影響を与えてきただろうか?映画、音楽、写真、絵…アートは様々な形で存在し、私たちの日常を豊かにしてくれる。あるいは、人生を変えてくることだ...
2017年08月21日「メイクは女性がするものであり、男性がするべきものではない」近年、国内外のSNSやメディア、広告などでもメイクを楽しむ男性の存在に注目が集まってきている中で、そんな考え方はもう古いのかもしれない。性別の境界線を取り除いて自分を表現し、一人ひとりの個性を大事にする風潮が高まっている。メイクする男性が急増中なぜ男性はメイクをしてはいけないのか?そんな問いに答えられる人はいるだろうか。男性のメイクに対して批判的な人もいるだろうが、それはメイクを女性のものだと決めつけているだけではないのか。自分を表現するためにメイクをする男性がいたっていい。男性もメイクをすることで自分の変化を楽しんだっていいはずだ。そして美しさの追求は誰にだって共通してあるものだ。好奇心から始める人もいるかもしれない。メイクする男性たちは、メイクを女性だけの行為とは考えず、自分たちもしていいものだと考え、自分の個性にうまく取り入れている。アメリカのコスメブランド「カバーガール」は昨年、初めて男性キャンペーンモデルを起用した。ニューヨークを拠点に活躍する17歳のメイクアップアーティストJames Cherles(ジェームス・チャールズ)が起用された理由は、珍しいからではない。美しさに対する信念を持ちながら様々な方法でな自分を表現することを恐れず、美しさとは何かを考えさせる強いインパクトを与えているからだ。she's serving ladies pic.twitter.com/liQePC3q0m— James Charles (@jamescharles) 2017年8月6日メイクをするという行為に性別は関係ない。メイクをすることで自分に自信を持てたり、楽しいと思えるなら誰であろうとしていいのだ。決めるのは自分。スウェーデンのジェンダーニュートラルな教育。私たちは、いつのまにかジェンダーステレオタイプに自分を当てはめるよう行動しているのかもしれない。男だから、女だからという理由でこれはしてはいけないとか、逆にやらなければいけないなどという思い込みは捨てよう。自己表現にジェンダーは関係ないのだから。「ジェンダー」という境界線をなくし、男も女も互いに認め合い、世界を見つめてみれば、今まで見えていなかった世界が広がり、男性のメイクのように多様な表現は増えるのだ。自分の感情に従って、楽しいと思えることや好奇心をそそられることを思う存分にやってみてはどうだろうか?自分という人間をもっと知ろう。自分の「好き」を貫くことで、きっとそれが個性となるのだ。Text by Shizuka Kimura ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「日本に必要なのは美の多様性」。元モデル、現写真家の22歳の彼女が「美の基準」に一石を投じる理由。 フェミニスト、と聞くとどんな人物を思い浮かべるだろうか?もしかしたらちょっと過激なイメージがあるかもしれない。欧米ではだんだんと常識となりつつあるが、日本ではあんま...
2017年08月20日世界最大の動画プラットフォームYOUTUBEでは、YOUTUBERたちが社会の様々な情報を世界中の人と共有したり、自作の映画や音楽をアップしたりと、私たちの生活に今まで感じたことのない刺激を与えてくれる。そんなYOUTUBERたちのなかには、「社会を良くするためにはどうしたらいいか?」を考えて動画を発信する人たちがいて、Be inspired!では彼らをGOOD YOUTUBER、略してGOODTUBER(グッチューバー)と呼んでいる。本連載を通して、友達、家族や友人とともに新しい価値観と出会い、世界が広がれば嬉しい。蒸し暑い毎日が続き、アイスクリームが美味しい季節。あなたは食べているアイスクリームのパッケージの裏に記載されている原材料を確認したことがあるだろうか?そこには「植物油脂」や「植物性油脂」の表示が見つけられるはずだ。アイスクリーム以外にも、チョコレート、カップヌードルやスナック菓子のパッケージにも同様の表示がされていているが、一体どの植物の油なのか私たちにはわからない。パーム油は原材料欄での名称の記載がはっきりと義務づけられていない。パーム油は「植物油脂」、「植物性油脂」、「食用植物油脂」に含まれて記載されることが多い。そこで彼女は買い物をするときは原材料を必ずチェックして、大量生産されたパーム油でなく、他の種類の油が使用されているもの、もしくは社会を考えて生産されたパーム油を選ぶようにしている。②パーム油を選ぶときには「環境や社会を考慮した“持続可能なパーム油”が使われているか」を確認する私たちは生活のなかで気づかないうちに環境破壊や社会問題に加担し、自分自身の健康を害している。パーム油の存在は、驚くほど身近な存在だからこそ、一人ひとりがパーム油を自身で調べ理解し、選択していく必要がある。買い物をするときに、原材料を確認して「これなら大丈夫」と安心して買い物をしてみたら、地球、社会、そして自分やほかの動物が守られていくのではないだろうか。***Stevie
2017年08月20日「生理」は“女性”にだけくるものだと思ってはいないだろうか? 自分の経験をさらけ出して、そんな“常識”に異を唱えるアクティビストで、生理用タンポンをキャラクターを生み出したアーティストが アメリカのワシントンD.C.にいる。性別が女性でも男性でもない、ジェンダークィアなCass Clemmer(キャス・クレマー)だ。I will never stop fighting #bleedingwhiletrans Toni the Tampon (@TonitheTampon) July 22, 2017 私は戦いをやめない#bleedingwhiletrans自分自身を男性とも女性とも自認していないキャスは、女性の性機能を持つトランスジェンダーで生理がある。啓発活動ではそれがどういうことなのかと経験を語り、「女性と自認していないのにもかかわらず生理と向き合わなければならない人がいる事実」を、#BleedingWhileTrans(トランスジェンダーで生理がきている)や#queeriods(クィアの生理)などのハッシュタグを使って訴えてきた。キャスがタンポンのキャラクター「トニー」や生理にまつわるイラストを描いた缶バッジ。生理のある全てのジェンダーの人をサポートする取り組みの一貫として作られたPhoto by @tonithetamponキャスのようなアクティビストが伝えてきているように生理が女性だけのものではないということは、女性以外のジェンダーの人に向けた生理用品が必要となる。そこで、アメリカのシカゴで作られたのがジェンダーレスな生理用下着ブランド「PYRAMID SEVEN(ピラミッド・セブン)」。それは、クィアの人たちによる、“女性的なもの”を普段身につけない人に向けた生理用下着だ。これには自分自身を男性と自認していても身体が女性で生理のある人も含まれている。これがどんな下着なのかというと、形は一般的に売られているブリーフと同様で、中は生理用ナプキンを取り付けられるようになっている。そして何よりの特徴は、よく売られている女性的なデザインの生理用下着とは異なり、デザインで特定のジェンダーの人を排除しないところだ。Photo by @pyramidseven生理用品売り場に行くと、可愛らしいデザインの商品を多く見かけるが、女性の誰もがピンクのレース付きのドレスを着たいと思っているわけではないように、女性だと自認している人でも可愛らしいデザインが好みな人ばかりではないだろう。「生理は“女性”だけのもの」だという認識がなくなり、彼らが作ったようなジェンダーレスな商品が増えれば、多くの人が生理の期間をもっと快適に過ごせるようになるかもしれない。***PYRAMID SEVENAll photos by PYRAMID SEVEN unless otherwise stated. Text by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!オトナに“こそ”読んでほしい。「多様な性」を考える絵本 今、海外を中心に「さまざまな性」をテーマにした絵本が増えている。幼い頃、誰もが読み親しんだ絵本。そんな絵本を通して、子どもや大人に「性」を考える機会を作...
2017年08月18日中学に入ったばっかの頃、校則が厳しい学校に通っている友達が数多くのルールのひとつに「黒と茶色以外の髪ゴムを使っちゃいけない」というのがあると言っていた。意味が分からない、と混乱したのを覚えている。なんのためのルールなのだろう、どうして青やピンクではいけないの?、といくら考えても納得のできる理由が思いつかなかった。現代の日本社会のタトゥーへの視線はそれと似たような「中身のないルール」なのではないだろうか。もちろん、歴史のなかで刺青が罪人やヤクザと関連されてきたのは事実だ。でもタトゥーを入れている人たちが全員そういったことと関係があるわけではないことは、誰もが分かっていると思う。それでもタトゥーを入れている人たちは、彼らがどんな人間か、何をしているのかは関係なく「タトゥーを入れているという事実」だけで偏見を持たれることがある。今回Be inspired!はタトゥーを入れている日本人の若者3人に日本社会のタトゥーに対するネガティブな視線に関してどう思っているのか、それでもどうしてタトゥーを入れるのか、聞いてみた。あこたこ(25歳)イラストレーター/映像編集者/グラフィックデザイナーー仕事をする上で、タトゥーがあって不利だなと感じることはありますか?仕事はオフィスにこもって制作することがほとんどなので、特に不利だと感じることはないです。でも働き始めた頃はタトゥーに対してどう思われるか確信がなかったので、どんなに暑くても長袖を着て過ごしていました。私の会社は海外のクライアントがメインだったり、海外に住んでいたという同僚が多く、更に他にもタトゥーを入れている先輩がいるようなリベラルな空気のオフィスです。なので今は積極的に見せることはありませんが、タトゥーを隠す必要性は感じていませんし、みんなは私が働き始めた頃から明らかに暑い時でも長袖を着ていたため気づいていたそうです(笑)ーそれでもどうしてタトゥーに対してネガティブな印象を持つ人がいるんだと思いますか?ネガティブな意見として1番聞くのは、ヤクザや昔の罪人のシンボルだから、というのが多く、日本で持たれてきた昔のイメージが上書きされないまま、根拠のない偏見として残ってしまっているのだと思います。今の時代で「ヤクザ=刺青」が入っているとステレオタイプに縛られていることにもっと危機感を持つべきだと思います。タトゥーがタブーとされているのは日本だけではないですし、日本の常識を他国の常識に合わせる必要もないのかもしれないですが、自分と違った文化やバックグラウンドを持つ人々と出会うなか、違う価値観を持つ人に対して、理解しようとせずに攻撃する態度をとることは自分の視野を広げる機会を失うことになってしまうと思います。ー初めてのタトゥーは何歳のときですか?今何個ありますか?20歳。20個弱くらい?ータトゥーがあるのが理由で、嫌な思いをしたことはありますか? 嫌な思いは一度もないです。後悔や後ろめたさを感じたこともないです。ーそれでもどうしてタトゥーをいれるのですか?タトゥーの魅力とは?寂しいから。って言うのは冗談で…(笑)それこそ俺がタトゥーの魅力だと思っている見えないもの(想いとかことばとか)に形を与えてくれるから彫ってます。口に出したり、考えたりするだけじゃなくて、やっぱり形があるだけで、目に見えるだけで存在感も説得力も生まれる。タトゥーとして彫ると何だか色々なものとちゃんと向き合える気がするんです。だから忘れたくないことだったり、自分らしさのシンボルだったり、悲しいこと嬉しいこと喜び怒り全部。なんというか己の生き様です。HP::@y0uy0uMisa(28歳)フォトグラファーーどうしてタトゥーに対してネガティブな印象を持つ人がいるんだと思いますか?やはり日本では、「刺青=ヤクザ」という先入観が根強く植えつけられていると思います。そこから、「恐い」「危ない」というネガティブな印象を持つ人は少なからずいると思います。また、タトゥーの自傷行為性、日本においてタトゥーがメインストリームではないことからも上記のような印象を与えると思います。さらに、日本では温泉やプールで刺青タトゥーは禁止されていて、保守的でルールを守る日本人からすると、「禁止されているもの=ネガティブなもの」というイメージを受け取るのではないしょうか。ーそれでもどうしてタトゥーをいれるのですか?タトゥーの魅力とは?私がタトゥーを入れることに大きな意味はありません。意味を持ってタトゥーを入れるというよりは、ファッションの一環という意識が強いです。大抵の場合、好きなデザインが最初にあって、体の「この部分にこのデザインがあればかわいいな」という考えでタトゥーを入れます。タトゥーの魅力は沢山ありますが、そのひとつとして、一生消えないこと。今現在の私が好きだと思ったデザインを、体に彫って残しておく。思い出を写真に撮って残すような感じです。Instagram :@misa_kusakabe 今回お話を聞いた3人は、比較的に外見に自由が許されるクリエイティブな業種に就ているというところは共通していた。タトゥーの有無が就職に影響するという事実も関係しているのかもしれない。それ以外は、それぞれ違う理由で、違う思いを持ってタトゥーを入れている。一つひとつのタトゥーに意味を持って入れている人もいれば、そうでない人もいる。もしあなたがタトゥーに対してネガティブなイメージを持っているのならば、それも個人の自由だ。「一生入れない」と決めているのならばそれでもいい。筆者も興味はあるが恐らく一生入れないと思う。問題は、違う考えを持っている人たちに対してどんな態度をとるか、なのだと思う。その人の考えによって傷つく人がいない限り、「自分が好きではないから」「賛同できないから」といって、彼らに攻撃的な態度を示したり、ルールを押し付けるのは間違っている。これは、人種、性的趣向、宗教、なんにでも言えることである。全ての人が平等で生きやすい社会を実現するのためには「たとえ理解はできなくても受け入れる」という考えがとても重要になってくるのではないだろうか。All photos and text by Noemi Minami ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!“美の常識”に抗う日本人女性4人に聞いた「ワキ毛を処理しない理由」。 “女性がワキ毛を処理するのが常識”なんて、いつから言われるようになったのだろうか?女性誌で「マナーとしてワキ毛を処理するべき」と書かれているのを読み、電車で「脱毛サロン」の広...
