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PR(#)『MANIFEST/マニフェスト』公式サイト/SNS公式サイト() Twitter() Facebook()(c) Warner Bros. Entertainment Inc.ロバート・ゼメキスら豪華製作陣がおくる話題作が「スーパー!ドラマTV」にて10月15日(火)独占日本初放送!乗員乗客191名を乗せて突如消息を絶った旅客機が辿り着いた先は5年半後の未来だった……。人気ドラマ『LOST』を彷彿とさせる不可思議な出来事が次々に起こり、回を追ごとに驚きの展開が待ち受ける2018年アメリカ新作ドラマ視聴率No.1を獲得した(※米ニールセン調べ)『MANIFEST/マニフェスト』が、ついに日本初上陸!製作陣に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ/一期一会』などの名作を手掛けたロバート・ゼメキスらヒットメーカーが名を連ねており、アメリカでは高視聴率を記録。既にシーズン2の継続も決まっている。次々と予想外の展開が待ち受けるSFミステリーの要素に加え、空白の5年半の間に起こった登場人物たちの“悩み”や“葛藤”など 一筋縄ではいかない人間ドラマにも注目したい。赤ペン瀧川先生の5分で分かる『MANIFEST/マニフェスト』映画ライター・村山章氏が解説! ぴあ独占試写会レポート タイムカプセル郵便とのコラボレーション() が実現! 会場には投函ポストが設置され、参加者各々が5年後の自分や大切な人への手紙を宛てた。ただ、5年半後の人間関係がいろいろと変化している本作を見ると、誰に送るかは慎重に考えたほうがいいかも⁉■タイムカプセル郵便とは?お客様ご自身が自分・大切な人に手紙を書いていただき、未来の指定する日に、未来の指定する場所に届くよう、お手紙を管理・差し出すサービスです。お手紙は、内閣総理大臣認定の公益財団法人日本郵趣協会が大切に保管し、お届けの指定日に合わせ、差し出します。配達は、日本郵便株式会社が行います。第1話をひと足早く観た映画ファンたちの声をお届け!試写会後のアンケートでは、なんと98%が「早く続きが観たい!」と回答。5年半という歳月によって変化してしまう家族や恋人との人間関係も気になる本作だが、特に参加者たちの注目を集めたのが、NY市警刑事でいろいろ訳アリの過去がありそうなミカエラ!元恋人との関係性や不可解な出来事の真相など気になる“その後”はぜひ、10月15日から始まるスーパー!ドラマTVでの放送をチェックしていただきたい。試写会参加者たちの声をPICK UP!個々の環境の変化がとてもリアル!共感する部分が多かった登場人物たちのそれぞれの今後が気になりますし、個々の環境の変化がとてもリアルに感じ取れました。個人的には、物凄くいろいろと考えさせられるストーリーでした。自分の生い立ちの中で発生してきた(形成された心理等)感情が刺激され、共感する部分も多かった。そして、不思議な感覚でしたが、癒されて涙が出てくるシーンもありました。毎週(火)!絶対見ます!楽しみです。(48歳・女性)伏線がどう回収されていくか楽しみ!森川智之さんの吹替えにも期待!!家族の秘密を知ることになる展開、各々問題を抱えた妹や息子との関係がとても楽しみです。モンテゴ航空828便の“828”の数字や全てが伏線になっているような1話で、大きな時間の謎、個々の人生の物語、これからどう回収されていくのか楽しみです。個人的にはベン役の森川智之さんの吹替にとても期待しているので放送が待ち遠しいです!(女性)登場人物の今後に注目! 続きが気になった!全体的に続きが気になった!救われてほしい白血病のカル、医学生のサンビには頑張ってほしい!“声”が聞こえるベン、ミカエラの今後にも注目したい!(26歳・男性)不思議な力は何なのか?続きが楽しみです!これからも同じ不思議な力で事件を解決していくんだろうということと、この不思議な力は何なのか楽しみ。タイムトラベルもの大好きなのでとても面白かったです。結末もちゃんとあるということで続きが楽しみです。(55歳・女性)ドキドキしっぱなしで本当に面白かった!本当に先が読めず、ドキドキしっぱなしで本当に面白かった。あと、5年いない間に環境が変わっていくというのが、本当に恐ろしく人間って弱いものだというのを思い知らされた気がする。COCCOの歌を思い出した。とにかく続きが見たい。(49歳・男性)1話1話丁寧に作られていて早く続きが観たい!1話1話ていねいに作られているのかなと、今回観て思ったので続きを早く観たいと思いました。トークもとても面白かったです!(25歳・男性)5年半経つと人の気持ちも変わってしまう⁉ 続きが気になる!とっても面白かったです。続きが気になります!5年半も経つと人の気持ちは変わってしまうんだなと思いました。今現在とても大切な愛している人でもその人がいなくなると愛も薄れてしまうんですね…。(44歳・女性)
2019年10月11日“現代最高のベートーヴェン弾き”の称号がこれほどふさわしい男は他にいないだろう。近年のシフの充実した活動ぶりはまさに飛ぶ鳥を落とすような勢いだ。特に近年心血を注いで取り組んできたベートーヴェン演奏に於いては、多くのジャーナリストやファンを納得させる圧倒的な説得力がここにある。そのシフが、自ら創設した「カペラ・アンドレア・バルカ」を率いてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏会を2日間に渡って開催するとなればこれは聴き逃がせない。シフの演奏はもちろんだが、彼が弾き振りを行うオーケストラの顔ぶれが凄い。かつてザルツブルク・「モーツァルト週間」で行われたモーツァルト・ピアノ協奏曲全曲演奏会での成功をきっかけに、シフの想いに共感して集まった腕利き軍団の演奏とはいったいどれほどのものなのか。その気概が炸裂するベートーヴェンには大いに期待したいところだ。公演は、プログラムA:1番&5番「皇帝」(11月8日:東京オペラシティ/11月10日:いずみホール)。そしてプログラムB:2番3番4番(11月7日:東京オペラシティ/11月9日:いずみホール)。どちらにするか実に悩ましい選択になりそうだ。●公演概要11月7日(木)、8日(金)東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル11月9日(土)、10日(日) いずみホール●サー・アンドラーシュ・シフ(ピアノ/指揮)1953年、ハンガリーのブダペスト生まれ。5歳からエリザベス・ヴァダスの下でピアノを始め、その後フランツ・リスト音楽院でパール・カドシャ、ジェルジ・クルターク、フェレンツ・ラードシュらに学び、さらにロンドンでジョージ・マルコムに師事した。シフの活動の大半はJ. S. バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパン、シューマン、バルトークなどの主要な鍵盤作品によるリサイタルや全曲演奏会である。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲によるリサイタルは2004年から行っており、今では20都市にのぼる。チューリヒ・トーンハレで行われた同プログラムはライヴ・レコーディングされている。最新盤は、ECMレーベルから2015年4月にリリースされたシューベルトの後期ピアノ作品集。このディスクは、シフが所蔵する1820年ウィーン製のフランツ・ブロードマンのフォルテピアノを弾いて録音したもので、ICMA賞(国際クラシック音楽賞)の独奏器楽部門においてレコーディング・オブ・ザ・イヤーを受賞した。シフが同賞を授与されたのは、2012年リリースのアルバム『シューマン:精霊の主題による変奏曲』(ECM)以来、二度目となる。世界の一流オーケストラや指揮者の大多数と共演してきたが、近年はピアノを弾きながら自らオーケストラを指揮する弾き振りの活動に力点を置いている。1999年には自身の室内楽オーケストラ、カペラ・アンドレア・バルカを創設、メンバーには国際的なソリストや室内楽奏者、友人たちが加わっている。このほかに毎年ヨーロッパ室内管弦楽団も弾き振りしている。幼少の頃から室内楽に親しみ、1989年から1998年まで、ザルツブルク近郊の、国際的にも評価の高いモントゼー音楽週間の芸術監督を務めた。また1995年にハインツ・ホリガーとともに、スイスのカルタウス・イッティンゲンでイッティンガー聖霊降臨祭音楽祭を創設。1998年にも「パラディオへのオマージュ」と名づけた同様のシリーズをヴィチェンツァのテアトロ・オリンピコでスタートさせた。受賞歴も数多い。2006年、ベートーヴェン作品の演奏における業績を称えられ、ボンのベートーヴェン・ハウスの名誉会員に選ばれた。2008年にはウィグモア・ホールでの30年にわたる音楽活動が評価され、ウィグモア・ホール・メダルを贈られた。2009年、オックスフォード大学のベリオール・カレッジの特別研究員に選出されている。2011年、ツヴィッカウ市よりシューマン賞を受賞。2012年、国際モーツァルテウム財団よりゴールデン・モーツァルト・メダルを授与され、プール・ル・メリット勲章ならびにドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字星章を受章。同年、ウィーン・コンツェルトハウスの名誉会員にも選ばれた。2013年12月、ロイヤル・ フィルハーモニック協会よりゴールド・メダルを贈られた。2014年7月にはリーズ大学より名誉音楽博士号を授与されている。2011年の春、シフは近年のハンガリー政府のメディア法に反対を表明して注目を集め、ハンガリーのナショナリストたちから相次いで攻撃を受けたことから、今後、祖国では演奏を行わないと表明している。2014年6月、エリザベス女王の公式誕生日を記念する叙勲名簿の発表に際し、英国よりナイト爵位を授与された。●カペラ・アンドレア・バルカ室内オーケストラ「カペラ・アンドレア・バルカ」のメンバーは、普段はソリスト・室内楽奏者として世界的に活躍している音楽家たちであり、いかなる常設オーケストラにも所属していない。彼らは、ザルツブルクの音楽祭「モーツァルト週間」で1999年から2005年にかけて行われたモーツァルトのピアノ協奏曲全曲演奏会のために、サー・アンドラーシュ・シフが直々に出演を依頼した者たちである。以来、カペラ・アンドレア・バルカは、モーツァルト週間から定期的に招かれ演奏している。シフの指揮のもと、カペラ・アンドレア・バルカは徐々にその活動の場を広げてきた。1999年からはイタリアのヴィチェンツァにあるオリンピコ劇場でオマッジョ・ア・パッラーディオ音楽祭を主宰しており、2001年には同地でモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》の公演にも3度参加した。並行して2004年から2007年まで、ワイマール芸術祭にも客演している。ヨーロッパ・ツアーにも積極的にのぞみ、ウィーン、インスブルック、チューリッヒ、バーゼル、ジュネーヴ、アテネ、ブリュッセル、ルクセンブルク、ケルン、エッセン、フランクフルト、ブレーメン、バーデン=バーデン、ブダペスト、リスボンなどを訪れている。モーツァルトの生誕250年にあたる2006年には2度のツアーを実現させ、ニューヨークのカーネギー・ホール(3公演)、リンカーン・センター、ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ・センターで公演を行った。