ぴあがお届けする新着記事一覧 (866/897)
国内興収250億円を超える社会現象を巻き起こす大ヒット映画の続編『アナと雪の女王2』の日本版エンドソングアーティストの発表イベントが10月24日、都内で行われた。今回、大抜てきされた新人歌手の中元みずきがステージに登場し、映画の新たな楽曲『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』を熱唱した。現在19歳の中元は中学生のときに、歌声が評価され「EXPG STUDIO BY LDH」の特待生として迎えられ、多数のアーティストのドーム公演にサポート参加した。卒業後は今年開催されたユニバーサルミュージックの「女性アーティストオーディション」に参加し、最終審査を通過。その後、ディズニーUS本社によるオーディションに合格した。日本版エンドソングを歌うアーティストに、メジャーデビュー前の新人が起用されるのは、ディズニー初の快挙となる。伸びやかな歌声を披露した中元は「実はすごく緊張していて、震えていました。出番前には『私はできる、私はできる』と暗示をかけていた」とホッとした様子。起用決定の瞬間を振り返り「全然信じられなくて。小さな頃から応援してくれた家族も、泣いて喜んでくれて、私も号泣してしまった」。すでにレコーディングを行ったといい「だんだん実感が湧いてきました」と背筋を伸ばした。未知なる冒険に旅立つエルサとアナの姉妹を勇気づける楽曲『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』については、「私も今から未知の旅に出るので、共感できるし、勇気をもらいました」と自身を重ね合わせ、「私にもお姉ちゃんがいて、正反対の性格ですが、相談したり、励まし合っている。姉妹のきずなは映画に似ていると思います」と話していた。前作で、雪と氷に覆われたアレンデール王国に暖かな陽光を取り戻し、深い絆で結ばれた姉のエルサと妹のアナ。“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、王国の仲間たちと幸せに暮らしていた。だが、エルサだけが聞こえる“不思議な歌声”によって、姉妹は未知なる世界へ導かれる。エルサとアナの声を前作に続きイディナ・メンゼルとクリステン・ベル、日本語吹き替え版では松たか子と神田沙也加がそれぞれ務め、クリス・バックとジェニファー・リーが監督を続投する。取材・文・写真:内田 涼『アナと雪の女王2』11月22日(金)より全国公開
2019年10月24日新たなシーンを加えた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が、この金曜日、北米で公開される。加わるのはこれまでに一度も見せられていない4つのシーンで、出てくるのは映画の初めと最後。上映時間はトータルで10分長くなるらしい。もともとの上映時間は2時間41分。新しいバージョンの公開スクリーン数は1,500のようだ。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、北米で1億4,000万ドル弱、全世界で3億6,800万ドルを売り上げた。来年のアカデミー賞では、レオナルド・ディカプリオが主演男優部門、ブラッド・ピットが助演男優部門で受賞を狙う。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』全国公開中文=猿渡由紀
2019年10月24日80年代の小劇場ブームの時代に劇団「第三エロチカ」で彗星のように現れた劇作家・演出家の川村毅。2010年の30周年を機に劇団を解散し、以降は自身の戯曲をプロデュースする「ティーファクトリー」を中心に活動を続けている彼の最新作『ノート』が、本日から11月4日(月・祝)まで東京・吉祥寺シアターで上演される。『ノート』は「2019-2020 川村毅劇作40周年&還暦年」と銘打たれた、2019年から2020年にかけて3作品を上演する企画の第1弾。拘置所に留置されている、記憶を失った男・T。記憶を取り戻すため、Tが所属していたある活動団体の仲間たちの証言がノートされていき、この30年間の出来事が召喚される。彼らが追い求めた理想や過ごした日々が徐々に語られるうちに、自分たちが犯罪に至った理由や経緯も明らかになっていく……。このあらすじを読んで、一定以上の年齢ならすぐに思い浮かぶ“現実の出来事”がいくつもあるはずだ。実際、川村がこの新作を書き下ろした理由のひとつには、昨年には平成の大事件に関連する死刑が大量に執行されにもかかわらず、多くの平成生まれの若者たちがその事件と経緯を知らないことに愕然としたからだという。そして、死刑囚の中には川村自身と同世代の人間が少なからずいたことから、自分たちが80年代からの40年間をどのように生きてきたかを描きたかった、と。川村毅は、常にその時代が持つ現実、そして孕んでいる問題を、作品を通じて突きつけてきた劇作家だ。新しい元号という節目を迎え、私たちはどこか“平成”をもう過ぎ去ったものとして片付けようとしていないか。起こった事件を過去のものとして、自分たちとは無関係なものと思い込もうとしていないか。川村の新作はどこか浮かれた空気の私たちに、そんなメッセージを投げかける。ちなみに2020年1月には、川村自身が“女優”として(!)出演する『クリシェ』(1994年初演)を東京・あうるすぽっとで上演、5月には京都芸術劇場春秋座と東京・シアタートラムで2012年に白井晃演出で高い評価を得た作品『4』の再演が控えている。還暦を迎えてなお精力的に活動を続ける川村の“記念イヤー”幕開けを飾る新作公演。“今”だからこそ観ておきたい、そんな作品となりそうだ。文:川口有紀
2019年10月24日ディズニー映画『アラジン』のMovieNEX発売を記念した集英社「MORE」連動PRイベントが10月24日、都内で行われ、同誌の専属モデルを務める内田理央が出席。今年のハロウィンは本作のコスプレをしたいといい「ジャスミンもいいですけど、青塗りのジーニーもいいですね」と声を弾ませた。子供の頃からアニメ版の大ファンで「ジーニーが現れてくれたら、3つのお願いはどうしようかなと考えていた。お姫様になりたいとか(笑)」と回想。新たに実写化された本作を鑑賞し「大人になると知識や欲が出てくるから、何を3つお願いしたらいいか……。逆に世界平和とかですかね」と話していた。また、実写化に際し、より現代的に描かれたヒロインのジャスミンについて「声をあげて自分の意思を伝えるシーンは感動しましたし、鳥肌が立ちましたね。同じ女性として、芯があって強い女性像にあこがれます」とコメント。豪華絢爛なビジュアルも大きな見どころで、「パレードのシーンがすごかったですね。(空飛ぶ)じゅうたんもかわいくて、欲しくなりました。現場とかコンビニとか(笑)、移動主題に使いたい」と想像をめぐらせていた。貧しいが清らかな心をもつ青年・アラジンと王女ジャスミンの身分違いのロマンス、3つの願いを叶える魔法のランプをめぐる冒険を描いた長編アニメーション『アラジン』(1992)を、『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー監督が実写映画化。ウィル・スミスが“ランプの魔人”ことジーニーを演じ、国内興収120億円超えの大ヒットを記録した。取材・文・写真:内田 涼『アラジン』発売中先行デジタル配信中、MovieNEX(4,200円+税)と4K UHD MovieNEX(6,000円+税)実写版とアニメーション版の両方を豪華デジパック仕様に収めたセット商品『アラジン MovieNEXコレクション(期間限定)』(8,000円+税)、アニメーション版をより高画質・高音質で楽しめる『アラジン 4K UHD』(5,800円+税)
