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ギタリストの宝庫スペインから、またひとり興味深い才能が輩出された。2007年のフランシスコ・タレルガ国際ギターコンクールを始め、ニューヨークのプロ・ムジチス賞等を含む13の国際コンクールで優勝を果たしたという凄腕ギタリスト、ラファエル・アギーレその人だ。曰く「神の祝福を受けたギタリスト(マインツECHO誌)」、「ギター界の未来(クルトゥア・ポート誌)」、「もっとも称賛されたスペイン・ギターを代表する一人(エル・パイス誌)」、「成熟しており強烈(リトモ誌)」などなど、彼の実力を伝える世界各地の記者の声も、これ以上無いほどの讃えよう。まさにスペイン・ギター界の希望の星と言った趣だ。スペインの大先輩に当たるアンドレアス・セゴビアや、ナルシソ・イエペスから受け継いだ伝統的なクラシックギターに加え、フラメンコやポップスに映画音楽などなど、ギターならではの幅広いレパートリーを手掛けることもその人気に拍車をかけている様子のラファエル・アギーレ。その実力やいかに。再来日となる今回の公演には、アルベニスやタレガにロドーリーゴ、ファリャなど伝統的なスペイン物の他、パコ・デ・ルシアの作品なども披露。スペインならではの情熱的ステージに期待したい。(c)European Music Foundation●公演概要2月4日(火)浜離宮朝日ホール「ラファエル・アギーレギター・リサイタル」
2020年01月30日葛飾北斎の知られざる生涯を初めて描く映画『HOKUSAI』が、北斎の生誕260周年となる今年、5月29日(金)より全国公開されることが決定。この度、柳楽優弥、田中泯、阿部寛、永山瑛太、玉木宏らオールスターキャストが揃い踏みとなる本作の特報と場面写真が公開された。代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が今年2月に新たに刷新される新パスポートや、2024年度から使用される千円札のデザインに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト・葛飾北斎。19世紀にヨーロッパでジャポニズムブームを巻き起こし、マネ、モネ、ゴッホ、ゴーギャンなど、数々のアーティストに影響を与え、西洋近代絵画の源流となった存在だ。彼は世界で最も有名な日本人で、米 LIFE 誌“この1000年で偉大な功績を残した100人”にも、唯一の日本人として選ばれている。公開された特報映像と場面写真は、激動の時代に抗い、画狂人生を突き進んだ北斎の姿が眩しいものだ。彼の代表作である『冨嶽三十六景』の一図、『神奈川沖浪裏』がダイナミックにうねるアニメーションで幕が明ける本映像。続いて「北極星にちなんでつけたんだ。たったひとつ決して動かねえ星だ」と自らの名前の由来を稀代の版元(プロデューサー)・蔦屋重三郎(阿部)に真っ直ぐなまなざしで語っている。そんな青年期を演じるのが柳楽で、そして、「勝負してえんだ、世の中とよ」と老いてもなお、さらなる高みを目指し、目をギラつかせる老年期の北斎を演じるのが田中だ。ふたつ時代の北斎が捉えられている。北斎が生きた江戸時代後期は、まさに激動の時代。風紀の乱れを正すべく幕府によって風俗が厳しく取り締まられていた当時において、町人文化を彩った浮世絵もまた規制の対象だった。そんな表現者たちにとって不自由な生き方を強いられる世の中であっても、「俺は俺の好きに描く」と北斎はひとり北極星のごとく、ブレることなく画狂人生を邁進。表現者としての自由を求めて、筆ひとつで激動の時代に挑み続ける。そしてついにたどり着く、今もなお色褪せることなく人々の心を掴んで離さない、“あの波”の誕生……。いまだかつて描かれることのなかった北斎の知られざる物語、日本のみならず世界中に影響を与えた“あの波”の誕生秘話に期待が膨らむ仕上がりの映像だ。また、北斎の人生のキーマンとなる喜多川歌麿(玉木)、柳亭種彦(永山)の映像も初お披露目。豪華オールスターキャストが、それぞれの視点から北斎の波乱万丈の人生を見つめる。あわせて公開された場面写真では、若かりし頃から晩年まで変わることなく、飽くなき向上心のままに一心不乱に作品づくりに没頭する青年期と老年期の北斎や、若き北斎と対峙し、のちにその才能を見出す蔦屋、妖艶なまなざしで花魁を描こうとする美人画の大家・歌麿、種彦の書いた書物に目を落とし、言葉を交わしている様子の老年期・北斎と種彦の姿などが捉えられている。