Be inspired!がお届けする新着記事一覧 (21/30)
おはようございます。さっそくですがみなさん、今日はなんの日かご存知ですか?
2017年03月07日オーストラリア大陸と周辺島嶼の先住民、アボリジニ。彼らはダンスや楽器、アートなど独自の豊かな芸術文化で知られている。オーストラリアの最北エリアキンバリーのニキナ地方には106歳の「ご長寿アボリジニ伝統ペインター」が存在する。COURTESY OF MOSSENSON GALLERIES年齢なんて関係ない!100歳越えのアボリジニ伝統画家!アボリジニの独自のアートを極めたご長寿ペインターとはローンコーナン(Loongkoonan)氏。西洋医学を一切受け入れず、ニキナ地方の伝統的な薬草を使い、古くから伝わる文化や知恵に沿って生きてきた彼女。実は、95歳の時にアボリジニ伝統ペイントを描き始めたという。そして約10年経った今、ワシントンの在米オーストラリア大使館で個展をするほどのインターナショナルなアーティストとなった。COURTESY OF MOSSENSON GALLERIESアボリジニの伝統的なペイントは、元をたどると壁画だが、欧米人が入植した時に絵の具を持ち込んだのが今の絵画のスタイルの起源となったと言われている。「文字」を持たない文化のアボリジニは、絵画の中の一つ一つ意味をもつシンボルで文化や知恵を後世に継承していく。ただ美しいだけではなく、生きていく知恵がそこに記されているというわけだ。「生けるアボリジニの文化財」と言っても過言ではない106歳のローンコーナン氏は、文化や知恵を次の世代へ残すために、ニキナ地方の彼女が生まれ育った地や、そこで採れる薬草や食べ物、湧き水の見つけ方などを描き続けているのだ。チャレンジは何歳になってもできる。COURTESY OF MOSSENSON GALLERIESここ約10年で彼女の絵画の才能が、彼女の「伝えたい」想いとリンクし花開いた。95歳にして新しいことにチャレンジする精神、フットワークの軽さ、衰えない情熱…。彼女の存在は私たちに夢を与えてくれる。その姿は正直で、かっこいい。なによりもこんな風に歳をとりたいと思わせてくれる。106歳の今でも彼女は時々森へ行き、若い世代に指導をしながら狩りをしたり、釣りをしたりして、自然の恵みを受けながら伝統的に暮らす知恵を伝授しているという。「本当に病気になった時まで絵を描くことを続ける」と語る彼女。(参照元:mysinchew) 106歳になった今も情熱を持って、死ぬまで何かを表現しようとするその精神。ローンコーナン氏の生き様は民族を超えて、私たち日本人にも多大なインスピレーションを与えてくれる。Text by バンベニ 桃ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!オバマも支援。大企業による開発という名の「侵略」と4ヶ月間も戦い続けたある先住民に起きた奇跡。 アメリカ ノースダコタ州で先住民スタンディングロック・スー族の保留地の水源が汚染されるという理由から、抗議デモが続いていた石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建...
2017年03月07日子どもの頃、学校の宿題に悩まされていた人は少なくないだろう。「友達と遊ぶほうが楽しいのに」と腹を立てていたのは筆者だけではないはずだ。現在、そんなタイプの子どもには夢のような「宿題禁止の学校」がアメリカに存在する。(Photo by Lum3n.com)米バーモント州に位置するオーチャード小学校では、去年の9月から保育園〜小学校5生を対象に、実験的に「宿題0ポリシー」を導入した。宿題0ポリシーオーチャード小学校インフォメーション生徒の宿題1、簡単すぎず、難しすぎないちょうどいい本を読みましょう(両親にも読んでもらいましょう)2、外に行って遊びましょう(スクリーンから離れてね)3、夕飯を家族と一緒に食べましょう(ごはんと準備と片付けをお手伝いしましょう) 実験対象となった400人の生徒と彼らの家庭を調査したところ、宿題を課さないことによる学問の遅れは見られなかったという。この学校の校長マーク・トリフィリオ氏は家庭で趣味に熱中する時間やリラックスする時間が増えたことによって、クリエイティブな思考が育まれ、今後は彼らの成績が上がると予測する。どうやらこれまでは両親にとっても子どもの宿題がストレスになっていたようで、宿題がなくなってから、リラックスして子どもと一緒に本が読めるようになったと親も喜んでいるという。今回は実験的な導入だったため、学校全体で実地する日は遠いかもしれないが、少なくともこれまでの「宿題はやればやるだけいい」という常識に疑問を提示し、改革の余地があることを証明、提案してくれたのではないだろうか。(Photo by jutheanh)一方、日本の教育はプレゼンテーションやディスカッションが少なく「記憶するだけの教育」で有名だ。また、日本には子どもを小学校生のうちから塾に入れ、放課後も勉強をさせる親が多い。いい大学に入り、良い会社に入らなければならないという社会的プレッシャーが大きいためだろう。教育の目的が「学ぶ」ためではなく「試験をパスする」ためで、記憶する教育が多いせいか、The New York Timesによると、日本人は答えがある問題に対してはとても優秀に解決策を見つける能力があるが、新しいアイディアを生むことは苦手な傾向にあるという。(引用元:The New York Times)子どものストレス削減と情熱を育むことを応援するアメリカの小学校の「宿題0ポリシー」。もしかしたら日本こそ取り入れるべきなのかもしれない。Text by Noemi Minami ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「詰め込み教育は、もうやめよう」。北欧フィンランド式の“ふんいき教育”とは 「嫌だ。当てないで」質問をする先生から目を逸らし、無言の訴えが教室中の空気を包む。学生時代、誰もが一度は経験したことがあるのではないだろうか?テストのために必死...
2017年03月06日デンマークの首都コペンハーゲンに「食産業の異端児」がひっそりと佇む。ヨーロッパで初めての「ゴミ」を食材として利用するレストラン。いかにもデンマークらしい、自由で、やさしくて、クリエイティブで、ハッピーで、ピースなレストランだ。 名前は「Spisehuset Rub & Stub」。NPO(非営利団体)によって運営され、デンマーク難民委員会にも参加している。目的はただ一つ。食品廃棄物と戦うこと。 食産業から生まれた〝ゴミ〟を利用して、コペンハーゲンからゴミを減らす活動をしているクリエイティブで、途方もなくピースなレストランを取材した。 (英語版サイトはこちらから)〝ゴミ〟レストランへ! デンマーク人の友達に「面白い場所ある?」と聞いて教えてもらったレストラン。住所だけ調べて、とりあえず下調べなしでレストランに向かった。 カッコいい!! 後から聞いたところによると、この建物なんと築300年以上!コペンハーゲン市内の中でも有数の歴史的建造物らしい。店内へ。 デンマークらしいシンプルなオシャレを演出するレストラン。 メニューはどうやら3つ。 一番上のを注文すると、店内を見て回る間もなく食事が。 はやっ!! スタッフから一言、「おかわりは自由よ」。 おいしい!!! この後、おかわり2回(笑)。食べ終わると、スタッフを見つけて直撃取材へ。「ちょっと時間いいですか?」と声をかけると、「10分だけね」とスタッフのマリアさん。 まず、食事はおいしい。でも何が面白いのだろうか?「友達に面白い場所教えてって聞いたら、ここを紹介してくれたんだけど、何が特別なんですか?」 そんなことも知らずに来たの?あなたが食べた食材の40%は〝ゴミ〟よ (えっ、えーーーー!!!) 「ゴミ」と聞いて驚いたが、ちゃんと厳選された〝ゴミ〟が寄付され、使われているという。形が悪くて売れない農作物だったり、生協やスーパーマーケットで賞味期限切れになった商品だったり。 私たちは、食料廃棄物と戦っているの。だから食べ物のゴミを減らす活動をしているの このレストランのポイントは5つ。非営利、ボランティア、日替わりメニュー、おかわり自由、持ち帰り自由。 おかわりも持ち帰りも自由。いっけん矛盾するように思うでしょう?でも、ゴミを出さないことは、消費しないこととは違う。消費しながらもゴミを減らせるサステナブルな道がある、と私たちは信じているの。その代わり、メニューはその日にならないとわからない。当日にならないと、どんな〝ゴミ〟が調達できるかわからないから、メニューを前もって決められないの。もちろんこちらの一方的な都合だけど、お客さんとしてもリアリティがあって面白いでしょう このレストランは2013年秋にオープンし、最初の1年半で3.5トンもの〝ゴミ〟を生き返らせたという。食事の中の〝ゴミ〟の割合は現在平均40%。この割合をあげようと日々挑戦中だという。また、ベジタリアンメニューも必ず毎日用意し、どんな人にも食事を楽しんでもらう工夫をしている。 「物質」ではなく、「物語」を消費して前進する ここで一つの疑問が。このレストランはどのように運営されているのだろうか? 私たちは非営利組織。私たち主要なスタッフ4人以外、すべてボランティアによって成り立っているの スタッフの内訳は、2人のキッチンリーダー、フロアマネージャー、プロジェクトマネージャー。ボランティアスタッフはなんと120人いるんだとか。ものすごい人数…。 では、どんな人がここで働いているのだろうか? モチベーションは人それぞれ。時間が余ってる人、シェフとして訓練したい人、社会問題に問題意識がある人、いろんな経験を積みたい人、コミュニティに身を置きたい人…… 食料廃棄物が大問題だって当たり前だよね。誰だってわかる。そういうコモンセンス(良心)によってこのレストランは成り立っているの。従業員もボランティアもお客さんも、みんなこの社会問題と戦っているのよ。だからなんとなく働いているのとは違う。私ももともとボランティアとして入ったんだけど、途中で雇ってもらって、今では仕事をしながら仲間と戦って。何より、食べに来てくれるお客さんを見るのが本当にうれしくって。そこにはおいしい以上の何かがあるから 「食料廃棄物」という物語に、仲間が集まる。そして、一人ひとりの求めるものは違えど、同じ大きな目標に向かって共に前進していく。 誰もこうしろ、ああしろと強制したりはしないの。関心が強い人はボランティアとして参加すればいいし、そこまで関心はないけど問題意識が少しでもある人は消費者として参加すればいいから やさしさや想いをシェアできる仲間がここに集い、コミュニティが生まれる。だからだろうか。このレストランはとても温かく、居心地がよくて、ピースなのだ。 〝Less is More〟私たちの信じる道 私たちは、〝Less is More〟を信じているの このレストランは、革新的な食料廃棄問題の解決法を提案しながら、新しい価値観を作ろうとしているの ゴミ排出大国、日本。20世紀型の物質至上主義的な資本主義に飼いならされたぼくらは、どうしても物質的な豊かさと精神的の豊かさをイコールで結んでしまいがちである。しかし、このレストランはその価値観に真っ向から反対する。「少ないことはより豊かだ!」と。 マリアさんは最後にこう付け足した。 これって、ものすごくデンマーク的な価値観なんだけどね コペンハーゲンで出会った、21世紀型の革命的なレストラン。常識や固定概念にとらわれず、自分の信じる豊かな世界を実現しようとする。そんなレストランはどの角度から覗いてもどこまでもやさしく、ピースで、とても美しい。デンマークの人々の根底に流れる、自由と寛容性、それと共生の精神。その文化の上にクリエイティビティを開花させ、食料廃棄問題という闇に希望の光を照らす。ここからやさしい革命が始まる。 ※この記事はウェブメディア「EPOCH MAKERS」の提供記事です。EPOCH MAKERS – デンマークに聞く。未来が変わる。世界の片隅で異彩を放つ、デンマーク。この小さな北欧の国は、情報化がさらに進んだ未来の社会の一つのロールモデルになり得る。EPOCH MAKERSはその可能性を信じて、独自の視点から取材し発信するインタビューメディア。URL: photos and Texts by Taiga Beppu ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!デンマーク人が発明!インドの「貧困問題」を解決する『ゴミ袋 製レンガ』!? インドの貧困問題を解決できる鍵は「ゴミ」だった?人類が、直面している大きな課題である「ゴミ問題」だが、最近スポットをあてられているのはビニール袋などの「プラスティッ...
2017年03月06日「乳がん」という病気が女性だけのものだと思ったら大間違いだ。事実、日本の女性の12人に1人がかかり、そして男性もかかることのある、決してだれも他人事とはいえない病気なのだから。手術が必要な場合が多く、そうすると胸を術前と全く同じ形に戻すことは難しくなる。そんなときあなたは、どうにかして「手術する前の“美しい胸”」の形を目指すだろうか。女性は“美しい胸”を持つべきだという価値観 「女性の胸」についての議論を耳にすることは少なくないのではないか。女性の胸は「大きいほうがいい」「小さいほうがいい」「大きくもなく小さくもないのがいい」など、さまざまな意見が交わされているかもしれないが、これらに共通するのは「女性の胸はこうあるべきだ」という何らかの価値観を基準にして、“評価”の対象としていることだ。これは男性からだけではなく、女性同士や女性が自分自身に対しても行われている。このような女性の胸についての価値観や“評価”を、女性の誰もが気にするというわけではないが、こういった価値判断がされる限り、自分の「胸」について思い悩む人は存在する。メディアが“理想的な体型”として胸の大きさを強調したモデルを紹介したり、「バストアップ」や「“美乳”の作り方」などの方法を盛んに提案したり、人々は他人によって形作られた「美しい胸」の価値観に自分を合わせようとする傾向があるのだ。(参照元:BBC News) 乳がんの手術を受けた胸の行方他のがんと比べて患者数や死亡者数が増えている乳がん。高脂肪や高タンパク食の摂取の増加や、初潮年齢の早期化や晩婚化、少子化、初産年齢の高齢化などが原因と言われている。多くは手術が必要となり、状態によって乳房をすべて摘出するか、一部だけ切除することになる。 だが、現在においてはこれらの手術と同時か術後に、再建(自分の皮膚や筋肉を使って、または生理食塩水の入った袋を入れて膨らませて、乳房の膨らんだ形を再現)をすることが可能だ。(参照元:認定NPO法人 J.POSH, 東京女子医科大学 東医療センター 乳腺科)また、乳房だけでなく乳頭や乳輪の再建手術を受け、より術前の見かけに近づけられるようにする患者もいる。ここで理想とされるのは、左右対称で人工物でない乳房だという。(参照元:E-BeC)なぜこのようにして取ってしまった乳房を再現するかというと、“乳房を失った喪失感”をできるだけなくしたり、男性の体とは違う女性の体の特徴を取り戻したり、乳房の形を想定して作られた服に合わせたりするためだと考えられる。(参照元:Breast Cancer Care, Breast Cancer Network Australia)だが、乳がん患者の誰しもが再建を望むわけではないし、そもそも手術を受けて“完全ではなくなった”乳房は果たして美しくないのだろうか。 ニューヨークが再定義した「おっぱいのあり方」「乳がんの手術を受けた胸」に対する観念を打ち破るファッションショーが、ニューヨークファッションウィーク(以下NYFW)で行なわれた。乳がんを経験したモデルを起用したのは、両胸や片胸だけ、胸なし、再建した胸のすべてに対応したランジェリーブランドAnaOno(アナオノ)。乳がん患者を支援するチャリティープロジェクトの#Cancerland(#キャンサーランド)の一環としてだった。(参照元:Konbini) 同ファッションウィークは以前から「美の定義」の多様さを伝える試みを行なっており、ヒジャブを被ったモデルやアシッドアタック(酸攻撃)の被害者をモデルがランウェイを歩くファッションショーを開いてきている。(参照元:Konbini) 今回の「乳がんファッションショー」では、16人のモデル全員が乳がんを経験しており、乳房を再建した人、乳房だけでなく乳頭の再建もした人(ファッションショーでは乳頭や乳輪の出ているモデルはいなかった)、切除した場所にタトゥーを施した人、全く再建をしていない人などモデルたちは顔や体にラメを塗ったランジェリー姿で、堂々とランウェイを歩いた。 乳がんの経験を「個性」に先ほど紹介したファッションショーに出演したモデルたちを見て、何を感じただろうか。モデルたちを見てわかるのは、「乳がんを経験した胸」を「個性」として捉えていることだ。「女性の美しさは胸にある」という風潮は相変わらず消えていないが、手術を受ける前の胸を再び持つことを理想とするのがすべてではなく、「平らなままでも半分くらいの大きさでも美しい」という乳がんのモデルたちの強いメッセージが、観客に伝わってくる。他人が定義した“美しさ”に従うのではなく、何が美しいのかは自分で決めるべきではないだろうか。All photos by @iAmPeterCooperText by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!海外セレブや有名女優も参加。6億人に問いかける「お◯ぱい触りますか?」 世界中に6億人のユーザーがいるとされているインスタグラム。ある日、インスタグラムが女性たちのヌードに占拠された。バストトップには「手のひら」の絵文字。そう。あなたの考えている通...