2019年10月24日ウィル・スミスが主演を務めるアクション大作『ジェミニマン』が25日(金)から公開になる。本作は、スミス演じるスゴ腕の殺し屋と、彼の若いクローンが対峙する様を描いた作品だが、監督を務めたアン・リーは本作を“最新技術を駆使したアクション大作”以上のものだと考えているようだ。彼はこう語る。「この映画を撮りながら私はづくづく思いました。これは映画の“新しい世界”の幕開けになると」。デカい! 穏やかな表情なのに言うことのスケールがデカい! アカデミー賞監督アン・リーは本作でどんな“新しい世界”の扉を開こうとしているのだろうか?本作の主人公ヘンリーは政府に雇われているベテランの暗殺者。彼はある“殺し”を機に引退を決めるが、そんな彼を消そうと何者かが刺客を放つ。それはヘンリーのクローンで、まだ若いが身体能力はヘンリーと同じかそれ以上に優れており、ヘンリーは絶体絶命のピンチに陥る。一方の若いヘンリーはターゲットが“自分”であることに戸惑う。最強の殺し屋と最強の刺客の対決の行方は?『推手』でデビューを果たして以来、『ウェディング・バンケット』『ブロークバック・マウンテン』『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』など優れた人間ドラマを描いてきたリー監督は「脚本を読んで、様々な“問い”が浮かんでくることに魅了された」と振り返る。「ヘンリーとクローンのヘンリーは“父と息子”でもなければ、“自分とまったく同じ別の自分”でもありません。自分のような/自分ではないような存在と対峙する話なわけで、おのずとそこには“実存”に関する問いが浮かんできます。自分はこの世界で本当に唯一無二の存在なのか? 自分とは、自我とは一体、何なのか? この物語を描くことで様々な問いかけができますし、脚本に書かれていたキャラクターの精神的な葛藤に惹かれました」監督が語る通り、本作ではウィル・スミスと若いウィル・スミスが対決してムダにマシンガンを撃ちあうだけの映画ではない。主人公ヘンリーと、若いクローンのヘンリーそれぞれにドラマがあり、迷いがあり、精神的な変化が訪れる。リー監督はそれを「小説や戯曲ではなく、すべてをビジュアルで見せなければならない映画として描くことに意味があるし、挑戦してみる価値があると思った」という。そこでリー監督と製作陣は、様々な新技術を導入した。まず若いクローンのヘンリーを全編に渡ってデジタルで描き、さらに映画をハイフレームレート3Dで撮影することにした。ここで少しだけ説明。現在、多くの映画は1秒間に24コマ(フレーム)の静止画を連続投影することで動いている“ような”映像を生み出している。しかし、この24という数字は映画の短い歴史の中でも試行錯誤があり、絶対的な正解ではない。過去にはこれよりも少ないコマ数で撮影されていた時期もあれば、あえて倍の48コマで撮影された映画もあった。本作でリー監督は全編を120コマ/秒で3D撮影し、60コマ/秒で上映することにした。1秒あたりのコマ数があがれば、動きの細部までをキメ細かく記録・再生でき、製作陣はこの手法によって映画への“没入感が高まった”と主張する。「新技術によって、ウィル・スミスが本当に目の前にいるかのような感触を味わってもらえると思います。と同時にこの技術は作り手が観客に“本当に見せたい空間”を描くことができるツールだとも思っています。かつて映画における編集とは“時間軸”の語りでした。あるコマと次のコマの“間”を観客の方に脳内で補完してもらって、物語を語っていたわけです(例:私たちは「ホームから走り去っていく列車」の次に「泣きながら手を振る人」を観ると、本来は別々の画でも勝手に“列車を見送っている人の話”だと思ってしまう)。しかし、この映画で採用したハイフレーム撮影では“空間”で語ることができます。これまでの映画では特定の場所をクローズアップにしてみたり、カメラが動いたり、観客の視線を誘導したりと何らかの“操作”をして物語を語ってきたわけですが、今回の撮影手法の場合はそれらの操作は大げさになってしまいます。この技術は私たちの見せたい空間を“空間そのまま”にスクリーンに描きだすことができるからです。これまでの3D映画は新技術を使っているのに、過去のフィルム映画の世界を再現しようとしているものが多く、観客の中には3D映画はあまり良いものではないと考えていらっしゃる方もいるでしょう。しかし、このメディアの可能性はそんなものではありません。この映画を撮りながら私はづくづく思いました。これは映画の“新しい世界”の幕開けになると。私は従来の映画言語とは異なる、新しい話法や言語を探求していくことになるでしょう」監督は3Dカメラやデジタル技術を導入することで、映像だけでなく観客の意識も変化すると考えている。「今回の新技術で『ジェミニマン』を語ることで、本作が内包する哲学的な問いはより深まったと思いますし、個人的には新メディアが私たちの想像力や感情に対してどのような影響を与えるのか? 私たちの集合意識にどんな変化をもたらすのかに興味があります。この問題についてはまだ我々はスタート地点に立ったばかりと言ってよいと思いますが、現段階ではすべてを完全デジタルで描くのではなく、実物のウィル・スミスを撮影して、そこにデジタルを混ぜていく……この辺りがポイントなのではないかと考えているところです」配信やDVDではなく、映画館で、それも監督が意図した60フレーム/秒の3D版『ジェミニマン』を鑑賞することで監督の意図や想いは伝わるはずだ。「この手法は私のあくなき探求心を刺激するものです。まず最初に写真が登場し、やがて映像になり、そして“空間そのもの”を具現化できるようになったわけです。私たちの物語を語りたい想いは普遍的なものです。しかし、その手法はどんどん進化・発展しているのだと思います」『ジェミニマン』10月25日(金) 全国ロードショー
2019年10月24日124年もの歴史を誇る英国最大級のクラシック音楽祭「BBC Proms」がついに日本で初開催される(10月30日〜11月4日:Bunkamuraオーチャードホール/ザ・シンフォニーホール)。10月30日(水)に開催される記念すべき開幕公演「ファースト・ナイト・オブ・ザ・プロムス」&10月31日(木)の「Prom2(大阪:ザ・シンフォニーホール)」にソリストとして登場するのは、2010年のショパン国際ピアノ・コンクールにおいて、マルタ・アルゲリッチ以来45年ぶりの女性優勝者となったロシア出身のピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエヴァだ。彼女の実力はまさに折り紙付き。知的なアプローチと虚飾を排したクールなステージは、ピアノ・ファンからの評価も極めて高い。その彼女が演奏するプログラムがチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」というのも興味深い。古今東西のピアノ協奏曲の中でも最高の知名度と人気を誇るこの作品は、まさに初来日となる「BBC Proms」のオープニングに相応しい選曲だ。
2019年10月24日K-POPカルチャー創生の立役者であり、今なおメインストリームにいるSM ENTERTAINMENTが、テミン(SHINee)、ベクヒョンとカイ(EXO)、テヨンとマーク(NCT 127)、ルーカスとテン(WayV)という7人の精鋭メンバーを選出。「東洋と西洋のシナジーを引き上げることのできる新しいグループ」として生まれたのが、最強グループSuperM(スーパーエム)だ。彼らの初のリリース作となったミニアルバム『SuperM』が、アメリカのビルボードチャート「Billboard 200」と「Artist 100」を含む8のチャートで1位を記録した。SuperMはビルボードのメインチャートである「Billboard 200」と「artist 100」をはじめ、「Top Album Sales」「Digital Album」「World Album」「Top Current Album」「Internet Album」「World Digital Song Sales」の合計8つのチャートに1位を記録する成果を出した。特に「Billboard 200」でアジアのアーティストがデビューアルバムで1位を記録したのはSuperMが初めてであり、デビューと同時に大きな人気とインパクトを見せつけた。そしてCD売り上げ、ラジオ放送、ストリーミング及びSNSを通じたファンとのコミュニケーションなどを基準で毎週一番人気のあるアーティストをランキングする「Artist 100」チャートにも1位を記録してグローバルな人気を証明した。ビルボードは公式サイトを通じて「SyuperMが初のミニアルバムでBillboard 200アルバムチャートで1位を獲得」というタイトルで報道するとともに、「SueprMはビルボード「Artist 100」チャートにもランクインし、「アメリカ最高のミュージックグループである」タイトルを獲得した」と報道した。10月4日に全世界へ公開されたSuperM初のミニアルバム『SuperM』はタイトル曲『Jopping』の他『I Can’t Stand The Rain』『2 Fast』『Super Car』『No Manners』など多彩な色の5曲が収録されている。