また、『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を手に取る芸者の姿たちもあり、“あの波”がいかに当時の人々の心を動かしたのかも見て取れる。生誕260周年を迎える2020年は、オリンピックイヤーとして、改めて世界の目が日本に注がれる。マンガやアニメなど、日本オリジナルのコンテンツの原点である北斎の知られざる人生を伝えるべく、海外映画祭への参加や海外配給を視野に入れた全世界同時プロモーションを展開し、世界中で“HOKUSAIムーブメント”を巻き起こすことになりそうだ。『HOKUSAI』5月29日(金)より全国公開
2020年01月30日全世界累計発行部数は4億6,000万部を突破した世界的ヒット漫画『ONE PIECE』が、Netflixオリジナルシリーズとして実写化されることが決定した。本作は、尾田栄一郎が手がける海賊冒険漫画。伝説の“海賊王”ゴール・D・ロジャーの残したと言われる「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を巡って、主人公モンキー・D・ルフィが率いる海賊“麦わらの一味”が冒険へと繰り出していく。Netflixは、トゥモロースタジオと集英社と提携し、この誰もが待ち焦がれる海賊たちの波乱と冒険に満ちたストーリーを全10話のドラマシリーズとして制作。共同制作となるトゥモロースタジオはマーティ・アデルスタインとITVStudiosのパートナーシップによる製作プロダクションであり、ドラマ『カウボーイビバップ』『スノーピアサー』などを手がけることでも知られるハリウッド有数のスタジオだ。脚本はJ・J・エイブラムスの制作会社バッド・ロボットを経て『エージェント・オブ・シールド』や、Netflixのマーベルドラマシリーズを手がけた実力派マット・オーウェンズが担当。またエグゼクティブ・プロデューサーとして『LOST』を手がけたことで知られるスティーブ・マエダ、前述のマーティ・アデルスタイン、ベッキー・クレメンツ、マット・オーウェンズが参加する。また、原作者の尾田栄一郎がエグゼクティブ・プロデューサーとして参加。スティーブマエダ、前述のマーティ・アデルスタイン、ベッキー・クレメンツ、マット・オーウェンズらハリウッド制作チームのエグゼクティブ・プロデューサー陣に続き制作に関わっていく。過去にも実写映像化のオファーは多数あったという本作だが、尾田と週刊少年ジャンプ編集部がさまざまなハードルを乗り越えられると確信できたことから実現したという今回の実写化企画。“世紀の一大プロジェクト”と言えるNetflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』に期待が高まる。●尾田栄一郎コメント(原作、エクゼクティブ・プロデューサー)2017年に製作を発表したんですけど時間かかるのよいろいろ!水面下でずーっとじわじわ準備が進んでます。そして今回これを発表していいそうです。あの世界一の動画配信サービスNetflixが大きく力を貸してくれる事になりました!心強い!!シーズンI 10話でストーリーがどこまで進むのか。配役はどうなるの!?もう少しお待ちください。そしてご期待ください!!Netflixオリジナルシリーズ『ONE PIECE』
2020年01月30日ピクサー・スタジオの『トイ・ストーリー4』『リメンバー・ミー』に続く最新作『2分の1の魔法』。この度、本作の日本語吹替キャストとして、主人公のイアン役を志尊淳、兄バーリー役を城田優が演じることが決定し、彼らによる吹替版の予告映像が公開された。『トイ・ストーリー』のおもちゃの世界、『モンスターズ・インク』のモンスターの世界、『ファインディング・ニモ』の魚の世界など、イマジネーション溢れる“もしも”の世界を描き、世界中に感動を贈り届けてきたディズニー&ピクサー。その最新作である『2分の1の魔法』は、はるか昔は魔法に満ちていたが、時の流れと科学や技術の進歩とともに魔法が忘れられ、“魔法が消えてしまった”世界が舞台だ。そんな世界で、少年イアンは、家族想いで優しいが、なにをやっても上手くいかず自分に自信がない。しかし隠れた魔法の才能がある少年。そんなイアンの願いは、彼が生まれる前に亡くなった父に一目会うことだ。