2017年03月03日近頃だと、連絡先の交換となると電話番号やアドレスよりも圧倒的にLINEが多いのではないだろうか?ラインの魅力は登録にお金がかからないことや、無料でメール・電話ができることはもちろん、なんといってもステッカーが楽しいことだ。最近ではブランドや芸能人だけでなく、誰もがオリジナルステッカーを作ることができ、常に種類は増え続けている。バラエティーに富んでいるため、文章を書くこともなくステッカーの送り合いだけで会話が成り立つことも少なくない。実は、欧米でも同じようにビジュアルに特化したメールが流行っている。ラインステッカーの代わりに彼らが使うのが「GIF(ジフ)」と呼ばれるものだ。GIFはGraphic Interchange Formatの頭文字をとったもので、「動く画像」を意味する。GIFの技術は80年代から存在していたそうだが、Facebookのメッセンジャーにステッカーのようなものとして導入されて以来若者の間で一気に広まった。GIFの特徴は、セレブリティや人気のテレビドラマなどの画像を(多くの場合は風刺的に)用いることで、トレンドやポピュラーカルチャーに特化しているところ。日本でもFacebookメッセンジャーで利用している人は少なくないだろう。そして、アメリカにはそんなGIFトレンドを、社会貢献に利用する男が存在する。手話アーティストのロバートさんだ。彼は、聴覚障害者の権利を確立することを目的に、「SIGN WITH ROBERT」というサービスをスタート。そして手話を広めるために、手話レッスンDVDの販売などをしていたが、画像上に動きがあり手話を表現しやすいGIFに目をつけたのだ。<伸びた草><死><とても肥満な人>彼らのGIFの見所はなんといってもロバートさんの表現豊かな表情。<伸びた草>が全力の表現に対して、<死>は意外と適当なところにもどこかユーモアを感じずにはいられない。若者の間で人気のちょっとふざけたGIFを利用し、「手話を広める」真面目な取り組みをするSIGN WITH ROBERT。すでに若者の日常生活に密接に関わりがあるものを利用することで、これまで手話との距離が遠かった人々を巻き込む。FacebookのメッセンジャーのGIFにSign With Robertと打ち込めば日本でも利用できるから嬉しい。手話は国によって異なるので残念ながらロバートさんの手話を覚えてもアメリカでしか使えないが、彼らのユニークな発想と努力のおかげで今後は手話へのハードルが下がり、「手話」というものに興味を持つ人が増えていくのではないだろうか。All GIFs by SIGN WITH ROBERTText by Noemi Minami ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!今一番DOPE。難聴ヒップホッパーが魅せる「手話ラップ」 米国アトランタ出身のマシュー・マクシーは難聴者の一人として、音楽を通した聴覚障害者と手話のコミュニティを作るために、DEAFinitely Dopeを立ち上げた。仲間たちが、居...
2017年03月03日アメリカ映画の最高権威とも呼ばれる、アカデミー賞。このアカデミー賞ですが、2年間連続で「ヨーロッパ系(白人)ばかり」が受賞していたことで批判が相次ぎました。果たして今年はどうだったのでしょうか?(Photo by Simon Lutz)2016年度のアメリカ映画の優秀作品や俳優、監督らに賞を送る第89回アカデミー賞の授賞式が、米カリフォルニア州ハリウッドで日本時間の2月27日に行われました。今回の授賞式では、司会を務めたジミー・キメル(アメリカのテレビショーの司会者として有名)がトランプ大統領を批判するジョークを多く飛ばすなど、トランプ政権批判の目立つセレモニーでしたが、何よりも注目が集まったのは受賞者の人種的バックグラウンドが過去2年間と比べて多様になったことです。(参照元:Konbini)前回、前々回のアカデミー賞では、なんと受賞した人だけでなくノミネートした人もすべて「ヨーロッパ系(白人)」だったのです。これに対し、「#OscarsSoWhite(オスカーは白すぎる)」というハッシュタグを使った抗議活動が巻き起こり、アフリカ系の映画監督スパイク・リーにいたっては2016年のアカデミー賞授賞式をボイコットしました。(参照元:CNN.com)(引用元:Viola Davis)<「Fences(原題)」でアカデミー賞助演女優賞、エミー賞とトニー賞も得てアフリカ系俳優史上初のトリプル受賞したヴィオラ・デイビス>それと比べて今回のアカデミー賞は、過去10年間で初めて複数人のアフリカ系(黒人)の俳優が受賞。そして#OscarsSoWhiteをもじった「#OscarsSoDiverse(オスカーはとても多様)」がSNSで使われました。また、授賞式で作品名が呼び違えられるハプニングがあったものの、作品賞を受賞した「ムーンライト」は“白人的”なストーリーではなく、アフリカ系(黒人)の少年がアイデンティティを模索するものでした。その他には、トランプ大統領が入国禁止を命じたイスラム諸国の1つだったイランのアスガル・ファルハーディー監督が映画「セールスマン」で外国語映画賞を受賞。しかしながら、トランプ氏の大統領令に対して抗議の姿勢を表すため授賞式を欠席しました。(引用元:Mahershala Ali)<「ムーンライト」でアカデミー賞助演男優賞、オスカー史上初ムスリム俳優のマハーシャラ・アリ> (引用元:MOONLIGHT)<アカデミー賞作品賞を受賞した「ムーンライト」の監督のバリー・ジェンキンス(右)と劇作家のタレル・アルバン・マクレイニー(左)> ※動画が見られない方はこちら<アカデミー賞作品賞を受賞した「ムーンライト」> さて、アカデミー賞での人種の偏りが改善されたように見えますが、ここで問題は終わりではありません。2年間連続でマイノリティがノミネートや受賞をできなかったからこそ、今回は受賞できたという見方もできます。それから、今回賞を得たアフリカ系や中東出身者、ムスリムだけがマイノリティではありません。ノミネートや受賞したことが少ないラティーノやアジア系、ネイティブ・アメリカンなどの人々はどうなるでしょうか。今後の動向にも注目していきましょう。次回のハッシュタグ・アクティビズムをお楽しみに!※「黒人」にはアフリカ系以外に中南米やカリブ海諸国をルーツとする人々も含まれるため、本記事で扱ったアフリカ系の人々をアフリカ系(黒人)と表記しました。Text by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!黒人監督スパイク・リーが批判。 「百合のように白い」アカデミー賞。#OscarsSoWhite 「主役が黒人」だから批判された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』以前この記事でも述べたが、主役が黒人なだけで、白人によるボイコットが起きるなど、アメリカの映画産業...
2017年03月02日(Photo by Great Beyond)私たちが日常的に口にしているアイスクリームやチョコレート、ポテトチップス。コンビニやスーパーマケットで手軽に購入でき、嗜好している人も多いだろう。しかし、それらを食べ続けることで地球環境が確実に壊れていくという事実はあまり知られていない。(Photo by D. [SansPretentionAucune] (•̪●) ✪)地球を壊す危険な油ポテトチップスやアイスクリーム、チョコレートの原材料に使われるパーム油。しかし、パッケージに実際に記載されているのは「植物性油脂」という名前。一体どのような油が使われているのか、多くの消費者は知らないままである。パーム油は、アブラヤシの実を原料とする油のことで、インドネシア、タイ、マレーシアが主な原産国である。世界の年間生産量はおよそ6,000万トンにものぼり、最も多く生産されている植物油なのだ。実は、日本の植物油の消費量のうち、4分の1はパーム油である。スナック菓子などの嗜好品に多く含まれ、日本人は年間平均4kgも摂取しているという統計が出ている。そして、パーム油が日本に届くまでに、様々な環境・社会問題が発生していることを私たちは知らない。つまり私たちは、ポテトチップスを食べながら、悪意なく地球の破壊に加担しているというわけだ。(参照元:危ない油パーム油のリスク、知っていますか?)1袋のポテトチップスがオラウータンを殺すアブラヤシの実は収穫から24時間以内に搾油しないといけない性質があり、広大な農地と搾油のための工場が必要とされる。世界最大の生産国であるマレーシアやインドネシアでは、農園を拡大するために大規模な森林伐採が行われており、過去20年において日本の九州と同じ面積の森林がアブラヤシ農園へと姿を変えた。被害は森林だけに止まらない。かつて豊かな熱帯雨林には貴重な野生動物が数多く住んでいたが、パーム油の大量生産によって森が切り開かれ、動物たちの住処がなくなってしまったのだ。ゾウ、トラ、オラウータンなどが絶滅の一途を辿っている。また、パーム油を生産する際には大量の二酸化炭素が排出されるため、地球温暖化にも拍車をかけている。(参照元:プランテーションウォッチ)(Photo by adrian kenyon)油によって権利を奪われた人々パーム油によって引き起こされる問題は、環境破壊や野生動物の絶滅だけに止まらない。広大な農園における作業は、日雇い労働者や移住労働者に支えられているのだ。その中にはもちろん小学生くらいの子どもが大勢いる。彼らは労働に見合うだけの対価を得られず、大量に散布される農薬の影響で健康に被害をきたす者もいる。人権を無視した児童労働や強制労働は、コンビニでアイスクリームを買う日本人にしてみれば、実感しにくい問題かもしれない。しかし、今この時も、彼らは過酷な労働環境下でアブラヤシの栽培や収穫を行っているのだ。また、アブラヤシ農園の開発によって住む場所を奪われた人もいる。昔からその土地に住んでいる人々の権利を無視し、企業が土地を買収。広大なアブラヤシ畑を作ってしまったのだ。このため、インドネシアでは住民と企業の間で土地紛争が勃発している。(参照元:危ない油パーム油のリスク、知っていますか?)(Photo by Program on Forests (PROFOR))パーム油問題の打開策パーム油が引き起こす数々の問題に立ち向かうため、2004年、RSPO(持続可能なパーム油円卓会議)が設立され、国際的な認証基準を制定した。「危険な油」の生産に歯止めがかかることに期待が向けられたが、管理しきれず非認証の農園の油がRSPO認証として出回ってしまうこともあり、現在は問題解決には至っていない。RSPOの失敗を踏まえ、2013年にはPOIG(パーム油改革グループ)が発足された。RSPOの支援および、認証基準を引き継ぐと同時に、“森林減少を食い止め、気候変動を抑制する泥炭地保全を行い、土地権、労働権、児童労働を含む人権侵害等に対処するPOIG要求事項”を定めたのである。現在、多数の企業がメンバーに加わり、支援を進めている。(参照元:危ない油パーム油のリスク、知っていますか?)(Photo by Janet Vanderhoof)使う油は自分で選ぶチョコレートやアイスクリームに含まれているパーム油は、食品の口当たりをなめらかにし、揚げ油として使用すればサクサクの仕上がりになる。このようなメリットがある一方で、健康への被害が危惧されていることも事実である。ラットを使った実験によると、パーム油には発がん性のリスクが確認されている。また、他の油を与えたラットに比べ、パーム油を与えたラットのほうが生存率が低いという結果が出た。(参照元:Business journal)現在の日本では、パーム油の危険性に対する意識が欧米諸国ほど高くはない。一人ひとりの消費者がパーム油の問題に気づいたところで、コンビニに売っているお菓子やカップ麺、洗剤には当たり前のようにパーム油が原材料として使用されているのが現状だ。企業の意識改革が進まない限り、これらの商品が変わっていくことはない。では、消費者が個人的にできることは何だろうか?まず誰でもできることは、パーム油の危険性を知った上で消費活動を行うことではないだろうか。インターネットで「パーム油」の名前を検索してみると、どんな製品にパーム油が含まれているのかがすぐに分かる。あまりにも多くの製品に使用されているため、驚くかもしれない。アイスクリームやポテトチップスを一切買わない、という方法は現実的ではないが、問題に関心を持った上でスーパーマーケットに行けば、購入の頻度や量は以前よりも変わってくるだろう。(参照元:あぶない油の話)また、日本ではまだ少ないが、RSPOの認証マークがついた製品を選んで購入することも問題解決に繋がる。日本人が持続可能な方法で生産された油を選ぶことにより、一人の命、一匹の命、一本の木が救われるかもしれないのだ。(Photo by Rainforest Action Network)Text by Megumi Satou ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「植物油」という名の「毒物」 「忙しい」「便利」「簡単」という理由で、スーパーのお惣菜、ファストフード、コンビニの食事に頼っているあなた。実はあなたの体はもう悲鳴を上げているかもしれない。...