世界の注目を集めるSuperMのメンバーだが、日本国内でも精力的に活動しており、NCT 127は12月より「NCT 127 Arena Tour ‘NEO CITY : JAPAN - The Origin’」にて全国アリーナツアー予定。またEXOが日本オリジナルデジタルシングル『BIRD』を10月10日にリリースしている。【「NCT 127 Arena Tour ‘NEO CITY : JAPAN - The Origin’」チケット申し込み受付中】■ツアースケジュール2019年12月18日(水)[大阪]大阪城ホールOPEN 17:30 / START 18:302019年12月19日(木)[大阪]大阪城ホールOPEN 17:30 / START 18:302020年1月4日(土)[福岡]マリンメッセ福岡OPEN 16:00 / START 17:002020年1月5日(日)[福岡]マリンメッセ福岡OPEN 15:00 / START 16:002020年1月18日(土)[新潟]朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンターOPEN 16:00 / START 17:002020年2月22日(土)[東京]武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナOPEN 16:00 / START 17:002020年2月23日(日)[東京]武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナOPEN 15:00 / START 16:002020年2月24日(祝・月)[東京]武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナOPEN 15:00 / START 16:00※開場/開演時間は変更となる場合がございます。※出演メンバーは予告なく変更になる場合があります。予めご了承ください。※3歳以上有料、3歳未満入場不可■チケット料金全席指定¥10,500(税込)■枚数制限各公演おひとり様4枚まで【関連リンク】お申込み・詳細はこちら()【関連リンク】【EXO New Single『BIRD』好評配信中】()
2019年10月24日「東京の多彩で奥深い芸術文化を通して世界とつながること」を目指し、2016年から毎年秋に開催されている東京芸術祭。今年も国内外のさまざまな舞台芸術作品が池袋周辺の劇場を賑わせているなか、本日10月24日には東京芸術劇場 プレイハウスにて、ドイツの名門ベルリン・シャウビューネ劇場の『暴力の歴史』が開幕する。クリスマスイブのパリ。青年エドゥアールはアルジェリア系の男レダと知り合い、ベッドを共にする。しかし数時間後、自分のスマートフォンが無くなっていることに気付いたエドゥアールがそのことをなじると、レダは出自と両親への侮辱だと激怒し、エドゥアールをレイプする。翌朝、エドゥアールは警察、病院、そして田舎に暮らす姉クララのもとへ。このトラウマとなる一夜に対する多様な反応が、社会に厳然と存在するにもかかわらず容認され、黙殺され、再生産される暴力の形を明らかにしていく。フランス人作家エドゥアール・ルイの自伝的小説を原作に、1999年よりシャウビューネの芸術監督を務めるトーマス・オスターマイアーが、2018年に舞台化して話題を呼んだ作品。「すぐにでも劇場を後にしたいと思う」(現地新聞の劇評より)ような「混じり気のない息苦しさ」のあと、「終演した瞬間には総立ちの拍手が起こった」舞台とは、果たして……。文:町田麻子
2019年10月24日12月末に50作目の公開を控える『男はつらいよ』シリーズの人気作15作品がデジタル修復版で上映される。どの作品も映像や音質を公開時と同等かそれ以上に洗練させたバージョンで、日本中が愛した車寅次郎がスクリーンに帰還する。渥美清が主演を務める『男はつらいよ』は、テレビシリーズとしてスタートした後に映画館に活躍の場を移し、1969年に映画第1作目が公開になった。大ヒットを記録した本作は、山田洋次が全作品の原作と脚本を担当。数本を除いてほぼ全作を山田が自ら監督し、映画会社の人気シリーズになるだけでなく、日本のお正月や夏の風物詩として人々から愛されるようになった。渥美がこの世を去ったことでシリーズは終了したが、その人気は衰えることがなくビデオやDVD、テレビ放送での人気は現在も高い。誕生50周年を迎える2019年にシリーズ50作目『男はつらいよお帰り 寅さん』が公開されることが決まると大きな話題を集めた。今回の特集は、長い時間をかけて4Kデジタル修復された全49作の中から15作品をセレクト。公開時の映像や音響を再現するだけでなく、山田監督も驚くほどのクオリティで修復が行われたそうで、どの世代が観ても楽しめる映像で上映が行われる。そのほか、本シリーズは初のBlu-ray化、葛飾柴又寅さん記念館リニューアル、寅さんサミット、落語のスペシャルイベント、企業とのコレボレーションなど、様々な取り組み/プロジェクトが進行している。「男はつらいよ4Kデジタル修復版上映」10月25日(金)から11月7日(木)まで東京・角川シネマ有楽町11月22日(金)から12月5日(木)まで2020年1月10日(金)から1月23日(木)まで名古屋・ミッドランドスクエアシネマ大阪・なんばパークスシネマほか全国の劇場にて順次公開予定※2020年春以降、全49作(特別篇を含む)の4Kデジタル修復版上映も予定『男はつらいよお帰り 寅さん』12月27日(金)公開
2019年10月24日久保田利伸が明日10月25日、埼玉・大宮ソニックシティで全国ツアー「TOSHINOBU KUBOTA CONCERT TOUR 2019-2020 Beautiful People」の公演2日目を行う。抜群の歌唱力で長年に渡り人々の心を揺さぶり続けている、久保田利伸。本格的なブラックミュージックを日本に根付かせたその功績は大きい。その彼が11月に4年ぶりに発表するニューアルバムが『Beautiful People』である。本日の公演は、そのリリースに合わせて開催している全35公演のツアーの一環。内容は「人間賛歌」「女性賛歌」をメッセージとして掲げた新作に合わせたものになるだろう。もちろん数々の名曲も聴けるはずだ。久保田が全国公演を行うのも4年ぶりのこと。彼のファンキーなグルーヴを間近で体感して、ぜひ体を揺らしてほしい。■公演情報「TOSHINOBU KUBOTA CONCERT TOUR 2019-2020 Beautiful People」10月25日(金)埼玉県 大宮ソニックシティ 大ホール開場17:30/開演18:3011月29日(金)神奈川県 カルッツかわさき12月1日(日)千葉県 市川市文化会館 大ホール12月6日(金)大阪府 フェスティバルホール12月7日(土)大阪府 フェスティバルホール12月14日(土)愛知県 アイプラザ豊橋12月15日(日)三重県 四日市市文化会館12月20日(金)新潟県 新潟県民会館12月24日(火)東京都 東京国際フォーラム ホールA12月25日(水)東京都 東京国際フォーラム ホールA12月27日(金)岡山県 岡山市民会館12月28日(土)広島県 ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ(以下略)
2019年10月24日ヒュー・ジャックマンが主演する『Reminiscence』に、アジア系スターのダニエル・ウーが出演することになった。近未来を舞台にしたダークな恋愛映画で、ウーが演じるのはジャックマンの敵役らしい。ほかにレベッカ・ファーガソン、タンディ・ニュートンが出演する。監督はドラマ『ウエストワールド』のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるリサ・ジョイ。公開予定日は分かっていない。ウーはアメリカ生まれで、オレゴン大学を卒業しているが、香港の映画にも数多く出演してきた。最近作に『トゥームレイダー ファースト・ミッション』『ジオストーム』などがある。ジャックマンの最新作は、先月のトロント映画祭で上映された『BadEducation』。文=猿渡由紀