父との思い出がないイアンは、16歳の誕生日プレゼントに、亡き父が母に託した魔法の杖とともに手紙を贈られる。そこに記されていたのは、“父を24時間だけよみがえらせる魔法”だったが、魔法に失敗し、“半分”だけの姿で父を復活させてしまう……。一方、魔法オタクで好奇心旺盛な兄のバーリー。彼は明るく元気で、いつもイアンを見守っているが、実は幼い頃に亡くした父にもう一度だけ会って、伝えたいことがあった。ふたりは“お父さんに会いたい”という願いを叶えるため、父を完全(全部)によみがえらせる魔法を探す旅に出るが、彼らに残された時間は、たったの24時間。24時間以内に魔法を完成させないと、二度と会えなくなってしまうのだ。家族の絆を描く本作に、衝撃的な感動の結末が待ち受けている。こんな正反対の性格ながら、“父さんに会いたい”という共通の願いを持った兄弟役を演じており、ふたりとも本作が洋画アニメーション吹替初挑戦となった志尊と城田。映画、ドラマだけでなく、ミュージカル等でも高い評価を受けている城田がディズニー作品で声優を務めるのは、『シンデレラ』以来2作目となる。ふたりの起用理由について配給のディズニーは、「志尊さんは優しくてピュアなイメージを持ちながら、高校生の役から難しい役までさまざまな役柄を演じてこられました。イアンの弱さだけでなく、彼が自分を信じて成長していく様も表現いただけると思い、オファーしました」と語り、城田については「バーリーも幼い時に亡くしたお父さんにもう一度会って伝えたい特別な想いを心に秘めています。城田さんの仲間や家族を大事にする大らかな人柄がバーリーにぴったりで、また舞台やテレビなどマルチに活躍されており、バーリーの陽気だけれど、不器用な部分も持ち合わせた難しい役どころも演じていただけると思いオファーしました」と続ける。今回の抜擢に志尊は、「まさかディズニー&ピクサー作品と関われる時が来るのかと、とにかく嬉しい気持ちでいっぱいです!」と喜びいっぱいの様子。城田も「小さい頃から、『トイ・ストーリー』が大好きでずっと見ていて、新しい作品の兄弟の話で、本当に普段から弟みたいに可愛がっている志尊淳くんと一緒にやれて心から幸せです」とコメント。さらに兄弟役であるお互いの印象について志尊は、「優くんはいつもおちゃらけているんだけど、僕が悩みを相談すると、僕のフォローであったりとか、僕の味方に立って前に出てくれるところがすごくバーリーとリンクしている!」と明かし、城田は「淳ちゃんのすごく優しくて気遣いができるところが本当にハマり役で、たぶんふたりの関係性をそのまま出せれば、シンプルにこの物語にちゃんと愛とか色とか情とか温度が生まれるんじゃないかな、と思います」と強い絆をアピール。本作の出来栄えに自信を覗かせた。『2分の1の魔法』3月13日(金)より全国公開
2020年01月30日今年5月に市川團十郎白猿の襲名を控えた市川海老蔵が、1月31日(金)から3月1日(日)まで各地巡業で特別公演を行う。演目は『羽衣』と『勧進帳』。『勧進帳』は、七世市川團十郎が市川宗家(成田屋)のお家芸として選定した18演目「歌舞伎十八番」の内の一つで、天保11(1840)年3月に江戸河原崎座で初演。これを九世團十郎が洗練し、今日では歌舞伎屈指の人気演目となっている。物語は平安末期、壇ノ浦で平家を滅ぼすのに寄与した源義経だったが、その後生じた兄頼朝との不和を修復できぬまま、弁慶ら家来とともに都を落ち延びるところから始まる。山伏姿に身をやつして奥州を目指す途中、安宅(あたか)の関に差しかかるが、既に義経一行が山伏姿で逃げているとの情報があり、関守の富樫左衛門が通行を許さない。「東大寺再建の勧進(寄付金集め)のため」と目的を偽ると、「それならば、勧進帳(寄付募集の趣意や必要な金品・材料が書いてあるもの)があるはず」と迫られる。そこで弁慶が白紙の巻物を勧進帳として読み上げるシーンが有名だ。その後も富樫は弁慶に対し、仏法の心得がある真の山伏か確かめようと質問攻めにする。この「山伏問答」や、弁慶が豪快に花道を駆け抜ける「飛び六方」など、みどころ満載で最初から最後まで飽きることがない。能の『安宅』を基につくられているため、舞台は能楽堂を模し、背景は鏡板さながら松の大樹。「松羽目物(まつばめもの)」と呼ばれる様式美にも注目だ。囃子方がひな壇に揃って演奏する音楽も格調高く、心地よい。