さらに2008年と2010年には、ボン・ベートーヴェン音楽祭(ベートーヴェン・フェスト)にも出演している。2012年、ルツェルン・フェスティバルにてJ.S.バッハの《ミサ曲 ロ短調》を演奏し絶賛された。2014年春には、シフの指揮、バルタザール=ノイマン合唱団との共演で、ベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》を演奏。2014年と2015年には、シュヴァルツェンベルク(オーストリア)のシューベルティアーデでシューベルト・ツィクルスに参加。2016年にはシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭とラインガウ音楽祭、2017年にはソメ・ミュジコ・ド・グシュタード音楽祭から招かれている。カペラ・アンドレア・バルカを率いるサー・アンドラーシュ・シフが志向しているのは、メンバーたちがソリスト・室内楽奏者としての能力を最大限に発揮できるアンサンブルであるが、それは多くの一流オーケストラが直面している課題である。「私が指揮者として目指しているのは、“室内楽の延長”です。カペラは室内楽に長けた卓越したソリストたちから成る室内アンサンブルです。カペラには、弦楽四重奏団のメンバーたちが多数参加していますが、弦楽四重奏こそ、演奏芸術の極みに至ることのできるジャンルです。」さらにサー・アンドラーシュ・シフは、メンバーたちの人間性も重視している。「ここには自分本位な者のための居場所はありません。このアンサンブルの土台は、友情、相互理解、平等、そして美学的・音楽的・人間的な理想なのです。」
2019年10月11日是枝裕和監督の最新作『真実』が公開になる。本作は是枝監督がフランスに渡り、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークらをキャストに迎え、初めて組む外国のスタッフと制作にあたった作品で、是枝監督がおし進めてきた“自身をオープンにして、壊して、さらに先へ進む”映画づくりの延長線上にある1作になった。1995年に映画監督として歩きだした是枝監督はある時期から自分ひとりで緻密に考えて創作にあたるのではなく、自分を開いて、予期せぬ出会いや、不安定な要素を意図的に作品に取り込んできた。そのきっかけのひとつは、2011年公開の『奇跡』だという。「あの時に“新幹線で何か映画を”って依頼を受けて(『奇跡』は同年春に九州新幹線が全線開通したことを機に企画された)、最初はこういうのもひとつの手かな、ぐらいの感覚だったんですけど、実際にやってみたらとても面白かったんですよ。もちろん惰性でつくってきたわけではないですけど、どうすれば自分が新鮮でいられるかは考えますし、ずっとオリジナルでやっていると自分が描ける人間や世界が何となくわかってくる。その状況を壊すにはどうしよう? と思ったりはします」偶然か必然か『奇跡』が完成した後に是枝監督はフランス人女優ジュリエット・ビノシュから“何か一緒に映画を撮りませんか?”と提案を受けた。「社交辞令よりはもう少し強い感じで、その頃(彼女には)日本で撮りたい企画があったみたいなんだけど、それには乗っからずにかわしつつ(笑)どうせやるならフランスに行って撮りたかった。自分の制作の環境を変えてみようかなという気持ちがありました」その後も是枝監督の“意図的な変化”は続いていった。福山雅治をキャストに迎えた『そして父になる』、吉田秋生のコミックを原作にした『海街diary』、名優・役所広司と対峙しながら完成直前まで苦しみ抜いて制作にあたった『三度目の殺人』、そして女優・安藤サクラ、撮影監督・近藤龍人から多大な刺激を受けた『万引き家族』……その間もフランスで新作を撮る構想が消えることはなかったようだ。是枝監督は「いつだったか忘れてしまいましたけど、フランス映画祭で来日していたフランソワ・オゾンに“君はフランスで撮っても成功すると思うよ”って言われて……真に受けちゃったって感じです」と笑みを浮かべる。映画『真実』の舞台はパリ。自伝『真実』の出版を控える大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)のもとに、アメリカで脚本家として活動している娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)、その夫でテレビ俳優のハンク(イーサン・ホーク)、ふたりの娘シャルロット(クレモンティーヌ・グルニエ)がやってくる。3人は自伝出版を祝うためにやってきたが、本を読んだリュミールはそこに“真実”が書かれていないことから母と衝突。さらにファビエンヌを支えていた秘書が職を辞してしまい、母と娘はいつも行動を共にすることに。長年に渡ってそれぞれが蓄積してきた不満、言えなかった想い、ウソ、演技、秘密、そして真実が家族の間を行き交う。「最初からこの映画をフランス映画にしなきゃという強迫観念はなかったので“いつもやっている形をフランスで”が基本」と是枝監督は振り返る。しかし、完成した映画はこれまでの是枝作品とリズム、語り口、映像的な視点が大きく変化している。「今回の映画ではこれまでの作品よりは人間と人間を“衝突”させているんです。日本人なら語らずに“…”だろうなという場面でも今回はセリフの数を少し多くして衝突させた方が自然だろうと考えて脚本を書いてます。それに日本語だと主語を省略したりしますけど、日本語からフランス語に翻訳する際に主語を戻して、時制も統一して……すごく言葉の数が増えるんですよ。ただ、カトリーヌ・ドヌーヴはすごく早口で、他の女優よりも同じ秒数で多くの言葉をリズミカルに音楽的にしゃべることができる。だからこのリズムは生かそうと思って撮影していきました。大変だったのは編集で、撮影中に“これがOKテイクだな”というのはほぼ間違えずにジャッジできたと思いますし、ドヌーヴとビノシュは演技の組み立て方も、どのテイクで演技のピークがくるかも違うのでその見極めは丁寧にやったつもりですけど、そのテイクを編集で切り取っていくと、これが本当にベストだったのか、カットが変わるのは本当にこのタイミングでいいのか……編集の段階で改めて全部ジャッジしなおすことになりました。日本語でも“この言葉の途中でカットが変わると気持ち悪い”ってことがあると思うんですけど、僕はフランスの文法がわからないから、監督助手と通訳の方に観てもらいながら修正していって……そこでも映画のリズムは変化したんだと思います」そして何よりも大きな変化は撮影に名手エリック・ゴーティエを招いたことだ。オリヴィエ・アサイヤス、アルノー・デプレシャン、レオス・カラックスらの作品を手がけ、近年はジャ・ジャンクーやアモス・ギタイなど海外の映画作家ともタッグを組む現代の映画界を代表する撮影監督のひとりだ。「エリック・ゴーティエの力は大きいですよね。言葉が通じないので、こちらの意図を伝えるために事前に画コンテを描いて渡してあって、彼はコピーを台本に貼って現場に来てくれたんですけど、芝居を見た後に“カメラをこうやって動かすと、この3カットはひと続きに撮れる”って。確かに日本家屋でそこまでカメラを動かしたら少し気になりそうなところが、まったくそんなことはなくて、カメラを切り返していないのに、ワンカットの中でカメラを切り返しているような画になっていて……これはすごいなと(笑)。だから、ある段階からそこは任せてしまいましたし、結果としてカット数がどんどん減っていったんです。だから今回は画家で言うなら“筆”を変えてみようという感覚ですよね」国が変わり、俳優が変わり、言語が変わって編集のリズムが変わり、撮影監督によって“映画の語り”も変わった。「自分としては変わらない自分なんてなくてもいいと思ってやっていますし、カメラマンが変わるだけでこんなにも文体が変わるのか、など新しい出会いを新鮮に受け止めている感じです。だからこの先、どうやっていくかですよね。この映画もまだ“ファミリードラマ”の枠組みはあるわけで、それをとっぱらった時に何が残るのか? どこまで行けるだろう……ってほどの道を歩いているとは思わないですけど(笑)、次に一体、何を壊したら何が残るんだろう? それでも壊しきれないものは一体、何なのだろう? ってことは考えますよね」映画監督の中にはキャリアをかけて、自覚的にひとつのテーマを追求する人もいるが、是枝監督は意図的に“縛り”や“固定化”を避け、変化し、スクラップ&ビルドを繰り返して“変化し尽くしても変化しないもの”を見つけようとしており、その流れの中に本作もある。この映画は海外で撮った“特別編”でも、外国で活動するための“足がかり”でもないのだ。「そうです。僕の中ではこの映画は『万引き家族』よりも“真ん中”にある映画で、何年か経って振り返った時に“あそこで変化があったんだな”と思えるのはこの映画なんじゃないかと思っています。次へ向かう方向性を決めている作品。でも、それがどちらに向かっているかは……まだわからないんです(笑)」『真実』公開中
2019年10月11日アジア初のドキュメンタリー映画祭としてスタートした<山形国際ドキュメンタリー映画祭2019>(以後ヤマガタ)が10日開幕した。1989年から2年に1度の隔年で開催され、いまでは世界の映画人と人とが集うドキュメンタリー映画の祭典に。昨年8月には、米国アカデミー賞の公認映画祭に認定された。16回目となる今回は記念すべき30周年となる。この日の開会式は、世界から集まった来日ゲストや映画関係者、観客を合わせ、400人を超える人々が集まり会場は大盛況。まず、山形交響楽団金管8重奏の演奏とともに、これまでヤマガタに来場した監督たちの映像をスライドショーで上映。レナード・バーンスタインの『ウエストサイド物語』やエンニオ・モリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス』などの演奏にのせながら、フレデリック・ワイズマン、ペドロ・コスタ、原一男ら名だたる映画作家たちの姿が次々と映し出され、映画祭30年の歩みを振り返った。そして迎えたオープニング上映は、今年1月に死去した詩人で伝説の映画監督であるジョナス・メカスの作品『富士山への道すがら、わたしが見たものは…』の16ミリフィルムを追悼上映。本作には、1991年にメカス監督が山形を訪れた際の映像が収められている。上映前に、メカス監督が山形を訪れた際、案内役を務めた農業詩人の木村迪夫さんが登壇。当時、行われたシンポジウムでのメカス監督とのエピソードを語った。木村さんはメカス監督との対話で印象に残っていることが3点あるとのこと。1つ目は故郷についてのことで、「メカスさんはリトアニアの小さな村で暮らしていたが、悪いことがひとつもなかったという。愉しいこと、美しいことでいっぱいだったと言っていた。対して、自分は戦争で父と叔父をなくし、貧困の中で育った。周囲からは貧しいということで蔑まれたりと、悲しい思い出しかない。いつか村の人たちを見返してやると反逆の精神があった。だから、故郷をそう思えるメカスさんがうらやましかった」と明かした。2つ目は、自身の出身地ということだったそう。「メカスさんは、『地方性』ということを強調されていた。メカスさんはリトアニアからニューヨークへ移ってからも、リトアニア語で詩を書き、それをリトアニアの言葉で朗読していた。ルーツを大切にしていた。