2019年10月23日理不尽な校則を題材にした青春ストーリー『ブラック校則』が、11月1日(金)より公開される。それに先駆けて、10月22日に、完成披露舞台挨拶が行われ、出演者の佐藤勝利、高橋海人、モトーラ世理奈、田中樹、箭内夢菜、堀田真由、そして菅原伸太郎監督が登壇した。「男女は1メートル以上離れる」「下着は白のみ着用可」「学校で歌謡曲を歌ってはならない」など、生徒を必要以上に縛り付ける“ブラック校則”。本当にそれは必要な教育なのか?映画『ブラック校則』は、不登校気味になっていたある女子生徒を救うため、そして本当の自由を手に入れるために、ブラックな校則と戦う高校生たちの姿を描く。壇上に立った主演の佐藤は、「今まで主演を演じてきたことはあるけれど、初めての単独主演作品が本作でとても嬉しいですし、学校の校則という側面だけでなく、社会的なメッセージも込められていて、高校生だけではなく、大人も楽しめる作品です!」、高橋は「(演じたのは)とてもふざける役どころで、僕自身が狙ってふざけたところを監督が笑ったときは嬉しくて!」と熱く語った。田中は「撮影のエピソードについては個人的に絶妙な思いがある」と真剣な面持ちで語り、「ドラマ1話の時に創楽につっかかるシーンがあって、そこで、監督に本当に嫌な奴に見えますねと褒められて……(笑)」と笑いを誘うと、菅原監督は「これは本当にすばらしいってことですよ!」と絶妙なキャッチボールを壇上でかわした。佐藤は、「(高橋・田中の)僕ら3人は同じ高校で、ほぼブラックで厳しかったですよね。校門で礼をしないと入れなくて……。礼に始まり礼に終わる高校でした」と本作に出てくる高校に似ている部分を語り、高橋は「高校が恋愛禁止で(笑)。生徒手帳に恋愛禁止って書いてあって本当に少女漫画の世界かよ!って。実はKing & Prince内でも恋愛禁止っていうのをリーダーの岸くんが決めたんです。これからずっと先、何十年、何百年、来世まで歩んでいくからこそ恋愛禁止にしようって、頼れるリーダーが(笑)」と、来場者の笑いを誘った。それに続き、モトーラは「母校でも地毛証明書があって、本作と一緒で茶色だから、出さないといけないんですけど……出しませんでした(笑)」と、まさに今回の役と同じ高校生活を送っていたことを告白。箭内は「職員室に入るときに学年・名前・〇〇先生に会いに来ました、入室してもいいですか?とたずねてましたね」、堀田は「高校では寮生活だったので、門限が厳しくて制服で出かけることが難しくて残念でしたね」とそれぞれの高校生活を語った。そして、「自身で校則を作るなら?」と司会にふられた佐藤は、「映画『ブラック校則』を絶対に観ないといけないという校則を作りますね(笑)」と会場を沸かせた。『ブラック校則』11月1日(金)公開※高橋海人の「高」は、はしご高が正式表記。
2019年10月23日ディズニー/ピクサー長編アニメーションを代表するシリーズ最新作『トイ・ストーリー4』の先行デジタル配信が、本日10月23日(水)から開始される。 この度、新キャラクターであるフォーキー誕生の瞬間までをとらえた、本編冒頭部分約8分のプレビュー映像が公開された。この映像では、新しい持ち主である、おもちゃが大好きな女の子ボニーのもとで、彼女を見守るウッディやバズたちの姿や、幼稚園で体験入園を経験するボニーのエピソードが切り取られている。ボニーを心配してリュックに忍び込んだウッディは、幼稚園でうまく打ち解けられないボニーを見かねて助け舟を出す。ウッディがゴミ箱から拾い上げた先割れスプーンやアイスの棒、紙粘土などの材料を使うことで、ボニーは新しいおもちゃ・フォーキーを作りあげる。果たして、この後ウッディやフォーキーにどんな冒険が待ち受けているのか?気になる本編の続きは先行デジタル配信で楽しめる。本作の監督を務めたジョシュ・クーリーは、フォーキーについて、「(企業に)製造されたものでないおもちゃを登場させたら?」「何をもっておもちゃとするか?」「それは命を有するか?」とジョークを言い合っている中で生まれたキャラクターだという。脚本家のアンドリュー・スタントンは「小さな紙ヒコーキを飛ばしたとしても、突然生命が宿るわけじゃない。そのおもちゃに感情や人間らしさが吹き込まれるということには、作り手のおもちゃに対しての特別な気持ちや、「自分の作った工作作品が“おもちゃ”になる」という想像を超えた感覚が生まれるからではないか?と思ったんだ」と、フォーキー誕生のきっかけを話している。製作スタッフたちによって、実際に先割れスプーンや、木の棒などの材料を集めて組み立てながら作り上げられたというフォーキー。まるで小さな子どものようなフォーキーの成長にも注目したい。『トイ・ストーリー4』10月23日(水)先行デジタル配信11月2日(土)MovieNEX(4,000円+税)、4K UHD MovieNEX(5,800円+税)、『トイ・ストーリー:4ムービー・コレクション(数量限定)』(13,000円+税)発売
2019年10月23日TEAM SHACHIが本日10月23日、名古屋・DIAMOND HALLで「TEAM SHACHI 1st Anniversary Live」をスタートさせる。愛知県出身・名古屋在住メンバーで結成されたTEAM SHACHIは、昨年末からチームしゃちほこから名義を変え、新体制で活動を展開している。今年は改名後初となるミニアルバム『TEAM SHACHI』のリリースを皮切りに、大型夏フェスへの出演やゲーム『ロックマン』とコラボした楽曲『Rocket Queen feat. MCU』の発表など話題が相次いだ。「TEAM SHACHI 1st Anniversary Live」は改名から1周年を記念した公演。先日新木場STUDIO COASTでのフリーライブ「60minutes!! TEAM SHACHI BAND Rocks You Away!」のパフォーマンスも好評を得ているだけに、この3日間の日程にも期待が高まる。本日は公演1日目、貴重なライブをぜひ体験してほしい。■公演情報「TEAM SHACHI 1st Anniversary Live」10月23日(水)名古屋・ DIAMOND HALL10月29日(火)東京・マイナビBLITZ赤坂10月30日(水)東京・LIQUIDROOM開場18:00/開演19:00(3日間ともに)
2019年10月23日OKAMOTO’Sのギタリスト・オカモトコウキが、本日10月23日にソロアルバム『GIRL』をリリースする。OKAMOTO’Sの楽曲でもボーカルをとることもあるオカモトコウキ。彼が自身の音楽活動10周年にあたり選択したのは、ソロライブとソロアルバムの制作であった。自身も「全ての楽器を演奏し、歌唱し、一人きりで作ったアルバムは、あまりに自分そのものなので自分で聴くとキミ、そんなだったのか~って感じでめっちゃ奇妙です。しかし、すごく自信作でもあります」とコメントを寄せている。すでにミュージックビデオが公開されている『LETTER』は素朴さとアーバンさが入り混じったサウンド。バンドとはまた一味違った、彼のオリジナリティに注目だ。■リリース情報オカモトコウキ『GIRL』10月23日発売収録曲01.I GOT LOVE02.それはマジック03.LETTER04.石鹸05.MORE06.PARTY IS OVER07.TEENAGER08.頭の中だけ俄然ポップ09.いつもこんな10.未来で会いましょう11.はやくかえりたい12.GIRL特設サイト: オカモトコウキ 1st ALBUM『GIRL』SPECIAL SITE()
2019年10月23日今を遡ること20年前の1999年。NHKのドキュメント番組によってにわかに巻き起こったフジコ・ヘミング現象は本当に凄かった。しかし、クラシック界を席巻したこのブームも、他の現象と同様、時の経過とともに忘れ去られてしまのではと思われた方も多いのではないだろうか。しかし20年を経過した今もフジコ・ヘミングは健在だ。それどころか、今も世界各地からリサイタルのオファーが届き、年間70回近くものコンサートをこなしているというのだから素晴らしい。そのフジコが、MDRライプツィヒ放送交響楽団と共演する。1923年に創設されたこのオーケストラの歴代指揮者には、古くはカール・シューリヒトやヘルマン・アーベントロートといった巨匠たち、そして近年においては、イタリアのファヴィオ・ルイージや、日本でもお馴染みの準・メルクルなどの名匠が名を連ね、現在はクリスチャン・ヤルヴィが音楽監督を務めるというドイツ屈指の名門だ。プログラムには、映画『みじかくも美しく燃え』に使われたことでも有名なモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番」のほか、“フジコの代名詞”と言えそうなリストの「ラ・カンパネラ」が用意されるなど、ファン必聴のステージに期待がかかる。もちろん注目の指揮者クリスチャン・ヤルヴィが手掛けるベートーヴェンの「交響曲第5番『運命』」やバッハ(メンデルスゾーン編曲)の管弦楽組曲にも興味津々。名曲名演奏に浸る素敵な時間が過ごせそうだ。●公演概要10月26日(土)神戸国際会館こくさいホール10月31日(木)神奈川県民ホール大ホール11月3日(日・祝)東京文化会館大ホール