2017年03月02日私たちはトイレットペーパーにはお尻を拭く以上の意義が秘められていると証明することを誓います。そう熱く断言するのはオーストラリアを拠点にしたトイレットペーパーの会社、Who Gives A Crap(文字通り読むと、“誰がクソする?”)。会社名からしてフザケてるとしか思えないが、実は大真面目に世界を救おうとしている期待のスタートアップなのだ。(左からダニー、サイモン、ジェハン)2012年の6月にサイモン、ジェハン、ダニーの三人によって立ち上げられたこの会社。欧米で人気のクラウドファンディングサイトINDIEGOGOを利用して起業資金430万円を“たった50時間”で集めたそうだ。その方法は至ってユニークで強行。プロジェクトメンバーの一人サイモンが「俺はみんながトイレットペーパーをくれるまで(資金を寄付してくれるまで)ここを動かない」と公言し、倉庫のトイレに座っている様子のライヴ映像をオンンラン上で配信したのだ。その結果、様々なメディアが彼らのプロジェクトを取り上げ、サイモンのキンキンに冷えたお尻と引き換えに目標の金額を手にした。※動画が見られない方はこちらそうして立ち上がったWho Gives A Crap。彼らは主に古くなった教科書や会社の書類など、100%リサイクル紙で生産されたトイレットペーパーをインターネットで販売している。体に良くないとされている塩素や環境に悪いインクを使わず、トイレットペーパーを“いい香り”にする変な匂い付けもしていない。環境にいいものは少し高いイメージがあるかもしれないが、彼らのトイレットペーパーはスーパーで手に入るものと値段が変わらない上に特別な手法でやわらかな肌感を実現し、“お尻フレンドリー”だという。 なぜトイレットペーパー?とお思いになった方もいるかもしれない。でもちゃんとした理由がある。あまり知られていないが、世界の40%の人口がトイレにアクセスできないような環境で暮らしている。不衛生を原因にサハラ以南のアフリカでは毎日900人もの子どもたち(5歳以下)が命を落としているのだ。その事実に心を痛めた彼らは起業することでそんな子どもたちを救おうと決意した。これまで社会起業家として、発展途上国の衛生問題に関わる団体に3700万近く寄付をし、100%リサイクルの手法を使い30,797本の木を救い、エコフレンドリーなプロダクト製作方法によって7400万の水を節約した。 将来的には、ぼくらの最高な株主たちと利益を共有したい。感謝の気持ちを表すためだけじゃなく、「目的を持った利益」を基盤にしたビジネスモデルが上手くいくってことを証明するためにも。株主たちにそれが分かれば、社会起業家のチャンスがもっと増えると思うんだ。ユーモアに富んだブランディングで、人の命を救うために本気で取り組む彼ら。彼らの成功のおかげで今後さらに社会起業家が増えるかもしれない。多くの人が「目的を持った利益」を追求するようになれば、世界はもっと良い場所になるに違いない。All photos by Who Gives A Crap Text by Noemi Minami ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「トイレ」。それは強い心を作る場所。 たっぷりと体を休めたのに、なんだかまだ疲れが残っている。そんな人に必要なのは「頭の休息」かもしれない。体は動いていなくとも、頭は無意識のうちに働いてしまって...
2017年03月02日中学校の先生にはどんなイメージがあるだろうか?もちろん中には親しみやすい先生もいるだろうが、「先生」という響きはどこか尊く、恐縮してしまう。しかしオーストラリアには多くの生徒に尊敬されるクレイジーな先生たちが存在した。その姿からは全くもって「先生らしさ」を感じない。中学校の教師たちが、なぜか「脱ぎ」始めた この日のために非常に周到な準備を重ねたよ。心と体が一体となって成し遂げたことだと思う(引用元:ABCNews) こんなコメントを残し、オーストラリアの最も高い山「コジオスコ山」の登頂に成功したことを誇らしそうに喜んでいる5人組がいる。そんな彼らの果敢な姿を見てみると…なんとパンツ一丁だ。 彼らの職業は全員が地方の教師。全く想像がつかないが、普段は生徒を前に真剣に勉強を教えている。コントのようなツッコミどころ満載の登頂であるが、彼らは至って真剣だった。山を登りきった日の気温はマイナス4度。さらに風速25~30キロもの風が吹き荒れていた。ただでさえ厳しい状況の中では前に進むことさえも困難であっただろう。確かに軽い気持ちでは成し遂げられることではない。(参照元:Mashable) なぜ彼らはこんなクレイジーな行動に出ようと思ったのだろうか。「ティーンエイジャー」の「4人に1人」が精神的ストレスを抱えている そんなギャップと面白さから、彼らは地元を中心に多くのメディアに取り上げられ、たくさんの注目を集めていった。だがこの活動は「ただ注目を浴びたいから」ではなく、実はきちんとした彼らなりの理由がある。多くの10代の子たちがうつ病や不安症など精神的なストレスを抱えている事実があるからだ。 オーストラリアではティーンエイジャーの6人に1人が不安症を抱え、16人に1人がうつ病を経験。そして4人に1人が精神的ストレスを抱えているという。こんな現実を目の当たりにし、中学教師である彼らは精神的な不安や悩みと闘っているティーンエイジャーのために何かできることはないかと考えた。そしてその結論が“パンツ一丁で真冬の雪山に登ること”だった。リーダーのアンデルソンさんはその想いをこう語る。 こんな風にバカげたように見えることだって、一生懸命取り組めば、どんな不安も跳ね返すことができるし、乗り越えることができるんだ。それを生徒たちにも示したかった(引用元:ABCNews) さらにこの活動を通して心の病を抱える人々をサポートする機関、『beyondblue』への10万ドル(約1100万円)の寄付をも目標に掲げた。 教育の現場で生徒たちと触れ合う中で、家族や友人たちとの関わりが原因でうつや不安症に悩む子たちも見て来たよ。だから僕らは決めたんだ。楽しく挑戦することで“お金も誇りも手に入れられるんだってことを見せよう”ってね(引用元:everydayhero) 彼らはティーンエイジャーが苦しんでいることに対し、どんなにクレイジーと思われることでも、真剣に楽しく目標に向かう姿勢を見せることで、希望を与えたかったという。「ギャグ」のような、真剣な訓練 そして目標達成のための訓練は始まった。スタートはプールに見立てた大きなゴミ箱に大量の氷を入れて浸かることからだ。訓練を始めた当初は入ってすぐにギブアップ。しかし6カ月後には見事に首まで浸かった状態で13分間耐えられるようになった。(参照元:SBS)※動画が見られない方はこちらさらに“寒中山登り専門家”ヴィム・ホフに寒さに耐えるための身体と心作りの指導も依頼した。彼はセルフコントロールによって人間の身体はどんな寒さにも耐えうることができると推奨している寒冷セラピーの第一人者。5人の中学教師たちは、ヴィムに従事し極寒の寒さに負けない心も作り上げた。(参照元:KossieinCossies公式YouTube)すべては「パンツ」で登頂達成のため。彼らはできる限りを尽くしていった。「心」に栄養を与える、新しい「寄付」の形 そんな地道な努力もあり見事登頂に成功した彼ら。集まった寄付金の額は3万6000ドル(約400万円)と目標には及ばなかったものの、これまで普通に教師として働いていた地方の先生たちがそれだけの大金を集めたことは偉業であろう。それになにより、寒い中でも楽しそうに目標に向かう彼らの頑張りには多くの人が勇気づけられた。 「あなたたちがパンツ一丁で登頂に成功した姿にはすごく感銘を受けたわ。これは多くの若者たちも一緒よ」 「パンツ一丁で登頂に成功したなんてすばらしいわ。勇気をありがとう」 「信じられない!世界にはあなたのような人たちがもっと必要ね。」 そんな声が彼らのFacebookページに届けられたのだ。(引用元:Kossie in Cossies公式Facebookページ) まさに彼らが1番成し遂げたかった「頑張る姿を見せることで希望を与えたい」という想いが多くの人に伝わった。今のところ次回の登頂の予定はないそうだが、彼らの姿を見て希望を持った誰かが、他の誰かを応援するために“クレイジーなチャレンジ”を踏み出す日も近いかもしれない。 お金でもちろん解決ができることもあるし、それで幸せになる人もいる。ただ、彼らの行動を見て分かるように、目に見えることだけではなく、心に栄養を与えることも立派な社会的慈善活動のひとつなのだ。 All pictures by Kossie in CossiesText by Asuka YoshidaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!イケメンのオシリもアソコも。2017年は「英国紳士のきわどい写真」を見て社会貢献をしよう。 2016年は世界の保守化を感じさせる悲しい年となった。6月、イギリスは国民投票でEU離脱を決定。移民に排他的社会の構築が始まった。11月、公然と人種差別・性差別ポリシーを持った...
2017年03月01日(Photo by Josh Kenzer)2015年秋に日本へ参入した映画、ドラマ、TV番組のオンライン動画配信サービス「Netflix」。今回はそんな今流行りのNetflixに関するハッシュタグ・アクティビズムを紹介する。ハッシュタグ・アクティビズムとは、SNS上で「#」をつけて自分の意見を主張したり議論を呼びかけたりするムーブメントだ。新たにNetflixで配信されるドラマ『Dear White People』(日本では4月24日から全エピソードが配信予定)。このドラマの内容が「反白人主義」であると物議を醸しており、「Netflixなんて退会してやる!」と言う意味が込められた「#NoNetflix」というハッシュタグがネット上で話題になっているのだとか。Netflix announced a new anti-white show (Dear White People) that promotes white genocide.I cancelled my account, do the same. #NoNetflix pic.twitter.com/2HIGqviLHj— Baked
2017年02月28日「大量生産の安いビールより、少し高いけど生のクラフトビールを飲むほうがいい」。量より質をビールに求める消費者が増えると同時に、世界中で増えているのが都市型の小規模ブルワリー(ビール工場)だ。そんな空前のクラフトビールのブームの中で、ビールよりも、“ビール粕(かす)”に注目し、ビジネスを始めた大学生2人が米カリフォルニア州に存在する。(Photo by Winni Wintermeye)ビール粕とは、ビールの原料である麦芽から糖分を抽出したときに残る麦芽の粕のこと。いわば、甘酒などに使われる酒粕(さけかす)のビールバージョンだ。一般的に、大手などの大規模ブルワリーから出るビール粕は、「農業用の堆肥」や「動物のエサ」になる。しかし都市の小規模なブルワリーは、量が出ないために、農家に運ばれることもなく、捨てるしかないのだ。そんな捨てられてしまうビール粕に新たな価値をつけるサステナブルなビジネスとは一体なんなのだろうか?「捨てるビール」を「食べるビール」へ。ビール好き大学生の大発見(Photo by Jesse Rogala)カリフォルニア州ロサンゼルスの名門公立大学、UCLAの学生、ダン(Dan Kurzrock)とジョーダン(Jordan Schwartz)。まだ2人が学生だった頃、ビールは好きだけど、量産されるビールよりも少し値がはるクラフトビールを買うお金がなかった彼らは、なんと自分たちでビール作りに手を染める。そして、ビールを作る度に、学食で使う鍋がいっぱいになるほどの大量の麦芽かすが残る事実に愕然とする。生ゴミを堆肥に処理するコンポスト容器もないし、餌として食べてくれる動物なんか、もちろん近くにいない…。ビールを作る度に、大量のビール粕をゴミ捨て場に持っていくのだが、毎回、「これ、食べれそうな匂いがすんだよなあ」と罪悪感を感じる。とうとうある日、実際に食べてみると、意外とイケることに気づく。そして、「そうだ!このビール粕でパンを作って友達に売って、その金でもっとビールを作ろう!」と、思い立ったのだ。(Photo by Jesse Rogala)彼らが、パン作りを通して学んだことは3つ。1つ目は、周囲がこのビール粕のアップサイクルするアイデアを歓迎してくれたこと。2つ目は、ビール粕がパン以外にも活用可能なこと。そして3つ目は、増え続けているアーバン・マイクロ・ブルワリー(都市型小規模ビール工場)が、このアイデアを支持して、パートナーになってくれれば、ゴミが減り、「サステナブルなビジネス」への挑戦が可能になるということ。その後2人は本業で、「ビール粕のビジネスモデル」を検討。製造が重労働で、賞味期限も短いパンではなく、グラノーラバーに路線変更し、ビール粕を20%使用したグラノーラバー「ReGrained」を開発した。現在2種類を販売している。アーモンド同様のタンパク質、オートミールの3倍の食物繊維を含むという栄養価の高さから、ビール粕のことを「スーパーグレイン」と彼らは名付けた。健康にも環境にも「サステイナブルなビール粕」(Photo by Sophi Pechner)ReGrainedは現在、3つのアーバン・マイクロ・ブルワリーとパートナー契約を結び、毎週1カ所からビール粕を回収している。アーバン・マイクロ・ブルワリーは、大手ビール会社に比べてビール粕の量が少なく、また田舎との距離も遠いため、農場に送って飼料や堆肥にするような対応は難しい。ホームブルワーも同様で、ゴミとして処理するしかない。とはいえ、瓶ビール6本を作るのに、約450gもの麦が使われるというのである。これでは都市型ブルワリーが増えれば増えるほど、食品ロスも増えてゆく。ReGrainedはそんな環境問題への解決法をも提示しているのだ。肝心なお味は??(Photo by Sophi Pechner)環境にも、健康にも良いReGrained。果たして味はどうなのだろうか?アメリカ在住の筆者は実際に2種類のグラノーラバーを食べてみることにした。まずは、黄色いパッケージの「ハニー・シナモン・IPA」。ペールエール用の淡色麦芽かすを使った商品だ。パッケージを開けると、シナモンとハチミツの甘い香りがする。サクサクした食感ではなく、しっとりタイプのグラノーラバーだ。薄くて柔らかいものの、ビール粕の繊維が多くてかみごたえがある。甘さも程よく、香ばしくて、無理なく食べられる。続いては、茶色いパッケージの「チョコレート・コーヒー・スタウト」。スタウトのような黒ビール用に焦がした麦芽かすを使った商品だ。こちらは、一口目から眼が覚めるくらいコーヒーの味と香りがする。また、何口かに一度ヒットする小さなセミスイート・チョコレートチップも良いアクセントだ。歯ごたえは同様で、かなり美味しい。ともに全くビールの香りも味もせず、美味しいグラノーラバーとして普通に楽しめた。もっといろんな味があっても売れると思うが、彼らは「新しい味のバーも出すと思うけど、僕たちはグラノーラバーの会社じゃないんだ」という。ReGrainedの将来のビジョンは、「ビール醸造業とフードシステムの橋」。つまり、「廃棄されそうな食品を、食品として再活用するモデルのプラットフォーム」である。そんな彼らが最も誇りに思っているのは、非営利ではなく、営利を追求しながらも、サステナブルな活動をしていること。「このスーパーグレインを流行らせてみせるよ!」と言い放つ彼らのグローバルな目線でのローカルな挑戦を応援したい。※動画が見られない方はこちらvia : ReGrainedText by Rika HigashiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!ビールを飲むことは社会貢献だ。ポートランドに存在する「利益0円の飲み屋」 世界で最も多くの「ビール工場」と、全米で最も多くの「NPO」が存在する都市がどこだかわかるだろうか?それはアメリカ西海岸に位置するオレゴン州の最大都市ポートランドだ...