対して、私はさきほどの反骨心もあって、山形弁はぜったいに使わないと決めていた」とこちらも正反対であったことを明かした。最後の3つ目は創作について。メカス監督は「詞は内側から発する言葉で、映像は外側から発する言葉。したがって、とても近い存在ではないか」と語っていたという。木村さんはこれらが原点にあり「メカスさんの牧歌的で、美しく叙情的でロマンチックな作品の魅力は、これらの点が原点にあるのではないか」とメカス作品の魅力を紐解き、「今日、久々に映像を見れることを楽しみにしている」とメカス監督に思いを寄せた。こうして開会式は終了。本日11日から本格的に映画祭はスタートする。今回の応募作は130の国と地域から過去最多の2371作品。目玉となる「インターナショナル・コンペティション部門」には15作品が選ばれている。ドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督の新作『インディアナ州モンロヴィア』や『鉄西区』『苦い銭』のワン・ビン監督の8時間を超える長編『死霊魂』といった話題作から、若い新鋭監督の作品まで、世界で起きているさまざまな事象や問題をとらえたドキュメンタリー映画が並ぶ。アジアの新鋭作家に開かれた「アジア千波万波部門」では、長編第1作『鉱ARAGANE』が本映画祭で特別賞を受賞した小田香監督の『セノーテ』、巨匠、アッバス・キアロスタミ監督を父に持つバフマン・キアロスタミ監督の『エクソダス』など、注目の新鋭監督たちの顔が揃う。また、いろいろな意味で、いまはアジアをめぐる状況が変化しているとき。隣国でいまなにが起きているのかを知る機会にもなるに違いない。世界中を魅了する映画と映画作家を生み出し続けるイラン映画の魅力の根源に迫る「リアリティとリアリズム:イラン60s-80s」といった映画ファンとしては見逃せない特集や、日本のいまがみえる「日本プログラム」など、多種多様な企画や特別上映も組まれている。会期は17日(木)まで。映画と出合い、人と出会い、うまいものと出会えるのが本映画祭。興味をもったらぜひ足を運んでほしい。取材・文・写真:水上賢治
2019年10月11日ディズニー不朽の名作を空前のスケールで実写化し、国内興収120億円越えの大ヒットを記録した『アラジン』のMovieNEXが10月9日に発売。これを記念し、読売新聞社との協力で“『アラジン』があなたの学校にやってくる!”全国ツアーと題し、全国約15の大学、高校、中学校で、『アラジン』本編をMovieNEXにて上映。その中から今回、聖心女子大学で行われた上映会に、アラジン役の吹替え声優を担当した中村倫也がスペシャルゲストとして登壇した。イベントに登壇した中村は、大ヒットした作品への想いやエピソード、新たに描かれたジャスミンのような強い意志を持つ女性の魅力について語った。また、今回のトークショーには学生たちも一緒に登壇。中村が大学生の夢や悩みへエールを送る場面も見られる貴重な機会となった。中村がサプライズで登場すると、会場からは大歓声が。彼は今回の女子大訪問に、「緊張というより、アラジンのように“胸躍る冒険!”という感じですね。わくわくしています。みなさんにも楽しんでもらえたらと思います!」と、笑顔で学生たちの歓声に応えた。まず、一緒に登壇した学生たちが『アラジン』を見た感想をそれぞれ話すと中村も、「この作品はアニメーション版から、音楽はもちろん、物語も含めてすごい力を持っていて、世界中でファンも多いと思います。今回、実写版ということで、新曲『スピーチレス~心の声』もそうですし、『ホール・ニュー・ワールド』や『フレンド・ライク・ミー』もアレンジが加えられたりして、一層パワーアップしていると感じていました。オーディションのとき、初めて映像を見て、こんなにもアニメーション版のたくましさや力強さ、繊細さが残されていてびっくりしたんです!オーディションでそれが見られたから受からなくてもいいや、って思ったほどです(笑)」と振り返り、最新鋭のVFXを駆使した圧巻の映像にも魅了されたらしい。アラジンとヒロインのジャスミンは、お互いに出会ったことで運命が変わり、惹かれ合う中でそれぞれの魅力が増していくが、この“人としての輝き”について中村は、「アラジンとジーニーの関係もそうですけど、このふたりはとても高め合える関係で、それぞれの目標に向かって、ぶつかったり、情けない自分を自覚したりしながら、まっすぐに、それでも頑張るんです。“それを横で支えてね”という純粋さが、人としての輝きじゃないかなあ。アラジンとジャスミンは出会えてよかったですよね」と、持論を展開。さらに今回は、学生からの悩み相談に中村が答えるスペシャル企画も行われた。学生が「部活の実行委員長を務めることになって、人を率いることの難しさに悩んでいます。今回主演を務めたり、舞台で座長を務めたりする経験を通して、リーダーシップを得るヒントはありますか?」と相談すると、「人によってやりかたがあると思います。僕は誰よりも先に恥をかく、失敗するのを心がけています。僕の仕事は部活とは少し違うかもしれないけど、いろんな性格の人がいる中で、僕もまとめたりするのは得意じゃないので、まず失敗して、笑って、それが恥ずかしくないことという空気を作るようにしています。今日ここで、それに悩んでいるって言えたからもう大丈夫だよ。僕はうまく答えられないけど、周りの人が助けてくれるよ!」と真摯に答える姿が印象的だった。また、「就活の自己分析で、自分の短所ばかり目が言って、長所が思いつきません。ジャスミンのように、自信を持つには?」と学生ならではの質問も。これに中村は、「自分のことって一番わからないですよね。僕は就活をしたことがないので、適した答えか分からないんですけど、若い頃仕事で悩んだときは、先輩に“俺ってどんな人ですか?”って聞いていました。自分で見えないなら人に聞くしかないし、自分っていうものは周りが決めるような気もするんですよね。だから、友達に聞いて“ここがいいよ”って言われたときに“いやいや”ってならずに、“そうなんだ”って認めてみればいいんじゃないかな」と、自身の経験を踏まえてアドバイス。そして、集まったたくさんの学生に向けて、「僕はいつも、“うまくいくはずない”と思ってやっています。うまくいかないからこそ成長を実感できるし楽しいというか。うまくいかないほうが好きなんです。いっぱい失敗できることが若者の特権です。世界は広くて人生は長いので、今のうちに失敗の仕方、正しい転び方を学ぶといいと思います!」とエールを送った。『アラジン』発売中『アラジン MovieNEX』 4,200 円+税『アラジン 4K UHD MovieNEX』 6,000 円+税『アラジン MovieNEX コレクション(期間限定)』 8,000 円+税『アラジン 4K UHD』 5,800 円+税デジタル配信中
2019年10月11日シリーズ累計45万部超の織守きょうやの小説『記憶屋』を原作に、山田涼介(Hey!Say!JUMP)を主演に迎え、『記憶屋 あなたを忘れない』のタイトルで映画化した本作。メガホンを握ったのは、『ツナグ』『天皇の料理番』『義母と娘のブルース』の平川雄一朗監督だ。大学生の遼一(山田涼介)は、年上の恋人・杏子(蓮佛美沙子)にプロポーズするも、翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後、再会した彼女は遼一の記憶だけを失っていた。信じられない遼一は、大学の先輩で弁護士の高原(佐々木蔵之介)と共に人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」について探り始める……。公開された予告映像では、山田演じる遼一が「記憶屋に俺との記憶を消されたんじゃ」と、記憶屋を探して奔走する姿が収められている。人々の中にある忘れたい記憶、その奥にある愛。涙を流し、雨に打たれながら絶叫する遼一は何を想い、何を知ったのか。“永遠に残る感動の結末”への期待が高まる仕上がりだ。同時に「愛する人のため あなたは何ができますか?」という印象的なコピーがあしらわれた本ポスターも到着。杉本哲太、泉里香、田中泯、佐々木すみ江、櫻井淳子、戸田菜穂、ブラザートム、須藤理彩、濱田龍臣、佐生雪、稲垣来泉など、豪華キャスト陣が脇を固める。『記憶屋 あなたを忘れない』2020年1月17日(金)全国ロードショー
2019年10月11日小西康陽によるPIZZICATO ONEが本日10月11日、ビルボードライブ東京で公演を行う。90年代に一世を風靡した「渋谷系」の先駆的存在といえば、小西と野宮真貴によるピチカート・ファイヴ。1984年の結成から2001年までの活動は今もなお時代の1ページとして語り継がれている。リーダーであった小西は現在も作詞・作曲・編曲・プロデュース、DJや文筆家としても活躍。PIZZICATO ONE名義では、これまでアルバム『11のとても悲しい歌』と『わたくしの二十世紀』の2作を発表し、好評を得てきた。本名義でのビルボード東京における公演は2015年以来4年ぶりとなる。本日のバンド編成はピアノ、ダブルベース、ギター、ドラムス、ヴィブラフォン。客演ボーカルは呼ばずに、小西自身が歌を担当するという。ライブレコーディングも予定されているとのことで、ほどよい緊張感ただようライブとなるだろう。ぜひ現在の小西康陽を目撃してほしい。■公演情報「PIZZICATO ONE」10月11日(金)1st Stage 開場17:30/開演18:302nd Stage 開場20:30/開演21:30場所:ビルボードライブ東京10月15日(火)1st Stage 開場17:30/開演18:302nd Stage 開場20:30/開演21:30場所:ビルボードライブ大阪
2019年10月11日宝塚歌劇団雪組の2番手スター、彩風咲奈が主演する、『ミュージカル・スクリーン「ハリウッド・ゴシップ」』が、本日10月11日、KAAT 神奈川芸術劇場 ホールで開幕する。舞台は、サイレントからトーキーへと時代が変わりつつあった1920年代のハリウッド。黄金期と呼ばれた30年代を前に、活気を見せ始めていた映画の都で、見果てぬ夢を追い求める人、過ぎ去った栄光にすがる人、さまざまな人たちの光と闇が交錯する。彩風が演じるコンラッド・ウォーカーは、映画スターを志しながら、好機に恵まれず、エキストラとしての日々を送っていた。最後のチャンスと決めて臨んだ大作映画のスクリーンテストでも、選ばれたのは若手人気スター、ジェリー・クロフォードで、“出来レース”だったと知ったコンラッドは、怒りにまかせてスタジオに押しかける。しかし、そこで往年の大女優アマンダと出会い、彼女からスターになるための手ほどきを受けることになった彼は、悲願だったハリウッドスターへの階段を昇り始めたのだが……。前回の大劇場公演『壬生義士伝』で、藩の重臣としての立場と、幼馴染みとの友情の狭間で苦悩する大野次郎右衛門役を好演した彩風が、これまで演じてきた同じ俳優役でも、『凱旋門』のアンリ・ジャルダン、『20世紀号に乗って』のブルース・グラニットとは違う、野心を抱き、成功を夢見ながら、ハリウッドで生きる青年役に挑む。相手役の潤花は、永久輝せあ主演の『PR×PRince』に次いで、今年2回目の小劇場ヒロインとなるが、演技力には定評があり、ジェリーの恋人と噂される新進女優エステラ役をどう造型するか、注目される。そのジェリーを演じるのは、華やかな美貌がスター役にはよく似合う彩凪翔。そのほかの出演者には、映画会社の大物プロデューサー役に専科の夏美よう、大女優アマンダには同じく専科の梨花ますみ、映画監督ロバートに真那春人など、芸達者な面々が顔をそろえる。演出を担当するのは田渕大輔。雪組作品を手がけるのは、2016年に大ヒットした早霧せいな主演の『ローマの休日』以来となるが、今回はオリジナル作品をどんな舞台に作り上げるのか、こちらにも注目が集まっている。本日から10月17日(木)までKAAT 神奈川芸術劇場 ホール、10月23日(水)から31日(木)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。文:原田順子