2017年08月17日「クライメート・ジャスティス」という概念を知っているだろうか。先進国に住む日本人なら知っていてほしい「気候の公平性」と訳されるこの言葉は、先進国に暮らす私たちが、石油や石炭などの化石燃料を大量消費してきたことで引き起こした温暖化への責任を果たし、すべての人々の暮らしと生態系の尊さを重視した取り組みによって、温暖化を解決しようとするコンセプト。気候変動はCO2の排出によって引き起こされる。CO2排出が多い国は圧倒的に欧米、中国、日本を含む先進国。その中で、被害を被るのは、理不尽にも排出に最も貢献していない国の人たち。そんな不公平な状況があって、それはおかしいだろうっていう意識が海外では高まっている。そう語るのは、欧米社会で広まるコンセプト「クライメート・ジャスティス」を日本で、一般市民に訴えかける活動をしている25歳の青年、清水=ピュー・イアン(以下、イアン氏)。大学で「環境の歴史」という授業を受けていたとき、やっぱり今の文明はあらゆる環境破壊の上に成り立っているってことを再確認した。例えば、今のイギリスって「芝生がきれいな国」って言われているけど、昔は木々に覆われていて、船や帆船を作るために森林が伐採されて、だから今は芝生ばかりが残っているていう事実がある。資源に制限がある地球で、無制限の成長を目指すことは、根本的な矛盾がある。この矛盾を無視し続けると、いつか社会や経済が「破綻」するのが目に見えている。だから、自分の中で環境問題はキー・イシューだなって考えるようになった。自分には守りたい風景や自然があるし、身近なところにたくさん環境破壊が隠されていることに気付いたから、どうにかしなきゃなって思って、大学時代に環境問題に取り組むことを仕事にすることを決意した。子どもの頃に芽生えた「環境への関心」は、大学時代に確信へと変わり、彼のアクティビストへの道が始まった。環境問題に対して取り組むと言っても方法は限られている。国連に入るのか、環境NGOに入るのか、企業のCSRやるのか…。どの道に進むか悩んでいた彼は、まずは経験積むことが大切だと考え、自分の目の前にあったチャンスを掴んだ。そのチャンスとは、「ダイベストメント(投資撤退)」という明確な環境問題に対してのアクションを日本人に訴える活動をしているNGO「350.org」だった。国連でも、企業でもない、「NGO」という道へ。たまたま、大学生の時に気候変動の勉強でナオミ・クライン著『This changes everything』を読んでいた彼は、その本でNGO「350.org」の存在を知り、知り合いを通して350.orgの日本事務所を立ち上げた古野 真(フルノ シン)氏と2015年の7月に出会う。2015年のアースパレードの時のイアン氏と古野 真氏Photo by 350.org350がちょうどその時(2015年7月)、日本オフィスを立ち上げた直後で、スタッフを募集してることを聞いて、就活の時期だったし(まあ就活はしてなかったんだけど笑)、日本事務所代表のシンのコンタクトを知人に教えてもらって、会うことになった。その年の8月にベトナムで開催された第一回目の気候変動リーダーキャンプに誘われて参加し、その流れで350でインターンとして働き、そのままメンバーに加わった。最初から「気候変動」にいちばん興味があったわけではなく、350のメンバーになってから「ダイベストメント(投資撤退)」や「気候変動」に積極的に取り組んで、アクションを取っていこうってなった。※350.orgは米国ニューヨークを拠点にしている国際環境NGO。現在188か国において活動を展開しており、日本事務所は化石燃料ダイベストメントを日本で広めるために2015年4月に設立された。で、一体「ダイベストメント」ってなに?あまり聞き慣れない「ダイベストメント(投資撤退)」とは、インベストメント(投資)の逆の意味で、もともとは金融用語として使われていた言葉。今では化石燃料関連企業から投資をやめる「化石燃料ダイベストメント」のことを指すという。近年、気候変動や二酸化炭素排出量の削減など環境課題への関心が高まる欧米を中心に急成長する、企業や学校、個人を含む誰もが「気候変動に加担する事業・企業への資金提供を中止します!」と公に宣言できるアクションの一つなのだ。イアン氏はこのダイベストメントこそ誰もが取り組むことができる気候変動を止めるアクションだと語る。学生時代に環境に対するあらゆる取り組みの間で揺れていた時、アメリカのハーバードやスタンフォードなどの大学で、自分と同じ世代の学生たちがダイベストメントのキャンペーンを自ら組み立てて展開し、大学っていう組織を相手に変化を生みだしていることを知った。大学生なら大学にダイベストメントを求めることができるし、自分が渋谷区の住人だったら東京都とか渋谷区にダイベストメントしてくださいって申し立てられる。あるいは年金基金にも言える。いろんな対象に対して、本当に誰でも取り組むことのできる具体的な方法がダイベストメントだなって思った。「ダコタ・アクセス・パイプライン」に関して言えば、日本が一番加担している国なのにも関わらず、日本人が一番考えてないというのが現状。節々に日本人のクライメート・ジャスティスの意識の低さを感じてならないが、日本が「ダイベストメントしない理由」もあると彼は以下のように分析する。「ダイベストメントをしない理由」は考え始めたらいくらでも上げられると思う。出る杭を打つ社会的風潮や、企業・銀行・政府の深いつながり、国民の政治や社会問題への無関心、などなど。でも一方で、公害問題が熾烈な70年代の時期は、水俣病とかがあって、実際に何万人規模の運動は起きていたし、原発でも安保でも辺野古の運動でも、何か目に見えた不正義があれば人は動いてる。あれだけの人が立ち上がってる事実があるから、正義っていう概念がないというより、行使するきっかけがないとか、行使するハードルが高いんだと思う。あとは単純に正しい情報がそれを必要としている人に届いていないこと。自分は、今はまだ芽生えていないだけで、クライメート・ジャスティスや環境の意識はいつかは生まれると思っている。口座を変えれば、社会は変わる。現在日本の350.orgは、誰もが参加できるようにハードルを下げた、気候変動を止めるキャンペーンを展開しているという。今、展開しているキャンペーンは「MY BANK MY FUTURE」。調査をして、化石燃料に巨額に融資・投資している銀行とそうでない銀行がわかっている。その情報を元に、化石燃料に巨額に融資・投資している銀行に対してアクションをとることを提案している。そのアクションの方法はいろいろあって、宣言に署名したり、銀行口座を変えたり、もっと持続的に活動したい人は350のボランティアになって、活動を広める担い手になる。銀行口座は、若い人でももっているから、銀行っていう対象は身近に感じる対象でもあると思っている。普段「ATMに預けてるお金がどこで使われてないるのか」っていう意識しないと思うけど、このキャンペーンを知ることで、裏では思いにもよらない現実があることに目を向けてほしい。Photo by 350.org僕たちだけでは絶対に作れない「ダイベストメント・ムーブメント」ダイベストメントも、クライメート・ジャスティスもまだまだ広まっていない日本で、気候変動を止めるため、環境問題への意識を高めるために活動するイアン氏が、最後に教えてくれたのは「自分たちの危ない未来予想図」と「個人の力」についてだった。このまま気候変動が悪化すると、2100年には東京で一年の100日以上が30℃を超える真夏日になると予測されている。最近の話でいうと、九州地方を襲い30人以上もの命を奪った豪雨も、「ピザポテ」の販売休止も全て気候変動による異常気象がその背景にある。日本以外の国では、気候変動に伴う海面上昇により人々の暮らしが奪われようとしていたり、気候変動の影響で悪化する干ばつや水不足によりすでに難民問題が発生している。気候変動について調べる、宣言に署名をする、銀行口座を変える、350.orgのボランティアになる。「ダイベストメントは、誰もが意思表示ができて、ささやかだけど変化をもたらすことができる」とイアン氏が言うように、大きな問題も小さな問題も解決するためには、あなたの小さなアクションが必要なのだ。彼の環境への愛、そして自然を大切にして欲しいという想いが、日本の若い世代を巻き込み、日本人のクライメート・ジャスティスという意識を高め、ダイベストメント・ムーブメント呼び起こしてくれると信じている。スーパー猛暑が囁かれている2017年の夏。来年以降の夏、さらなる暑さに苦しむか苦しまないかは、あなたの小さな一歩にかかっているのだ。 ***Ian Shimizu-Pughe
2017年08月16日あなたは、買い物をするときにどんな基準で商品を選んでいるだろうか?もしあなたの気に入っている商品を販売する企業が、不正を働いたり環境に悪影響を及ぼす事業に資金提供したりしていたらどうするだろう。企業や商品作りにおける考え方に賛同できない場合、その企業やブランドの商品を「ボイコット(不買運動)」するという方法がある。これは買い物が「投票」に例えられるように、消費者の力で信頼や賛同のできない企業の商品にお金を出すのをやめ(票を入れるのをやめ)、企業の経営を成り立たなくさせ社会をより良くする(より良い企業に投票する)というもの。身体に優しい原材料の使用化学物質を使用せず製造された、新鮮なレモン果汁ときび砂糖を使用しており、また砂糖は一般的なジュースの半分以下の量しか使っていない。このように、食卓用のオイル入れにだってなる。まさに使い方は使用者によって自由自在。クリエイティビティが広がる。日常の中にあるLEMONAID日本ではまだ認知度の低いLEMONAIDだが、ヨーロッパ、特に発祥地ドイツでは若者を中心に人気を博している。5000店舗のカフェやイベントなどで提供されている他、大手スーパーチェーンのREWEでも取り扱われているという。まさに、日常生活の中で、無意識に、生産地への社会貢献ができる仕組みなのだ。現在、日本国内ではAlishan Organic Centerで購入することができる。これを機に自分が選ぶ商品がもたらす社会へのインパクトを考えてみてはどうだろうか。***LEMONAID
2017年08月15日「グラフィティ」といえば、反社会的なイメージがないだろうか?だが、その“常識”を覆すグラフィティアーティストたちがドイツのベルリンで活動している。彼らは人々を不愉快にする“差別的なマーク”を、ユーモアのある絵に換えようと工夫を凝らしてるのだ。