2019年10月22日秋恒例のイベント「2019東京・中国映画週間」が今年も開催される。最新の中国映画をいち早くスクリーンで楽しめる特集で、会期中は豪華ゲストが多数来日。特別展示会やセレモニーも予定されており、様々な角度から中国映画の現在を堪能できる。日本と中国の友好関係をさらに深め、映画産業の交流や提携に貢献するために始まった本イベントは、日本だけでなく中国でも開催されており、それぞれの国の映画ファンが最新作を楽しみ、お互いの文化や暮らしについて親しみをもてるようにプログラムが組まれている。今年も東京都写真美術館ホールや有楽町朝日ホールで最新の中国映画を上映。地球壊滅の危機に瀕した人類の姿を壮大なスケールで描いた超大作『流転の地球』や、標高1万メートルで事故に遭遇した旅客機のドラマを実話を基に描く『高度一万メートルの奇跡』、中国歴代興行収入ランキング第2位を記録したアニメーション『ナタ~魔童降臨~』など話題作が集結する。中国の映画市場は驚異的なスピードで拡大しており、海外との共作も増え、歴代記録を塗り替えるようなメガヒット作が次々に登場している状況だ。そのスケールの拡大や進化は何度目かの“過渡期”にあり、世界の映画産業や作品の動向を俯瞰する上でも、本イベントは映画ファン必見の催しになりそうだ。2019東京・中国映画週間10月22日(火)から11月1日(金)まで東京都写真美術館ホールほか上映作品『ナタ~魔童降臨~』『流転の地球』『高度一万メートルの奇跡』『青雲~投げ出した人生の拾い方~』『影~ロスト・イン・ラブ~』『最高の夏、最高の私たち』『烈火英雄~戦士達に贈る物語~』『銀河学習塾』『完璧な他人~スマホが暴く秘密たち~』『越劇映画‐西廂記』開幕式&オープニング映画上映10月24日(木) 14:00東京都写真美術館ホール閉幕式&ゴールドクレイン賞授賞式クロージング映画上映10月29日(火)有楽町朝日ホール授賞式 15:00映画上映 17:30特別展示会「映画の旅」展10月28日(月)から11月1日(金)まで10:30~17:30中国文化センター10月28日(月)13:00~13:30※注意:ゲストや日程は一部変更になる場合がございます
2019年10月22日矢代静一や水上勉、そして近年ではマキノノゾミや永井愛らなど、1954年の結成以降、その時代を代表する劇作家たちと共に数々の舞台を創り上げてきた劇団青年座。創立65周年を迎えた今年は、ピュリツァー賞を受賞したリン・ノッテージの戯曲や、サラリーマンの肩書も持つ中村ノブアキの新作などを上演してきたが、10月23日(水)に東京・駅前劇場で幕を開けるのは、青年座では19年ぶりとなる松田正隆の書き下ろし『東京ストーリー』だ。物語に登場するのは、都内のとあるマンションに住む女性3人。大学で哲学を教える杉村佐知子。佐知子の姪で、バイトをしながらコントグループに所属する杉村彩芽。不動産屋に勤め、空き家を案内する梅崎奈々。そんな東京に生きる彼女たちの、どこか不安定で満たされない日常が、空き家を通して少しずつ変化していく様が描かれる。京都から東京に移住して7年という松田は「私の家からは練馬の風景が見えます。ここに住んでいる人たちとその周りの空間についての戯曲を書きたいと思いました。物語の“内容”というよりも、それを語る“場”のほうに興味がある」と明かす。さらに「たくさん人々が集う東京という都市には、無数の“おはなし”も集積している。日々、私たちの生活の中で生まれては消える“おしゃべり”やそれに伴なう“身ぶり”は、果てしのない出来事の構成要素。それらは、始まりがあり終わりがあるような一つの物語として統合されるストーリーではない。上演空間に身をおくようにして感じとることのできる、いくつもの“はなしの場”の感触を経験すること。これからの演劇の可能性はそこ(出来事としての空間)にあると思っています」とも。また今回、演出を担当する青年座の金澤菜乃英は「青年座で久々にお目見えする松田正隆氏の新作は、東京で生活する人々の縮図であり、家庭や職場で営まれる日常の連続です。その人がそこに存在することを考える日々。新しい挑戦に思える一方、芝居をすることの原点に帰る機会をいただけたと感じています」。近年は「マレビトの会」でのプロジェクト『長崎を上演する』『福島を上演する』などで、既成の価値観にとらわれない演劇を追求してきた松田正隆と、青年座最若手で新進気鋭の金澤菜乃英。ふたりがどんな空間を浮かび上がらせるのか、新たな“東京物語”を楽しみにしたい。文:伊藤由紀子
2019年10月22日『永守コレクション特別展示時空を超えたオルゴールの世界』が、10月23日(水)から10月29日(火)まで、日本橋髙島屋S.C.本館1階正面イベントスペースにて開催される。「永守コレクション」とは、公益財団法人 永守文化記念財団が所蔵する347点におよぶアンティークオルゴールのコレクション。同展では、そんな世界屈指の永守コレクションから選りすぐりの12点が特別に展示される。会場には、1880年代にスイスで制作され、曲を途切れなく長時間演奏するライティングデスク型のオルゴールや、1900年代にフランスで制作され、オートマタと呼ばれる西洋のからくり人形オルゴール、1960年代にドイツで制作された台車つきのストリートオルガンなど、貴重なクラシックオルゴールなどが並ぶ。期間中は、10月26日(土)を除いて毎日、展示オルゴールの一部を実演。実演時間は、11時、13時、15時からの3回で、実演時間以外ではオートマタの動きを映像で見ることができる。また、同会場には「日本電産サンキョーオルゴール記念館すわのね」の期間限定ショップがオープン。からくりオルゴールや、慶事にふさわしいオルゴール、イタリアンモダンカラーの象嵌細工を施したオルゴールなどの販売も行われる。永守コレクションが東京で公開されるのは初めてとなる。悠久の時を奏でるアンティークオルゴールの、心に触れる本格的な音を楽しんでほしい。【開催情報】『永守コレクション特別展示時空を超えたオルゴールの世界』10月23日(水)〜10月29日(火)まで日本橋髙島屋S.C.本館1階正面イベントスペースにて開催【関連リンク】日本橋髙島屋()
2019年10月22日“トーキョーノーザンライツフェスティバル 2017”で上映され好評を博したマッツ・ミケルセン主演作、『アダムズ・アップル』が現在公開中。本作は、とある教会を舞台に、奇妙な人間模様を描いた作品だ。本国デンマークで2005年4月に封切られると、その年のデンマークのアカデミー賞とも言われるロバート賞で作品賞、脚本賞、特殊効果/照明賞を受賞したのをはじめ、欧米の多くの映画祭で賞を獲得。世界中で人気の俳優ミケルセン主演の隠れた名作が、満を持しての日本公開となった。本作のメガホンを取ったのは、スザンネ・ビア監督の『しあわせな孤独』『真夜中のゆりかご』などの脚本を手がけてきたアナス・トマス・イェンセン。更生プログラムで田舎の教会へ送られた仮釈放中の男・アダムと、彼を迎える牧師・イヴァンを中心に、不条理なバイオレンス劇を展開させる。これは、旧約聖書『ヨブ記』と『アダムの林檎』の寓話をベースにした奇想天外な物語だ。『偽りなき者』で第65回カンヌ映画祭男優賞を受賞し、ハリウッドでも活躍するミケルセンが牧師のイヴァンを演じ、『悪童日記』などのウルリッヒ・トムセンが神も人も信じないアダムを演じる他、『しあわせな孤独』などのパプリカ・スティーン、そしてニコラス・ブロ、アリ・カジム、オーレ・テストルプらが出演。北欧の名優たちが顔を揃えている。過酷な試練に直面し、人生の道標を見失った人々。人は変わることができるのか?壊れた人生をやり直すことはできるのか?本当の希望とは何か?本当の幸せとは何なのか?そんな普遍的なテーマを、ユーモアとアイロニーを全編に漲らせている本作。“北欧の至宝”とも呼ばれる名優と鬼才のタッグが織り成す感動は、ぜひとも劇場でこそ体験していただきたい。『アダムズ・アップル』公開中