2019年10月11日作家主義を掲げ、アジアを中心に新たな才能を発掘・特集する『第20回 東京フィルメックス / TOKYO FILMeX 2019』のラインナップ発表会が10月10日、ゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センターで行われ、映画祭のプログラムディレクターを務める市山尚三氏が上映作品を紹介した。コンペティション部門の審査員は『ブラックボード 背負う人』、今年の特別招待作品である『ある女優の不在』で知られるイランを代表する女優のベーナズ・ジャファリ、香港の映画監督・脚本家・プロデューサーのシュウ・ケイ、写真家の操上和美氏。残り2名もスケジュールが確定次第、発表され、国際色あふれる計5名の審査員が審査にあたる。会見にはコンペティション部門(10作品)に選出された『静かな雨』、『つつんで、ひらいて』を手がけた中川龍太郎監督、広瀬奈々子監督が出席した。『静かな雨』は宮下奈都のデビュー小説を、仲野太賀と衛藤美彩のダブル主演で映画化した作品で、中川監督は「一種のメロドラマですが、そこに留まらず、若い人たちが息詰まる現代を、いかに誠実に生きるか。そんなテーマを太賀さんと衛藤さんに託した。独特な世界観を見ていただければ」とアピールした。広瀬監督は昨年の『夜明け』に続き、2年連続のコンペティション部門入りを果たし「とても光栄です」。最新作『つつんで、ひらいて』はこれまでに約1万5000冊の装丁を手がけた菊地信義氏を追うドキュメンタリーで「デザインの現場が、ほぼパソコン主流になる時代、ずっと手で紙を切って貼って、ピンセットで動かすという菊地さんの稀有な姿を見ていただける」と話していた。東京フィルメックス・コンペティション(全10作品)『水の影』(インド/監督:サナル・クマール・シャシダラン)『昨夜、あなたが微笑んでいた』(カンボジア、フランス/監督:ニアン・カヴィッチ)『熱帯雨』(シンガポール/監督:アンソニー・チェン)『評決』(フィリピン/監督:レイムンド・リバイ・グティエレス)『ニーナ・ウー』(台湾、マレーシア、ミャンマー/監督:ミディー・ジー)『気球』(中国/監督:ペマツェテン)『春江水暖』(中国/監督:グー・シャオガン)『波高(はこう)』(韓国/監督:パク・ジョンボム)『静かな雨』(日本/監督:中川龍太郎)『つつんで、ひらいて』(日本/監督:広瀬奈々子)第19回 東京フィルメックス / TOKYO FILMeX 2019期間 : 11月23日(土)~12月1日(日)(全9日間)会場 :有楽町朝日ホール(有楽町マリオン)(メイン会場:11月23日~12月1日)TOHOシネマズ日比谷(レイトショー会場:11月23日~12月1日)有楽町朝日スクエアB(併催事業 人材育成ワークショップTalents Tokyo 2019:11月25日~11月30日)
2019年10月10日10月4日より全国公開中の『蜜蜂と遠雷』は、まったく異なる境遇にある4人の天才ピアニストたちが、国際ピアノコンクールでの熾烈な戦いを通して、お互いに刺激し合い葛藤し、そして成長を遂げ“覚醒”する物語だ。ブルゾンちえみ演じる仁科雅美は、4人の天才ピアニストのひとり、高島明石(松坂桃李)の元同級生で、ドキュメンタリー番組の撮影のため、コンクールに密着するジャーナリスト役だ。「原作も読んでいたので、この役をいただけてやっぱり嬉しいという気持ちがまずありました。石川監督から『音楽の事には詳しくないという目線から、4人の天才ピアニストを取材することで、観客が雅美を通してストーリーに入っていったり、ピアニストの心の内を知るきっかけになる役ですよ」と言われて、そんな重要な役を演じられるなんてと思いました」雅美は、明石の元同級生という立場から、明石を励まし応援するが、それが微妙な距離感で、「雅美は明石のことを好きなのでは?」と思う程、切ない演技が絶妙である。ブルゾンはどんな気持ちで演じたのだろうか?「幼馴染役なので、自分が今でも久しぶりに同級生の男子に会う感覚を思い出したりしていました。原作では、明石のことを昔好きだったとはどこにも書いていないんですけど、何かしら気になっていたんじゃないかと思うんです。クラスの中に天才がいて、また明石も天才をひけらかす性格じゃないから。人として好きだったのかな?って。同級生だからこそ知りえる、彼の姿とかもあったと思いますし、スクリーンに映る以外の明石も知っているよという特別感を持った、そういうポジションでいたいなというのはありました」劇中、天才ピアニスト4人にインタビューするシーンがあるが、監督から「ブルゾンさんが思いついたインタビューをしてみてください」と言われ、実際にインタビューをすることに。インタビューされる側から、インタビューする側になり、気が付いたことがあった。「私もインタビューされる時に、ちょっと意地悪な質問があると、よくそんな質問が出来るねって思ったりするんですけど、自分がインタビュアーになった時に、当たり障りのない答えが欲しいわけじゃないから、食い込んでいこうというという気持ちが出てきたんです。その時に、インタビュアーは、意地悪な人だったんじゃなくて、仕事のスイッチが入っていただけなんだなっていうのが分かりました。それは面白かったです」映画の見どころは、4人の種類の違う天才が自分の色で戦っているところで、それぞれの色の違いを感じてもらいたいとブルゾンは言う。4人各々違う良さがあって、「それぞれがいるからこそ影響し合うんだよ」というメッセージがこの映画には隠れており、ブルゾンの仕事に向かう姿勢とも通じるところがあったようだ。「私は人と比べないと言ったら嘘になりますけど、『アベンジャーズ』みたいな色んな種類の個性が大集合! というのが好きなんです。だから私も出来るだけ、私は私でいようという気持ちが強いかもしれません。もし悔しいなって思うことがあったら、その人に対して何かするというよりは、もっと自分を固めていこう、自分はどんな個性や得意があるんだろうっていう方にフォーカスしていくと思います。そういう風に考えるのは、私はずっと陸上をやっていて常に自分との戦いで、1位になったとしても、自己新記録じゃないと嬉しくなかったからかも。他者の評価よりも自分との戦いなんですよね」『蜜蜂と遠雷』全国公開中撮影/高橋那月、取材・文/若村幸江
2019年10月10日ディズニーアニメーション『リトル・マーメイド』の実写版に、ダヴィード・ディグスが出演交渉をしているようだ。演じる役は、蟹のセバスチャン。このキャラクターには、名曲『アンダー・ザ・シー』を歌う場面がある。ディグスは『ハミルトン』に出演したブロードウェイのベテラン。映画では、この夏日本公開された『ブラインドスポッティング 』や、『ワンダー 君は太陽』に出演している。『ハミルトン』のクリエーターであるリン=マヌエル・ミランダは、今作のプロデューサーのひとり。監督は『シカゴ』『メリー・ポピンズリターンズ』のロブ・マーシャル。出演者はほかにハビエル・バルデム、オークワフィナ、ジェイコブ・トレンブレイ、メリッサ・マッカーシー、ハル・ベイリーら。撮影は来年スタートの予定。文=猿渡由紀
2019年10月10日俳優の斎藤工が“齊藤工”名義で約50分の中編映画『TATAMI』を完成させた。米ケーブルテレビ放送局HBOのアジア部門である“HBOアジア”が、アジア6カ国を舞台に製作したホラーアンソロジー『フォークロア』シリーズの“日本代表”。各国の民間伝承をベースにした恐怖の競演は、シンガポール映画界の巨匠で、齊藤が主演した『家族のレシピ』のエリック・クー監督が製作総指揮を務めている。すでに長編監督デビュー作『blank13』で、その手腕が高く評価された齊藤が、日本のホラーという“縛り”の中で選んだのが、畳という題材だった。「スポーツのアジア予選じゃないですけど、他の5作品との“勝負”は意識しましたね。勝ち負けではありませんが、作品への評価は如実に出ますから。その上で、各国の特性を表現するプロジェクトなので、日本なら畳かなと。畳(TATAMI)そのものが世界共通語でもあるし、目には見えない畳の裏側に、漠然とした恐怖が宿るという感覚は、とても日本らしいと思いました」(齊藤)。ホラー映画に初挑戦し「恐怖の強度を盛り込み、どこに力点を置くべきか考えた。やはり、ジャンル映画は、客席が沸くような描写が必要ですから」と振り返る。主演を務めるのは、日本映画界には欠かせない存在の北村一輝。最近では『アラジン』の日本語ボイスキャストとして、悪役ジャファーを演じ話題を集めたが、いち早く海外に目を向け、『KILLERS キラーズ』(日本・インドネシア合作)、『ザ・レイド GOKUDO』(インドネシア)に出演したアジア進出の先駆者でもある。「国により、恐怖の対象にいろいろなパターンがあり面白いし、畳に目をつける齊藤さんのセンスも“らしいな”と。例えば『KILLERS キラーズ』では、人が人を殺す恐怖を描いていますしね」(北村)。本作では、殺人事件を追うフリーライターの主人公を演じ、父親の急死をきっかけに、“畳に沁みついた”家族の忌まわしい真実に向き合う難役に挑んだ。役作りについて聞くと「ホラー映画は観客がどう見るか、そこを考えないといけない。だから、役作りはもちろん大切ですが、“自分がそこにいる”そのこと自体が大事かなと思いますね」と答えてくれた。「アジア、そして世界への挑戦」とも言うべき今回のタッグ。実現の裏には、齊藤と北村が育んだ20年来の親交があった。「僕がほぼ初めて足を踏み入れた映画の現場に、北村さんがいらっしゃった。それ以来、背中を見続けています。今回も本当にお忙しい中、徹夜で台本と向き合ってくださり、共犯関係を築きながら、クランクインできた。タイトな撮影でしたが、信頼と安ど感がありましたね」(齊藤)。それでは北村の目には、監督“齊藤工”はどのように映ったのだろうか?「アーティストだよね。まるで絵を描いている感覚。現場で声を荒げるようなこともなく、すごくコツコツ積み上げていくタイプ。監督をやっていくうえで必要な技術とセンスを持っていると思いますね。もちろん、俳優の目線もあるし、“これって、やりにくくないですか?”といったディスカッションもしやすい。やればやるほど、悩むことも多いでしょうけど、今後も監督業を続けてほしいと思いますよ」(北村)『フォークロア』(全6話)BS10スターチャンネル【STAR2 字幕版】11月10日(日)午後2:45~ 一挙放送 ほか※齋藤工監督『TATAMI』は11月10日(日)15:45~取材・文:内田 涼スタイリスト:【北村】中村剛(ハレテル)、【齊藤】川田力也【北村衣装】ジャケット400000円、Tシャツ55000円、パンツ140000円、シューズ105000円 以上全てグッチ(グッチ ジャパン)(問い合わせ先)グッチ ジャパン クライアントサービス(グッチ)0120-99-2177【齊藤衣装】オールインワン 210000円(Kazuki Nagayama/STUDIO FABWORK)