2017年02月28日皆さん、こんにちは。今回紹介するハッシュタグ・アクティビズムは、ファッションに関するものです。(Courtesy ofThe Business of Fashion)毎年2月から3月といえば、ニューヨーク・ファッションウィークをはじめ、ロンドン、ミラノ、パリで、レディースファッションの秋冬コレクションが発表される大規模なファッションショーの数々が行われることで有名です(その他の都市でも開催され、東京では3月下旬に行われる)。そこでモデルや業界人が身につけていたのは、「白いバンダナ」。これはどんなトレンドなのでしょうか?(引用元:The Business of Fashion)「反移民のヘイトクライム」が増加し、移民を排除する動きが強まる、EUを離脱したイギリス。同じくヨーロッパのフランスやオランダでは「反移民」や「反イスラム原理主義」を掲げる極右政党が勢いを増しています。そしてアメリカでは、大統領に“分断の象徴”とも呼ばれるトランプ氏が就任したことにより、欧米は反グローバリゼーションへ流れているようですね。そんな流れに対して、「連帯」して立ち向かおうとしているのが、ファッション業界です。ファッション業界人が必ず読むといっても過言ではない英メディア「The Business of Fashion(略称:BoF)」が、世界4都市でファッションショーが行われるコレクション月間に合わせ、「人種やセクシュアリティ、性別、宗教に関わらない人間の連帯」の意味を込めた「白いバンダナ」を身につけることを呼びかけたのでした。(参照元:BoF)このムーブメントで使われたのは、#TiedTogether(私たちは結束する)というハッシュタグ。※動画が見られない方はこちらファッションでは、多くの場合、言葉よりもビジュアルが雄弁です。コレクション月間では「人種やセクシュアリティ、性別、宗教に関わらない人間の連帯意識を信じるサイン」として白いバンダナを身につけることで、ビジュアルを通じて、世界へ「連帯」というシンプルで唯一のステートメントを提示しましょう(引用元:BoF)(引用元:The Business of Fashion)<プラバル・グルンのファッションショーに出演したモデルのベラ・ハディッド>(引用元:The Business of Fashion)<ディーゼルのクリエイティブディレクターのニコラ・フォルミケッティら>#TiedTogetherは、ファッションショーで白いバンダナを身につけたモデルがランウェイを歩いたブランドや、白いバンダナをつけて参加した有名人や業界人のSNSを通じて世界に発信されたのです。参加したのは、トミーヒルフィガーやフィリップリム等のブランド、ブリティッシュ・ファッション・カウンシルの代表やデザイナーのトリー・バーチ、ドナテラ・ヴェルサーチらのファッション業界人、シンガーのゼイン・マリクやモデルのジジ・ハディッドなど。(参照元:BoF)(引用元:The Business of Fashion)<トミーヒルフィガーのファッションショーでのモデルたち>(Courtesy of The Business of Fashion)#TiedTogetherは、ファッションを通じた「連帯」の呼びかけ。日本の若者にもわかりやすく身近な存在の「ファッション」が持つ、世の中を変える可能性に期待したいですね。「ファッション」を通じてなら、他の方法では訴えることが簡単でない層にも届けられるかもしれません。次回のハッシュタグ・アクティビズムをお楽しみに!Text by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!中川えりな、20歳。今、彼女は「ファッション」で政治と日本の若者の距離をどう近づけるのか。 ”私おしゃれでモデルやってて、政治も考えてる頭いい子なんです”って自分をアピールするために活動してる訳じゃないそう言い放ったのは中川えり...
2017年02月28日(Photo by Joe Shlabotnik)「その日暮らし」あなたがこの言葉を聞いて思い浮かぶのは?将来に無頓着で、少しだらしないイメージがあるこの言葉。しかしこの「その日暮らし」こそが豊かな人生と明るい将来を作る鍵になるとしたら。今日という1日を楽しく生きる、「その日暮らし」が繋ぐ昨日、今日、明日とは?たった1秒のために、毎日を全力で面白くする男。やりたいことを後回しにして気づいたら1週間、 1ヶ月、1年があっという間にすぎてしまったという経験はないだろうか?忙しい毎日を過ごしていると忘れてしまいがちな「今日1日」の重要さ。しかし、私たちの人生はこの1日1日の積み重ねでできているという当たり前ながら見落としがちな大切なことを教えてくれるのが「1 Second Everyday」というプロジェクト。1日1秒自分の生活を録画し、人生の1秒1秒の一コマをつなぎ合わせて1本のビデオにするプロジェクトに取り組んでいるのはニューヨークの広告業界で働くシーザー・クリヤマ氏。(Photo by Cesar Kuriyama)彼は忙しく仕事に追われる日々の中、突如「独創的なアイデア」に取り組むべく1年の休暇を取り、このプロジェクトをスタートさせた。彼がこのプロジェクトを始めてすぐに気がついたのは何か面白いことをしないとビデオを録画することを忘れてしまうことだ。それから彼は毎朝起きるとその日を使ってどんな面白いことをしようかと考えるようになったそうだ。このプロジェクトの目的は「自分に起こった出来事を忘れないようにすること」だそうだが、結果的に彼はこのプロジェクトにより自ら「忘れられない1日」を作るべく「今日」という1日を全力で楽しみ、その1日1日の特別な瞬間が彼の人生を彩っているのだ。(TED Talk:シーザー・クリヤマ「1日1秒」)「長生き」の秘訣は「楽しむこと」(Photo by The Arches)毎日を楽しむことは決して「今だけ」を豊かにするわけではない。The Huffington Post USによると、2002年から2013年の間、ロンドン大学の心理学者たちがイギリスに住む50歳以上の男女約10,000人を対象に行った「人生における幸福と喜び」に関する調査で、私たちのこれからの人生を左右する事実が報告された。被験者には2年おきに下記に挙げるようないくつかの質問に答えてもらい、さらにそれを3つのセクションに分けて分析した。この調査で発見されたのは私たちの誰もができる「長生きの秘訣」だ。・”I enjoy the things that I do”(自分のしていることを楽しんでいる)・”I enjoy being in the company of others”(他人と関わりを持つことを楽しんでいる)・”On balance, I look back on my life with a sence of hapiness”(人生を振り返って見るとなんだかんだで幸せだ)・”I feel full of energy these days”(今まさにエネルギーに満ち溢れている)3つのセクション全てでは、これら「人生における喜び」に関する質問に肯定的な回答をした人の死亡率はそうでない人を24%も下回り、また2つのセクションでのみ肯定的な回答をした人でも死亡率はそうでない人より17%下回ったのだ。つまり、人生を楽しんでいる人は「良い人生」を送れるだけでなく「長生き」するということが言える。未だ両者に科学的接点は見つけられていないものの、私たちが生きる「今日」を楽しむことが確実に将来の自分の心と体の健康に繋がると言えるだろう。人生の最後に思うことは1位:他人から期待されることよりも自分に正直になること2位:忙しく働きすぎないこと3位:自分の気持ちをさらけ出す勇気を持つこと4位:友達と連絡を取り続けること5位:もっと自分を幸せにすることあなたはこれが何のランキングだかわかるだろうか。オーストラリアに住む緩和ケア看護師のボニー・ウェア氏は余命12週間あまりの彼女の患者たちとのカウンセリングの中で、死を目前にした人々の最後の願いを記録した。「その時」を待つ間、多くの患者は恐れや不安、悲しみ、後悔と向き合い、全てを受け入れた後、それぞれの心の安らぎを見つけるのだという。そう、これは「死を目前とした人々が後悔していることトップ5」。多くの人が人生最後の時に後悔するのは仕事のことでもお金のことでもなく、「自分」を大切にできなかったことなのだ。そして、多くの人が長い人生の中でその時その時の「今の自分」を楽しむことを忘れてしまいがちであるということを物語っている。(参照:Mirror)(Photo by Zaprittsky)「将来のために」「あの時こうしておけばよかった」の繰り返しになりがちな私たちの人生だが、昨日にとっての未来は今日で、明日にとっての過去が今日であり、今生きている「今日」こそが私たちの人生を作る一つ一つのピースであるということに気付いて欲しい。全く後悔のない人生を送ることはもちろん難しいこと。だがしかし、将来のために今を蔑ろにするのではなく、1日1日積み重ねる「今日」の自分の感覚を大切にすることが未来の自分の豊かさにも繋がっていくのである。未来につながる1日を作る、「その日暮らし」という生き方を考えてみるのはいかがだろうか。Text by Chisato Tanabe ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!お金を一切使わない男に学ぶ、新しい社会の作り方。 もしお金を使わない暮らしがあるとしたら、私たちの生活はどのようなものになるのだろう。そしてその暮らしが工夫に溢れていて、楽しくて、健康的で、しかも自然、そして人と人とを繋いでく...
2017年02月27日友達と遊びに行ったときにセルフィーを撮るのが当たり前になってはいないだろうか。誰もがセルフィーを撮るなか、他の人とは違うものが撮りたいからと、危険な場所で撮影して逮捕された人や命を失った人も残念ながらいる。そんなセルフィーだが、あなたはいつもどんな意味を込めて撮っているだろうか。他人を意識したセルフィーを撮る人々カメラ付きの携帯電話やSNSが普及するとともに広まったセルフィー文化。セルフィーとSNSは密接な関係があり、SNS上で公開したいからセルフィーを撮るという人も多く、自慢したいがためにあえて身の危険を冒して撮影したり、納得するまで撮り直したりする人々が存在するのだ。このように自分が楽しむのではなく相手の目を意識したセルフィーを撮るのは特に10代などの若い層に多いという。(参照元:CNET Japan)セルフィー時代にあえて「自分撮り」をするアーティストスマートフォンを使って簡単に自分の写真が撮れる今、あえて自分の姿を写真に撮った作品を発表したアーティストがいる。フィンランドのアーティストのIiu Susirajaだ。彼女の自撮り作品はその“型破りさ”で賛否両論を巻き起こしている。 彼女の作品を見てどう思っただろうか。私たちが普段目にしている自分撮りといえばどちらかというと、“セレブ”になったつもりで人が羨むような場所で撮って見栄を張ったり、実物以上に“美しく”見せようと熟考した角度から撮ったりする人が多く、それを見慣れているなら、違和感を感じるかもしれない。 彼女の作品を見て実にさまざまな印象を持つ人がいるが、そのなかでも「困惑」したような反応をする人が多いという。極端な例では、否定的な見方をする人から「もっとまともな仕事に就いたらどうだ」という内容のメールを受け取ったこともあるそうだ。だが彼女はこのような反応までも肯定的に捉えており、自分の作品を通じて「自分撮りには、自分を好きなように表現する自由がある」というメッセージを訴えようとしている。(参照元:Dazed) セルフィーという言葉が定着したように、自分の姿を撮るのはとても簡単になっているが、「記念」や「自慢」などのためだけに自分撮りをするのではなく、「自分について知ったり考えたりするきっかけ」や「自己表現の手段」として、楽しみながら自分の姿を写真に収めてみてはいかがだろうか。 All photos by Iiu SusirajaText by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!楽しそうに「死体とセルフィー」をする不謹慎な若者たち。 今や自分の写真を投稿したり、友人の近況をチェックしない日はないほど、立派なコミュニケーションツールとして身近な存在となったSNS。中でも旅行の写真は、楽しい思い出としてすぐにS...
2017年02月27日All Photos by Storm LuuーBe inspired!この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!先進国のゴミに「売れる価値」を吹き込む若きガールズアート収集家、Space Space。 去年のちょうど今頃、小田急線沿いの閑静な住宅街狛江で、今となっては「伝説」となったパーティーが密かに行われた。翌日取り壊される運命の「銭湯の廃墟」で行われたその名も『ザ・バ...
2017年02月24日去年のちょうど今頃、小田急線沿いの閑静な住宅街狛江で、今となっては「伝説」となったパーティーが密かに行われた。翌日取り壊される運命の「銭湯の廃墟」で行われたその名も『ザ・バスハウス・ショウ』。そこには世界中のアーティストの作品が展示され、浴場の跡地に特設されたステージでは80年代のカルト的バンド、ヒカシューや勢いのある若手バンド・DJが、警察が来てしまうほど白熱したパフォーマンスを見せた。 このパーティーをオーガナイズしたのはアート・キュレーター・デュオSpace Spaceのエラとドロシー。アート・キュレーターとはその名の通りアートをキュレート(収集・展示)する人のことを指す。パーティー会場選びから運営、そして当日披露された国内外からの視覚芸術、そして音楽を選出したのがこの二人なのだ。 Space Spaceはザ・バスハウス・ショウの後、東京を離れ南アフリカに移住し活動を続けていた。そして先月1月に、南アフリカでの最後の展示を終え日本に戻り、原宿のギャラリーでその集大成を披露した。今回Be inspired!は、来日中の二人に現在の活動や信念について話しを聞いた。(左:エラ 、右:ドロシー)物の価値ってどうやって決まるの?3年前、東京でアートコミュニティを作るためにオーストラリアから日本に越してきたエラはアートキュレーターとしてSpace Spaceを立ち上げた。そしてある日友達の紹介でドロシーに出会ったそうだ。ドロシーは当時、美大を卒業はしたものの、どのようにアートを続けていくかを悩んでいた。二人はすぐに意気投合し、2016年にドロシーが正式に加わって新体制のSpace Spaceがスタートした。彼女たちはまだ名が知れていない外国人アーティストと日本人アーティストが一緒に作品を展示できるような空間を生み出しながら、コミュニティを築いていった。そして、日本を離れる前にその集大成として冒頭で述べたザ・バスハウス・ショウを開催したのだった。 廃墟を利用したり、部屋のゴミをそのまま生かしたアートを見せたザ・バスハウス・ショウは変わりゆく東京の姿と「スペース」をテーマにしていたが、二人の興味はその後更に展開していった。 Space Spaceっていうくらいだから、場所やスペースにいつも興味があった。そこから、段々と、どのように場所やスペースがモノの価値を決めるのかに興味が出てきたの。そして人生の中でゴミとして溜まっていくものに注目した。例えば砂糖が入っている紙は中身の砂糖を使ってしまうと価値がなくなる。その変化にも興味があったし、私たちにとって価値があるモノが、違う文化の中では価値がなかったりする。それをアートで表現できないかなって思いはじめたの。 そんなことを考えながら、2016年半ばにさらなる経験を求め南アフリカに移住したそうだ。今回の来日の理由でもある1月に原宿のギャラリーで行った展示会『Space Space gallery art-clothing store』は、南アフリカで得たモノを東京の仲間に見せることが目的のひとつだった。 彼女たちのテーマは南アフリカでの経験を通して「スペースとモノの価値の関係性」への興味から「服とその価値」というところに辿り着いたそうだ。 私たちがいた南アフリカのヨハネスブルグにはパイルズっていう服のマーケットがあるの。そのマーケットにはヨーロッパやアメリカ、日本などの先進国から、服が寄付される。どれもいいクオリティだからそれを寄付した人たちはもともとはいい値段で買ったと思うの。でも彼らは1年とか着て、ただで寄付する。そして南アフリカではその洋服が地元のお店でオリジナルの値段より全然安く売られる。 このプロセスの中で生まれる「価値の変動」に二人は目をつけた。 服って持ち主のスペースから離れたら価値がなくなる。例えば今私がきているジャケットを6ヶ月後にお店に「返してもいい?」っていったら「無理だよ」ってなるでしょ。だから私たちはこの「モノの価値がなくなっていく流れ」に逆らえるのか挑戦したかったの。南アフリカで価値を失い安く売られている服に、先進国で売られるような価値を持たせられるかどうかに。 確かに、日本でも古着屋さんに自分の服を売ろうとすると、たとえ1回しか着たことがないほぼ新品の服でも買った時の値段で売ることはできない。誰かが「所有していた」という事実が服の価値に大きく影響することが分かる。私達はそんなことをあまり疑問に感じず「事実」として受け入れていた。Space Spaceはそんな「当たり前」を壊そうとしているのだ。 ゴミの飾りをつけた服。エラとドロシーは全て南アフリカで手に入れた素材で今回展示した服を作っている。それにイラストを描いたり、タバコの吸殻、彼女たちが南アフリカで参加した選挙の紙の裏地など「ゴミ」を装飾する。(Photo by Dorothy Siemens)(Photo by Dorothy Siemens)そしてSpace Spaceの服の中で印象的なのが工事現場の服に縫い付けられているような「蛍光パッチワーク」。実はこの細工には南アフリカでのストーリーが隠されている。(Photo by Dorothy Siemens)ヨハネスブルグで興味深かったのが工事現場の人の服なの。南アメリカでは正社員だとちゃんとしたユニフォームを購入しなきゃいけないけど、短期間の労働者は自分の服に蛍光の布をつけるだけ。だから制服を買う必要はないんだけど、そこの工事現場で働いていることが主張できるのよ。 たかがパッチワークだが、蛍光の布が仲間意識、コミュニティの一部であることを象徴しているのだ。 ゴミに付加価値をつける。果たしてモノの価値はどのように決まるのか?どうやったらモノの価値をコントロールできるのか?Space Spaceが利用したのは慣れ親しんだギャラリー、そしてアートだった。 1月の展示会では原宿の真っ白なギャラリーに彼女たちのハンドメイドの服が飾られ、“これはファッションか?アートか?”、そんな問題を観覧者に提起したのが印象的だった。 ギャラリーのスペースの中だと、ゴミでも何かを白い壁に展示するだけで、人はそれを「アート」なんだろうなって見るの。でもどうして白い壁にはれば“アートなの?”っておかしいなと実は思う。だけど、私たちは価値のないものに価値を生み出すためならそんな矛盾も使おうとしてるの。 今は東京でSpace Spaceの服を取り扱ってくれるお店を探しているそうだ。 ザ・バスハウス・ショウの時からテーマを発展させ、今日まで活動を続けている二人だが彼女たちのキュレーションには一貫する信念がある。 私たちのキュレーションのスタイルは他のアーティストと共感し、つながりを感じ、協調すること。チームとして、作品だけじゃなくて、ビジョンもゴールも。それはフェミニンなキュレーションスタイルだと思うの。私たちには完成系だけじゃなく、完成するまでの「会話」や「過程」も重要なの。 発展途上国で安く売られているものやゴミを斬新なアイデアでアレンジし、アート/ファッションとして日本の企業に売るという大胆で挑戦的な彼女たちの試み。物の価値を考えず大量消費しつづける現代人に立ち止まって考える機会を与えてくれる。「ファストファッションをスローダウンさせたい」と豪語する二人のクリエイティブさと行動力を見ると、日常の「当たり前」について考えさせられると同時に自分も何か始めないと、と思わずにはいられない。 ONLINE SHOP: photos by Storm Luu unless otherwise stated.Text by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!【ギャラリー】写真家 Storm Luu 撮り下ろし:Space Space All Photos by Storm LuuーBe inspired!...