2017年08月15日学校は何のために通うものなのだろうか。学校に通う理由について考えたことはあるだろうか。就学時の年齢になれば誰もが学校へ行くことになり、それを当然だと思ってきた人は多いだろう。それゆえ、なぜ自分は学校に通っているのかと普段意識的に考えてこなかったかもしれない。しかしその当然の枠組みがあるがゆえ、学校に来ない者は怠けている、ずる休みをしていると決めつけられることもしばしばある。不登校は決して稀なことではなく、2016年度の文部科学省の調査では全国に約12万人の不登校者がいると示している。(参照元:文部科学省)学校はみんなが通わなければいけないものなのか。不登校から起業家へ不登校とは年間30日以上の欠席者のことを指すが、小幡さんは全く学校に来ない子から、学校に行きたくないけど行かされている子たちまで、不登校に対してグラデーションのような見方をとっている。つまり、学校に来れない、いわゆる不登校の子たち以外にも本当は学校に行きたくないけど行かされているような子たちもプロジェクトの対象としているということだ。それは例えば、たまに学校に来たり来なかったりする子や、保健室を多く利用する子、本当は学校に通うことが辛いと感じているのにそのサインが全く見えない子どもたちである。不登校という選択を自分でできた子どもはとりあえず大丈夫だが、学校へ行きたいのに行かされていたり、行きたくないと言い出せない子が少なからずおり、そのようなタイプの子どもにこそ手を差し伸べる必要があると彼は考える。居場所とは…。小幡さんは学校に行けるならもちろん行った方がいいけれど、学校に行かないという選択をすることのメリットもあると考える。学校以外にもたくさんの世界があって自分の居場所を見つけられることを自身の経験から伝えようとしているのだ。彼自身が当時、学校に居場所を見出せず家でゲームばかりしていた。しかし、フリースクールなど学校以外のコミュニティで楽しく過ごせ、高校生時代の人との出会いをきっかけに企業してしまった。彼は学校以外の世界に目を向ければ、他の場所で自分の居場所を見つけることができるということ、あるいは自分で自分の居場所が作れるということを本で伝えようとしている。不登校を経験した者だからこそ、伝えられることを小幡さんは伝えようとしている。そして「今ではこんなに楽しいよ」と自身が居場所を見つけたことを行動で示している。大人と比べると、子どもにははるかに制限が多い。閉鎖された子どもたちの社会のなかで、見えなくても苦しんでいる子がいるかもしれない。だから不登校=ずる休みと考えるのではなく、休まざるをえなくなったその背後に隠れている原因を探すべきではないだろうか。学校に居場所がないと感じているならその子が居場所を見つけられるようにサポートをするべきなのではないだろうか。いろんなんことを経験してきた大人だからこそ、改めて学校に行く理由を考えてほしい。子どもにたくさんの選択肢があることを教えてあげることが大人の役目なのだから。 小幡さんの不登校に対する考えに共感した方、彼と同じように自分も居場所に悩む子どもたちをサポートしたいと考える方は、彼の実体験を書いた本を学校の図書館に届けるクラウドファンディングプロジェクトにぜひご協力をしていただきたい。「見ず知らずの僕が学校に送っても、おそらく相手にしてもらえない」と考えた小幡さんはみなさんの力をお借りしたいそうだ。ご支援いただくと、リターンとして完成した本を2冊お返しする。1冊はみなさんの分。そしてもう1冊はみなさんの母校に寄贈して欲しいそう。見ず知らずの誰かが書いた本ではなく、卒業生からの贈り物として学校に届けることで、図書館に置いてもらえるのではないかと考えているからだ。詳しくはこちら。
2017年08月15日日本に住んでいると、世界に多く存在する「難民」について考えることは少ないかもしれない。しかし、だからといって問題を知らなかったことにしていいのだろうか。そんな難民問題について知る良い機会になるのが、来月末から東京をはじめとする日本各地で開かれる、難民を題材にした映画のみを上映する映画祭だ。12回目を迎える今年のテーマは、「観なかったことにできない映画祭」。これはまさに日本国内の難民問題への関心の低さに対する危機感からつけられたものだと考えられる。※動画が見られない方はこちら9月30日から開催される「国連UNHCR 難民映画祭2017」で上映される作品には、フィクションもあればスマートフォンで撮影した最前線のものまでさまざま。どれも難民が置かれた過酷な状況や行き場のない怒り、絶望、そしてそのなかで見出す希望などが描かれており、注目すべき作品ばかりだ。ここでは、そのいくつかをピックアップして紹介する。『シリアに生まれて』
2017年08月14日こんにちは。紅子です。今回は、最近自分が体験したことについて書きます。たぶん、同じようなこと思った人も多いんじゃないかな。多くの人が日常的に使う公共交通機関についてです。見た目では分からない体調不良そんなわけで優先席から距離のある場所へ行き、運良く座れると私はすぐにスマホに目をやり下を向く。その間に、自分の前に立っていた誰かが降りていき、また誰かが乗ってくる。視界に入る下半身のシルエットや靴なんかで性別くらいは認識できるが、その人の顔や表情は見えないままだし、わざわざ見もしない。それが普段の自分だった。しかし、それは時にすごく残酷な不注意になるということに気がついた。私は生理痛が重い。寝込んで外出できないほどではないが、長時間立っていると冷や汗がぼたぼた垂れてきて、 痛みと酸欠で吐きそうになる。同じような人は周りにも多く、その日ばかりは仕事を休むか、どうにかこうにか耐えながら過ごしている人がほとんどだ。しかし、生理痛は見た目で分からない。今にもうずくまってしまうほど辛かった時、車内は満員で、つり革に全体重を委ねながら「マタニティマークがあるなら“生理痛マーク”もあればいいのに」と思ったほどだ。でも、女性の誰もが経験することにも関わらずまだまだ生理に対する認識は「恥ずかしい」とか「男性の前ではタブーな話題」で、オープンに話すどころか生理中・生理痛であることすら隠しがちである。そんな空気の中「生理痛マーク」なるものが作られたとしても、みんなが進んで着けられるほど普及するには時間がかかるだろう。生理痛マークがあるとしたらこんな感じ?Illusted by Beniko Hashimoto嫌がらせに怯えて隠したマタニティマーク似たような体験談として、悪阻(つわり)真っ最中の友人が四六時中吐き気やめまいと闘いながら移動しなければならなかった時、「マタニティマークをつけてると嫌がらせに遭うこともあるから気をつけなさいね」と母から言われたことを思い出し、一番辛い時期に怖くてマタニティマークを着けることが出来なかったそうだ。お腹も大きくなる前なので気付いてもらえず、移動が本当に大変だったと言っていた。だいたい何がどうして妊婦への嫌がらせなんてものが頻発するのかと思って調べてみると、「幸せアピールのようで配慮に欠けている」だとか「妊婦だから優先されて当たり前だと勘違いしている」だとか、配慮に欠けて勘違いしているのは一体どちらなのかと言いたくなるような意見が散見された。不妊に悩む人の嫉妬のようなものもあるそうなので難しいが、自分が誰から生まれたのかを考えてみてほしい。しかし、マタニティマークを着けている時は着けている時で、マークの存在自体を気付いてもらえないことも多いそうだ。スマホに夢中になっていた自分を始め、人は他人をそこまでよく見ていないことが多い。妊婦の場合、出産が近付くにつれてお腹も大きくなるのでまだ目に付くかも知れないが、これが持病や見えない場所の怪我の場合はどうだろうか。高齢者でもなく、杖をついているわけでもない若者が優先席に座っていて、お年寄りが立っているのに席を譲らなかったら、なんとなく気まずい空気が流れそうだから避けてしまうという人は意外と多いのではないだろうか。酷い貧血になって優先席に座っていたら、知らないおじいさんに怒られた友人もいる。もちろんそんなことを言う人ばかりではないが、少ないわけでもない。そういうわけで、優先席というのは必ずしも必要としている人が誰でも気軽に使える場所でもないようだ。「マイノリティのための優先席」でも「マジョリティのための普通席」でもないだからこそ、それ以外の場所に座る私たちほど意識しておいた方が良い。誰もが例外なく、体調を崩したり、病気や怪我をするということを。そしてその人たちは一見わかりづらいからこそ、いつでもどこにでも居る可能性があるということを。確かな解決策は無いが、ほんの少しそれを頭の片隅で意識しているだけで、見落としがちなものに気がつける機会が増えるのではないだろうか。おまけ最後に知っておきたい福祉マークを紹介したい。1.マタニティマークPhoto by 東京都福祉保健局義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、または妊娠初期の人など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人々が、周囲に配慮を必要としていることを知らせることができるマーク。3.ハート・プラスマークPhoto by 一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表すマークでもある。BENIKO HASHIMOTO(橋本 紅子)神奈川県出身。音楽大学卒業後、アパレル販売をしながらシンガーソングライターとして活動を続ける。2015年5月に結成されたSEALDs(=自由と民主主義のための学生緊急行動)に参加しSNSやデモ活動を通して同世代に社会問題について問い掛けるようになる。Instagram: by Beniko HashimotoーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!#002 打たれ弱いし、協調性がない?「ゆとり教育」の欠陥から生まれた世代が、“理不尽”に批判される理由。 | 橋本 紅子の「常識」と「パンク」の狭間で、自由を生み出すヒント。 みなさま、こんにちは。紅子です。今回は、私も含め若い世代が大人たちから頻繁に“ゆとり”と呼ばれることについて思ったことをまとめてみました。▶前回の連載記事...
2017年08月14日All photos by Chihiro Lia Ottsu ーBe inspired!
2017年08月14日世界最大の動画プラットフォームYOUTUBEでは、前代未聞の驚く挑戦をしたり、流行の映画や音楽の情報を共有したり、様々な動画を発信するYOUTUBERたちが私たちの生活に新しい刺激を与えてくれる。そのなかでも、「社会をよくするには?」を考え、動画をアップするYOUTUBERが存在していて、Be inspired!では彼らをGOOD YOUTUBER、略してGOODTUBER(グッチューバー)と呼んでいる。本連載をきっかけに、家族、友人や恋人と一緒に新しい価値観や考え方を発見し、世界が広がれば嬉しい。わき毛で起こす、「美の常識」への革命夏本番の8月。海で水着になったり、普段はタンクトップやショートパンツなど着たり、肌を露出する機会が増えてきた。皆さんは「女性は体に毛の生えていないツルツルな肌を持っていて当然だ」と思っていないだろうか?そんなイメージは多くの女性を悩ませていて、約1000人の女性に毛の処理に関するアンケートをした結果、カミソリでの自己処理によって起こる肌荒れ、色素沈着や乾燥など肌トラブル、「脱毛は時間もお金もかかり面倒」などといった悩みを抱えている女性は全体で7割、20代・30代では8割を超えていると判明した。(参照元:くらしHOW)Biでは、そんな社会が創り上げた「女性はわき毛がないものだ」という美の常識に囚われない「わき毛」を生やす日本人女性を以前取り上げた。そして世界では美の常識を変えるため、多くの女性がわき毛を伸ばし、自分の好きな色にカラフルに染めるムーブメントが起こっている。「ワキ毛に自由を(The Free Your Pits Movement)」というスローガンとともに、ツイッターやインスタグラムのSNSを通じて世界中で広がっている。YOUTUBE上でも「わき毛」を伸ばし、カラフルに染めている多くの女性YOUTUBERが存在する。そして、その一人でもあるJulia(ジュリア)を10人目のグッチューバーとして紹介していきたい。※動画が見られない方はこちらジュリアは“毛が生えていないツルツルな体”を手に入れるために、毛の処理にお金と時間を費やしてきた女性の一人だった。しかし、彼女の恋人と「毛の生えている女性は魅力的か、否か」という会話をきっかけに、彼女は自分のわき毛を伸ばすことを決心したのだ。伸ばし始めた当初は、「なんだか女性らしくないかも」と感じていた彼女。しかし伸ばしていくにつれて、ずっと処理し続けてきた「わき毛」の存在が嫌いではなくなったという。そして伸ばし始めてから2か月後、彼女はわき毛を伸ばすだけではなく、“緑色”に染めたのだ。彼女は「緑色のわき毛」を持つ自分に“女性らしさ”を感じることができた。YOUTUBE::@itsblitzzzAll photos by JuliaText by Chisano NezuーBe inspired!この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!9人目:“満たされない物欲”から離れることで見つかる「幸せな生活」への4つのステップとは|Bi が選ぶ今週のGOODTUBER(グッチューバー) 世界最大の動画プラットホームYOUTUBEでは、誰も挑戦したことのないことを動画にしたり、自作の映画や音楽を違う国に住んでいる人と共有できる。そんなYOUTUBEのなかには、「...