2019年10月10日1970年アメリカ生まれのピアニスト、ニコラ・アンゲリッシュが来日する。熱烈なピアノ・ファンが相手ならば、過去の来日時におけるソロ・リサイタルやオーケストラとの共演、さらには「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」での素敵なパフォーマンスでもお馴染みのアンゲリッシュについて、前置きなしですらすら話ができそうなところだが、一般の方々に彼の魅力を伝えることは、原稿用紙(今やPC)を前にしたこの期に及んでなかなか難しいことにはたと気がつく。そう、アンゲリッシュには、これといった強烈な個性が見当たらないのだ。しかしながら、「だったらだめじゃん」などと思うのは大間違い。強烈な個性というものは、一歩間違えば奇をてらった陳腐な演奏と紙一重であるということも認識しておきたい。アンゲリッシュには、そのあたりの世界とは全く無縁の領域に生息するピアニストとしての存在価値があるように思えるのだ。言い方を変えればオーソドックス。しかしそのオーソドックスの絶対的な高みとは、他に代えがたい価値であるということを知ってほしい。特に今回のプログラムに並ぶドイツの作曲家たちの作品においては、オーソドックスであることの意味が大きく物を言いそうだ。音楽の価値や演奏の価値とはいったいどこにあるのだろう。そんな事を改めて考えさせられそうな重みを持つアンゲリッシュのリサイタルになりそうだ。●公演概要10月15日(火)紀尾井ホール「ニコラ・アンゲリッシュピアノ・リサイタル」●ニコラ・アンゲリッシュ(ピアノ)(c)Jean-François-Leclercq-Erato1970年アメリカ生まれ。5歳で母からピアノの手ほどきを受け、7歳でモーツァルトのピアノ協奏曲K.467を弾き演奏会デビュー。13歳でパリ国立高等音楽院に入学し、アルド・チッコリーニ、イヴォンヌ・ロリオ、ミシェル・ベロフ、マリー=フランソワーズ・ビュケに師事した。ピアノと室内楽で1等賞を授与され、同音楽院を卒業。レオン・フライシャー、ドミトリー・バシキーロフ、マリア・ジョアン・ピリスのマスタークラスも受講。クリーヴランドのロベール・カサドシュ国際ピアノ・コンクールで第2位(1989年)、ジーナ・バッカウアー国際ピアノ・コンクールで第1位(1994年)に輝く。ドイツでは、フライシャーの推薦でルール・ピアノ音楽祭の新人賞を受賞。2013年、フランスのヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークより年間最優秀器楽奏者に選出された。2003年5月、クルト・マズアの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番の独奏を務め、ニューヨーク・フィルハーモニックにデビュー(リンカーン・センター)。マズア指揮フランス国立管弦楽団の日本ツアーでは、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏した。2007年10月にはウラディーミル・ユロフスキよりモスクワに招かれ、ロシア・ナショナル管弦楽団のシーズン・オープニング・コンサートに出演した。これまでソリストとして、シャルル・デュトワ、ロジャー・ノリントン、ウラディーミル・ユロフスキ、ヤニック・ネゼ=セガン、トゥガン・ソヒエフ、ステファン・ドゥヌーヴ、マルク・ミンコフスキ、エマニュエル・クリヴィヌ、チョン・ミョンフン、ジャナンドレア・ノセダ、ダーヴィト・アフカム、パーヴォ・ヤルヴィ、クリスチャン・ヤルヴィ、ダニエル・ハーディング、ヴァレリー・ゲルギエフ、ミヒャエル・ザンデルリング、クシシュトフ・ウルバンスキ、デイヴィッド・ロバートソン、ヘスス・ロペス=コボス、ケネス・モンゴメリー、アレクサンドル・ドミトリエフ、ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン、ヒュー・ウルフ、クリスティアン・ツァハリアス、大野和士らの指揮のもと、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団、パリ管弦楽団、フランス国立リヨン管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロサンジェルス・フィルハーモニック、ピッツバーグ交響楽団、サンクトペテルブルク交響楽団、マリインスキー劇場管弦楽団、ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団、モンペリエ管弦楽団、ローザンヌ室内管弦楽団、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団、南西ドイツ放送交響楽団、hr交響楽団、スイス・イタリアーナ管弦楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団、トーンキュンストラー管弦楽団、モントリオール交響楽団、アトランタ交響楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、ソウル市立交響楽団、マーラー・チェンバー・オーケストラ、ヨーロッパ室内管弦楽団などと共演。ロンドン、ミュンヘン、ジュネーヴ、アムステルダム、ブリュッセル、ルクセンブルク、ローマ、リスボン、ブレシア、東京、パリを始め、各地でリサイタルを行っており、ヴェルビエ音楽祭、マルタ・アルゲリッチ主宰のルガーノ音楽祭より定期的に招かれている。2009年7月には、ヤニック・ネゼ=セガン指揮スコットランド室内管弦楽団との共演で、BBCプロムスへのデビューを果たした。古典派・ロマン派作品を得意とし、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲やリストの《巡礼の年》全曲を世界中で演奏。さらに20・21世紀の音楽にも関心を寄せ、ラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、バルトーク、ラヴェル、メシアン、シュトックハウゼン、ピエール・ブーレーズ、エリック・タンギーらの作品を演奏。ブルーノ・マントヴァーニの《Suonare》、ピエール・アンリの《オーケストラのないピアノ協奏曲》、バティスト・トロティニョンのピアノ協奏曲《Different Spaces》(Naïveレーベルに録音)をそれぞれ初演している。室内楽にも精力的で、マルタ・アルゲリッチ、ギル・シャハム、ヨーヨー・マ、ジョシュア・ベル、マキシム・ヴェンゲーロフ、諏訪内晶子、ドミトリー・シトコヴェツキー、ルノー・カプソン、ゴーティエ・カプソン、ジャン・ワン、ダニエル・ミュラー=ショット、レオニダス・カヴァコス、ジェラール・コセ、ポール・メイエ、エベーヌ四重奏団、モディリアーニ四重奏団、イザイ四重奏団、プラジャーク四重奏団、パヴェル・ハース四重奏団がらと共演している。レコーディングでは、代表的なソロ・アルバムに、『ラフマニノフ:ピアノ作品集』(Harmonia Mundi)、『ラヴェル:ピアノ作品集』(Lyrinx)、『リスト:巡礼の年』(Mirare、「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「クラシカ」推薦盤)、『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番、第21番「ワルトシュタイン」、第32番』がある。Eratoレーベルとはブラームスに重点を置き、ピアノ三重奏曲(共演:ルノー&ゴーティエ・カプソン、ドイツ・レコード批評家賞)、ヴァイオリン・ソナタ(共演:ルノー・カプソン、ディアパゾン・ドール、「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「グラモフォン」エディターズ・チョイス、「スケルツォ」特選盤)、ピアノ独奏曲(「ル・モンド・ド・ラ・ミュジク」Choc賞、「BBC ミュージック」優良盤)を録音。さらに諏訪内晶子との共演で『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」、第7番 』(Decca)を、パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団との共演で『ブラームス:ピアノ協奏曲第1番、第2番』(Erato)をリリースしている。このほか、フォーレの室内楽作品、J.S.バッハの《ゴルトベルク変奏曲》、『Dedication:献呈されたピアノ作品~リスト、シューマン&ショパン』などの録音も高い評価を得ている。最新盤は、『ベートーヴェン: 三重協奏曲、ピアノ三重奏曲第4番「街の歌」』(共演:パーヴォ・ヤルヴィ、フランクフルト放送交響楽団、ギル・シャハム、アンヌ・ガスティネル)、またロランス・エキルベイ指揮、インスラ・オーケストラとの最新レコーディング『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番・第5番「皇帝」』も2018年9月にリリース。
2019年10月10日トロント、シカゴなど世界各地の映画祭で上映され、高評価を獲得した映画『第三夫人と髪飾り』が11日(金)から公開になる。本作は、一夫多妻制が残る19世紀の北ベトナムを舞台に、14歳で“第三夫人”として大富豪の家にやってきた女性のドラマを描いた作品だが、脚本と監督を手がけたアッシュ・メイファは「どの国で上映しても“これは私の家族の物語だ”と言ってくださる観客がいます」と語る。本作は、14歳の女性メイが絹で莫大な富を築いた家に嫁いでくる場面から始まる。当時の北ベトナムでは、ひとりの男性が複数の女性と婚姻関係を結ぶことが許されており、彼女たちは同じ家で暮らしながら“世継ぎ=男の子を産むこと”を期待されていた。まだ幼いメイは、凛としたたたずまいがありながらも穏やかな第一夫人、美しく謎めいた魅力のある第二夫人たちと暮らしながらさまざまな出会いと別れを経験していく。アッシュ・メイファ監督はベトナムで生まれ、ニューヨーク大学に渡って映画制作を学んだ新鋭で、自分の曾祖母(ひいおばあさん)の実体験を基にした本作で長編デビューを飾るべく、数年をかけて調査・聞き取りを行いながら脚本を執筆し、資金調達のために奔走したという。「私はアーティストとして強く信じていることがあります」とメイファ監督は穏やかに語り始める。「それは、個人的な物語を深く掘り下げれば掘り下げるほど、その作品は結果として普遍的なものになる、ということです。この物語は19世紀の北ベトナムが舞台になっていますが、私の心が痛みを感じるまで深く掘り下げて脚本を書きました。だから世界中の方がこの映画に共鳴してくださったのでしょう。どの国で上映しても“これは私の家族の物語だ”と言ってくださる観客がいます。まるで自分たちが過去にたどった歴史を改めて生きているような気持になる、と」本作では一夫多妻制の社会が描かれるが、男性も女性も苦しい人生を送っていることが強調されている。絶対的な家長を中心に家族が構成され、女たちは“イエを継ぐ男子”を産むことだけを期待されており、男たちは家系を存続させることだけを期待されている。男性も女性も自由はなく、“再生産=家の存続”のために存在しているのだ。「まさにそうです。この映画で描かれるような家父長制は、女性のみならず男性も深く傷つけてきたと私は考えています。