2017年02月24日photos by Miri MatsufujiーBe inspired!この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!中川えりな、20歳。今、彼女は「ファッション」で政治と日本の若者の距離をどう近づけるのか。 ”私おしゃれでモデルやってて、政治も考えてる頭いい子なんです”って自分をアピールするために活動してる訳じゃないそう言い放ったのは中川えり...
2017年02月24日2020年のオリンピックを控え、日本国内で外国人を見かけることが多くなったと思います。2016年は、はじめて日本への旅行者の数が年間2,000万人を超えたとしてニュースでも取り上げられていました。旅行者だけではありません。日本に住み、働く外国人の数も同年、240万人弱と前年に対して3.4%の増加を見せました。(参照元:法務省)外国の人が日本を魅力的だと思い、訪れたり、住んだりするのは嬉しいこと。そんな中、迎える側の日本人が気をつけたほうがいい「社会的NGワード」が存在します。「社会的にNG」とは、欧米で日常的に議論されるいわゆるPolitical Correctnessに反するものです。簡単に言えば、相手の政治、経済、宗教、文化面などを考慮しないせいでその人を傷つける危険がある言動です。Be inspired!は社会的NGワードスクラップブックと称し、そんなリスクのある言動を提案し、減らしていくことで、できるだけ多くの人が幸せに暮らせる社会づくりに少しでも貢献できればと思っています。これは毎回述べますが、ここでの提案が「正解」とは限りません。もちろん個人によって受け取り方は変わってきます。なので、可能な限りみんなで考え、議論し、最善策を見つけるきっかけになればと思い、続けています。それでは、今週は「日本にいる外国人に言ったら失礼かも」の一言。)p.11日本語かわいい(笑)日本語が母語ではない人が一生懸命話している時につい言ってしまう一言。)これは、東京に住む外国人の友達に指摘されて気づきました。これまでちょっとだけ文法が間違っていたり、独特のアクセントがかわいい時、「日本語かわいい(笑)」と彼らに言ってしまったことが何回かありました。でも日本語を勉強している側としては頑張る気をなくすそうです。日本語に限らず言語を学んでいる人なら共感できると思います。個人的にも海外で英語を話していて「かわいい」と言われるとなんだか子供扱いされているし、自分の英語が上手ではないと言われているようでムッとした記憶があります。その時点で日本にいる外国人の友達に「日本語かわいい」って言うなよ、という感じですが深く考えていませんでした…。言語を学ぶのは本当に大変なことです。特に大人になってから始めるとアクセントの習得はさらに難しい。そこを指摘するような発言は気をつけたほうがいいということです。)「私の日本語間違っていたら直して欲しい!」と言ってくれる人もいるので、そういう人は別ですが、基本的に新しい言語を学び始めた人が完璧に話せないのは当たり前のことなので、それを指摘するような発言は控え、自然なコミュニケーションをとれればいいと思います。自分に置き換えれば、気持ちはわかることだと思います。「ため息」や「イライラ」は持ってのほか、外国人が日本語を学ぼうとしている姿勢をサポートして会話していけたらいいですね。Illustration by Ako TakoText by Noemi MinmiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!p.10 声どしたの?| 社会的NGワードスクラップブック【Politically Incorrect Dictionary】 10回目となりました!社会的にNGな言葉ばかりを集めて「これ言っちゃダメでしょ」辞典を作ろうと始めた【Politically Incorrect Dictionary】...
2017年02月24日あなたが車やバイクを運転するとき、工場で何かを生産するときや廃棄処理場でゴミを燃やすとき、空気を汚染する物質が大量に排出されている。大気汚染問題の恐ろしさは、空気が地球全体でつながっているために、汚染物質が発生したところだけではなく、その他の地域にも影響を及ぼすところにある。(Photo by Foto-Rabe)日本では高度経済成長に伴って大気汚染が「公害」として社会問題化した。急速な発展を遂げている現在のインドでは、WHO(世界保健機関)が容認する基準の15倍もの大気汚染物質が近年大量に放出されており、視界が利かないほどのスモッグが発生するなど深刻だ。人体に対しては肺がんや心臓病、呼吸器系疾患のリスクを高めるという。これを受けてインドの日本大使館は、大気汚染がひどいときには、不要不急の外出をしないよう呼びかけている。(参照元:Bloomberg, Embassy of Japan in India )。このような汚染の背景には、環境に優しくすることよりも経済的な発展を重視する国に工場を置く日本などの先進国の企業の責任もあり、対策を迫られているのが現状だ。(参照元:(株)エックス都市研究所)そんな中、環境を汚すだけでなく人体にも悪影響を及ぼす大気汚染物質をリサイクルし、普段の生活やクリエイティブワークに欠かせないインクを生み出したインド人がいた。「大気汚染物質からインクを生み出す」という解決策(Photo by AIR-INK)大気汚染の深刻なインドに一時帰国したマサチューセッツ工科大学院生Anirudh Sharmaが考えたのは、自動車から出る排気ガスに含まれる黒い煤すすをインクに変えることだった。そのきっかけは「どうすれば大気汚染物質のような醜いものを、便利なものに変えられるか」という問いを、自らに投げかけたことだった。こうして始まったのが大気中に出て行く大気汚染物質の量を減らすことのできる初めてのインク「AIR-INK(エア・インク)」の開発だ。(Photo by AIR-INK)エア・インクは自動車の排気口を覆う特殊なパイプを取り付けたまま自動車を走行させて採取した炭素から、人体に悪影響を及ぼす発がん性物質を取り除いて作られる。したがって、汚染物質からできているとはいえ私たちが普段使うペンと同様に使えるのだ。こうして環境や人体に有害な物質が大気中に放出されるのを防ぐだけではなく、炭素を生活必需品として再利用できるため、社会的に大きな意味を持つといえる。ちなみにインドではたった45分間自動車を走行させるだけで、1本のペンをインクで満たすのに十分な30mlの炭素を採取できるという。このエア・インクはスクリーンプリントや油絵にも使えるという用途の多さや使いやすさだけでなく、スタイリッシュさも魅力だ。(参照元:WIRED, Kickstarter)(Photo by AIR-INK)ペイントアーティストも好む、ハイクオリティのインクインクを使ったペイントを行う若手のアーティストにもエア・インクのプロジェクトが支持されている。それは、ただインクが環境を改善するのに役立つからではなく、濃くて滲まないというインクとしての魅力を備えているからだ。 ペンは濃く描ける2mm、15mm、30mm、50mmの太さのものが作られており、アートワークに使われることが想定されている。(参照元:Kickstarter)(Photo by AIR-INK)エア・インクはクオリティが高く、クリエイターにエコ・フレンドリーな選択肢をくれる。インク自体が他の多くのインクよりも濃くて、でこぼこした表面にも滲まずに描けるんだ。インクの色は混じり気のない黒で、私の制作するものにぴったりと合う香港の壁画家クリストファー・ホー(引用元:Kickstarter)キックスターターで本プロジェクトを応援すると、金額に応じてエア・インクで描いた壁画をパブリックスペースに設置できたり、エア・インクセットがもらえたり、自分の住む都市の大気汚染物質からインクを作ってもらえるなどの特典がある。詳しくはこちら。※動画が見られない方はこちらエア・インクに使用された技術が広まれば、従来のように染料などを合成してインクを製造する必要がなくなるかもしれない。アイデア主のAnirudh Sharmaが所属する、エア・インクを開発したGraviky LabsのFacebookページはこちら。Text by Shiori KirigayaーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!中国の大気汚染物質「PM2.5」を「宝石」へ変えたオランダ人アーティストDaan Roosegaarde。 「天国と地獄」ある中国北京市在住の中国人女性が、英国と中国の空気を比べてこのように表現した。(参照元:Record China)急速な経済発展に伴い、排気ガスや...
2017年02月24日”私おしゃれでモデルやってて、政治も考えてる頭いい子なんです”って自分をアピールするために活動してる訳じゃないそう言い放ったのは中川えりな、弱冠20歳。現在彼女は上智大学で神学・哲学を学びながら、フリーモデルとして雑誌、ミュージックビデオで活躍している。また、SEALDs(日本の自由で民主的な社会を守るための緊急アクションの学生団体)の元メンバーであり、ポリティカルな顔を持つことでも有名だ。“ハタチ”という若さを感じさせない政治観を持つ彼女に今回Be inspired!はインタビュー。SEALDsが解散した今、彼女の類稀なファッションセンスと知性で、どうやって政治と若者の距離を近づけていくのかを聞いた。 あなたにとって「政治を考えること」とはなにか?そんなシンプルな難題に彼女はおもむろにこう答えた。数年前まで、政治を考えることは『義務(DUTY)』だと思っていた。政治に興味を持つ派とか持たない派とかなくて、みんなが選挙にいくべきだって。でも今は、『責任(レスポンシビリティ)』だと思ってる。『責任(レスポンシビリティ)』は『応答する能力(レスポンスできるアビリティ)』のこと。政治や社会のあり方について自分の頭で考え、応答する能力を自覚し活用することによって果たすことができる。私たちには社会をよりよくする能力があって、その能力に気づけたほうが、我慢するよりもずっと楽だと思った意思表示は、公の場で行われる非暴力の抗議活動「デモ活動」や「座り込み」だけではない。ツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどSNSを使えば誰もが政治に参加できる時代で、彼女のこの発言は、同世代へ向けたエールのように聞こえた。 日本は、若い人が政治のことをツイッターでつぶやくと『なにもわかってないくせに言うな』みたいに叩く風潮があるけど、そんなの全部無視すればいいし、間違っても別にいい1月に成人式を終えたばかりのえりな。彼女はなぜそんなにも政治を考え、社会に意思表示をするようになったのだろうか。 新聞もロクに読めなかった18歳。高3の12月に上智大学の神学部に受かって、大学入学後の知識のために(キリスト教)カトリックの勉強をしようと地元の教会に通うことにした。赤ちゃんの時にカトリックの洗礼を受けてたけど、教会には通い始めたのは高校生になってから。そこの神父さんがとても社会派な人で、彼から安保や原発についての説教をたくさんされた18歳になり教会に通うようになるまで、政治に関する知識もなく、新聞も深く考えて読むことはなかったと語る彼女。神父との出会いが政治へ関心を持った大きなきっかけだという。また、これまで震災の被災地でボランティアをしたこともなかったえりな。政治的・社会的な出来事がある度に、現地へ足を運ぶ神父やSEALDsメンバーから、現場へ行き「自分の目で見て体験すること」の大切さを学んだそうだ。実際に2016年の夏、えりなは彼女自身の目で沖縄の米軍基地問題を目撃するために沖縄へ足を運んでいる(2016年の夏に沖縄に行った時の写真 ) 初めての座り込みで「セルフィー」した19歳。2015年5月3日(憲法記念日)に創設され、2016年8月15日(終戦の日)に解散したSEALDs。えりなは何がきっかけで、SEALDsに参加したのだろうか。通ってる大学の教授が神学の勉強会をやってて、そこに参加してた年配の女性に、国会前でやってる安保法案に反対する座り込みのビラを渡された。新聞とかを読んでて自分も前から反対の気持ちがあったけど、自分は行かないって思ってた。デモとか座り込みってなんか怖いと思ってたし。だけど、その時ちょうど誕生日が近くて、誕生日のパワー(笑)を借りてその日だけなら行けるかもって。それに、誕生日に一人で座り込みに行って自撮りしたらおもしろくね?(笑)って思っちゃって、6月24日(19歳の誕生日)に初めて国会前に行って座り込みしたんだ。学校のめっちゃ近くだったから授業の合間に行ったんだけど、当日も行くかどうかすごく迷ったのを覚えてる(SNSに投稿した「座り込み」に参加した時のセルフィー) 初めて座り込みに参加した当時、SEALDsの存在さえ知らなかったえりな。誕生日の時に撮ったセルフィーのツイートが拡散され、SEALDsに彼女の存在が知れ渡り、メンバーと連絡を取るようになったという。そして彼女はSEALDsのデモに参加した経緯についてこう語る。政治の話なんてしたことがなかった友達のハル(HIGH(er) magazine編集長、ブロガー)が、実は前からSEALDsと関わりがあって、私が座り込みに参加した投稿を見て、SEALDsのデモに一緒に行こうって誘ってくれたの。その数日後、待ち合わせして一緒に国会前に行ったのが、私が初めてSEALDsのデモに参加したきっかけ。何回か参加していたらライングループに入らない?ってメンバーの人に誘われて、気づいたらメンバーになってた。その時はラインに190人くらいいて、最年長が28歳の大学院生の人だったと思う 「私にしかできないこと」に気付いた20歳。神父と出会い、信仰を通して政治に関心を抱くようになった18歳。そしてSEALDsに入り、「デモ」「座り込み」「SNS」など、政治への意思表示の方法を知った19歳。現在、インスタグラムのフォロワーは5000人を越え、次々と国内外のファッション・カルチャー誌のモデルとして活躍する20歳の彼女は、自分の存在をどのように同世代へ向けて発信しようとしているのか。ファッションやカルチャーが好きな日本の若者と政治への距離感をこう考察する。今の日本の若い人たちは、政治に関心がない分、政治的な言動に対して変な偏見もないように感じる。今はインスタグラムとかで海外の情報が手に入りやすくて、ケンダル・ジェナーが選挙キャンペーンに参加してるのを見てたりとか、政治参加に対するハードルが下がっているみたい。