2017年08月13日今世界で急増している「整形」が何か知っているだろうか。それは目でも鼻でも、胸でもない。驚くことに「女性器整形」である。もともとは音大でピアノを勉強していたというヒルデ。卒業後、違う道に挑戦するためアムステルダム大学の心理学部に入学した。そのなかの授業で知ったのが、ここ数年で激増した女性器整形の問題。ショックだったと彼女は話す。女性器整形をする女性の数の多さに不安を覚えました。自分の性器がポルノやメディアで見るような“あるべき形”ではないからといって、手術が必要だと感じなきゃいけないなんて間違っています。「完璧」を求めて多くの人がそんなことをするなんて、心が痛みます。体の最もデリケートで繊細で、本来「快感」を与えてくれる性感帯を「切る」なんて…。私はこの現象を完璧に理解することはまだできていないけれど、実際に手術を行う人の数を見れば深刻な問題な事は分かります。自分の身体とどう向き合うか、を変えることができるのは「教育」だと彼女は考えた。そこでもともと絵を描くのが好きだったこともあり、人体についてや、身体の多様性を学べるような場として、1年前にザ・ ヴァルヴァ・ギャラリーを始めたそうだ。「女性器の多様性」を見せたかったんです。楽しくポジティブに全ての年齢の人がアクセスできるような教育プラットフォームが必要だと思った。だからポップで軽いイラストで伝えることで子どもにも見せれるようにしました。実際に、高校の授業や性教育のコースで活用されています。「自然な身体」を、「多様的な女性器」を見せることで、人々に人体や多様性について学んで欲しい。そうすることで、女性器を性的ものとしてだけではなく、自然なものとして見れるようにもなったらいいなと思っています。女性器の絵を見るのを気まずく感じる人がいることをヒルデは理解している。「それはプライベートな問題だ」と指摘する人もいるだろう。しかし彼女は教育とは「プライベート」や「パブリック」の問題ではないと断言する。長い歴史の間で、性器はプライベートなものとして、教育の場でも隠されてきた。その結果、人々は正しい自然な女性器のイメージが持てなくなっているのだ。だからこそ、ポルノやメディアに影響されやすくなる。もし自分の身体が普通だと、何もおかしくないと理解できれば精神的苦痛は減り、幸せと自信に繋がるだろう。それが多くの人のメンタルヘルスに良い影響を与えることは確かである。事実、ザ・ ヴァルヴァ・ギャラリーへの反響はすごいそうだ。毎日届くメッセージの量を見れば、オープンに身体の多様性について話し、教育を受ける場が人々に必要なことは一目瞭然です。多くの女性が「ザ・ ヴァルヴァ・ギャラリーを見るまで女性器に色々な形があるなんて知りませんでした」とメッセージをくれます。その時になって初めて彼女たちは自分たちの性器が普通だと知るのです。これはどれだけ教育がなってないかの証拠ですよね。子どもたちは人体について学ぶ機会がありません。もし教材にのっているとしても多様性については語られない。ほとんどの人が、2人に1人の女性の女性器の内側の陰唇が外側の陰唇よりも長いことを知りません。これは変わらなきゃいけない。「全ての女性器は美しい」、ヒルデは世界中の女性にこのメッセージを送りたいそうだ。全ての女性器が美しい。色々な身体のタイプがあって、髪の毛のタイプがあって、肌の色があって、色んな顔、胸、手、足…全ての人が同じものを持っているなんて誰も思いもしないでしょう。それにもし一緒だったらつまらないです。“違い”が私たちを興味深くしてくれる。どんな形でもあなたの身体は他の人のと同じくらい美しくて、大切です。あなたのコンプレックスは、あなたを特別にするもの。それは、あなたがあなたらしく、素晴らしく、美しい理由。もし私たちが「醜い」「変」と呼んでいるものを、ポジティブに見ることができるようになれば、多様性を受け入れることができるようになれば、それは大きな前進です。誰も意地悪な批判から得はしません。あなた自身をどう見るかは、あなた次第なんですよ。All images by The Vulva GalleryText by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!エロくない、「性器&おっぱいパイプ」を作るアーティスト。 女性器や男性器、あるいはおっぱいの形をした、“エロくない性器アート”。少しグロテスクだけど可愛らしい陶器作品の持つ意味とは何だろうか?陶器で作られた、一...
2017年08月11日チェ・ゲバラといえば、“Tシャツにプリントされた革命家”というイメージだろうか。そんな「革命家」としての姿に焦点が当てられることが多い彼にも、知られざる一面があったことがわかっている。それは「写真家」としての姿だ。
2017年08月11日フェアトレード、ダイレクトトレード、ベジタリアン、ビーガン、ゼロウェイスト、昆虫食、未来食…。東京の街に日々増えていく、お腹をただ満たすだけではない「思想の詰まった飲食店」。 「海外からビーガンの友達が日本に来ていて、ビーガンメニューのあるレストランを知りたい」、「サードウェーブの先を行くコーヒーが飲みたい」、「フードロスがないレストランに行きたい」、「無農薬野菜が食べたい」、「友達や恋人と健康にいい食事をしたい」などなど。そんなニーズに答える連載です。「食べることはお腹を満たすだけじゃない。思想も一緒にいただきます」。その名も『TOKYO GOOD FOOD』。フーディーなBe inspired!編集部が東京で出会える、社会に、環境に、健康に、あなたに、兎に角「GOODなFOOD」をウィークリーでお届けします!それでは第7回目の『TOKYO GOOD FOOD』行ってみましょう!WHERE IN TOKYO今回は、今年4月に天王洲アイルにオープンした『Seed to Table(一粒の種から楽しく健康的な食卓まで)』をテーマにしているT.Y.FARMが運営するレストラン、NOZ BY T.Y.FARM。以前掲載した代表の太田さんのインタビュー記事はこちらから。 彼らは都内に自社農園を持ち、野菜の種を自分たちで作り収穫。それだけでなく、自分たちのレストランを都内に構えているという国内・国外でも唯一無二の集団と言えるだろう。しかし、残念なことに、8月末にクローズしてしまうという悲報がBe inspired!編集部の耳に入ってきた。 そこで気になる今後の展開や、オススメの一品、お店のコンセプトなどを代表の太田さんとシェフの西田さんに伺いました。トマトピーマンとトマトのソテービーツ、メークイーンと胡桃のサラダステラトマト、インゲン、オクラのタブレメークイーンと玉ねぎのフリッタータと自家製リコッタズッキーニとトマトのカポナータベビーリーフミックス青梅産平飼い卵ーその理由はなんですか? 西田さん:ただ普通に仕入れた野菜の「サラダボウル」というわけではなく、お皿に盛られた90~95%以上の食材が、自分たちの農場で“無農薬・無化学合成肥料”で育てた有機野菜を使用しているから。今回のプレートでは、卵/クルミ/チーズ、オリーブオイル、ビネガーくらいが自分たち以外の食材ですね。ただ、卵は青梅産、チーズも種類によっては自分で仕込んでいます。 また、ドレッシングに限らず、化学調味料を一切使用せず、ビネガーに関しても青梅の農場近所で醸造している物を起用しています。今回のドレッシングには柿のお酢を使用しています。青梅で生産されている食材を使うことで、独自の味の追求と、地域コミュニティとの連携の活性化もしています。ーお店での食材の加工方法や調理方法のこだわりは?西田さん:まずはフード・ロスが出ないように心がけています。キュウリはピクルスにしたり、大きくなり過ぎたズッキーニは煮込んだり、型落ちのトマトは、ジュースを絞りトマトソースにしたりしています。型落ちは形が不細工なだけで、味は自信を持って美味しいと言えるので、加工してお店でお客様に提供し、ゼロウェイスト精神を忘れません。ちなみにお店で出たコーヒーかすなどは溜めておいて、農場の堆肥場に持ち込み発酵堆肥に起用しています。やがてはお店から出た全ての有機ごみを土に還せる様にしたいです。 また、自分たちの野菜の味を活かし、引き立てる味付けを心がけています。最近、サラダ屋さんとかに行くと、チョップされた野菜たちに化学調味料が入った大量のドレッシングをかけます。あれではドレッシング味のサラダを食べているようで、何の野菜を食べているかわかりません。そうではなくて、味付けはシンプルに、ビーツをローストしたり、蒸したり。ジャガイモは岩塩の中に入れてオーブンで焼くだけ。なるべく素材の味をお客様に楽しんでもらえるように調理しています。美味しいものを食べている時に“何故これは美味しいのか”をもっと考える機会を持つ事は、とても大事だと考えていますそう太田さんが言うように、「食べることの楽しさ」を感じる機会が、気軽に食事を済ますことのできるファストフードの台頭によって昔より減り、“何故これは美味しいのか”を考える機会も少なくなってきているのかもしれない。 ファストフードやコンビニの食事を否定する訳ではないが、食事は「作業」ではなく、「命や労働に感謝し、いただくという行為」なのだと再認識させてくれるのが、NOZで提供されている食事であり、太田さんと西田さんを含むT.Y.FARMのパッションなのではないだろうか。 普段「健康的な食事が欠けているなぁ」と感じている人は、彼らの健康な畑で育てられた健康な野菜を一度口にしてみてほしい。スーパーマーケットの野菜では決して味わえない、本来の野菜の姿と旨味があなたを待っている。 来週の『TOKYO GOOD FOOD』もお楽しみに! ※閉店までのスペシャルメニューの情報は以下です。【NOZクローズにあたっての8月スペシャルメニュー】クローズに伴い、定番野菜・夏野菜はもちろんの事、その他の食材に関しても特別な仕入れをかけ、シェフ・西田が本気でイタリア料理に徹する日を何日か設けます。是非ご予約の上、ご賞味くださいませ。下記の日程でコースディナーを用意しています。<ジェノベーゼの回>8月16日(水)8月18日(金)(第1弾は、シェフ・西田が最初に修行した地・ジェノヴァ。日本での下積み後、渡伊したてで右も左もわからない頃から鍛えに鍛えた料理です。ジェノヴァを離れる直前”キミももうジェノベーゼ(ジェノヴァ人)だ”と教えてもらった、現地人ならではの品目をお出しする予定です。)<ナポレターノの回>8月25日(金)(第2弾は、ジェノヴァと並ぶ海の街・ナポリ。温暖な気候と夏料理の代名詞ともいえる品目の数々があります。自社ファームの至高の夏野菜を用いて再現、そして体現いただく事が出来る現地の味。)<マリスコスの回>8月29日(火)8月30日(水)(第3弾は、海沿いの街を渡り歩いたシェフの得意な魚介類の料理を数多くお出しします。前述のジェノヴァ・ナポリ料理とも違う、魚介料理。何がお出し出来るかは、海の神様次第!)<最後の晩餐>8月31日(木)(最後は何が出るのかわかりません!!)ご予約はコチラまで03-6433-1126 ***NOZ BY T.Y.FARM