この映画に若い男性が出てきますが、あのキャラクターは私の祖父にインスピレーションを受けて描かれたものです。私の祖父と祖母は家が決めたお見合いで結婚し、50年もの間、夫婦として暮らしましたが、ふたりとも不幸なままでした。このシステムは男性にとっても決して良いものではないのです。ちなみに、かつて一緒に暮らしていた曾祖母に“他の奥さんと争ったり、嫉妬を感じたりしたことはないの?”と聞いたことがあります。曾祖母が言うには、ある種の競争はあったけど、それ以前に生活していくのに必死で、妻たちは助け合っていたし、お互いの出産を手伝い合う中で、ある主の共通言語のようなものが生まれていたそうです」メイファ監督は自分が過去に家族から聞いた話を思い出したり、新たに聞き取りをしながら脚本を執筆する中で改めて「個人の自由が許されない社会は、女性にとっても男性にとっても害がある」と思うようになったという。「この映画が描く時代は、男性も女性も役割が決められていて、自分で選択できる幅は極めて小さいものでした。私の曾祖父はパワフルな人でしたが、家父長制というシステムの中にあまりにも長くいすぎてしまったせいで、自分の息子と心を通わせることができませんでした。私の曾祖母は自分で人生を選ぶことができませんでした。祖母にも選択肢はありませんでした。しかし私の母は家族の中で初めて親の提示したお見合いに対して“NO”といった人物でした。そして私は家族の中で初めてアーティストとして活動することができました。私はこのまま未来に向かって、人々の選択肢がさらに増えていってほしいと願っています」本作はひとりの女性の主人公を中心にしたドラマを描きながら、その奥に潜む巨大な“システム”の存在を描き出していく。本作で最も力を持ち、人々を踏みつけているのは、家を存続させるための“システム”だ。メイファ監督は、そのことをより明確にするために劇中にあえて“もうひとつのシステム”を描き出している。それは一家をとりまく自然だ。「はい。そのことはすごく意識しています。自然は宇宙的な規模で動いているものですよね?人間の世界でどんなことがあっても、自然はそんなことはお構いなしに命をつないで次の時代へ続いていく。“家族という小宇宙”の外側には、自然という名の巨大なシステムが動いている。そのことで人間の有限性(=いつかは死んでしまう)は際立つでしょう。同時に、限りある人生の中で起こるから美しいという想いも強調されると思うのです」人々は決められた人生を生き、何の選択肢も与えられないまま、苦しみ、悲しみ、許されぬと知っていてもなお誰かを愛し、何か突破口がないのかともがき続ける。一方、彼らの上には繰り返し太陽と月が昇っては沈み、蚕は絹を生み出し続け、山々はいつもそこにあり、川は流れ続ける。このまま何も変わらないのだろうか?私たちは小さな世界の中で苦しみ続けるしかないのだろうか?そこでメイファ監督は、映画の最後の最後に強い願いを込めて“希望”を描いた。「これはとても小さなエンディングです。ですが、私はラストで描かれているのは“革命的な行動”だと思っています」世界中の人々を魅力した『第三夫人と髪飾り』は、私やあなたと関係のある、繋がりのある物語だ。では、監督がラストに込めた希望はどうだろう?この願いを私たちは共有し、未来に向かって育てていくことができるだろうか?『第三夫人と髪飾り』10月11日(金)Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー
2019年10月10日『アナと雪の女王』の待望の最新作である『アナと雪の女王2』。本作の公開を控える中、エルサだけが持つ“力”の秘密を解き明かす、驚くべき冒険の旅に出る日本版本予告映像が公開された。「『アナと雪の女王』と『アナと雪の女王2』は2作でひとつの完成された物語」と語るジェニファー・リー監督は、さらに本作について「アナとエルサの愛が彼女たちを突き動かすの。本作でも姉妹愛が物語の核となり、その強さが冒険を進める力となるのよ」と明かしている。「誰よりも何よりも信じている」と手を取り合う“姉妹の絆”が再び試される新たな冒険で、彼女たちが行き着く先には何が待っているのか。壮大なストーリー展開に期待が高まる。公開された映像は、幼いエルサの「なぜ私だけ魔法が使えるの?」という問いかけから始まる。エルサが感じている“自分は何者なのか”という疑問、“変わっていくこと”への不安、そして、姉のエルサを何があっても守ろうとするアナの様子が描かれてる。そんな姉妹の壮大な物語を盛り上げるのは、メイン楽曲の『イントゥ・ジ・アンノウン』。この楽曲は先日発表されたばかりだが、エルサ役を務めるイディナ・メンゼルの圧巻の歌声が世界中を魅了し、「カッコイイ!!」「鳥肌立った」「めっちゃ好きなんですけど」「力強さを感じる!」「新曲ーーーきたーーー!」とSNS上で早くも大きな話題となっている。迷いを感じながらもまだ見ぬ“未知なる世界へ”と一歩踏み出そうとするエルサの想いが溢れた楽曲で、『Let It Go』で“ありのままの自分”を受け入れたエルサの、“その先”を歌ったとも言えるものになっている。「この曲は、あらゆる世代の人に共感してもらえると思う。今あなたがいるところ以上のものがあるのか。そうやって誰もがいつも何かに惹かれていると思う。まだ見ぬ未知の世界には、何かがあるかもしれない。どこへ行こうとしているかわからないけれど、本当の自分を見つけるために、やらなくてはならないことがあるということをこの歌で表現しているんだ」と、共同監督のクリス・バックは語っている。『アナと雪の女王2』11月22日(金)より全国公開
2019年10月10日クリープハイプが本日10月10日、新木場STUDIO COASTで「“一夜限りの”使い捨てワンマン supported by TBSラジオ『ACTION』」を開催する。今年11月に結成10周年を迎えるクリープハイプ。それにあたり新曲『バンド 二〇一九』の配信リリースや、12月にはニューアルバム、来年2月からは過去最大規模の記念ツアー開催などさまざまなイベントが準備されている。本日の公演はギターボーカル・尾崎世界観が火曜日のパーソナリティを務めるラジオ番組『ACTION』発のライブイベント。番組内で議論になった「ライブ中にお客さんが客席で歌うのアリ・ナシ問題」を受け、尾崎が解決策として提案した「歌い升席」も導入された。さらに50歳以上の観客のための50’sシートなど、独特なチャレンジが盛り込まれたユニークなイベントとなっている。メンバーによるノンフィクション本『バンド』の先行販売も行われる予定だ。タイトルの通り、一夜限りの祭をお見逃しなく。■公演情報「“一夜限りの”使い捨てワンマン supported by TBSラジオ『ACTION』」日時:10月10日開場18:00/開演19:00場所:新木場STUDIO COAST
2019年10月10日華やかで明るい色彩と軽妙な筆致で、現代でも多くの人々を惹きつける画家、ラウル・デュフィ(1877~1953)。初期から晩年までの絵画作品16点に加え、テキスタイル・デザインや関連作品135点を紹介する『ラウル・デュフィ展絵画とテキスタイル・デザイン』が、パナソニック汐留美術館で12月15日(日)まで開催されている。同展は、デュフィが絵画とテキスタイル・デザインというふたつの表現媒体を軽やかに越境しながら生み出した作品群を展覧しながら、彼が目指した表現の本質と、その装飾性の意義に迫るもの。会場は、絵画にフォーカスした第1章と、テキスタイル・デザインをそのモティーフに注目する第2・3・4章で構成されている。 パナソニック汐留美術館()
2019年10月10日K-POPカルチャー創生の立役者であり、今なおメインストリームにいるSM ENTERTAINMENTが、テミン(SHINee)、ベクヒョンとカイ(EXO)、テヨンとマーク(NCT 127)ルーカスとテン(WayV)という7人の精鋭メンバーを選出。「東洋と西洋のシナジーを引き上げることのできる新しいグループ」として、最強グループSuperM(ヨミ:スーパーエム)をアメリカでデビューさせ、世界中の音楽ファンの注目を集めている。10月4日(日本時間)にYouTubeにて公開されたMVは、翌日には1,000万回再生を軽々と突破、10月7日19時の時点で約1800万回再生、という恐ろしいスピードで視聴されている。さらには、10月5日(現地時間)にLA・キャピトルミュージックにてデビューステージを開催し、関連ワードがTwitterのワールドトレンド1位を獲得した。全世界への生配信で映し出される会場の光景で印象的だったのが、SuperMの公演にも関わらず、客席にNCT 127(ヨミ:エヌシーティー イチニナナ)のグループカラーのペンライトが非常に多く見られたことだ。【日本オフィシャルファンクラブ『NCTzen 127 - JAPAN』】ご入会はこちら(PC・スマホ共通) 【オンエア情報】■Abema TV「MTV HITSARTIST SPECIAL:NCT 127」NCT127日本初ツアー『NCT 127 1st Tour ‘NEO CITY : JAPAN - The Origin’』より今年3月のさいたまスーパーアリーナ公演の厳選ライブ映像とMVをオンエア!●配信時間10/12(土)21:05-22:05他視聴はこちらから <
2019年10月10日ドラマ、映画、ゲームと様々なメディア展開をみせる『HiGH&LOW』シリーズと、7500万部を突破した不良漫画の金字塔『クローズ』『WORST』の奇跡のコラボレーション、それが『HiGH&LOW THE WORST』だ。『HiGH&LOW』からは、“漆黒の凶悪高校”「鬼邪高校」、『クローズ』『WORST』からは、“殺し屋軍団”「鳳仙学園」が衝突する。不良たちの“てっぺん”はふたつもいらない、この戦いの結末に注目が集まっている。しかし、本作は希望ヶ丘団地というマンモス団地の中でも通称「絶望団地」と呼ばれる、廃墟の地で育った幼馴染たち6人の友情の物語も重要な位置を締めている。その中で、「オロチ兄弟」と呼ばれる無敵のケンカ兄弟ふたりを、GENERATIONSの中務裕太と小森隼が演じる。なお、彼らは演技初挑戦。当初の反応は対照的であったという。「最初はどちらかといえば不安の方が大きかったです。『HiGH&LOW THE WORST』が自分の俳優デビュー作になるということに対して、“今の自分は、どのくらい(俳優として)表現できるのか”と、プレッシャーがありました」(小森)「僕は逆に、すごくワクワクしたのを覚えています。そうそう、クランクインの前日も隼と一緒だったんですけど、「また明日」って言ったら、隼はすご?く憂鬱そうな顔をしていましたね(笑)」(中務)また、『クローズ』、『WORST』の作者である、漫画家の高橋ヒロシ氏は、かねてからGENERATIONSのライブへ行ったことをSNSに投稿するなど、親交が深いことでも知られている。当然漫画についても「全巻読んでます!」と熱く語るふたり。「やっぱり『クローズ』の主人公、坊屋春道はかっこいいですよね。憧れます」(中務)「髙橋先生の漫画は、男の憧れる男が描かれているじゃないですか。主人公だけじゃなくて、“脇役”にも光があたっている。すべてのキャラクターに愛を持っているんだと思います」(小森)『HiGH&LOW THE WORST』には、『クローズ』から、人気キャラクターのパルコが登場する。パルコもまた、小森の語る、光のあたった“脇役”のひとりである。「これはヤバイですよ!このシーンに僕たちも関わることができたのは、誇らしいです」(小森)「塚本高史さんがパルコを演じていらっしゃるんですが、完全にパルコそのものでしたね」(中務)演技初挑戦のふたりだが、“今後やってみたい役”への回答もまた正反対であった。「高校生や、お父さんの役がやりたいですね。“ありふれた人”だけど、お父さんの経験はないし、高校時代は過ぎ去ってしまって二度と体験できないので。たとえば、(佐野)玲於のやっていた『虹色デイズ』みたいな、恋と友情のある青春モノがいいですね」(小森)「僕は犯罪者、たとえばストーカーとか、変な役がやってみたいです。それか、ジャッキー・チェンみたいな武術系がいいですね」(中務)正反対のふたりだが、映画に対しては同じ想いをもっているようだ。「この作品は“青春”の物語なんです。それは男だけのものではないし、ケンカだけの話でもない。それぞれのキャラクターが全員“映え”ているので、初登場のキャラクターもたくさんいますが、きっとこの映画を見終わる頃には、誰かのことを好きになっているはず」(小森)「隼の言う通り、拳で語り合うだけじゃない、皆が“守りたいもの”を持っているので、それぞれに感情移入して、一人ひとりのことを観ていただけると、より楽しめると思うので、一度だけじゃなく、キャラクターの数を超えるくらい観てほしいです(笑)」(中務)「『クローズ』、『WORST』のファン、『HiGH&LOW』シリーズのファン、僕らGENERATIONSのファン、どの入口でもいいので、何も先入観を持たずに、ぜひ映画館に来て欲しいですね」(小森)『HiGH&LOW THE WORST』全国公開中撮影/高橋那月、取材・文/藤谷千明※高橋ヒロシの「高」は「はしごだか」が正式表記