2019年10月22日「ぴあ」調査による2019年10月18日、19日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、アンジェリーナ・ジョリーが『眠れる森の美女』のヴィランを演じ大ヒットしたディズニー実写映画の続編『マレフィセント2』が第1位になった。前作では“邪悪な妖精”として恐れられていたマレフィセントの本当の姿が描かれたが、今作では、さまざまな試練を乗り越えて穏やかに暮らしていたマレフィセントとオーロラ姫の絆を引き裂く出来事が。そして再び人間界と妖精界の争いが起こる。上映後のアンケート調査では「ハラハラドキドキして面白かった!」(15歳)、「エル・ファニングの透明感とアンジェリーナ・ジョリーの演技が素晴らしかった」(21歳)、「子供と一緒に観にきたので、平和的に解決しているところがディズニーらしいなと思った」(46歳)、「“母の愛”が描かれていて見応えがあった」(50歳)、「新しい物語なので前作よりワクワクしながら観た。マレフィセントの人物背景がよりわかった」(52歳)などの声が寄せられた。またディズニー作品が好きと話す人たちからは「実写化すると世界観が崩れることが多いけれど『マレフィセント』はブレないところが好き」「ディズニー作品の楽しさや精神が実写になっても受け継がれていて、ファンタジーの見せ方や心の優しさを描いているのがよかった」などの声もあがった。さらに前作を観ていない人も「想像してない展開に驚いた。キャストの演技はさすがだなと思った」と好評。出口調査では2014年公開の『マレフィセント』の満足度89.9点を上回る点数を記録した。1位『マレフィセント2』93.4点2位『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』92.5点3位『ガリーボーイ』92.0点4位『世界から希望が消えたなら。』91.7点5位『フッド:ザ・ビギニング』87.9点6位『スペシャルアクターズ』84.7点7位『アダムズ・アップル』84.5点8位『駅までの道をおしえて』84.2点9位『楽園』76.6点(本ランキングは、10/18(金)、19(土)に公開された新作映画9本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年10月21日青田に囲まれたY字路で、ある日、少女がいなくなった。懸命な捜索も空しく、少女の行方は知れぬまま12年の時が経過。そして、またあのY字路で少女が姿を消したという。渦巻く疑念。噴き出す怒り。10月18日から公開の映画『楽園』は、孤独と喪失を抱えた人々の悲しみと一筋の光を描いたヒューマンサスペンスだ。少女失踪事件の容疑を向けられる青年・豪士〈たけし〉を、綾野剛が演じている。「豪士はずっと人の目を感じることなく生きてきたんだと思います。なぜなら、誰にも見つめられてこなかったから。人から見つめられないのは、存在しないのと同じ。だから、怒りも苦しみも何もなかったんだと思います」綾野が演じた豪士は、外国で生まれ育ち、母親と共に日本に渡ってきた移民だ。しかし、地域の生活に溶け込んではおらず、心許せる友達もいない。「村の人たちは誰も豪士のことなんて知らないし興味もない。豪士にとっては誰かと何かを比べることもできない状態です。比べる対象がいないから、愛とか不幸とか孤独を感じることもない。きっと自発的に“生きている”感覚はなかった。ただ“生かされている”という方が近いのかもしれません」そんな豪士を、見つめてくれる人がいた。「それが、少女失踪事件で消息を絶った愛華ちゃんと、その友人の紡〈つむぎ〉(杉咲花)です。見つめられることは、自分はここにいるんだという存在証明になる。12年前、誰にも見つめられたことのなかった豪士は、初めて愛華ちゃんに見つめられた。そして12年経って、今度は紡が見つめてくれた。ふたりに見つめられた瞬間だけ、ずっと“生かされている”だけだった豪士が“生きている”という気持ちになれたんだと思います」それは、ずっと暗がりを歩いてきた豪士にとって、一筋の光だった。「体温が上がってくる感じというか、自分の中にちゃんと血が流れているんだと体感できた。つまりそれは明日が来るということ。それこそが、豪士にとっての“楽園”だったんじゃないかという気がします」事件直前まで愛華と一緒にいた紡は、誰とも分かち合えない罪悪感を抱えたまま、12年の時を過ごしてきた。豪士は、愛華ちゃんがいなくなってからの12年を、どのように過ごしたのだろうか。そう尋ねると、綾野は間髪入れずに切り出した。「何も変わらないです。T字路で車から降りるシーンで、紡から『どこか行きたいですか?』と聞かれて、『どこへ行っても同じ』と答えるところがあります。あそこにすべてが込められていて。豪士も紡も、変化を選択していい人間じゃないと思って生きているんです。ふたりは圧倒的に底辺。だからこそ理解し合えた、愛華ちゃんという人物を通じて」私たちが生きる社会にも、豪士や紡のような人はいる。真面目に生きようとしているだけなのに、集団からはじき出されて、まるでいないものとして見なされている人が。そんな孤独の淵に立たされている人たちの存在に、私たちは気づいてあげなければならない、と綾野剛は声をあげる。「豪士だけじゃなく、紡も、佐藤浩市さんが演じた善次郎も、ただただ罵声を浴びせられて、それをひたすら受け止めているだけ。そういう人って身近にいると思うんです。だから僕は、まずそういう人たちの存在に気づいてあげたいし、抱きしめてあげたい。まっとうに生きている人たちが、誰からも見つめられていないと感じるなら、僕がその人を見つめてあげたい」抱きしめてあげたい。その言葉は、豪士を演じる上で重要なキーワードだった。劇中、一部、スタントを用いる危険なシーンが含まれているのだが、そのとき、綾野はスタントを務めるアクション部の俳優にこんなお願いをした。「手を広げて倒れるような、そういうお芝居はやめてください、とお願いしました。そうじゃなくて、自分のことを抱きしめてほしいと。ずっと誰からも抱きしめられなかった豪士だからこそ、あの瞬間だけはせめて自分で自分のことを抱きしめてあげてほしかったんです」そこまでひと息で明かしてから、自分で自分に注釈をつけるように、綾野はこう付け加えた。「とは言え、実際の僕は豪士の暮らしとは全然違う。それなりの生活をさせてもらっていますし、スポットライトも当ててもらっている。そんな自分が、彼らの代弁者になれるはずがないと。綺麗事なのだとも思います」俳優・綾野剛は、表舞台に立つ人間として、常に世の中から見つめられている存在だ。だから、見つめられたことのない人間の苦しみを、当事者として語ることはできない。その正直さに、綾野剛の思慮深い人柄が垣間見える。「自分が浴びている歓声が、ある日突然罵声に変わることがあるのもわかっている。想像するだけで身震いするほど怖い。でも、僕の場合は、それさえも全部エサだと思える。罵声も全部栄養。そう言い切れるだけ、僕は体質的に強いのかもしれません。欠落とも言える。同時に自分のように強くなれない人がたくさんいることはよくわかっています。だから強くない人がいたら、やっぱり僕は抱きしめたいです」本来の自分とはかけ離れた役だ。どう共感の接点を結び、役に近づいていくのか。その問いに、綾野は「僕は役に対して共感したことがない」と持論を述べた。「むしろ共感という感情は邪魔なんです。だって、それは綾野剛の主観でしかないから」では、綾野剛が役を生きるときに最も大切にしているものは何か。綾野の答えに、迷いはない。「自分がいちばんその役を愛してあげること。僕、これまでトータル3000人ぐらいは役で人を殺していますけど、それでも自分の演じる役を愛せなかったことはない。もちろん人を殺すこと自体は肯定できません。ちゃんといけないって否定する。その上で、愛する。それはもう共感を超えている」綾野剛は今や「この人が出ている作品は面白い」と映画ファンから信頼を寄せられる俳優のひとりだ。しかし、作品選びの基準は、基本的に「オファーが来た順」だという。それだけオープンな姿勢でいながら、刺激的な作品に次々と出演している理由はどこにあるのか。そこに見えるのは、綾野独特の感性だ。「台本を読んだときに、役に乗っかって生きた気持ちになれるものとなれないものがあります。僕は、生きた気持ちになれない台本に出演したいと思っています」読んでいて生きた気持ちになれる台本が、いい台本なんだと勝手に思い込んでいた。だからこそ、綾野の答えに意表を突かれた。「活字上で生きられたら、現場に行って何があるのよ、という話です。そうじゃなくて、台本を読んでも、これをどうやって生きたらいいのか見当もつかないぐらいの方が、いざ現場に行ったときに、ロケーションが共演者となって、いろんな発見をくれるんです」この映画もそうだった。ロケ地のY字路に立ったとき、綾野は「覚悟を決めさせられた」と振り返る。「誰が読んでも同じ芝居になる書かれ方をしている台本は、演じていて恥ずかしいんです。