2017年08月10日芸術、食、ファッションと何をとっても洗練されたイメージがあるフランス。ヨーロッパに行くなら、絶対に外せない場所の一つだろう。テレビではよく日本の伝統文化を愛するフランス人やアニメが大好きなフランスの若者について報道されたりするからか、なんとなく親日なイメージがある気もする。でも同時に、フランスでのアジア人に対する差別もよく聞く話だ。「カフェで通りから見える席にアジア人は座らせてくれない」とアーティストのGACKTがフランスでの体験談を数年前に自身のブログで公表し、多くの人が耳にしたのではないだろうか。それでは実際のところ、日本人としてフランスに住むのはどうなのだろうか?実際にフランスに住んでいる/住んだことのある日本人3人にお話を聞いてみた。「アメリカで“日本人“として生きることとは。VOL.1、VOL.2」に引き続き、今回は海外で暮らしている/暮らした経験のある日本人にお話を聞き、異文化を学びながら、日本を外から見つめ、「日本人とは何か」「自分とは」を考え直し、世界への理解を深めるきっかけを作れれば嬉しい。Lina、28歳、学生ー「フランス人は日本人が好き」と「フランス人は黄色人種を見下している」と真逆のステレオタイプが日本では語られますが、あなたの人種にまつわる個人的な体験はどんなものですか?おそらく、平均的フランス人の日本という国に対する知識・理解は日本人が思っているよりも大分低いと思います。いずれのステレオタイプもこの無知・無理解が起因となっているのではないでしょうか。つまり、何らかのきっかけで日本文化や日本人に触れたひとが、それがよい体験であった場合:「日本は素晴らしい国だ!日本が大好きだ!」となり、そうでなかった場合には「日本はなんてひどい国なんだろう、日本なんて嫌いだ」となる。そして「きっかけ」のなかった多くの人は、「日本?うーん、わたしはよく知らない」といった態度でしょう。いずれにせよ、フランスの現代社会において強い日本・日本人像はないということは事実だと思います。私は個人的に有色人種として嫌な思いをしたことはありませんが、幼少時に住んでいたカリフォルニアなどと比べると、「アジア人としての自分」を強く意識する機会がとても多いです。例えばパリで観劇の際、劇場内にアジア人が自分一人ということは多々あります。上に触れたように日本・アジアに対する知識が乏しい人と接するとき、いつも新鮮な緊張感を覚えます。自分という人間が、その人にとって「日本」という国そのもののイメージになるのだと考えると、是非好感を持ってもらえればな、と願わずにいられません。『Au paradis : 桟敷にて』:加藤貴大、26歳、ウェブメディア編集者ー「フランス人は日本人が好き」と「フランス人は黄色人種を見下している」と真逆のステレオタイプが日本では語られますが、あなたの人種にまつわる個人的な体験はどんなものですか?あくまで個人的な体験として、強く印象に残る人種差別は感じたことはありません。フランスでは自国(フランス)へのリスペクトに欠ける人が、ぞんざいな扱いを受ける。それが日本で語られるフランスでの「人種差別」だと思います。もちろん例外はありますが、フランスにおける人種差別の大半は、旅行者によって語られていると感じます。そしてその原因は日本人が”お客様は神様”だと思っているから。相手(お店の人)への敬意に欠けているからです。逆に言えば、旅行者だろうが、外国人だろうが、フランス語が下手だろうが、敬意を持っていれば、人種など関係なく快く受けていれてくれる風土がフランスにはあると思います。Instagram: 後藤 恵子, 23歳, 海外営業事務 / フリーランスペインター(日曜画家)ーフランスから日本が学べることはなんでしょうか?前述した通りですが、フランスでは愛国心や文化の尊重などを学ぶことができると思います。芸術文化などのイメージが濃いフランスですが、最近での宗教問題でも見られる様に、移民問題やそれに関連する貧富の差、失業率の高さなど、多くの社会問題を抱えています。その中で、フランス人とは何か?国民とはどう言う概念なのか?、と言うことを考えさせられたことは一般的に単一民族と称されてしまう日本人にとっては学びの多い場でありました。日本では移民ではありませんが、多くの外国人在留者が増えていると思います。私は米軍基地の近くで育ったため、外国の人に触れ合う機会はそれなりにあったと思いますが、最近はアジア系の労働者が急増しています。一方で、日本にはそうした外国人に慣れていない人があまりにも多く、外国人の友人からも「日本人は排他的だ」「いきなり死ねと言われた」と言う様な意見も聞きます。日本人が外国からの人々に戸惑わず、共存するために、また、逆に自身の国に自信を持ち、外国からの人を迎えるために、フランス社会を見ることは学びが多いと思います。ー日本からフランスが学べることはなんでしょうか?上記では日本人の外国人に排他的な面しか触れませんでしたが、日本人は基本的に優しいと言うか、根本は懐っこい気がします。最近流行の“おもてなし”でもある様に知らない外国人が話しかけても忙しすぎるサラリーマン以外は案外一生懸命になって答えてくれたり、道を教えてくれるのも稀ではありません。最近日本に越したフランス人の知り合いはなぜかご高齢の人に良くしてもらう機会が多いらしく、「腰の悪そうなおじいちゃんの畑仕事を初対面だけど手伝ったら野菜をいっぱいもらった」と言っていました。ちなみに先程出した、突然「死ね」と言われたフランス人はその後、後ろにいたおじさんがその光景を目の当たりにして死ね、と言ってきた若者の胸ぐらを掴んで怒鳴り叱っていたとのことでした。日本人は忙しさ故に、冷たい態度を取る羽目になってしまっている人が多々いると思いますが、その真のお節介好きと言うか、優しい面をフランスにも学んで欲しいと思います。ー「フランス人は日本人が好き」と「フランス人は黄色人種を見下している」と真逆のステレオタイプが日本では語られますが、あなたの人種にまつわる個人的な体験はどんなものですか?先程述べてしまいましたが、どちらもあることだと思います。100人に同じ質問をして皆が同じ回答をしない様に、考え方や価値観も様々で日本人が好きな人もいれば、アジア人は好きだけど中では日本人だけはどうしても嫌い、と言う人もいるかもしれません。ただ、少し感じたのは、日本と韓国、あるいは中国との関係の様に若い人同士で人種を武器に争う人はあまりいなかったと思います。フランスと日本では移民と国際関係、なので訳は違いますが、フランスの場合“移民は自分たちの税金でタダ飯を食っている”、“移民のせいで(純)フランス人の仕事がなくなっている”と言う様な意見が多いですが、若い人は比較的外国人に対して友好的な態度が多かった様に思えました。一方でもちろん、若い、高齢に限らず、私を不思議そうな顔で見る人、避ける人、列で抜かす人などもいました。アジア人として暮らしていると、「今悪口を言っているのは自分のことだろうか」と妙に自意識過剰になってしまうこともありました。Homepage: 今回、フランスに住んでいる/住んだことある日本人3人が、個人的な体験をBe inspired!にシェアしてくれた。興味深かったのは、3人ともフランスの「愛国心」をいい面でも、悪い面でもあげていたことだ。いい面の「伝統や文化に誇りを持ち、大切にする」という姿勢からは私たち日本人も学べることがあるのではないだろうか。アジア人差別に関しては、実際に存在するという意見も確かにある上で、個人の姿勢も影響していると考えていると読み取れた。フランスは移民大国であり、同化政策を採っているためか、外からきた人々にもフランス文化への理解が住む上で求められる(それの善し悪しは別として)。その上で、「尊敬を見せる」「自信を見せる」などの態度で受け入れられ方が変わってくるようだ。今回3人が話してくれた体験は、全日本人、フランス人を代表するわけでもない。しかし、それでも日本を今生きるみなさんが彼らのストーリーを通してそれぞれの形で、自分についてや、日本について、何かを考える機会となれば嬉しい。Text by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「多様性」と「差別」が混在する矛盾だらけのアメリカで生まれた「有色人種」というプライド。アメリカで“日本人“として生きることとは。VOL.1 アメリカ、と聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか。ハリウッド映画やポップミュージックは日本でも大人気だし、アメリカからチェーン店が日本に上陸すれば大行列。リベラルで...
2017年08月10日あなたは、どんな基準で商品を選んでいるだろうか?もしあなたの気に入っている商品を販売する企業が、不正を働いたり環境に悪影響を及ぼす事業に資金提供したりしていたらどうするだろう。企業や商品作りにおける考え方に賛同できない場合、その企業やブランドの商品を「ボイコット(不買運動)」するという方法がある。これは買い物が「投票」に例えられるように、消費者の力で信頼や賛同のできない企業の商品にお金を出すのをやめ(票を入れるのをやめ)、企業の経営を成り立たなくさせ社会をより良くする(より良い企業に投票する)というもの。さらに、彼らがすごいのはビジネスモデルだけではなくバイオプラスチックなど環境に配慮したクリーンな商品作りにこだわっている点だ。独自の基準により、健康的で自然に配慮されたプロダクトを製造している。例えばバイオプラスチックを使用したり、常に環境に良い方を選択してきた。アメリカ国民は1年間で平均$6000を生活用品に費やすと言われている。毎日消費する日用品だからこそ、そこにかかるコストが削減され、環境に良い選択をした時の、人間と環境に与えるインパクトは計り知れないものだろう。***Public Goods
2017年08月09日こんにちは。池尻大橋からALL YOURSというお店でDEEPER’S WEARというブランドを取り扱っている、木村昌史(きむらまさし)がお送りします。 ただいま、購入型クラウドファンディングのCAMPFIREで24ヶ月連続クラウドファンディングに挑戦しています。ただいま実施中のプロジェクトはただいま国内最高支援額を目指しています。ぜひ見てください。 今回は新たなコンセプトのお店を8月18日(金)〜8月29日(土)まで期間限定でヒカリエの8Fでチャレンジします!って話です。それではよろしくどうぞ〜。 過去の連載記事はこちらから。①②③④⑤⑥⑦⑧このイベントのテーマはズバリ、「エコ」と「体験」。う〜ん。中々難しいお題です。僕らALL YOURSは今、「インターネット時代のワークウェア」を作っています。それは、「洋服=ファッション」という考え方ではなく、「洋服=道具」として捉えて、現代のワークスタイルやライフスタイルに合った服を作るということ。今までのワークウェアって、工場の中で、みんなが格好を同じにすることで「統制する」って意味合いがあったけど、今の時代の場所に囚われていない、新しい働き方に対応するワークウェアって存在しないよな。って感じてこの会社を始めました。着ていることを忘れるくらいストレスがなければ、移動が多い人にだって、長時間のデスクワークだって良いはずだし、思わず毎日着たくなるから、朝なにを着ようか?考えることが減る。着心地も良いから日常着にもぴったり。そんなワークウェアを作りたくてやっています。そんな「新しいモノ」を開発したい会社がエコ?なんか矛盾している感じがします。オーガニックコットンで作られていても、「大量生産、大量消費、大量廃棄」されるプロダクトはエコじゃない。僕らが考えるエコとは、良く言われるような、「オーガニックコットンを使用しています」とか「環境に配慮した染料で染められています」とか、そういうことじゃない。その活動、本当にすごいと思うし、なんなら世界中で作られる全ての製品がそうなったら良いと思う。でもそれらの手法で作られるモノが、「大量生産、大量消費、大量廃棄」を前提としたプロダクトだったら?その製品は「エコ」って言えますか?Photo by steinchen以前、こちらの連載記事「「捨てるため買う」。洋服を“情報”として消費する愚かな現代人」に書いた記事、覚えていますか?アパレル産業の凄まじいところは、ものすごいスピードで変わる「トレンド」という情報を元に、絶え間なく寿命の短い「新製品」を作り続けているという事だ。半年で着なくなるTシャツ半年で着なくなるワンピース半年で着なくなるパンツ流行り廃りのサイクルが早くて、製品そのものはまだ使える状態にあるのに、情報(トレンド)の価値が無くなり使えなくなる。とても不思議なプロダクト。それがファッションアパレル。ワンシーズンで着なくなるものは世界中で一体どれくらいあるのだろうか?なぜこれほどにも、すぐに捨てるものを作り続けるのだろうか?例えば、それが冷蔵庫だったら?例えば、それがPCだったら?例えば、それがボールペンだったら?多くの人が、壊れるまで、調子が悪くなるまで、あるいは無くすまで使い続けるだろう。 なぜ洋服はそういう作り方をしないのだろう?こんな風に「洋服の循環」までを考えたときに、そのオーガニックコットンで作られた製品は、本当に環境に優しい「エコ」な製品と言えるのだろうか?素材それ自体はエコかもしれないが、必ずしも製品それ自体がエコでは無い。Photo by NPO法人オーガニック協会ちょっと難しい話なんだけど、僕らの考えるエコはそこじゃない。(※なんども言うけど、オーガニックコットンの活動は、農家さんの健康をも守ろうとする素晴らしい活動だと思う。)「素材」じゃなくて「製品」で切り取るエコ僕らが考えているのは、洋服のサイクルそのものを変えていく事だ。つまり、作り手が製品そのものをサスティナブルなモノにするという事。①必要な分だけ作る。