弁慶を演じる海老蔵は、これが海老蔵として最後の『勧進帳』となる。富樫は市川右團次。義経は中村児太郎が初役で勤める。その児太郎が天女の役の『羽衣』も能の同名作を舞踊化した作品で、駿河の国(今の静岡県)三保の松原に残る羽衣伝説が題材だ。浜辺の松に掛けられた美しい羽衣を見つけた猟師がこれを家宝に持ち帰ろうとすると、持主である天女が姿を現し返してほしいと願う。返してもらった羽衣を身にまとって優雅に舞う天女の幻想的な美しさ、能につながる幽玄な世界を、成長目覚ましい若手女方の児太郎がどこまで表現できるか楽しみだ。巡業先は、1月31日(金)から2月2日(日)まで名古屋・御園座、2月8日(土)・9日(日)に石川県こまつ芸術劇場 うらら 大ホール、2月10日(月)に石川・金沢歌劇座、2月14日(金)から23日(日・祝)まで京都・南座、2月26日(水)から3月1日(日)まで福岡・博多座の計5か所。いずれも上記2演目と、演者による「挨拶」がある。文:仲野マリ
2020年01月30日昨年5月、ヒザのケガの療養のため、活動の制限を発表したEXILE TETSUYA。とはいえ、休止したのはあくまでパフォーマーとしての活動。「振り返ってみるとたくさん仕事してました(笑)」と語るように、自ら経営に携わる“AMAZING COFFEE”の新展開、さらには、EXPG STUDIOと角川ドワンゴが提携し、4月に開校するEXPG高等学院の学長就任など、多忙な日々を送り続けてきた。これらの活動について今回、改めて話を聞いたが、取材を通してTETSUYAの口からは“夢”や“未来”、そして次代を担う“子どもたち”といった言葉が幾度となく発せられる。この2月で30代最後の年を迎えるこの男の視線は、より広い社会、そして時代の先を捉えている。2016年に中目黒に“AMAZING COFFEE”1号店をオープンさせ、その後も着実に事業を拡大し、昨年からはローソンのMACHI caféとのコラボレーションも開始。2月4日よりコラボ第3弾として、AMAZING COFFEEの人気商品“チョコモ~モ~”にカフェインレスコーヒーを加えた“アメージング チョコモ~モ~ THE SECOND”の発売が開始される。そもそも、AMAZING COFFEEのラインナップにチョコレートドリンクである“チョコモ~モ~”を加えたのは「子どもたちに店に遊びに来てほしかったから」。「では子どもが好きなものは何か、と考えてチョコレートミルクを置こうと。ただ“チョコミルクください”では面白くないので、“チョコモ~モ~ください!”と子どもが言ったらかわいいなと思ったんです。結果的に、なぜかLDH所属の若いメンバーまでこればかり頼むようになったのですが(笑)」今回のコラボのために、EXILE SHOKICHIにコーヒーとバレンタインをイメージした楽曲の制作を依頼し、そのプロモーション動画にはEXILE NESMITH、さらに子どもたちに大人気の『ひみつ×戦士 ファントミラージュ!』に出演するLDH所属の少女たちも参加している。LDHというプラットフォームをフル活用しての事業拡大。TETSUYAは「僕らにしかできないコーヒー屋を作って、新しいビジネスモデルを提示したい」とその意図を説明する。「これまでEXILEが突っ走ってきて、三代目(J Soul Brothers)ができて、GENERATIONSが続いて、さらにその下に若い子たちがいっぱいいますが、彼らのポテンシャルって本当にすごいものがあるんです。だからこそ僕が新しい働き方、生き方を見せることで、若い子たちが“じゃあ自分たちはこんなことができるかも”と思いもよらないような新しいことを始めるようになったらいいなと思ってます。彼らが生み出す未来が楽しみだからこそ、自分はとことん、コーヒー屋のオリジナリティを追求したい」こうした思いを持つ彼が、EXPG高等学院の学長に就任するのは、必然だったのかもしれない。これまでも後輩の育成を通じて、パフォーマーとして自分の夢を追いかけるのとはまた違った楽しさを受け取ってきたという。「夢がかなう瞬間って、たとえそれが他人の夢だったとしてもすごく嬉しいんですよ。そこで“TETSUYAさんの言葉に背中を押されました”と言われた日には泣けちゃいます(笑)」自らを「踊る学長(笑)」と称し、同学院での教育を通じて「“踊る○○“をたくさん生み出したい」と野望を明かす。「もちろん、アーティストやスーパースターになってくれる子を輩出できればうれしいですが、全員がそうなれるかといえばそうではない。