どう生きればいいかわからないからこそ、何をやっても正解になる。もっと言うと、答えを見つけることなんて大事じゃないんです。それよりも、監督とキャストとスタッフと一緒になって答えを紡いでいくことが、映画をつくることなんじゃないかと思います」本作では、陰惨な村社会の歪みがありありと描かれているが、決してこの閉塞感は地方都市に限ったことではない。フォーカスを広げれば、日本そのものが大きな村社会だ。同調圧力や集団心理による過剰な攻撃が、今を生きるすべての人たちを生きにくくさせている。この息苦しさから解放され、もっと伸びやかに呼吸をしていくために、今、必要なものは何だろうか。「美しいものを見る、ってことじゃないですか。たとえばですけど、最近いつ空を見上げました?」映画について語る熱っぽい言葉がふっとやわらぎ、綾野の声に優しく穏やかな風が吹いた。「曇っていてもいいんです。綾野剛に言われたなと思って、10秒ぐらい、ちゃんと空を見てみてください。『やあ、久々』って気分になりますよ。そしたらきっと空も『やあ、久々』って返してくれる。空は誰のことも平等に見つめてくれているんです。強い人も、強くない人も、人以外の生き物であっても、平等に。どんなに孤独でも、空は見つめてくれていることを忘れないことが大事なんじゃないでしょうか」インタビューを終えると、切れ長の瞳をくしゃりと綻ばせ、「ありがとうございます。またお願いします」と丁寧にお辞儀をして部屋を出た。クールなマスクとは対照的に、誠実な人だ。銀幕の中に生きる役はあくまでつくりものでしかない。それでも、綾野が命を吹き込むと、まるで本当に生きている人のように心を吸い寄せられてしまうのは、どこまでもまっすぐ向き合うこの誠実さにあるのかもしれない。撮影/奥田耕平取材・文/横川良明
2019年10月21日10月18日(金)から公開の映画『楽園』で少女失踪事件の容疑を向けられる青年・豪士〈たけし〉を演じた綾野剛さんのサイン入りチェキを1名様に!応募はぴあ(アプリ)にて10月29日(火)まで受付中。ぜひご応募下さい!お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=f1c4a016-5d64-4f9f-aa9b-b42150d62f1c)
2019年10月21日10月19日、20日の全国映画動員ランキングは、トップ10に新作が4本ランクインするも、『ジョーカー』(全国327館)が公開3週目も首位を守った。アンジェリーナ・ジョリーが主演を務め、『眠れる森の美女』に登場するヴィランを主人公にした『マレフィセント2』(全国369館)は初登場2位に。シリーズ16作目を迎えた『プリキュア』シリーズの劇場版『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』(全国231館)は初登場3位になった。ドラマ『GTO』や『君のまなざし』を手がけた赤羽博監督による感動の人間ドラマ『世界から希望が消えたなら。』(全国214館)は初登場4位になった。公開2週目の『最高の人生の見つけ方』(全国348館)は先週2位から5位になった。そのほか瀬々敬久監督が綾野剛の主演で吉田修一の『犯罪小説集』を映画化した『楽園』(全国297館)が初登場10位に入った。公開14週目の『天気の子』(全国368館)は初めてベスト10から姿を消した。次週は『108~海馬五郎の復讐と冒険~』『キミだけにモテたいんだ。』『冴えない彼女の育てかた Fine』『ジェミニマン』『超・少年探偵団NEO -Beginning-』『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』『ロイヤルコーギー レックスの大冒険』『ロボット2.0』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ジョーカー』2位『マレフィセント2』3位『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』4位『世界から希望が消えたなら。』5位『最高の人生の見つけ方』6位『記憶にございません!』7位『空の青さを知る人よ』8位『イエスタデイ』9位『HiGH&LOW THE WORST』10位『楽園』
2019年10月21日イタリアの名門「トリエステ・ヴェルディ歌劇場」が来日する。しかも演目はヴェルディの代表作にしてオペラ史上に燦然と輝く傑作『椿姫』なのだから申し分ない。同劇場の落成は1801年。名門ミラノ・スカラ座の設計者ピエルマリーニが設計に携わり、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場の設計者セルヴァが内装を手掛けた劇場は豪華絢爛。ヴェルディのオペラ『イル・コルサ−ロ』と『スティッフェーリオ』が初演されるなど、イタリア・オペラ界の巨星ヴェルディとの関係も深く、ヴェルディの死後その名を冠することが許された劇場として歴史にその名を刻む存在だ。今回の来日演目『椿姫』でのヒロイン、ヴィオレッタは、マリナ・レベカ、デジレ・ランカトーレなど、現在のオペラ界を代表するソプラノが演じる悲劇のヒロインは、どれも見逃せないはまり役だ。ヴィオレッタの恋人アルフレードにはジュリオ・ベッリグラとラモン・バルガスなど、これまた魅力的なテノールが登場するなど、注目ポイント満載のステージが目前だ。マリナ・レベカ●公演概要10月25日(金)愛知県芸術劇場大ホール10月26日(土)ザ・ヒロサワ・シティ会館大ホール10月27日(日)よこすか芸術劇場11月02日(土)、4日(月・祝)東京文化会館大ホール11月03日(日)高崎芸術劇場大劇場11月05日(火)練馬区立練馬文化センター大ホール(こぶしホール)11月09日(土)フェスティバルホール11月10日(日)三重県文化会館大ホール
2019年10月21日倉木麻衣が明日10月22日、大阪国際会議場メインホールで「20th Anniversary Mai Kuraki Live Project 2019 "Let’s GOAL!~薔薇色の人生~"」を開催する。倉木麻衣は1999年に『Love, Day After Tomorrow』にデビューしてから今年で20周年。8月の新作『Let’s GOAL! 〜薔薇色の人生〜』リリースをはじめ、アニバーサリーイヤーを駆け抜けている。「20th Anniversary Mai Kuraki Live Project 2019 "Let’s GOAL!~薔薇色の人生~"」は8月から全国15公演をめぐるツアーで、本日につづく26日の東京国際フォーラム ホールAの公演で千秋楽をむかえる。長年の歌手活動のなかで培われてきたすべてを注ぎ込んだ記念ライブも残り2公演。大阪、東京ともに見逃せないステージになりそうだ。■公演情報「20th Anniversary Mai Kuraki Live Project 2019 "Let’s GOAL!~薔薇色の人生~"」10月22日(火・祝)大阪国際会議場(グランキューブ大阪)メインホール開場17:00/開演18:0010月26日(土)東京国際フォーラム ホールA開場17:00/開演18:00
2019年10月21日おとな向け映画ガイド今週は公開ラッシュ! オススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/10/21(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は、なんと31本。最近ではみたことのない本数です。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『ジェミニマン』1本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が30本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。3本は、CG技術が突出したエンタテインメント作品。4本目は、それとは真逆、体を張ったといいますか、R18の日本製コメディ映画であります。『ジェミニマン』ウィル・スミスが「二役」を演じています。51歳の「史上最強のスナイパー」、ま、これは当たり前。もう一役は23歳の「クローン」です。若い方は、特殊メイクではなく、実際にスミスが演じた上でCG処理をし、新しいキャラクターを作り出したとのこと。まさに映像上のクローンです。それが全然不自然じゃない。これまで観たCGは何か違和感を覚えたものですが、それがありません。