②トレンドレスでずっと着られる。③機能が失われたら復活できる。④お気に入りをアップデートできる。⑤破れたり壊れたら直せる。 つまり、捨てなくて済んで、ずっと着られる製品。これが僕らの考える「エコな製品」だ。①必要な分だけ作る。このために僕らが取り組んでいるのは「クラウドファンディング」。新しいアイディアを世の中に出す現時点で最良の方法だと思っているのだけど、他の側面で、先に欲しい方にご支援をいただく形になるので、必要以上にモノをつ来る必要が無くなる。セールにして処分したり、ましてや廃棄処分する必要が無くなるのだ。Photo by campfire②トレンドレスでずっと着られる。これはクラウドファンディングも含めて、僕らの製品全てに通ずる哲学と言ってもも良い。先に書いたけど、僕らは「洋服=ファッション」じゃなくて「洋服=道具」って考えているから、トレンド性は極力排除した製品を作っている。見た目は普通、中身は高機能。これが僕らの製品設計哲学だ。③機能が失われたら復活できる。僕らが作っている製品、例えばこの「水を弾くパーカー ONE SWING」。どこかで誰かに聞いた話だけど、今現在、衣料品として一年間に流通している数量は「50億着」と言われているそうだ。「50億!」これを聞いて僕らは躊躇してしまった。日本の総人口が約1億4000万人。大体一人当たり36着購買しないと消費しきれない数字。もしこれが義務ならば、老若男女、もしお子さんが生まれる予定がある方なら、お腹の子供にも36着を購入しなければ消費しきれない。でも、幸い義務ではないので、それを消費する必要はない。とすると、それらは一体どこに行っているのだろうか?ものを生産して販売している僕らは、この話が本当ならば、「もう新しく生産する必要なんて無いじゃないか!」心からそう思ったのです。なんなら、もう買わなくても良いんじゃないかとすら思ってます。僕ら。そういう新しい形のお金の使い方を提案したいと思っています。④お気に入りをアップデートできる。タンスに入ってるモノ。デイリーに着ているお気に入りの洋服もあれば、しばらく着ていないけど捨てられずに取って置いてあるモノ。これらをアップデートできたら、もっと好きになるし、着るモチベーションになるんじゃないか?そう考えています。さっきのSECOND LIFEのコンセプトをあなたのタンス在庫に施します。このサービスを提案します。⑤破れたり壊れたりしたら直せる。直せばまだ着られるし、直したからこそ愛着が湧く。そんな事もありますよね。もっと気軽にモノを直して着られたら。また、「もう少しここがこうなってればなぁ…」って思って着なくなってしまったモノ。そんなモノありませんか?僕らはシルエット変更も行っています。そうすれば、むやみやたらに着なくなる服が無くなっていって、本当の意味で「使い切る」事が出来ると思うのです。そんなサービスをやります。うちのHIGH KICK JEANS。ボロボロになって、短パンになってもはき続けてくれる人もいて嬉しいです。photo by junpei nakata「売るものがないお店」、渋谷に期間限定でオープン。僕らが考える「エコ」を集約して、ヒカリエで「売るものがないお店」をこの期間でオープンします。ここではモノは買えません。試したり、あなたがアップデートしたいモノや機能を復活したいものを持ってきて預けて行く。また、直したいモノの相談に来る。そんな、僕らが用意せず、あなたが在庫を持ってくるお店です。内容はさっき言った事をやります。 ①クラウドファンディングの試着会DEEPER’S WEARの「ONE SWINGシリーズの撥水の再加工受付を行います。水弾きが弱くなってきた「ONE SWING PARKA」「ONE SWING DORMY PANTS」をお持ちください。水弾きを復活させます。※ONE SWING加工に関しては、ただいま実験中のため、当社製品のみの再加工とさせてください。もう少しであなたのお気に入りも受け付けられるようになりそう!※1着3000円(税、配送料込み)にて承ります。 期間:全日程⑵あなたのお気に入りにCATCHER加工を施します。汗の匂いを取ってくれる特殊加工「CATCHER」をあなたの所有しているTシャツに施します。お気に入りのTシャツをお持ちください。コットンメインのTシャツでしたら受けられます!本当に匂いが気にならなくなってストレスから解放されますよ!※1着3000円(税、配送料込み)にて承ります。 期間:全日程⑶リペア、シルエット、サイズ感変更サービス。うちの縫いものがかり、河部ゆみ。彼女が補修やシルエット変更、あらゆるお直しを受け付けます。いつもはうちの取り扱い品しか受付ていないんだけど、今回はあらゆるモノを受け付けます。なにはともあれ、持ってきて相談してみてください。彼女の想像力、かなり良いですよ。でも、難しいモノもあるので、そこはご容赦ください。お直しの見本も展示しています。*金額は応相談になります。リペアサービスの期間:8月24日(木)〜27日(日)河部ゆみさん「売るものがないお店」には在庫はありません。あなたが持ち込んだり、相談に来てくれる事で商売が成り立ちます。無駄なく必要数を作ったり、すでに持っている大事なモノ、思い入れがあるモノをもう一度見直すお店。そんなお店あったら良いなと、ずっと思っていて、今回このコンセプトをやることにしました!ぜひ遊びに来てください!【出展概要】「売るものがないお店」@ECOsperience①クラウドファンディングの試着会②ONE SWINGの撥水復活受付③CATCHER加工の一般受付④リペア、シルエット変更サービスイベント期間:8月18日(金)〜29日(火)(リペアサービスは24日〜27日のみ)場所:ヒカリエ/8 aiiima3(8F)住所:〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2丁目21−1営業時間:11:00〜20:00DEEPE’S WEARとは?
2017年08月09日男性はどうあるべきだと思っているだろうか?「たくましくなければならない」とか「家族を養わなければならない」とか。そんな考えを自分に押し付ける男性もいれば、当事者でなくても男性にそういったステレオタイプを男性に押し付けてきた人もいるだろう。
2017年08月08日映画には人を変える力がある。これまで知らなかった世界に連れて行ってくれる。ストーリーを通してこれまで出会ったことのない価値観に感化される。今まで見たことのない美しい景色に心動かされる。映画には無限の可能性がある。Be inspired!では社会問題に焦点を当てた映画を紹介する『GOOD CINEMA PICKS』という連載を始める。国内外で起こる問題に対し、知り、考え、アクションを起こすきっかけをくれる映画を毎月紹介していく。
2017年08月08日フェミニスト、と聞くとどんな人物を思い浮かべるだろうか?もしかしたらちょっと過激なイメージがあるかもしれない。欧米ではだんだんと常識となりつつあるが、日本ではあんまり浸透していないように思える。「男嫌い」「ヒステリック」などネガティブなイメージと結びつけられることが多いからだろうか。もちろん、「男は嫌い」と公言する過激なフェミニストは存在する。彼女/彼らにはそんな結論に行き着いた理由と歴史があるだろうからそれに対しての善し悪しはここでは議論しない。いま注目したいのは、近頃欧米などで、もはや流行りとなりつつあるキュートなビジュアルのデザインやイラスト、写真などでハッピーに発信するフェミニズム。ここ日本にも「ピンク・フェミニスト」と定義し、かわいく、素敵な女の子たちの写真でフェミニズムを発信する日本人のフォトグラファーがいるのだ。彼女の名前はAyu Watanabe(渡邉彩友)さん。今回Be inspired!は彼女に会って話を聞いた。NYLON JAPANに撮影を頼まれたり、イギリスのインディペンデントマガジンSUKEBANやHUNGER TVなどで作品が取り上げられたりしているAyuさん。彼女の写真はガーリーで柔らかく、お花があって、ピンクで…「かわいいの」一言。でもそれと同時に女の子のお腹のお肉、太もものセルライト、ムダ毛など日本のマスメディアでは取り上げられないような、日本社会が作り上げた「美の基準」から逸脱した「美」を発信している。Instagram上で「不適切」だと削除されたAyuさんの作品Ayuさんが「日本の美の基準」に疑問を持ち始め、自分の思う「美」を写真で発信しはじめたのは、10代の頃自身がモデルとして活動していたから。写真を撮り始めたきっかけは、もともと自分がサロンモデルとか読者モデルをやっている時、芸能界の「何が美しい」とか「女の子はこうあるべき」とかそういうのがすごく決まっている風潮に反発したかったからです。それにそういうとこ(芸能系)の写真家とか関係者って大抵男性。男性から見た女性像…それを批判しているわけではないのですが、自分みたいな普通の女の子が普通の女の子を撮ることに意味があるかなって。脱毛やダイエットの広告で埋まる電車や街の看板。どこの文化にだって「理想の美」は存在しているが、日本は特に厳しいのかもしれない。やっぱりなんか日本は単一国家だからか、特にみんな同じって考えちゃっていると思うんです、「美」以外でも何に対しても。美容業界でもファッション業界でも「こうではいけない」っていう絶対的な価値基準が、絶対的なモノサシが存在しているから、商品を売りやすいし、メディアの広告をしやすい。そういうのって、数字の世界だし、多数派を優先する世界だと思う。ほとんどの女性にも男性にも言えることだけど、「綺麗になりたい」っていう思いはみんな強く持っているから、それを刺激するっていう面では日本は簡単な国だなって思います。この「日本の美の基準」のプレッシャーからAyuさんは摂食障害を抱えていた時期もあったという。もともと写真を撮られる側、出る側にいたから、自分の写真にイイねがもらえたり、かわいいって評価されることが嬉しいと思いながらも、それに苦しめられていた経験がある。ポジティブな感じではあったかもしれないけれど、逆にそれで自分を窮屈にしていたというか、縛られていた部分があって。そのときは自分のことに夢中になりすぎてて、自己防衛しすぎて、綺麗になりたいっていう思いが強くて。でも自分に厳しいってことは、他人にも優しくできないってことだった。それで友達と外食に行っても「これどれくらいのカロリーなのかな」って気にしちゃって、悩み相談もちゃんと聞いてあげれていなかったと思うし、自分に夢中になりすぎていたぶん、相手のことを大事にしてあげられていなかった。だから最初は無理やり友達と外食に行ったり、お母さんが作ってくれたご飯をちゃんと食べることで…他人に私なりの優しさを示すことで、自分にも優しくできた。友達を大切にすることが、自分を大切にすることに繋がり、他人のなかに「社会が押し付けてくる美」ではない「美」を見つけるのが「自分からの解放」に繋がったという。摂食障害じゃなくなってから、自分を好きになったっていうわけではなくて、どちらかというと自分のことがどうでもよくなった。写真で女性を撮っているのも自分よりも他人を見てる方が楽しいとか、興味があるから。だから自分の見た目に自信が出たっていうよりは気にしなくなったと言うほうが正確だと思います。最近はSNSでも全部アイコンが求められるじゃないですか。セルフィーも当たり前だし…。ひと昔前までは自分の自撮りをアップすると、「お前なに芸能人気取ってんだよ〜」ってなってたけど、今では普通。みんな自分の写真をバンバンとっても当たり前だし、有名人じゃなくても、フォロワーがそんなに多くなくても撮るじゃないですか。それがスタンダードになってきている。SNSの種類もたくさんあるし、自分のウェブサイトだってある。みんなが自分を見すぎている時代だから、どんどん厳しくなっていっちゃうのかなって。だから「自分の解放」って意味で写真を始めたっていうのがあるかな。しかしやはり社会の常識から逸脱していれば理解されないこともある。Ayuさんの作品でヌードの女の子たちの写真をたまたま雑誌のなかで見つけた彼女のご両親は、ショックを受けていたそうだ。しかしそれを彼女は「人それぞれ」と冷静に受け止める。SNS上ではせっかくなのでフェミニストであることを発信しているが、彼女は基本的にあえて言うこともなければ、言う必要も感じていないという。無意識のフェミニストって多いんじゃないかなと思っています。