あと、カルチャーが好きな人でコアな人は、自分が着ている服の意味や歴史を知ってたりするけど、それは、自分で自分の行動を選び取る能力があるのを自覚して、自分の行動に責任を持とうとしているように感じるし、選挙やデモとかの政治参加もそれと同じじゃないかなって思う 彼女が思い描く「民主的政治空間」とは「私は政治の専門家ではない」。そう語る彼女は、政治と若者を繋ぐためイベント『Making-Love Club』を3月2日(木)に渋谷で開催する。イベント全体のテーマは「民主的政治空間を作ること」。そして、今回のトークセッションで取り上げるイシューは「アメリカ大統領選後の国際情勢と日本の政治」だ。彼女のファッションセンスと政治に対するスタンスをどう織り交ぜてイベントに落とし込んでいくのか。今回は、市民のためのシンクタンク『ReDEMOS(リデモス)』の研究員を招いて開催する。それは、内輪受けみたいなイベントにしたくないこともあるし、広い見方ができる専門家のような立場の人が必要だと感じたから。政治の話をする時によく起きるのが、自分たちだけが正義で、自分たちと考えが違う人はおかしい人だって決めつけること。大統領選も、自分たちがトランプを批判してれば勝たないんだと思い込んでた人たちがアメリカの中にある分断に向き合おうとしていれば結果は違ったんじゃないかなって感じる。今の日本の若い人達でこれから政治の話をしていくという時、そういった『偏見』が一番怖いんだってことを忘れないようにしたいという思いがある政治に興味がない若者が多く存在する現代の日本で、イベント『Making-Love Club』の必要性はなんなのだろうか。イギリスではEUの離脱が決まり、アメリカではトランプ大統領が誕生した。本当の民主主義ってなんだろうと考えさせられた出来事だったと思うし、『Post-truth』って言葉が流行るくらい、ニュースを見てても何が本当か分からないと感じる人はたくさんいると思う。これは日本でも同じで、大切なニュースを表面的にしか取り上げない報道ばかりで、根本にある問題が見えてこなかったりする。去年の夏議論に上がった憲法改正についても、『今と昔は時代が違うのに、憲法だけ70年間1度も変わってないのはおかしいよね、だから変えるべきだ』って声があった。言葉だけ見たら『そうかも』って納得しちゃう。だけど、そんな時に必要だったことは『憲法ってなんであるの?』『憲法って何?』って改めて問い直すことだったと思う。今回は大統領選について取り上げる。『こんなひどいことを言うトランプさんが大統領になってしまって大変ですね』って共感しあうだけじゃなんの解決にもならない。『トランプがやばいっていうけど何がやばいの?』、『ヤバいってどういうこと?』ってところから、『民主主義ってなんなの?』ってところまで、一からざっくばらんにみんなで話せる空間を作りたい。そして、『アメリカって政治やばいらしいねー』って言いながら、自分の国の政治のこと何にも知らないでいることもめっちゃヤバいことなんだってことにも気づける場にしたい。『ぶっちゃけ、どうなの?』って問い直すことを『Making-Love Club』ではやりたい。政治だけじゃなくてセックスについても!政治への関心が皆無な日本の若者に、政治を考えるきっかけを作り、政治に対しての「責任感」を芽生えさせるのは彼女なのかもしれない。直向きな政治への強い思いと、独創的なファッションセンスを持ち合わせた中川えりなが、日本の若者と政治との距離をグッと近づけてくれると信じている。 Erina Nakagawa『Making-Love Club』モデル中川えりなと、3つのインディペンデントマガジンによるカルチャーイベント。カルチャーが交錯する時代を捉え、トークイベントでは、セックスや政治など、ターゲット層が潜在的な興味を寄せるテーマを取り上げる。音楽ライブではBig Love Recordsから、今メディアから注目を集めるAya Gloomyを向かえ、新世代アイコンとして話題沸騰中の小山田米呂がDJとして参戦。バイリンガルカルチャーマガジンWooly、モデルでブロガーのHaruが編集長を務めるHigh(er) Magazine、元出版社にて編集の経験を積み、独立した綿貫大介率いるEmotional Loveの三媒体のキュレーションにより、感度の高いユース層に向けたコンテンツを用意している。日時:2016 年3月2日(木) 19:45-23:00 ※イベント開始は20:00を想定場所:ロフト9〒150-0044 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 1F TEL:03-5784-1239ウェブサイト:入場料: 1500円+1ドリンク<Time Schedule>19:45-20:00 DOOR OPEN / DJ20:00-20:40 Talk Session 1部20:40-21:05 DJ by 小山田米呂 21:05-21:20 Short Film by UMMMI.21:20-22:00 Talk Session 2部22:05-22:35 Live by Aya Gloomy Photos by Miri Matsufuji Text by Jun Hirayama ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!【ギャラリー】写真家 Miri Matsufuji 撮り下ろし:モデルErina Nakagawa photos by Miri...
2017年02月24日みなさんは、ボランティアにどんなイメージを持っているだろうか?「真面目そうでちょっと近寄りがたい…」「時間があればやるのもいいかも…」そんな風に感じている人がいるのではないだろうか?ファッションの町ニューヨークでは、そんな人のためにある若者たちが立ち上がった。 積極的に地域のボランティアに参加していたNYネイティブのDeevee Kashi(上記写真一番左)はある日、食べ物もタクシーも、そして泊まる場所さえ今時はアプリで簡単に見つかるのに、ボランティアのためのアプリは存在していないことに気がついた。(参照元:DEED)社会貢献であるボランティアだからこそ、他のどんなサービスよりも多くの人が簡単に参加できるシステムが必要だと、友人のAnthony Yoonの力を借り試行錯誤の上、2015年に二人でボランティア専用アプリDEEDを立ち上げた。このアプリは近くで“今すぐできるボランティア”とユーザーをつなげる。フェイスブックのイベントの「参加予定」のように、他の参加者が見えるようになっているため、社会貢献に熱意を持った若者同士が集まるコミュニティとしての役割も果たしているのだ。いわば、「社会貢献版の出会い系」。DEEDのボランティアの参加をきっかけに交際を始めたカップルもいるそうだ。 まさに、この「コミュニティの役割」がDEEDの注目すべきところ。助けが必要な人だけでなく、“助ける側”も救っている。デジタルネイティブである現代の若者は、現実世界での人との関わりが難しくなっていると言われている。(参照元:Global Journal of Health Science)ボランティアはそんな若者に「出会い」と「人生への充実感」を与えているのだ。実際に、ボランティア活動は参加者に良い影響を与えることが判明している。UNITEDHEALTH GROUPの調査によると、ボランティアに参加した人の78%がボランティア後にストレスが減ったと報告し、96%がボランティア前よりも生きがいを感じると述べたそうだ。(参照元:UNITEDHEALTH GROUP)DEEDは、従来のボランティアの真面目で近寄りがたいイメージを払拭し、若者ならではのスタイリッシュなデザインやプロモーションで着実に名を広げ去年、権威あるファッション誌VOGUEに「2016年1番のアプリだ」と言わしめた。2016年10月以来は60以上の非営利団体と契約を決め、これからは若者によるスタートアップ企業などを中心に拡大を続けていく予定だそうだ。Click to view slideshow.人気モデルのDani Seitzや『ハングオーバー!』シリーズなどに出演している人気女優のJamie Chungも利用するこのアプリ。社会貢献を「カッコイイ」に変え、若者のコミュニティを生み出すクリエイティブさは感度が高いニューヨークらしい。現在はまだ米国内に止まっているが、すでにオランダやオーストラリアからリクエストが届いているので世界進出もそう先ではないだろう。今後日本の上陸も考えられるこのクールな社会派アプリは日本の若者にもぜひ注目してもらいたい。All photos by DEEDText by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!NY発。ゴミ箱“直前”の食品が買えるアプリ「PareUp」登場! 毎年、世界の3分の1の食品が廃棄されているのをご存知だろうか?アメリカだけでも年間「3000万トン(700億パウンド)」の食べ物が『未使用』、『未開封』、『未食』の...
2017年02月23日今、アメリカで有名になりつつある父親が存在する。その父親とはフィリップ・モルジーさん。彼は“ある人々”のための「無料ヘアアレンジ教室」をアメリカの各地で開催していることで話題である。その“ある人々”とは、女性でも、子供でもない。独学でヘアアレンジをマスターした彼は、“父親のため”に、ヘアアレンジ教室を開いているのだ。 今回『Beinspired!』はフィリップさんにインタビュー。なぜヘアアレンジをし始めたのか、そして多くの父親たちと接する中で彼が感じたこととはなにか。父親の育児参加の大切さを真正面から語ってもらった。(Photo by Daddy Daughter Hair Factory)「気に入らない」も、嬉しい一言突然シングルファザーになったフィリップさんは、娘のエマちゃんが1歳の時、当時腰まであった彼女の髪の毛を結ばなくてはいけなくなった。今まで娘の髪の毛なんて結んだことなどなかったが、エマちゃんの髪の毛を結んであげることができるのは自分だけ。必死に独学でヘアアレンジのスキルを習得し、愛娘の喜ぶ顔見たさに日々特訓を重ねたそうだ。 最初はもちろん大変だったよ。右も左も分からないからね。でもネットで調べて少しずつうまく髪の毛を縛れるようになっていったんだ。インターネットには感謝したいね(笑) 日々の練習の積み重ねの甲斐もあってか、今では美容師顔負けの腕前を持つ彼だが、うまくいかない時はエマちゃんからの意外な言葉に励まされこともあったそう。 もちろんエマが僕のヘアスタイルを気に入らないこともあったさ。だけど“気に入らない”とはっきり言ってくれることが嬉しかったよ。だって娘の好みを知りたいだろう? どうやらエマちゃんからのストレートな“気に入らない”という言葉がいいモチベーションになったようだ。「父親」が変われば「世界」が変わる?(Photo by Daddy Daughter Hair Factory)メキメキと腕を上げ、エマちゃんとの時間も増えていったフィリップさん。そこで彼は自分が身に付けたスキルを多くの父親たちにも伝えたいと思ったそうだ。公民館などの施設を借りてフリーでヘアアレンジの講習会を実施。今では多い時には100人規模の参加もあるそうで人々の関心の高さにも驚く。 多くの人が参加してくれるのは嬉しいけれど、それ以上に嬉しいのは参加者全員が“子どものために何ができるか”を考え、“心から何かをしたい”と前向きに思っていることだね。家族のためにお金を稼ぐことだけが父親の役目ではないよ。そんなお金を稼ぐことだけを考える父親が世の中からいなくなったら、より良い社会になると思う フィリップさんの活動は、子供たちのみならず夫婦の絆も強めている。 講習会に来てくれた父親の一人はこんなことを言っていたよ。“娘のヘアアレンジが終わったら、妻が次は自分の番であるかのように待っているんだ。毎日へとへとだよ”ってね。“僕はいつ家族のヘアスタイリストになったんだ”って。そんな風に言いながら、とても嬉しそうに笑っていたけどねパパたちが理解するべき「父親のちから」(Photo by Daddy Daughter Hair Factory)世界中の父親は、“父親の力”が家族に必要であるということをもっと理解をしなきゃね。父親であることはとても価値のあることなんだ。もちろんお金を稼いで家族を養うことは1番大事なこと。だけど、子供たちとの時間はお金には変えることのできない大切な時間なんだよ。我々はもっと自信を持って、毎日子供たちとコミュニケーションを取り、彼らが“どんな人間か”を学ばなきゃいけないんだ 子供は親が気づかないうちに成長していたり、悩みを抱えていたりするもの。フィリップさんが主張するように、日頃から子供とコミュニケーションを取り、彼らを理解しようとする姿勢が大事なのだ。 そして彼が言う“父親の力”は実は科学的にも証明されている。イギリスのオックスフォード大学が発表した研究で、父親が育児参加をすることは「子どもの自尊心が高まったりIQの高い子が育つ」と結果がでた。(参照元:TheTelegraph) しかし、日本の父親の育児参加率は低い。Newsweekによると日本の男性が育児や家事に参加する割合はたったの18.3%。そして長野看護大学の、日本の父親の育児ストレスに焦点を当てたアンケートによると、約90%もの父親が「育児に不安がある」と答えているのだ。(参照元:父親の育児ストレスの実態に関する研究)(Photo by Daddy Daughter Hair Factory)フィリップさんに愛娘のエマちゃんから今までに言われた「最高に嬉しかった言葉」とは何かと聞いたらこんな答えが返ってきた。 パパはこの世で一番のパパよ! そして最後に彼は世界中の父親が子供から「一番」だと思われ、自信を持てるようにこう言い放った。 すべての父親に言いたいね。自分が正しいと思うことであれば、迷いなく進んで欲しい「父親の力」を信じるフィリップさんの育児に対する姿勢から、育児に自信のない日本の父親たちが学ぶことは多いのかもしれない。Text by Asuka YoshidaーBe inspired!この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!娘に「男を見る目」を養わせるには、娘の髪を束ねよ! 愛する娘のために毎日娘の髪を結んでいたシングルファザーのもモルジーさん。「母親代わり」が目的だったが、実は髪の毛は母親が結ぶよりも、むしろ父親が結ぶ方が娘の将来にい...