恐竜たちがスクリーンせましと駆け回った『ジュラシック・パーク』以来の映像革命。いよいよそういう時代になったかと驚嘆しました。スミスが扮するスナイパー(狙撃手)の、ゴルゴ13のような凄腕ぶりが冒頭にでてきます。このエピソードだけでも見応えがあります。ちょっとしたミスがあり、職人肌の彼は引退を決めるのですが、政府の秘密組織から追われることに。知りすぎた奴は消せ、というわけです。最初に送りこまれたスナイパーが、若い彼自身のクローン。政府は、彼の並外れた殺傷能力に目をつけ、こっそりDNAを採取し、軍事用クローン人間を秘密裏に完成させていたのでした。不思議な感覚でしょうね。姿かたちは若い頃と同じ。食などの嗜好、くせ、思考回路も同じ、すごい奴が目の前にいるんです。監督は巨匠アン・リー。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどのヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマーが製作を担当しています。彼が採用したのは、最新鋭のCGだけではなく、最も立体感のある3D技術(3D+in HFR)です。普通の映画のコマ数の2.5倍。この臨場感はこれまで経験したことのないもの。この映画こそ、3Dで観るべき作品です。『ロボット2.0』いやあ、こってりしています。ギトギトのラーメンのようなくせになる魅力。強烈な男くささいっぱいのおじさんロボットが大暴れした、あのインド映画『ロボット』の続編です。タイトルバックから異常な長さです。日本のホンダとか、協力企業のクレジットだって最初にバーンと出します。舞台はたぶん近未来のインド。町から突然、スマホが消える。通話している途中で、何者かに吸い寄せられるように空中高くどんどん飛んでいくのです。当然パニック状態。今やスマホなしでは生活が成り立ちません。しかもスマホは合体し、怪鳥となって町の破壊を始めます。政府にこの怪事件解決の協力を求められたロボット工学の専門家バシー博士は、チッティを復活させるしかないと助言するのですが……。チッティ、前作で暴走の限りを尽くしたロボット。確か解体を命じられ、自らの手で分解。博物館に展示されていたはず。それが博士の力で蘇り、超弩級の破壊アクションがまた、始まります。やや現代的なテーマも背景にあり、悪漢がやっつけられるのを一方的に楽しめませんが、着想がすごい。これでもかとクライマックスがずっと続くし、もちろん歌と踊りも盛り盛り入って145分。おかわりはいりません。満腹まちがいなしです。『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』久しぶりの戦争痛快アクションです。しかもロシア製。ナチスの戦車軍団に立ち向かう、ロシアの命知らずの男たちと、戦車T-34の物語です。第2次大戦中。食料運搬の軍務から人材不足で戦車長を任されたロシア軍将校が1台のT-34で敵の機甲師団に大善戦。しかし捕虜となってしまいます。彼の活躍を覚えていたナチスの隊長は、自軍の戦車隊の訓練演習のため、彼とその部下たちに、標的となって、砲弾を持たずただ逃げまわる役を命じます。戦場で回収されたT-34が与えられ、演習が始まるのですが……。チャンバラや西部劇などのテイストです。敵はナチスですが、相手の武勇を認めるサムライのような軍人。こいつと戦ってみたい、的なスピリットを持っています。対するロシア軍将校も、スティーブ・マックィーンのような不敵な男。それに応え、戦車を自在にあやつり、まるでガンファイトのように戦います。彼は彼で、なんとかこのチャンスに大脱走を、と企てていたのです。大戦後保存されていたロシアの戦車T-34の実物が撮影に使われています。そこから発射される大きな砲弾が、まるで『マトリックス』の銃弾のように、スローモーションで弾道を描きます。VFX(視覚効果)は、『バーフバリ 王の帰還』を手がけたFilm Direction FXを筆頭にロシアのチームが担当。戦車が片輪走行し、ドリフト旋回、まるで生き物のように動き回ります。カメラは戦車内部にも取り付けられ、これもリアリティある映像を生み出しています。四の五の言わず楽しんでくれ、というロシアン・エンタテインメントです。『108~海馬五郎の復讐と冒険~』昔風にいうと艶笑コメディというやつですが、これがすこぶる面白いのです。「大人計画」松尾スズキの監督・脚本・主演作。松尾扮する人気脚本家 海馬五郎が妻の浮気を知り、その復讐に108人の女性を抱くことを考えつく、といった破天荒な話。この手の日本映画はディテールなどがたいてい寒く、のれないのですが、さすが、松尾スズキ。小さなセリフや細かい演出が面白いんです。50代夫婦の危機とか、親のこと、仕事のこと、そのあたりのリアリティも感じられます。決して「やりまくり」映画というだけではありません。海馬がいま手掛けている舞台は、ミュージカル『踊る精神科病院』。そのオーディションに落ちた女優から「これ多分奥さんですよね」と突きつけられたSNS。それは自分の知らない妻のアカウントで、コンテンポラリーダンサーと浮気しているという告白がつづられていたのです。友人から離婚すると資産の半分は妻に渡すことになると聞き、逆上した海馬は、妻がダンサーのおっかけで旅行にでかけている間に、貯金1000万円を女で使い切ると宣言します。妻役は中山美穂です。海馬の妹で、イタリアンレストランのオーナーシェフに坂井真紀、友人役に秋山菜津子、劇団ハイバイの岩井秀人。特に、秋山さんは海馬のセフレ、という役どころ。紀伊国屋演劇賞を2度もとったことをひけらかす女優役です。実際に数々の演劇賞を受賞したベテラン。楽しんでやっている感じですが、素敵です。すごいシーンもあり、まさに体張ってます。
2019年10月21日『アラジン』や『ダンボ』などなど、ディズニークラシック作品の実写化企画が続くなか、ついにこのジャンルにおいて続編作品が作られた。『眠れる森の美女』を基にした『マレフィセント2』である。前作『マレフィセント』は、実写化ブームの火付け役となった作品のひとつ。『眠れる森の美女』に登場するマレフィセントは、その風貌と邪悪さから、ディズニーヴィランズ(悪者たち)のなかでも最もおそれられているキャラクター。そこでアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎え、おとぎ話のなかで悪役だと思われているマレフィセントのイメージをひっくり返していく内容が話題となり、大ヒットを果たした。凶悪な美しさを誇るマレフィセントは、一見すると冷たく感じるが、じつは誰よりも、“眠れる森の美女”オーロラ姫のことを保護者の目線で親身に想っている。今回のストーリーは、おとぎ話同様に、永遠の眠りから目覚めたオーロラ姫が、フィリップ王子のプロポーズを受け入れたとき、妖精界を滅ぼそうとする恐るべき罠が動き出すという内容。結婚式の日、危機が迫ったオーロラ姫を救うため、マレフィセントの愛が試される。『眠れる森の美女』では、マレフィセントの陰謀が打ち破られ、オーロラ姫がフィリップ王子と結ばれてハッピーエンドを迎える。本作も、マレフィセントがふたりの結婚を邪魔しようとするところは同じだ。しかしその裏には、結婚をめぐる罠からオーロラ姫を助けようとするマレフィセントの優しい心があったという逆転が面白いところ。それは、“理想の王子様と一緒になってめでたしめでたし”という、古くから信じられてきた女性の幸せのかたちへの疑問を呈する意味も持たせられているのかもしれない。多様性が重要視されてきているいま、新しい世代へ向けた、おとぎ話の現代的解釈にも注目してほしい。『マレフィセント2』公開中
2019年10月20日井上陽水が本日10月20日、東京・東京国際フォーラム ホールAで「井上陽水 50周年記念ライブツアー『光陰矢の如し』~少年老い易く 学成り難し~」を開催する。1969年のデビューから今年で50周年となる井上陽水。11月27日には細野晴臣、宇多田ヒカル、椎名林檎、槇原敬之、福山雅治ら豪華アーティストたちによるトリビュート作品『井上陽水トリビュート』のリリースも決定している。本日の公演は今春からスタートしたライブツアーの一環。当公演では懐かしい曲から最近の楽曲まで、誰もが楽しめるセットリストになるだろう。当ツアーの東京公演は本日が最後。この記念すべき公演をお見逃しなく。■公演情報「井上陽水 50周年記念ライブツアー『光陰矢の如し』~少年老い易く 学成り難し~」日時:10月20日(日)開場17:00/開演18:00場所:東京・東京国際フォーラム ホールA
2019年10月20日