これまでも、そこでダンスそのものをやめてしまう子を見てもったいないなと思っていました。例えばダンスでプロになれなくても、弁護士になって、TVでコメンテーターとして活躍するようになったら、いつかCDを出してアーティストとしてデビューできるかもしれない。ダンスという縦軸を保ちつつ、自分なりの横軸を携えて、夢をかなえられるような子たちを輩出したいんです」“育てる”という意識以上に、彼自身が20以上も年の離れた若者たちからの刺激を楽しみにしている。「もう今の若い子って本当にすごいですよ。情報収集の仕方ひとつとっても、僕らとは比べものにならないですから。修学旅行や社会見学でVRのゲームの世界に行く話を聞いて“そんなの楽しいに決まってる!”って(笑)。自分にないものを持っている子たちと交わるのを楽しみにしてます!」取材・文:黒豆直樹、撮影:稲澤朝博アメージング チョコモ~モ~ THE SECOND2月4日(火)よりローソン全国MACHI café販売店舗にて発売一部取り扱いのない店舗あり
2020年01月30日PENTATONIX(ペンタトニックス)が本日1月30日、パシフィコ横浜・国立大ホールで「PENTATONIX THE WORLD TOUR:JAPAN 2020」の初演を行う。アメリカのアカペラグループ・PENTATONIXは3年連続(2015年~2017年)でグラミー賞に輝き、動画総再生数は41億回超えるほどの人気だ。昨年は日本デビュー5周年を記念したベスト盤『PTX Japan 5th Anniversary Greatest Hits』をリリース。Official髭男dismの『Pretender』のカバーを収録したことも話題になった。彼らは全米、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポールもめぐるワールドツアーの真っ最中。「PENTATONIX THE WORLD TOUR:JAPAN 2020」はそれに伴った公演となる。彼らが日本でツアーをするのは2年半ぶり3度目のことだが、Avriel Kaplan(アヴィ・カプラン)に代わり、Matthew Sallee(マット・サリー)が加入してからは初となる。先日YouTubeで発表されたメッセージ動画によると、メンバーたちも久々に日本のファンの前でパフォーマンスできることを楽しみにしている様子だ。世界の心を震わせるハーモニーに国内で触れられる機会をお見逃しなく。■公演情報「PENTATONIX THE WORLD TOUR:JAPAN 2020」1月30日(木)パシフィコ横浜国立大ホール開場18:30/開演19:302月1日(土)札幌文化芸術劇場 hitaru2月3日(月)名古屋国際会議場センチュリーホール2月4日(火)東京国際フォーラムホールA2月6日(木)フェスティバルホール
2020年01月30日現代美術家の森村泰昌による個展『森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020—さまよえるニッポンの私』が、原美術館にて4月12日(日)まで開催されている。名画や映画の登場人物あるいは歴史上の人物に自らが扮するセルフポートレイト作品で知られる森村泰昌。巧みなメイクや衣装で、時代や人種、性別を超えてさまざまな人物に自らが成り代わり、制作を通して原作やその背景に独自の解釈を加えることで、観る人の固定観念に揺さぶりをかける。1985年にゴッホの肖像画に扮したセルフポートレート写真を発表。以降、マネ、レンブラント、ダ・ヴィンチといった画家作品の登場人物になりきる「西洋美術史」シリーズ、ディートリッヒやマリリン・モンローなどに扮した「女優」シリーズ、ヒトラーやチェ・ゲバラ、三島由紀夫などに扮した20世紀の「男達」シリーズなど、一貫して自画像的作品で「私とは何か」をテーマに作品を作り続けてきた。同展では、そんな森村作品から、エドゥアール・マネ《オランピア》から生まれた初期代表作《肖像(双子)》と新作《モデルヌ・オランピア2018》をはじめ、マッカーサーと昭和天皇、三島由紀夫やマリリン・モンローのポートレート作品などが展示される。原美術館()