2017年02月23日(Photo by James Sutton)世界で最も多くの「ビール工場」と、全米で最も多くの「NPO」が存在する都市がどこだかわかるだろうか?それはアメリカ西海岸に位置するオレゴン州の最大都市ポートランドだ。その町に現れた前代未聞の“利益0円のバー”とは一体なんなのだろうか?「ビール」と「NPO」はポートランドの代名詞。ヒップスターの聖地ポートランドに、2013年に誕生した“利益0円のバー”。その名も「オレゴンパブリックハウス(OREGON PUBLIC HOUSE)」。このバーの発起人ライアン・サーリ氏は、自分が住む地域に社会貢献でき、どんなバックグラウンドを持っている人も別け隔てなく集まれるコミュニティをポートランドに作りたいと思っていた。“ポートランドには、タトゥーを入れて、ビール飲んで、社会にいいことをしている人が、すでにクサる程いる”TEDxのスピーチで、そう彼が風刺しながら指摘するようにポートランドには数多くのビール工場とNPOが存在する。そんな町の代名詞である「ビール」と「NPO」という2つの要素をミックスし、「ビールを飲むことで、NPOをサポートできる飲み屋」はできないか?と考え、2009年から彼は動き始めたのだ。事業に乗り出したのはいいものの「資金集め」には一番苦労したという。そこでライアンは多くの投資家たちに声をかけ、投資金と引き換えに「バーでビールが無料で飲める権利」を与えることで、資金調達に成功し、4年前越しでお店をオープンすることができたのだ。利益0。前代未聞のノンプロフィットの飲み屋。ビールを飲むことで、NPOをサポートできるようなシステム。これはお店の利益を100%地元のNPOに寄付することで実現させた。オレゴンパブリックハウスでは店員がお客さんからフードやドリンクのオーダーを受けた後、支払い金額を「どこのNPOに寄付したいか」を聞くのだ。寄付先は6団体から選ぶことができ、現在は幼児虐待から子供を守る保育園を運営する「VOA’s Family Relief Nursery」、食料を確保できないポートランドの人々のために畑を管理し、食料を提供する「Outgrowing Hunger」、地球の環境のために活動する「NW Earth Insitute」などから選ぶことができる。地元のお客さんは自分で寄付先を選択することで、その団体がどういった取り組みをしているのか興味を持つきかっけにもなる。そして彼らは、お金を使えば使うだけ、地元のためになることに満足し、時に「何か自分にできることはないか」と尋ね、自らボランティアとして手伝う人もいるのだとか。従業員も全員ボランティアで、「4時間」の労働に対し「ビール1杯とフード1品」を提供することで確保。事前にホームページから連絡をすれば誰でもボランティアとして働くことが可能だという。オープンして4年経った今、オレゴンパブリックハウスはポートランドのNPOに総額は「約1350万円(約120000ドル)」も寄付しているのだ。(参照元:The Oregon Public House Facebook Page)(Photo by Pawel Kadysz)今っぽいお金の使い方。「ビジネス」と「チャリティ」を巧みに融合させ、地域の恵まれない人々だけが豊かになる“利益0円のバー”を考案したライアン氏。彼は真面目で大変なイメージがまとわりつく社会貢献活動を、ハンバーガーを食べたり、ビールを飲んだりと、ただただ“楽しいこと”へ昇華させたのだ。「ビールを飲めば、世界が変わる」。その言葉通り、気張らない社会貢献ができる世界初の非営利飲み屋「オレゴンパブリックハウス」は、“今っぽいお金の使い方”を提案する良い例なのではないのだろうか。(参考動画:Have a pint — change the world: Ryan Saari at TEDxConcordiaUPortland)Text by Be inspired! ーBe inspired!この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!家もお金もない過酷な生活を少しだけ生きやすくしてくれるポートランドの「チャリンコ図書館」 図書館は、無料で本を借りられる読書好きにとってはありがたい施設。ただ「図書カード」を作るには、住所の証明が必要だ。つまり、住所がないホームレスは図書館で本が借りられない...
2017年02月22日2017年2月16日、アメリカ史の1ページに残る国家レベルのストライキ「移民のいない日(Day Without Immigrants)」が全米で実地された。(Photo by lannadelarosa)仕事、学校、買い物。今日は全部正義のためにサボろうフェイスブックやツイッターなどのソーシャルネットワークで拡散したこのストライキ。不特定多数の反トランプ派の人々が全米の移民に1日だけ、仕事、消費、そして学校の非参加を呼びかけた。アメリカが経済的にどれほど移民に依存しているかを、トランプ大統領をはじめとする反移民派に証明するために行われたのだ。アメリカのサービス業は移民によって支えられており、ニューヨークやシカゴのような特に多文化な都市のレストランではスタッフの70%が移民である。(参照元:abcNEWS)ストライキが行われた2月16日の木曜日は、マクドナルドをはじめとする多くのレストランが従業員不足で休業せざるを得なかったそうだ。また、レストランによっては、このストライキの信念に賛同し積極的に休業するところも存在した。(Photo by Ted Eytan)また、マサチューセッツ州に位置するデイヴィス美術館は、移民による作品を展示せず物寂しい館内を見せつけることで、どれだけ芸術面で移民がアメリカに貢献しているかを提示した。実際に全体の20%が移民による作品だという。(参照元:CNN)米各地で行われた「団結」のデモンストレーション同日、各州のアメリカの移民たちは、星条旗を空に掲げ、「肌の色や宗教が違っても自分たちは立派なアメリカ人である」と胸を張って大規模なデモを行った。(Photo by Voces de la Frontera)2017年1月20日に就任したドナルド・トランプ大統領は、メキシコ国境の壁建設や、イスラム教徒多数派の7ヶ国からの入国禁止など反移民的、また人種差別的政策を次々と推し進めている。しびれを切らせた移民や反トランプ派の人々が人種、セクシュアリティー、階級に関係なく結束した様子が今回のストライキやデモに現れている。(Photo by Elvert Barnes)(Photo by Elvert Barnes)「移民のいない日」が社会的に与えたインパクトは大きかったが、その代償も大きかった。ストライキ後、アメリカ全土で100人がこのストライキを理由に解雇されたのだ。(参照元:BBC NEWS)これに対し、参加者たちは特定できた店や会社に関しては、ボイコットを促している。#BradleyCoatings just fired 18 workers for participated in #ADayWithoutImmigrants, stop buying this products— J.C.Zarcus (@Zarcus) 2017年2月18日<BradleyCoatingsはストライキに参加した従業員18人をクビにした。彼らの商品を買うな>誰が本物のアメリカ人?(Photo by Gage Skidmore)「メキシコ人はレイプ魔だ」(引用元:BBC)などとメキシコ人をひとくくりにして中傷したり、その反移民の姿勢で大統領の座に就いたトランプ氏だが、皮肉なことに家系を辿れば彼もヨーロッパからの白人系移民である。「移民ではないアメリカ人」に該当するのは17世紀にヨーロッパから移民が押し寄せて以来迫害され続けているネイティブアメリカンぐらいだろう。トランプ大統領の「反移民主義」に合わせれば、彼自身も追い出されるべき存在なのだから彼の政策や発言はおかしな話だ。一見、日本人には関係ないことのようにも見えるかもしれないが、今回の「移民のいない日」は「平等」のための普遍的な闘いである。アメリカの非白人への不平等を黙視することは全ての黄色人種への不平等を認めることと同じだ。移民がアメリカ国内で尊厳と当然与えられるべき権利を手に入れることを祈りながら、今後の行方に注目していきたい。Text by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!10杯目:トランプなんてありえない。#WhyIMarch|「丼」じゃなくて「#」で読み解く現代社会 皆さん、こんにちは!ハッシュタグ・アクティビズムの連載が10回目を迎えました。最近もハッシュタグを使った運動が多数起きているようです。現在、盛んに行われている抗議活動といえば何が思...
2017年02月22日(Photo by sharonang)Journal Scientific Reportsによるとオランダの「食用の肉をラボで育てる」という目標を掲げたスタートアップ企業Memphis Meatsが豚肉の培養に成功した。生体から採取しなければならない初代細胞を必要とせず、自ら増殖する能力を持つ幹細胞を利用して骨格筋を作れるようになったのだ。現段階では筋肉が発達することはないため、食感はホタテのようだという。そのため実際に市場に出されるようになるまでにはさらなる研究が必要だが、それも5-10年以内に完了すると見込まれている。(参照元:Now This Future, Digital Trends)※動画が見られない方はこちらこの「人工肉」が実用化されたら、何が起こるのだろうか。まず1番大きい変化は、本物の動物を殺さなくてすむようになることだ。命を奪わない肉…ベジタリアンやビーガンの人々はどう受け取るだろうか?そして、環境問題が改善すること。実は家畜を育てるのは非常に環境に悪い。原因は飼料を育てるために莫大な水の量が必要なことや、狭い場所に無理やり押しやられ排泄物がうまく土に分解されず空気汚染を起こすこと、また食肉解体場から出る廃棄物の処理から出る汚水が土壌や川を汚してるからだ。(参照元:NY Green Fashion)ラボで肉を栽培できるようになれば、この問題も減るだろう。この研究は将来的に人間の医療にも適応できるのではないかとも言われている。(参照元:Now This Future)(Photo by Jennifer PBC)10年後に私達の食卓に並べられているかもしれない人工ベーコン、人工ハム…みなさんはこの発明をどう受け取るだろうか?—————Text by Noemi Minami ーBe inspired!
2017年02月20日(Photo by Jodi Darby)図書館は、無料で本を借りられる読書好きにとってはありがたい施設。ただ「図書カード」を作るには、住所の証明が必要だ。つまり、住所がないホームレスは図書館で本が借りられないのだ。「でも、ホームレスは、そんな読書になんか興味ないでしょ?」いやいや、そんなことはない。ホームレスの元まで自転車で本を運ぶ、ポートランドの移動式図書館「ストリートブックス」を待つ人たちを見て欲しい。ホームレスには、敷居の高い図書館ポートランドは、本好きが多い街。アメリカン・ライブラリー・アソシエーションサイトによると、ポートランドのマルトノマ群立図書館の貸し出し数は、ニューヨーク公共図書館に次いで全国2位。住民数を考えれば、全国で最も図書館好きが多い地区と言っても、過言ではないのかもしれない。そんなポートランドには、「アウトサイダーのため」の移動式図書館「ストリートブックス」が存在する。これは、住所不定のホームレスのために、本を自転車で運び、貸し出すというサービスだ。ホームレスだって、図書館に行けば、無料で本を借りられると思うかもしれない。ところが、図書館を利用するためには、身分証明書と住所を登録する必要がある。ホームレスの多くは、住所がなかったり、IDを盗まれ紛失していたりして、登録すらできないのだ。また、館内で本を読むにしても、やはり人の目が気になり、足遠くなってしまうという。そんな通常の図書館よりも、ぐっと身近に本と触れ合えるのが「ストリート・ブックス」なのだ。自転車で図書を運ぶ「ストリート・ブックス」(Photo by Jodi Darby)ローラ・モールトン(Laura Moulton)さんが、非営利団体「ストリート・ブックス」を創立したのは、2011年の6月。当初は、3ヶ月だけのサマー・アート・プロジェクトとして開始したが、反響の大きさに励まされ、今年で7年目を迎える。毎年6月から10月頃までは、週に5日、50冊ほどの本を積み込んだ2台の自転車で、ホームレスコミュニティや食事を提供する施設を日替わりで巡回する。昔ながらの図書カードにサインすれば、誰でも無料でこの移動式図書館を利用できる。今期からは、夏以外の時期にも外での活動を開始。月に一度、橋のたもとや広場で、本を無料配布している。今回、ポートランドのダウンタウン地区にあるホーソン橋のたもとで行われたイベントを訪ねた。みんな、本を読みたい 今冬のポートランドは、例年になく悪天候で道路が閉鎖される日々が続き、なかなか決行できなかったストリート・ブックスのイベント。ようやく実行できた2月12日は、久しぶりに青空が広がる、気持ちの良い1日となった。11:40分。会場のホーソン橋のたもとには、すでにHome PDXというボランティア団体が提供する日曜日のランチを求めて、3、40人のホームレスたちが集まっている。ストリートブックスのメンバーが到着し、テーブルのセッティングを始めると、待ちかねたように大勢の人々が集まってきた。 利用者の中には、図書員の顔見知りもいて、「こんにちは、ジャック。調子はどう?今日は何を探しているの?」と名指しで声がかかる。また、「『世にも不幸なできごと』の5巻と6巻を読みたいんだけど、ない?」とか、「ノンフィクションだと、何がある?」といった問い合わせも聞こえてくる。人気の本は?と図書員に尋ねると、小説、伝記、SF小説、哲学書、言語など、それぞれの好みは幅広い、という答え。それでも、やっぱりベストセラーは人気で、「結局、通常の図書館や書店と同じかもね」と言う。利用者の中には、もちろん、ストリート・ブックスの存在を初めて知った人達もいて、ストリート・ブックスへの質問や、好きな本についての会話も始まっている。 気に入った本を選んだホームレスたちの多くが、すぐ側に腰を下ろし、お昼のブリトーを食べながら、本を読み始める。暖かな日差しもあり、穏やかなひと時に思える。 ホームレスから理事会メンバーに 現在、ストリート・ブックスの理事会メンバーを務め、目録担当でもあるベン・ハジソン(Ben Hodgson)さんは、実は3年半、ホームレスだったことがあるという。彼は、ローラさんが担当する移動図書館ルートの常連だったそうだ。子供の頃から、読書が好きで、図書館を利用していたというベンさん。「ローラに毎週、課題図書を出しているんだ」と笑うほど、多くの本を読んでいる。「ワグナーの『ニーベルングの指輪』のもとにもなった『北欧神話』の中に、呪われた黄金の話があるんだけどね。実は、初めて私がこの本を手に入れたのは、万引きだったんだよ。それで、多分、本の内容みたいに呪いが始まったんだ…。これまでに6冊、買ったりもらったりして、同じ本を手に入れたんだけど、その度に全て、なくなってしまったんだ」なんてエピソードも、本好きなことがうかがえる。彼は、毎日生きるだけでも必死で、全く余裕のないホームレスにとって、ストリート・ブックスは、自分のところにまで本が来てくれる貴重な存在だという。また、図書館と違い、静かにする必要がないので、好きな本について話し合う時間も提供しているという。 本が、過酷な毎日を少しだけ生きやすくしてくれるローラさんは、ストリート・ブックスが、本の貸し出す図書館の形式をとることで、「じゃあ、来週また来るから、持ってきてね」という絆を作れることを大切にしている。とはいえ、様々な事情で翌週返せなくても、また、返却された本が雨に濡れたりして、傷んでしまっていても、責めることはない。むしろ大変な生活の中、本を返そうという努力をしてくれることに感謝している。彼女にとって、ストリート・ブックスを始めてから一番辛かったことは、「ホームレスになってしまった人の日常を知ること。毎日どんな目に遭っているのか現実を知ったこと」だと話してくれた。そして、最も嬉しいことは、「ストリート・ブックスは、本当に小さなジェスチャーでしかないけれど、賛同してくれる人がたくさんいて、一緒に働くチームができたこと」だと言う。 ストリート・ブックスの図書員に加え、この日も理事長のダイアナ・レンペ(Diana Rempe)さんが、近所の人が本を売ってそのお金を寄付してくれたのと話していた。 本では、確かにお腹も膨れないし、寒さも凌げない。でも、ポートランドには、本の力を知る人がたくさんいて、その本を読む権利は誰にでもある。ストリート・ブックスが、ホームレスをストリートから解放してくれるわけじゃない。だけど、ストリートでの毎日を少しだけ、生きやすいものにしてくれたんだ。ベンさんが自分の経験をもとに言うこの言葉が、ストリート・ブックスの真髄ではないだろうか。—————All photos by Rika Higashi unless otherwise stated.Text by Rika Higashi ーBe inspired!