2019年10月09日10月4日より全国公開された映画『蜜蜂と遠雷』は、まったく異なる境遇にある4人の天才ピアニストたちが、国際ピアノコンクールでの熾烈な戦いを通して、お互いに刺激し合い葛藤し、そして成長を遂げ‘覚醒‘する物語。今は亡き世界最高のピアニストが遺した謎の少年・風間塵役を新人の鈴鹿央士が演じる。「風間塵、そのものだ」と評価の高い鈴鹿は、オーディションを受けて塵の役を獲得したという。「僕自身まだ何も経験がなくて、わからないままに全部で5回くらいオーディションを受けました。実はどう受けたらいいかとか、会場への入り方すらも知らなかったりしたので、最初のオーディションの時は挨拶もせずに入っちゃって(笑)。3回くらい受けたらオーディションってこういう感じかなっていうのが分かってきて。受かった時はすごく嬉しかったし、ビックリしました」鈴鹿は主役級の4人のひとりを演じるが、初めての映画出演だったので、実は役作りが出来なかったと言う。「撮影が始まる前に石川監督と話す機会があったんですけど、話している中で、今のその表情が風間塵なんだよって言われたので、頭で考え過ぎず、作り込み過ぎないようにしようと思ったら、そのままの自分で演じることが出来ました。でも正直に言うと、僕は演技自体が初めてだったので、役作りというものをしなかったというよりは出来なかったんです。石川監督から「それでいいんだよ」と言ってもらえたので、安心して演じられました」しかし、映画を観た人からは、「塵のイメージそのままだ」と評価が高い。その理由を鈴鹿はこう語った。「初めての映画出演だったので、自分では客観的に観られないし、完成した映画を観た時にこんな感じなんだって思ったんです。たくさんの人から『これが風間塵だって思った』と言われて、初めて、『僕は風間塵だったんだ』って思いました。天真爛漫なところや、ちょっと不思議なところとか、そういう雰囲気が一緒だって言われたりして。自分ではそんなに思わないんですけど(笑)」風間塵という天才を演じて、鈴鹿自身学ぶことが多かった。鈴鹿は塵を愛されている人と表現する。「塵は、嫌味なく僕の音楽ってこういうものなんだよというのを、音楽を通して素直に伝えるのがすごく素敵だなって。僕も演じる役の言葉を伝えていくのが俳優だと思っていて、塵を通して自分の想いを役に乗せて伝えることが出来たらなって思いました」鈴鹿のこの映画でお気に入りは、松岡演じる亜夜と月明かりの下で連弾するシーンだ。光も映像も音楽も、そしてセリフも美しく、見ている人の心を打つ。そんなシーンが多くある今作は、観終わった後の余韻をも楽しめるのが魅力だ。「クラシックというとちょっと敷居が高いというか、難しいイメージがあると思うんですけど、気楽に観に来て欲しいです。クラシックが分からない方でも本当に綺麗な音が流れるから、耳も癒されるし、この4人の戦いのストーリーもしっかりしているから、映画を観た後の余韻がすごいと思うんです。体感して欲しいですね、この映画を。本当に気楽に劇場にお越しください」『蜜蜂と遠雷』全国公開中撮影/杉映貴子、取材・文/若村幸江
2019年10月09日本日10月9日、中央公論新社より『12人の花形伝統芸能 覚悟と情熱』が発売された。これは、2018年4月に読売新聞で開始した月1回の連載『中井美穂の見染めました』をまとめた本で、歌舞伎、文楽、能・狂言、落語・講談・浪曲から、講談師の神田松之丞、歌舞伎俳優の市川染五郎ら今最も注目される旬の若手12人が取り上げられている。演劇通としても知られるアナウンサーの中井美穂が、若い世代の溢れる情熱や、伝統を背負うからこその悩み、そしてプライベートまで引き出す一方、各ジャンルの見どころが語られるなど、単なる芸談にとどまらず、初心者にも読みやすい内容になっている。中井は本書の中で、「伝統芸能は、見続けることで、わからないことが少しずつわかってきて、だんだんと魅力が味わえるようになるのです。だから、初めて劇場に足を運んだ日が、スタートの日。その船に乗るのに、遅すぎるということはないのです。これから知らない世界に入れることは、喜びだと思います」と語っている。『12人の花形伝統芸能 覚悟と情熱』の内容は以下のとおり。はじめに中井美穂第一章尾上松也(歌舞伎俳優)第二章中村壱太郎(歌舞伎俳優)第三章市川染五郎(歌舞伎俳優)第四章竹本織太夫(文楽太夫)第五章鶴澤清志郎(文楽三味線)第六章吉田玉助(文楽人形遣い)第七章宝生和英(能楽シテ方)第八章亀井広忠(能楽囃子大鼓方)第九章茂山逸平(狂言師)第十章春風亭一之輔(落語家)第十一章神田松之丞(講談師)第十二章春野恵子(浪曲師)
2019年10月09日『ジョン・ウィック』シリーズから、女性が主役のスピンオフが生まれることになった。タイトルは『Ballerina』。主人公は、家族を殺した人に復讐を誓う若い女性。主演女優は決まっていない。キアヌ・リーヴスはエグゼクティブ・プロデューサーを務めるが、出演するかどうかは不明だ。監督は『アンダーワールド』のレン・ワイズマン。『ジョン・ウィック/パラベラム』は、全世界で3億ドル以上を売り上げ、シリーズ最高のヒット作となった。4作目の製作準備も始まっているが、『Ballerina』は最大優先で進められるとのことだ。文=猿渡由紀『ジョン・ウィック/パラベラム』全国公開中
2019年10月09日「現在最高のピアニスト」と言い切ってしまっても、ほとんど異論が出ないのではないかと思える程の高みに存在するクリスチャン・ツィメルマン。今まさに、「知・情・意」の3つが極めて高いレベルで結びついた稀有な存在だ。何を弾いても話題になるその彼が、今回の来日公演で披露するのが室内楽。しかもブラームスの「ピアノ四重奏曲」となればこれは気になる。「ピアノ四重奏」は、ピアノにヴァイオリン、ヴィオラ&チェロという極めてシンプルかつ無駄のない編成で音楽が楽しめるのが特徴だ。今回ツィメルマンと共演するメンバーは、マリジャ・ノヴァク(ヴァイオリン)、カタジナ・ブゥドニク(ヴィオラ)&岡本侑也(チェロ)の3人。我々日本人としては、2017年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位に輝いた若手のホープ岡本侑也の参加が嬉しい限りだが、完全主義者のツィメルマンのことなので、しっかり吟味した結果の人選であることは間違いない。この4人が奏でるブラームスのロマンティックな調べとなれば、想像しただけでも心が躍る時間になりそうだ。●公演概要10月12日(土)兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール10月17日(木)サントリーホール 大ホールマリシャ・ノヴァクカタジナ・ブゥドニク岡本侑也●クリスチャン・ツィメルマン Krystian Zimerman (ピアノ, Piano)ポーランドのサブジェに生まれる。1975年にはショパン国際ピアノコンクールに史上最年少の18歳で優勝して、一躍世界の音楽界に知られる存在となった。バーンスタイン、カラヤン、ブーレーズ、ジュリーニ、マゼール、小澤征爾、ムーティ、ラトルら多くの卓越した指揮者とも共演し、室内楽では、ギドン・クレーメル、チョン・キョンファ、ユーディ・メニューインらと共演。またCDはドイツ・グラモフォンの専属契約の下に数多くの権威ある賞を受賞している。2017年9月には、日本国内(柏崎市文化会館アルフォーレ)にて収録したシューベトの最晩年のピアノ・ソナタ2曲によるソロ・アルバムを25年ぶりに発表し、高い評価を得ている。国内では、ハーゲン・クァルテット(10年)、マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団(14年)などと共演しているほか、昨年はバーンスタイン生誕100周年に因み、交響曲第2番「不安の時代」をラトル指揮ロンドン・フィル、ベルリン・フィルなどで、ヨーロッパ各地および日本を含むアジアで演奏。本年はショパン・スケルツォ全曲、ブラームスを中心としたリサイタル・ツアーをアジア、ヨーロッパで展開している。
2019年10月09日世代を超えて愛され続ける名作『アラジン』を、ディズニーが圧巻の映像と音楽で実写映画化し、大ヒットを記録したエンタテイメント大作『アラジン』が、10月9日(水)にMovieNEXと4K UHD MovieNEXで発売される。この度、本日発売のMovieNEXに収録されるボーナス・コンテンツの中から、『フレンド・ライク・ミー』や『アリ王子のお通り』の軽快な音楽とともにキャストたちの素顔が見られるNGシーン公開された。公開された映像では、アラジン役のメナ・マスードやジャスミン役のナオミ・スコットの笑顔や、ランプの魔人ジーニー役のウィル・スミスがセリフの間違いを連発して思わず叫んでしまう姿など、本編とは違ったキャストたちの一面を見ることができる。本編で、ダンスやアクロバットなど運動神経抜群な姿を披露したマスードは、段差から飛び降りる際、不意に滑って転んでしまうというギャップを見せる。そんなマスードの横で灰色のボディースーツを着たふたりはCG加工前のアブーだ。また、ジャスミンの父で国王サルタン役のナヴィド・ネガーバンは、声を出して笑う姿から一瞬でシリアスな顔に一転する、役者らしい一面を覗かせる。さらに、こちらも加工前のラジャー相手にお芝居をするスコットは、寄り目で変顔を披露。凛としたジャスミンを演じるスコットとはまた違った、ユーモアたっぷりの表情だ。このように、キャストたちの笑顔溢れる舞台裏が見られるのも、監督のガイ・リッチーが率先して撮影現場の雰囲気をリラックスさせたからだという。思わず笑顔になってしまうNGシーン集の続きは、MovieNEXで楽しんでほしい。『アラジン』MovieNEX(4,200円+税)と4K UHD MovieNEX(6,000円+税)発売中先行デジタル配信中実写版とアニメーション版の両方を豪華デジパック仕様に収めたセット商品『アラジン MovieNEXコレクション(期間限定)』(8,000円+税)、アニメーション版をより高画質・高音質で楽しめる『アラジン 4K UHD』(5,800円+税)が同時発売。