わざわざ名乗る必要は全然ないと思うんですけど、平等を信じていればそれはもうフェミニストだなと思います。例えば、性別にしろ、宗教にしろ、人種にしろ、どんな人間でも人権がある。平等であるべきっていう道徳的な部分を理解していればいいと思います。わざわざフェミニストって無駄に調べる必要はないと思う。第一波とか第二波とか、男女雇用機会均等法とかそういう知識よりも楽しい部分の考えを持ってくれれば嬉しい。そんな優しいスタンスを持って彼女は、自身を「ピンク・フェミニスト」だとインスタグラムにアップしたところ反響が大きかったそうだ。私パっと見、あんまり自信ないし、気弱だし、ピンクもすごい大好きだし、ガーリーな印象にとらえられることが多くて。でもその反面、日本では浮くぐらいフェミニスト的な考えを持ってるから、“フェミニン・フェミニスト”って意味を込めて、「ピンク・フェミニスト」って名乗ってみたの。pink feminist より彼女はフェミニストで、メッセージ性のある作品を撮っている。でもそもそもは彼女にとって作品の第一の目的は、友達を幸せにすること。自分が(ワキ毛やセルライトについての)プロジェクトで作ったものも、個人的に友達のなかに見つけた繊細な美しい部分を誰か一緒に喜んでいる人がいてくれたらいいなってくらいでした。私的には説教くさく「アートは政治だ」っていうよりも、もっとなんかその友達が喜んでくれることの方が自分にとっては大切でしたね。そういう感じでフェミニストとかもっと身近に感じてもらえればいいなって。政治を考えるのって誰かに説教されたりとか、ずっと受け身でいるよりも主体的にならないとわからないものだし、私にとっては友達が喜んでくれることのほうが大切だったし、暗くて孤独な人間でもつまらない日常をちょっと明るくできるというか、支えられて、寄り添ってあげられるようなものを作っていけたらいい。pink feminist より理想的な社会は「自由と平等、愛を信じること」によって生まれると信じているAyuさん。フェミニズム的な考えもそうだけど、他人の気持ちを考えて誰かを尊重する、とか小学校で習った道徳的な部分を大事にすることが重要。やっぱり今の世の中、携帯ひとつでいろんな情報がはいってきて、その分偏見もはいってきて…そのなかでもっとみんなシンプルに人間関係を築ければなって。例えば刺青いれてるからヤクザだとか、あれがあーだからこうだとかそういうんではなくて、ちゃんと人として接して、お互いに人間関係を築ければ平等な社会が作れるかなって。そんな社会に向けて、私たち一人ひとりができることはやっぱり「周りの人に優しい心を持つこと」から始まると彼女は言う。発信することが当たり前な世の中になっているけど、発信する必要は全くないと思う。むしろそれよりも大事なのは自分の周りにいる人を大事にすること。私が摂食障害を克服したのも周りの友達の気持ちを考えて…だったから、それを一番大事にしたほうがいいなとは思いますね。ネットよりも、自分と自分の周りの人に優しくすれば、結果的に世の中にも優しくできるし、世の中も優しくなるんじゃないかなって。Ayuさんは、典型的な「フェミニストのイメージ」とはかけ離れているかもしれない。でもフェミニストとは「選択肢」の問題であると考えればそれが当然なのだろう。例えば、死ぬほど女の子らしい格好をして、ムダ毛を処理しててもいい。男の子みたいな格好をして自然体のままでいることを選んでもいい。どちらが間違っているわけでもなく、どちらが正しいわけでもない。どんな選択をしても、責められない権利を求めるのがフェミニストの一つの形なのだと思う。そしてAyuさんは「ピンク・フェミニスト」として人々を勇気付け続けてくれるのだろう。***Ayu Watanabe(渡邉彩友)22歳のアーティスト・写真家。小さく繊細な場所で美しいものを発見することを好む。彼女自身の哲学と空想に、ロマンティックでノスタルジックなエッセンスを加え、写真でアート表現をする。Website : : @yakuzayuAll photos by Chihiro Lia Ottsu unless otherwise stated.Text by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「今の日本のマスメディアは私たちをなめてる」。22歳のHIGH(er) magazine編集長haru.が「タブーの存在しない雑誌」を作った理由 出版社や新聞社の編集者100人の投票で決められる「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」。23回目を迎える今年の大賞は「ベッキー31歳禁断愛お相手は紅白初出場歌手!」(週刊文春...
2017年08月07日小学生の頃、休みに入る前に名前が呼ばれる“皆勤賞”を一生懸命目指していた人も少なくないだろう。学校に毎日出席した人を表彰することは生徒の登校に対する意欲を掻き立てる要素にもなる素敵な制度だ、何ら悪いことではない。と、イギリスのある母親の考え方を耳にするまではそんな風に思っていた。皆勤賞は子どもに不公平Photo by Annie Sprattとあるイギリス人女性は息子を皆勤賞の授賞式に出席させなかった。なぜなら、皆勤賞は体が弱い子、精神的に苦しんでいる子に対して公平なものではないからだ。この主張の背景には彼女の長男には重度の障害があるということがあった。それを踏まえて彼女は、体が弱いことや精神的に弱いことは“運”であって、子どもが自身で選べることではない、それに対して賞を与えるべきではないと主張している。皆勤賞を与えることで、「行けなかった子ども」に負のイメージを与えかねないということだ。(参照元:UPWORTHY)皆勤賞を設けることをやめた市があるPhoto by Mandias日本でも実際に皆勤賞を設けていない市がある。休まず登校した子どもたちを表彰することは、子どもたちにとって大きな誇りと励みになるものと考えます。一方、本市には様々な立場の子どもがいます。学校に行くことができず不登校である子ども、自身の努力ではどうにもならない病気や障がい等のある子どもなど、学校に行きたくても学校を休まざるを得ない子どもたちが本市にはたくさんいます。そうした立場の子どもたちや保護者は、市が皆勤賞を贈ることで複雑な心情になるものと考えます。また、インフルエンザなど感染症に罹患した子どもや、けが及び病気により安静を要する子どもたちが皆勤賞のために無理して学校に行き、他の子どもや自分自身の健康に影響を及ぼすことも考えられます。このような理由から、市としての皆勤賞の設置は難しいと考えており、各家庭で大いに賞賛していただきたいと思いますので、ご理解のほどよろしくお願いします。(引用元:出雲市市長ポスト)皆勤賞を設置するか否かについての議論は遠い海の向こう側だけでの話ではない。日本にも既にこういう考え方が存在しているのだ。「学校に行けない」から頑張っていないのか?Photo by 胡 卓亨日本でも、夏休み明けの子どもの自殺数増加や、時間外労働を大幅に超えての自殺が問題になっている。心が疲れてしまって、命を失ってしまうくらいなら無理をせずに休んでほしい。もちろん、毎日学校に行くことは素晴らしいことであるし、皆勤賞は何も生徒に「休んではいけない」と教えているわけでもなく、圧力をかけているわけではないだろう。しかし、学校に毎日行ける子に賞が与えられる裏側で、行きたくても毎日行けない子どもたちがいることを忘れてはいけない。そして、1番大事なことは、体が弱かったり、精神的な面で辛いと感じている人に対して、無理して学校に行く必要はないということをみんなが理解することではないだろうか。Text by Hinako OhnoーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「私の髪色は生まれつきこの色です」と証明させる“地毛証明書”への違和感。 あなたの髪の毛は何色だろうか?アジアン・ブラック、ブロンド、赤毛に、アフロ、ドレッド。髪の毛の色や髪型は、人種やルーツをあらわしたりするアイデンティティを形成する要素で...
2017年08月05日ハンバーガーやサンドイッチに入っていないと何かが足りない、物足りない。縁の下の力持ち、名脇役ピクルス。日本でいうところの漬物という感じだろうか。地味だけど、大切な存在である。そんなピクルスに魅了され、好きすぎて、アメリカでピクルス会社を起業した2人の男が存在する。そしてその会社はピクルスでコミュニティに貢献し、地元で愛される存在となった。成り行きの起業ピクルスが大好きすぎて起業した男たちとは、Tyler DuBois(タイラー・デュボアー)とJustin Park(ジャスティン・パーク)。アメリカのコロラド州の州都デンバーを拠点にするこの2人はピクルスが大好きすぎて、趣味として仕事以外の時間は全てピクルス作りに費やしていた。もし当時(起業前)誰かが僕たちに「ピクルス会社を起業するんだろう」なんて言ったらありえなさすぎて笑ってたと思う当時はお互いの家のキッチンや、タイラーが働いていたレストランの隅っこでピクルスを作っているぐらいで、せっかくだからと、週末に開催されている地元のファーマーズマーケットに出店していた。そのうちだんだんと話が進んでいき、本人たちいわく、いわば成り行きで2012年にピクルス会社「The Real Dill(ザ・リアル・ディル)」を起業することとなった。その年のファーマーズマーケットのシーズンに向けて数ヶ月試行錯誤し、お披露目したプロダクトは即完売。そこで本職はやめ、立ち上げた会社一本でやっていく決意をしたそうだ。その後、ちゃんとした仕事場としてのキッチンを見つけ、毎週100時間以上働いた結果、現在ではコロラド州をメインに500店舗にプロダクトを置いているそうだ。彼らのこだわりのピクルス作りはキュウリを切るところからパッケージのラベル貼りまで全て手で行う。そんなアットホームさと確かな味でコロラド州の人に認められた。もったいない精神で生まれたベストセラー商品でも彼らのヒットのきっかけとなった商品は実はピクルスではなく、トマトジュースとタバスコでお馴染みのブラッディメアリー。このベストセラー・ドリンクは、「もったいない精神」から生まれたそうだ。ビジネスが安定し始めると、タイラーとジャスティンははピクルスを作る過程でゴミとなっていく食材に心を痛め始めた。彼らは毎週約136kgもの生ゴミを捨てなければならなかったのだ。そこでピクルス用に漬けていたキュウリの残りの汁を使ったドリンク、ブラッディメアリーを思いつく。これがあっという間に人気になり、今では店の看板商品だ。残りの生ゴミの対策としては、地元の生ゴミを肥料に変える活動をしている非営利団体Re:Visionとパートナーシップを組むことで解決した。Re:Visionは経済的に恵まれていない地域の農園やコミュニティガーデンをサポートする団体である。つまり、The Real Dillの生ゴミは地域の農園に肥料として吸収され、土地を豊かにしているのだ。「Waste not, want not.(浪費しなければ、窮乏することもない)」を信念に持つ彼らは、地域に対して自分たちが抱える責任感からゴミを出さないように心がけた結果、地域に貢献しながらゼロウェイストのビジネスモデルを実現したのだ。愛し愛される、優しいピクルス会社彼らの地域愛は止まらず、2017年にはチャリティのための非営利パートナープログラムを開始。毎年、地元の非営利の団体を決め、パートナーシップを組み、そこに募金するために、企業として資金集めをしている。純粋なピクルスへの愛から起業し、地元に愛を捧げ、地元の人からもそのぶん愛されるデンバーの優しいピクルス会社。地球にも、人にも優しくて美味しいThe Real Dillみたいな会社がもっと増えれば、プロダクトを通して温かい社会になっていくのではないだろうか。***The Real DillAll photos by The Real DillText by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「ホンモノの日本茶を飲んでほしい」。日本で世界へ向け「オーガニック日本茶の魅力」をクリエイティブに届ける若者。 日本の食卓に当たり前に馴染んでいる日本茶。しかし「オーガニックの日本茶」を求める声は、国内外で多いにもかかわらず非常に少量で、過去5年間いずれも総生産量の2〜3%を推移し...