2017年02月20日(Photo by Wunderland Kalkar)脱原発を目指すドイツに、毎年60万人以上が訪れる原子力発電所を再利用した遊園地が存在する。1994年に建てられた「ワンダーランド・カルカー」だ。なぜ原発が人々に愛される遊園地になったのかワンダーランド・カルカーのスタッフ、タマラ氏に聞いてみた。Be inspired!(以下Bi):なぜワンダーランド・カルカーは建てられたの?タマラ:この遊園地を作ったのはオランダ人のビジネスマンHennie van der Most。彼は廃墟の土地を買収し、再利用するのが好きなのよ。今までに病院、じゃがいも工場、軍の基地などを違う建物に変身させた。そして彼は、ドイツのカルカー原子力発電所を買い取り、家族や友達と休日に楽しめる遊園地ワンダーランド・カルカーに生まれ変わらせた。Bi:今までにこの原子力発電所を稼働したことはないの?タマラ:ないわ。最後まで稼働許可が出なかったから。Bi:どのアトラクションに原子力発電所が使われてるの?タマラ:原子力発電所は使用されてなくて、58メートルの高さの冷却塔がメインアトラクションで使われているわ。Bi:原子力発電所を使ったことに何か“特別な意味”は隠されているの?タマラ:ないわ。笑特に政治的なステートメントを掲げていないの。なぜなら、遊園地やホテルはレクリエーション施設だから。しかし、多くの人に安全で楽しい環境を提供できることに感謝している。そして、私たちは原子力発電所というとても珍しい場所で安全に遊べる事実に誇りに思うわ。だって朝から夜まで原子力発電所で遊ぶことができるなんて誰が想像できたの?笑「原発」を「笑顔が生まれる場所」へ。2022年末までに原子力発電を廃止することを決めたドイツ。「脱原発」を掲げる前の話だが、未使用の原子力発電所は人々を楽しませる遊園地へと変貌を遂げている。脱原発への動きは、台湾が2025年までに「原発ゼロ」にする決断を下したように、欧州だけでなくアジアでも起こっている。しかし日本には、もんじゅ・常陽も含めると、全国に59基の原子力発電所が存在。しかもJCASTニュースによると、建築中の原子力発電所も存在する。東日本大震災で日本が経験した悲惨な原発事故を二度と繰り返さぬよう、いち早く「脱原発」へ進むこと。そして現在建築中の未稼働の原子力発電所は、ワンダーランド・カルカーのような多くの人の笑顔が生まれる場所に生まれ変わってくれることを望む。———-All photos by Wunderland KalkarText by Be inspired!ーBe inspired!
2017年02月19日(Photo by Hemp Temps)アメリカでは、昨年11月、カリフォルニア州を始め、マサチューセッツ、メーン、ネバダの4州で嗜好用マリファナの合法化が可決された。これにより、アメリカの嗜好用マリファナの合法化は一気に進展。既に可決されている地区と合わせ8州+ワシントン特別区で解禁となる。それに伴い、マリファナの葉や販売店はもちろん、様々な関連ビジネスが生まれている。今回は、その中でもユニークな新ビジネスを3つご紹介したい。(Photo by Magical Butter)1つ目は、フロリダにある「マジカルバター」。マリファナのエキス入りのアルコールやオイル、バターの素材を機械に入れて、ボタンを幾つか押すだけで、簡単に作ることができるという台所用品だ。オーナー創業者であるゲリーさんが、18ヶ月をかけて作ったこの機械。きっかけは、癌で苦しむ友人が、マリファナを吸うだけで苦しみが軽減したという話。より効率よく、体内にマリファナの成分を取り込めるバターやオイルを簡単に作れるようにと、この商品を開発した。(Photo by Magical Butter)ゲイリーさん曰く「カンナビス(マリファナの原料となる植物)は、不可欠な食品。使い方を学べば、日々の仕事がより容易に達成できるようになる」とのこと。本人も、よりクリエイティブになるためや、ビジネスマインドになるため、と使い分けている。(Photo by Magical Butter)発売を開始したのは、2012年11月5日。コロラド州で嗜好用マリファナの合法化が可決される1日前だ。SNSを中心に、個人やシェフ、マリファナ入り商品生産者などの顧客がつき、既に20万台程度を販売したそうだ。現在では、アメリカ国内はもちろん、オーストラリア、カナダ、さらに欧州にも市場を拡大している。 若い頃から、コンピューター業界、経営コンサルタントとしても成功を収めていた彼が、 次のビジネスとして目をつけたマリファナ業界。まだまだ成長しそうだ。マリファナ産業専門の人材派遣会社「ヘンプ・テンプス」(Photo by Hemp Temps)続いては、コロラドにあるマリファナ業界の人材派遣業「ヘンプ・テンプス」を紹介したい。一口にマリファナを販売するといっても、そこには農業同様、店頭に並ぶまでには多くのプロセスがある。また、この業界で働くには、州発行のライセンスを取得する必要があり、合法でビジネスを成長させるには、人材確保が鍵となる。(Photo by Hemp Temps)「ヘンプ・テンプス」は、植え付け、水やり、草刈り、肥料散布、収穫、掃除、乾燥、トリミング、パッケージング、販売といった各作業を請け負うライセンスと技術を持つ人材を派遣してくれる。もちろん、派遣先のチェックも行うので、仕事を始めてから、不合法の企業だったと分かる、といった心配もない。(Photo by Hemp Temp)また、「ヘンプ・テンプス大学」として、登録する人材やビジネスオーナー向けのクラスも提供。業界のスタンダードを守り、また、ビジネスと人材をつなぐ情報ハブとして機能している。違和感なく、化粧ポーチへ。女性向けマリファナ器具「W!NK」(Photo by W!NK)最後に紹介するのは、2016年12月、LAで生まれた初の女性にターゲットを絞ったマリファナ器具「ウィンク」。マリファナを吸うといえば、紙巻、ボング、パイプ、ヴェポライザーなどいろいろな用具があるが、どれもいまいち、おしゃれな感じはしないもの。また、小柄な女性にとっては、効果がかなりヘビーだという不満の声もあった。(Photo by W!NK)そんな中、12ヶ月間かけて「女性によって、女性のために」開発されたW!NKの商品が登場したのだ。「シグニチャー・ペン」は、高級なマスカラのような見た目のヴェイプ・ペン。また、独自の製法でカンナビスの風味を引き出したというヴェイポライザー用カンナビスオイル「テルペセンス・フレイバー・カートリッジ」は、「アップルドリーム」「バブルウィッシュ」「チョコミンテッド」「パイナップリフト」とネーミングも可愛く、またマリファナの主な有効成分であり、多幸感を生み出す成分でもあるTHCが50%と安定した効果を保っている。(Photo by W!NK)ファッションブランドのような写真にも違和感なく溶け込むこの商品。また、新たな市場が開拓されたようだ。マリファナの合法化が進む理由として、他の薬物に比べて害が少ない、不法流通を規制しやすくなる、医療品として効果が認められる、などが挙げられるが、最大の理由は、その経済効果であろう。嗜好用マリファナが解禁になった州では、店舗の売り上げは着実に延び、州の税収も格段に増えている。「マリファナ・ビジネス・デイリー」の「マリファナ・ビジネス・ファクトブック2016」によると、店舗でのマリファナの売り上げ以上に関連ビジネスによる影響が示されており、2020年までに、440億ドルの経済効果をもたらすと見込まれている。大きな市場創出となるこの業界。日本では未だ「ダメ。ゼッタイ」だが、世界では、解禁の動きが続くのではないだろうか。—————Text by Rika HigashiーBe inspired!
2017年02月17日(参加型ステージ_難波屋/大阪Photo by江里口暁子)シングルマザー、重度の障害を持つ弟。母親と弟の間で揺れ動く思春期を過ごしたナカガワ エリさん。生き辛さを感じていた彼女が偶然始めたアフリカの太鼓「ジャンベ」。人生に失望していた彼女は、そこから少しずつ即興で音と声を使ったワークショップを行い、自分の中に変化を感じるようになる。「即興楽団UDje( )」(うじゃ、以下うじゃと記す)の始まりだ。自分救済から弱者救済に繋がる彼女の活動が起こすストーリーの前編はこちらうじゃが訴える、障害者とその家族を取り巻く社会問題エリさんの3つ年下の弟は、視覚障害、知的障害、癲癇、強い自閉症といくつもの障害を併せ持っている。幼い頃から彼女は弟と彼の同級生と関わる中で、言語のみに頼らないコミュニケーションになじんでいったという。それが今のうじゃの原点となった。言葉じゃないんです。言葉でやっちゃうと伝わらないことが多い。純粋に体同士とか声とか太鼓の方がわかりやすい場合があるし、満たされることも多い。それって障害者だけのことじゃなくて、大人も頭で考えて、しゃべって、コミュニケーションして繋がったように錯覚しているけど、実は表面的なつながりでしかないんですよ。体でダイレクトにいろんなことした方が、もっと繋がりができます。(音のワークショップ_千葉盲学校青年学級/千葉Photo by淺川敏>)そう語るエリさんは、今日も全国の障害者施設や老人施設、生活に困窮した人たちが利用する救護施設などを巡り、アフリカの太鼓ジャンベを使って即興音楽を作りコミュニケーションを生み出すワークショップを行っている。エリさんが関わっている障害を持つ子供の家族から聞いた、深刻な問題を話してくれた。障害を持つ子供の親というのは、子供が大声を出したり、変わった行動をとったりする時に『どうやって静かにさせるか』『どうやって社会に合わせていくか』『変な風に見られないようにするにはどうすればいいか』など、周りに迷惑をかけずに生きていくにはどうしたらいいのかっていうことで悩んでいるんです。でも私は逆じゃない?って思います。合わせられる人が合わせればいいはずなのに、合わせられない人が、なぜ合わせなければいけないのか?って。だって彼らに負荷がかかるでしょう?障害の子っていうより障害の子を取り巻く環境が閉塞的というか抑圧的だと思うんです。障害者を一箇所にまとめておくのも、その方が便利で簡単だから。だから施設を作って、ある意味一つのところにまとめておくことで、大人が扱いやすいようにしていると思うんです。(音のワークショップ_地域作業所カプカプ川和/神奈川Photo by秋山佳子)確かに現代社会では障害者は健常者と関わることが非常に少ない。障害を持っている人は健常者と比べてできないことも多く、いろいろと世話はかかるが、いつの時代もどの国にも障害者というのは社会に必ず存在する。その障害者が見えにくい現代の日本社会。私たちは障害者との関わり方がわからずに、戸惑いのような気持ちを胸に抱えていないか。障害者と、その家族が抱える不安や生き辛さを、社会全体が理解しサポートすることが私たちの社会には求められている。(参加型ステージ_親の会クリスマスイベント/東京Photo by木村雅章)今年1月、うじゃは「福祉連絡会」というものを立ち上げた。これまでの活動で千葉、東京、神奈川、大阪、三重、広島など、たくさんの福祉施設と関わってきたが、福祉施設同士の交流があまりないことにエリさんは気が付く。例えば老人施設で働いている人が、知的障害者施設で働いている人とつながるようなことが大切です。自分の働いている施設しか知らない人が多いから。だからこそ分野を横断するようなネットワークづくりが大事だと思うんです。まだどうなるかはわからないんだけど、福祉に関わる人同士が会う場を作り、今後何か新しいことができたらいいなと思ってます。うじゃの活動には人と人とを繋ぐっていう役割もあって個々に違う価値観が出会い、何かしらの作用を起こす場、そういうところからおもしろい変化が起こっていけばいいと思います。固定概念に捕らわれずに、そこに当たり前のようにあった壁を取っ払ってしまうエリさんのパワー。彼女のような発想が現代の福祉の世界に新しい旋風を巻き起こしてくれるのかもしれない。弟が与えてくれた彼女の生きる道(参加型ステージ〜集合写真_釜ヶ崎の夏祭り/大阪Photo by淺川敏)2009年に始まったうじゃの活動も今年で8年目。直感を信じて行動するというエリさんは、自分の与えられた環境を振り返ってこう語る。うじゃは私の中で、家族のつなぎ直しになったんです。今でも問題はありますが、捉え方が変わりました。母との付き合い方も変わりました。私が背負っているものも、ひとつずつ降ろす作業ができてきたなって。やっぱり弟の存在は大きい。そしてうじゃ。弟がいたからこそ、こんなことを深く考える人生になった。弟は何食わぬ顔でそこにいるだけなんだけど。でもそうやって役割を私に与えてくれているのかもしれません。人生に失望していた8年前の姿から想像もつかない人生を今彼女は送っている。彼女と仲間たちが起こしたこの、うじゃという活動は、言葉だけに頼らないコミュニケーションの技法を身につけることで、人間不信になった人たちの心を癒し、自信の持てない子供達に自信を与え、コミュニケーションが困難な障害者に表現方法を与えてきた。感じたことはやってみたい、体がやりたいからする。社会の中で自分が置かれてる立場に関わらず、分断された人と人の垣根を取り払い、誰もが自分らしく生きていける社会を築くこと。そのことだけを目指し次々と新しいことにチャレンジしてきた即興楽団UDje( ) 主宰のナカガワ エリさん。彼女のこれからの活動にも注目していきたい。大阪で救護施設のステージ近日公開大阪に移り住んだエリさんは、知り合いの紹介で吹田市にある救護施設でワークショップを始めることとなる。エリさんが“おっちゃん”と呼ぶこの利用者たちは生活に困窮している人だったり、精神的にまいっていたり、体に障害があったりなど、社会に適合するのが困難な人たちが多い。ここで3年間、月1回のワークショップを行ってきた。この施設の利用者の人たちの中にも「もう人と関わるのはいやだ」「もう人は信じたくない」「面倒だ」と、人とのコミュニケーションから離れ、孤立してしまっている人も多いという。そんな中、うじゃのワークショップに興味を持ってくれた人たちが毎月参加してくれている。去年の10月にこのメンバーで初めてステージに立ちました。おかげでみんなのやる気が出てきてすごく変わったんです。最初は恥ずかしいことはできないと言っていた人たちが、いろんな提案を始めたりとか、足が不自由な人がいたら手を貸してあげたり、演目を自分で決めたりするようになりました。以前は彼ら同士の中でコミュニケーションをとることはあまりなかったようだけど、ワークショップを通して繋がりが生まれ、思いやりの気持ちも芽生えてきたと思います。そして今、彼らの願いは、うじゃと一緒に他の施設に慰問に行くことだという。今月2月26日に大阪で開催される、障害の有無にかかわりなく、誰もがあるがままの自己を自由に大らかに表現するロック&アートフェス「HAPPY カムカムロック&アート」。このイベントに救護施設のメンバーがうじゃと一緒に「即興楽団UDje( )×千里寮芸能団のコラボバンド」として出演するという。演目名は「参加型即興演舞〜声を出そう、踊ろう、悪い獅子をやっつけろ!」。興味のある方は是非参加してみてほしい。(うじゃと救護施設有志によるコラボバンドの参加型即興演舞_大道芸祭り/兵庫Photo by細見大悟)《HAPPY カムカムロック&アート》日程:2月26日(日)料金:500円会場:さをり会館 大阪市都島区中野町5-13-4【MAP】【Open】11:00~ガムテープ太鼓づくり(11:00~12:00まで)持ち帰りの場合は300円さをり織り体験(11:00~17:0030分500円)高田雄平のリストバンド作り(11:00~17:00500円)姫路まさのり(13:00~)ゆるみま食堂(11:00~20:00)NAGAYA CAFE(11:00~17:00)【MAIN EVENT】13:00~すずむしバンドカラン☆コロンここなっつSUKIDARAKE MAFIAシェイクオブロック即興楽団UDje( )×千里寮芸能団太陽ドラム×梶原徹也(ex-THE BLUE HEARTS)【AFTER PARTY】17:30~(※20歳未満の来場はご遠慮ください)嫌になっちゃうズ中宮竜善×かのうさちあザ・リラクシンズアカリトバリはちようびAnd more…—————Text by バンベニ 桃ーBe inspired!
2017年02月17日