2019年10月09日人気コンピレーションシリーズの第4弾となる『確かにあの瞬間は恋だった。』が本日10月9日に発売された。このシリーズは現在の20代から30代の青春時代を彩った、名曲を収録する恋愛コンピレーションアルバム。これまで『確かにあの日々は恋だった』『確かにあの涙は恋だった。』『確かにあの日々は恋だった。』が発表され、累計20万枚以上の売り上げを記録している。今作はGReeeeN『キセキ』、ORANGERANGE『花』、サスケ『青いベンチ』、Aqua Timez『等身大のラブソング』、平井堅『瞳をとじて』、浜崎あゆみ『SEASONS』など、同シリーズ最多の40曲が収録された。ジャケットを飾るのは「全女子理想の彼氏」として注目の俳優・杉野遥亮。自身も「自分の過去にリンクしたり、すごく気持ちが乗るアルバムだなと思います。ドライブしている最中に聴くのも良し、ふと1人で思いにふける時に聴くのも良し、収録されている楽曲も豪華なアーティストの方々ばかりなので贅沢な1枚だと思います」とコメントしている。これを聴いて、ぜひ00年代の空気感を思い出してほしい。■リリース情報『確かにあの瞬間は恋だった。』10月9日発売<収録曲>1:キセキ/GReeeeN2:花/ORANGE RANGE3:春夏秋冬 2019/Hilcrhyme4:tonight/平井 大5:My Boo/清水翔太6:この夜を止めてよ/JUJU7:恋におちたら/Crystal Kay8:青いベンチ/サスケ9:等身大のラブソング/Aqua Timez10:LIFE/キマグレン11:3090~愛のうた~/山猿12:ひまわり/遊助13:君に恋をしています/ベリーグッドマン14:この恋にさよなら/Safarii15:真夏のオリオン/INFINITY16 welcomez MINMI,10-FEET16:ナツラブ/Juliet17:Re:100万回の「I love you」/Jewel18:好きだよ。~100回の後悔~/Sonar Pocket19:もう一度...feat.BENI/童子-T20:sad to say/JASMINE21:I WILL/AZU22:君のとなり/當山みれい23:Aitai/加藤ミリヤ24:CHE.R.RY/YUI25:GLAMOROUS SKY/NANA starring MIKA NAKASHIMA26:CLOSE TO YOU/Little Glee Monster27:未来の地図/Mi28:ミラクル/miwa29:明日への扉/I WiSH30:貴方の恋人になりたいのです/阿部真央31:Butterfly/木村カエラ32:猫/DISH//33:secret base~君がくれたもの~/ZONE34:ありがとう/いきものがかり35:メリクリ/BoA36:ENDLESS STORY/REIRA starring YUNA ITO37:愛のうた/倖田來未38:瞳をとじて/平井 堅39:366日/HY40:SEASONS/浜崎あゆみ
2019年10月09日スティングが本日10月9日、幕張メッセ7・8ホールにて、来日公演を開催する。スティングは、ロックバンドのポリスのメンバーとして、ソロアーティストとして数々の名演と名曲を残してきた伝説的な存在。現在も国際的に活動する彼は、7月に自作曲を今の視点でセルフカバーしたアルバム『My Songs』をリリースしたばかり。現在はそれにともなうワールドツアーの真っ最中だ。本日の公演は欧州、アメリカを経由したツアーの日本版。キャリア集大成のベスト・ヒッツ・ツアーとなるため、古参のファンから、はじめて彼の音楽に触れるビギナーまで楽しめる内容となるはずだ。幕張メッセでの公演に続き、12日にはゼビオアリーナ仙台、15日には丸善インテックアリーナ大阪での公演を予定している。スティング自身も「日本に行くのが待ち遠しいよ。熱心なオーディエンスの前でパフォーマンスをしたり、日本の文化を体験したことなど、素晴らしい思い出が日本にはあるんだ」と日本公演への期待を語っている。味わいを増したスティングの音楽に触れる、またと無いチャンスだろう。■公演情報スティング「MY SONGS TOUR」会場:幕張メッセ 7・8ホール日時:10月9日(水)、10日(木)開場18:00 open/開演19:30会場:ゼビオアリーナ仙台日時:10月12日(土)開場17:00 open/開演18:30会場:丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)日時:10月15日(火)開場18:00 open/開演19:30
2019年10月09日10月4日から公開中の映画『HiGH&LOW THE WORST』は、累計観客動員450万人・興行収入65億円を突破し、様々なメディア展開をみせる『HiGH&LOW』シリーズと、7500万部を突破した不良漫画の金字塔・高橋ヒロシ『クローズ』『WORST』の奇跡のクロスオーバー作品だ。『HiGH&LOW』から登場するのは、札付きの不良が集う“漆黒の凶悪高校”鬼邪高校。そこで番長を張っているのが、山田裕貴演じる村山良樹だ。ドラマシリーズ1から登場していたキャラクターが、シーズン2、劇場版と、時を重ねるにつれて、大きな変化を遂げてきた。それはまるで、山田本人ともシンクロするように。そんな彼に、『HiGH&LOW』シリーズに参加した4年間についてこう語る。「鬼邪高というチームで、SWORD(『HiGH&LOW』シリーズの舞台である地区)の“てっぺん”を目指したいというか、“鬼邪高校が1番いいよね”って言われなきゃいけないと思っていました。だって、ドラマが始まった時、山王連合会には岩ちゃん(岩田剛典)、White Rascalsには黒木啓司さん、RUDE BOYSの窪田(正孝)くん、達磨一家には林(遣都)くん、そこで鬼邪高には山田裕貴ってなると、“誰?”って思われると感じていたし、当初から“絶対に爪痕を残さなければならない”という想いがありました。そこからスタートして、当然僕らだけの力ではないですけど、『クローズ』『WORST』の世界とコラボも実現しました」かねてから『クローズ』『WORST』の愛読者だったという山田。そして、漫画の前日譚を描き、大ヒットした映画『クローズZERO』への憧れは強かったそうだ。「その時僕は俳優ですらなかった。でも「出たい」と思っていたんです、相当ですよね(笑)。『クローズZERO』は今を代表する諸先輩方が一堂に会するような作品で。この映画を観て育った自分が、また同じ世界で戦えるというのは……、びっくらこいた!ですよ(笑)」そして、本作の観客も、かつての自分のように、この映画を観て熱くなってほしいという。「僕はあの時の芹沢多摩雄のような存在、圧倒的なカリスマ性を持ったキングでいなければならない。そういう僕らを観て、あの頃の僕らのように熱くなってくれたら本望ですね」撮影/高橋那月、取材・文/藤谷千明『HiGH&LOW THE WORST』全国公開中※高橋ヒロシの「高」はハシゴダカが正式表記。
2019年10月08日史上初の快挙となる直木賞(第156回)、本屋大賞(2017年)のW受賞を果たし、映像化不可能と言われた『蜜蜂と遠雷』が豪華キャスト、スタッフ陣により実写映画化。10月4日に全国公開された。国際ピアノコンクールでの熾烈な戦いを通して、お互いに刺激し合い葛藤し、そして成長を遂げ‘覚醒‘していく物語だ。音楽エリートとして超名門音楽院に在籍し、優勝候補最有力の重圧に挑むマサル役を森崎ウィンが熱演。ジャンルは違うが、同じアーティストとして活躍する森崎の目にマサルはどう映ったのだろうか?「マサルはすごく繊細だけど、責任感もあって、サービス精神がある。でもそれは人から見えているマサルで、内面は芯がとても強くて、自分で世界を切り開くんだ、自分で新しいものを作るんだ、というビジョンがとてもはっきりしている人。だから本番でも先生から言われた通りじゃなくて、自分流にやってしまうところがある。そこにはよし、いける!っていう絶対の自信があって迷わず突き進める強さがある。そういう感覚的なところは、僕と似ているなって思いましたね」森崎もマサル同様、端正な顔立ちと精悍なたたずまいで「王子」と呼ばれるのに相応しい。しかし本人は「王子」と言われるとプレッシャーに感じると言う。「僕とマサルは全然似てないというか(笑)。マサルが刻むリズムってすごくゆっくりなんですが、僕はすぐ反射的に返してしまうことが多くて。ゆっくりしゃべるとか、動作も静かに流れるようにするとか。マサルに寄り添うために、リズムを落とさないといけないのが、すごく難しかったです」森崎はアーティストとしても活躍しているが、クラシックはこれまで演奏したことがなかった。マサルを演じる上で、「ピアニストとしてのマサル」を知るために、音楽教室に通い、半年以上かけて弾けるようになったという。同時に、クラシックの難しさを痛感した。「クラシックって弾く指の番号まで決まっていて、決められたルールを守らないといけないんです。それはなかなか慣れなかったですね。どうしても自分が弾きやすいように手を動かしてしまって。あと指を広く開くこと。運よく僕は手が大きかったので届きましたが、それでも痛い!って思いながら、でもどんどん弾かないといけないし。レッスンが終わると本当に手が痛かったですね」『蜜蜂と遠雷』は「音楽の神様に愛された天才」の戦いの物語でもある。どんな世界でも、「天才」という人がいて、その中で神様に愛されるのは、「努力をする人」だと森崎は考える。「諦めずに前向きに、しっかりと自分の将来を見据えて、努力をする人が最終的には勝つと思います。人ってやっぱり見ているんですよ。そこは信じて、しっかり努力を続けていくことじゃないかなって思います。僕も他の仕事の合間でピアノの練習をしていたので、本当に大変でしたが、絶対に弾いてやるっていう気持ちで練習しましたし、本番では弾けるようになっていました。撮影後に石川監督から、感動したって言ってもらえて、本当に嬉しかったです。一つひとつを怠らず、積み重ねることだと思います」4人のライバルには、同世代で活躍している松岡茉優、松坂桃李、大型新人として鈴鹿央士との共演があった。現場ではライバル同士だったこともあり、和気あいあいとした雰囲気はなく、程よい緊張感があったという。「茉優ちゃんも、桃李君もキャリアは僕なんかより長いですし、場数も全然違うんで。もう一回違う作品で出会えるように頑張りたいなって思いました。鈴鹿君は初めてとは思えないくらい堂々としていて、人としても魅力的でした。現場で今日のお弁当は何を食べましたか?とか、昨日は何をしていたんですか?とか聞いてくれて、可愛かったです(笑)」『蜜蜂と遠雷』は4人の天才ピアニストの葛藤や人生の壁を乗り越えるヒントが見つかる作品でもあり、まるでアスリートの戦いを見ているような感覚になれる映画でもある。「クラッシックコンクールの話だから敷居が高くて、近寄りがたいイメージがあると思うんですけど、そんなことはないです!僕の言葉を信じて、一度劇場に足を運んでくださると、本当に画面の中でアスリートたちが、癒しの音楽と共に戦っているんで、ぜひその臨場感を劇場で味わっていただけたらと思います」『蜜蜂と遠雷』全国ロードショー中撮影/高橋那月、取材・文/若村幸江
2019年10月08日