2017年08月04日世界最大の動画プラットホームYOUTUBEでは、誰も挑戦したことのないことを動画にしたり、自作の映画や音楽を違う国に住んでいる人と共有できる。そんなYOUTUBEのなかには、「社会をよくするためには?」を考え動画を発信する人たちが存在していて、Be inspired!では彼らをGOOD YOUTUBER、略してGOODTUBER(グッチューバー)と呼んでいる。本連載を通して皆さんが家族、友人や恋人と一緒に新しい考えや価値観を共有し、世界が広がれば嬉しい。自分の幸せを見つめ直す生活最先端のパソコンや電子端末、最新のブランド品、流行の洋服、有名デザイナーの家具…世の中は、常に“新しいモノ”で溢れかえり、目まぐるしく変化し続けている。そんな社会で生きる私たちは、友人関係や自分のやりたいことよりも、「話題の物をたくさん持っていること」がステータスになってはいないだろうか?今回9人目に紹介するグッチューバーはMinimal Millennials(ミニマルミレニアムズ)。1980年~90年代に生まれたミレニアム世代であるAubry(オーブリー)とChristian(クリスチャン)の2人は、世界でも話題になっている“ミニマリズム”の生活を送るミニマリストだ。この生活では、部屋にモノが少なくなって掃除が楽になるとか、無駄なものを買う癖がなくなり、お金が溜まるようになったというメリットを得られるだけではない。モノに溢れかえり、常に変化を続ける現代社会から離れ生活することで、「自分の本当の幸せとは何か」「自分にとって本当に大切なことは何か」を考え直す手助けをしてくれるのだ。日本人ミニマリスト、佐々木典士(ささきふみお)氏は、ミニマリズムの生活をする以前はCDやDVDを集めることが趣味で、部屋がモノで溢れかえっていたそう。しかし、「モノを持つことだけでは自分の生活は満たされていない」ということに気が付き、ミニマリズムの生活を始めたのだ。そして現在彼の持っている洋服は、3枚のシャツ、4枚のズボン、4組の靴下のみ。これをきっかけに“自分の人生の意味”を見つめ直すようになり、自分の時間の使い方に優先順位を付けられるようなったという。(参照元:Business Insider)さて、今回は現在ミニマリズムの一環で、アパートに住むことをやめて、小型トラックに生活するオーブリーとクリスチャンが教えてくれる「ミニマリズムを始めるための4つのステップ」を紹介していきたい。※動画が見られない方はこちら①「自分に本当に必要なモノ」を具体的に書き出す自分の作ったリストにないモノは、生活になくても困らないもの。自分の作ったリストに沿っていらないものを捨てていく。③自分の必要なモノにはお金をかけて、買い物をする好きなブランドの新作の洋服や、新しいパソコンが発売されるとどうしても「欲しい」と思ってしまう。買った“その瞬間”には満足できるかもしれないが、次から次へと欲しいモノは増えていく一方で、物欲は決して満たされることはない。しかしミニマリズムは、そんな私たちに「本当の幸せ」と向き合わせてくれる最高の手段なのだ。自分がまずミニマリストとして生活をして、家族、友人や恋人を巻き込み、みんなでミニマリズムを楽しみ、幸せを共有してみるのはどうだろうか。***Minimal Millennials(Aubry & Christian)
2017年08月04日「おしゃれをしたいなら、まず痩せないといけない」。そんな言葉を耳にしたことがないだろうか。テレビや雑誌で見るモデルやタレントたちは多くの場合痩せており、彼女たちが着ている洋服のブランドも大きめのサイズの展開が少なかった。だが最近では「ぽっちゃり」した人をターゲットにしたファッション雑誌「la farfa (ラ・ファーファ)」が発行されたことを皮切りに、日本でも体型を気にせずファッションを楽しむのが一般的になりつつある。今回はそんなラ・ファーファの編集長を務める清水氏に、同誌の社会的役割について聞いてみた。
2017年08月03日フェアトレード、ダイレクトトレード、ベジタリアン、ビーガン、ゼロウェイスト、昆虫食、未来食…。東京の街に日々増えていく、お腹をただ満たすだけではない「思想の詰まった飲食店」。 「海外からビーガンの友達が日本に来ていて、ビーガンメニューのあるレストランを知りたい」、「サードウェーブの先を行くコーヒーが飲みたい」、「フードロスがないレストランに行きたい」、「友達や恋人と健康にいい食事をしたい」などなど。そんなニーズに答える連載です。 「食べることはお腹を満たすだけじゃない。思想も一緒にいただきます」。その名も『TOKYO GOOD FOOD』。フーディーなBe inspired!編集部が東京で出会える、社会に、環境に、健康に、あなたに、兎に角「GOODなFOOD」をウィークリーでお届けします!それでは第6回目の『TOKYO GOOD FOOD』行ってみましょう!WHERE IN TOKYO第6回目は、お馴染みになってきたカナダ人イラストレーターJustine Wongによるトップイラストにも描かれている“虫”が食べられる高田馬場のディープな横丁エリアに佇む「獣肉酒家 米とサーカス」。「虫は嫌いだから」とこの記事を読むのをやめないでくださいね。(笑)昆虫だけでなく、ジビエとも呼ばれるシカ、イノシシ、アナグマのお肉から、ワニ、ラクダ、カンガルー、トド、ヤモリなどの珍しいお肉まで食べられる居酒屋です。WHAT’S GOODーお店で一番オススメの一品はなんですか?「6種の昆虫食べ比べセット」です。(写真は5種)CONCEPT & PHILOSOPHYーお店のコンセプトや信念を教えてもらえますか?お店のコンセプトは「“美味しいは楽しい” × “楽しいは美味しい”」です。国や地域ごとの食のルーツや宗教上のルールなど、様々な価値観を受け入れ、先入観を捨てて「多様な食文化」に触れてもらうことを目指しています。先人たちから伝わった「命をいただく行為」を神聖なものとして捉え、感謝と共に飲食店として次世代のお客様に「美味しい」と「楽しい」をつなげる世界観を作っていきたいです。ーお店のオープンの経緯は何ですか?弊社代表 宮下正徳が、友人の母の飲食店でたまたま鹿肉を食べ、美味しさに驚いた事から始まります。ちょうど害獣問題が社会的に問題視されだした頃でもあり、フレンチのジビエのような高級料理としてではなく、日本各地で昔から食べられてきたようなシンプルな料理として、誰もが食べられるような安価で鹿肉を広めたいと思い、2011年に米とサーカスを立ち上げました。ー店名「米とサーカス」に込められた意味は何ですか?「米とサーカス」という店名は、愚民政策を批判する言葉として知られる「パンとサーカス」から引用しています。本来は、権力者から与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によって、市民が政治的盲目に置かれていることを指摘した、マイナスの意味の言葉です。が、私たちは一大衆として食事も娯楽もどっちも欲しがるよね!だからどちらも提供しよう!と逆説的に、ちょっぴり皮肉もこめて名付けました。宗教的要素、菜食主義者、多種多様な価値観を受け入れ、先入観を捨て「多様な食文化」に触れて欲しいと考えてます。そう宮下さんが言うように、まずは恐れずに昆虫を食べてみてほしい。筆者も取材時に6種類の虫を頂いたが、さばかれていないそのままの姿の昆虫を噛み締めた時、「命を頂く感覚」を久しぶりに感じることができた。普段「食べよう」とは思わない昆虫や珍しい肉が食べられる「米とサーカス」に次の休みの日や、近くに行った際に行ってみてはどうだろうか。今まで味わったことのない食体験があなたを待っている。来週の『TOKYO GOOD FOOD』もお楽しみに!***米とサーカス
2017年08月03日あなたは、どんな基準で商品を選んでいるだろうか?もしあなたの気に入っている商品を販売する企業が、不正を働いたり環境に悪影響を及ぼす事業に資金提供したりしていたらどうするだろう。企業や商品作りにおける考え方に賛同できない場合、その企業やブランドの商品を「ボイコット(不買運動)」するという方法がある。これは買い物が「投票」に例えられるように、消費者の力で信頼や賛同のできない企業の商品にお金を出すのをやめ(票を入れるのをやめ)、企業の経営を成り立たなくさせ社会をより良くする(より良い企業に投票する)というもの。
2017年08月02日「CO2の排出量が増加している」「異常気象が続いている」「海面上昇が起こっている」ニュースやメディアで連日取り上げられている環境問題。この言葉を聞く機会は年々増え続け、もはやそれが“日常”と化してしまってはいないだろうか。そんななか私たちに強い“警告”を発するのは、「アースオーバーシュートデイ」だ。アースオーバーシュートデイを直訳すると「環境が行き過ぎた日」。それはどういうことだろうか?この日が私たちに示す意味は何なのか?アースオーバーシュートデイとは人類が地球が1年間で使える自然資源を使い切ってしまう日のこと。それが今年は本日、8月2日なのだ。どうやってその日を計算するかというと、地球1個が生み出すことのできる天然資源量(バイオキャパシティー)を、人間に必要な資源の量(エコロジカルフットプリント)で割った数を1日に換算している。つまり今日を堺に天然資源料は限界量を超える計算となり、本日以降は地球に負担をかけ始めることになる。去年は8月8日だったが、今年は6日早い。アースオーバーデイは毎年早まっていて、それはつまり年々私たち人間の消費する資源量が増加していることを意味している。人間が今の生活を維持するのに必要なエネルギーは、地球1.7個分と言われている。(参照元:EARTH OVERSHOOT DAY)人類はこのままではいけない。そこで始まったキャンペーンが「#movetheday(ムーブザデイ)」。「日にちを移動させよう」、つまりこのオーバーシュートデイを早めるのではなく、遅くしようという取り組みだ。このキャンペーンはSNSで発信され、地球環境問題の認知向上と具体的なアクションを取りやすくすることを目的としている。そのため、ツイッターで身近にできる「地球にいいこと」を発信するキャンペーンも同時に行っている。忙しい毎日終われ、規模の大きい環境問題は自分ごとのように感じるのは難しいかもしれない。でも、地球の未来は人類の未来を意味する。つまり私たち一人ひとりの未来なのだ。本日のアースオーバーシュートデイをきっかけに、自分たちの生活を見直し、個人ができることから始めてみてはどうだろうか。来年はもっと遅くにオーバーシュートデイがくるように。Text by Be inspired!編集部ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!ビーサンをアートへ昇華。ナイロビの無職の人々が20年かけて築き上げた、「ゴミ」を「お金」にする方法 もうすぐ夏の大型連休がやってくる。海に泳ぎに行ったり、ビーチフェスの計画を立てている人もいるだろう。もちろん多くの人がそこで出た自分のゴミは持って帰っているはずだが、中にはごく...
2017年08月01日