2020年01月30日映像コンテンツメーカーや映像機器メーカーが加盟する、次世代デジタルエンタテインメントの普及団体“デジタル・エンターテイメント・グループ・ジャパン”(会長:川合史郎、以下DEG ジャパン)は、2019年に発売されたブルーレイソフトの中で最も優れた作品を表彰する第12回「日本ブルーレイ大賞」の各部門審査を終了し、受賞作品を発表した。各部門の審査は、12月初旬から1月中旬にかけて部門ごとに各審査員団が実施し、“高画質”や“高音質”などのブルーレイディスクの特長を最も活かした作品を審査する“クオリティ部門”から3作品、売上や話題性など2019年に注目されたブルーレイソフトを総合的に審査する“カテゴリー部門”から7作品の、計10作品の受賞作品を決定。今後、“クオリティ部門”と“カテゴリー部門”から選出された全10作品の中から、1月下旬に株式会社ステレオサウンド内の試写室にて実施されるグランプリ審査にて、2019年を代表する最も優れた作品とされるグランプリ作品が決定する。なおグランプリ作品は、2月19日(水)に開催される第12回“日本ブルーレイ大賞”授賞式にて発表。授賞式では、グランプリ作品のほか、準グランプリ作品、審査員特別賞を発表する。また、当日は日本ブルーレイ大賞のアンバサダーを務める堀田真由が登壇する予定だ。受賞作品の一覧は以下。■クオリティ部門・高画質賞(ブルーレイ):『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 エクステンデッド版ブルーレイセット』・高画質賞(Ultra HDブルーレイ):『ライオン・キング 4K UHD MovieNEX』・高音質賞:『アリー/スター誕生』■カテゴリー部門・映画賞(洋画):『ボヘミアン・ラプソディ』・映画賞(邦画):『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-』・TVドラマ賞:『ゲーム オブ スローンズ 最終章』・アニメ賞(洋画):『スパイダーマン:スパイダーバース』・アニメ賞(邦画):『鬼滅の刃 1』・音楽賞:『Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018/宇多田ヒカル』・ノンジャンル賞:『4K 夜景 2 TOKYO HDR NIGHT』
2020年01月29日『映画ドラえもん』シリーズ最新作『映画ドラえもん のび太の新恐竜』が3月6日(金)に公開される。この度、ゲスト声優として渡辺直美が参加することが決定した。ドラえもん生誕50周年&映画40作目となる本作は、のび太が双子の恐竜キューとミューに出会って始まる大冒険の物語。映画1作目『映画ドラえもん のび太の恐竜』とは異なる、全く新しいオリジナルストーリーとなっている。『のび太の宝島』でシリーズ史上最高興行収入53.7億というヒットを打ち立てたコンビの監督・今井一暁と脚本・川村元気が手がける。主題歌はMr.Childrenが書き下ろしたW主題歌『Birthday』『君と重ねたモノローグ』。また、ゲスト声優として木村拓哉の出演が発表されている。出演が決定した渡辺が演じるのは、猿の姿をした謎の男・ジル(声:木村拓哉)と通信し、のび太たちの冒険を密かに監視する怪しい女・ナタリー。小さい頃から親しんできた『ドラえもん』に参加出来る喜びを感じながらも、出演オファーを聞いた時は、思わずドラえもん役かと思ったほど、ドラえもんに似ていると自負する渡辺。情報発表に合わせて行われた取材では、青色の服と、青色の髪にドラえもんのトレードマーク・鈴をつけた、見事な“ドラえもんスタイル”で登場し、ドラえもん愛と喜びを爆発させた。■渡辺直美(ナタリー役)コメント小さい頃から、青い服を着ると必ず「ドラえもん?」って言われていた私が、全身真っ青の服を着て、公式でドラえもんと並べるなんて感動です!!オファーを頂いた時は、「ん?ドラえもん役かな?」と思いましたが(笑)、ナタリーという素敵な役をいただき、ずっと観ていた『ドラえもん』に参加できて、最高に嬉しいです。小さい頃から私はのび太に似ていて、勉強も出来ないし、ぐうたらしちゃうし。新年の初詣では、「私にもドラえもんが現れますように……」って毎年願っていました!私は顔芸だけでここまで来ていますから(笑)、顔芸を封印される声の仕事は、実はすごく苦手です。アフレコに向けて発声練習をして、台詞だけでなく、ナタリーの表情から感情をくみ取り、きちんとナタリーの想いを声で届けられるよう頑張りました。アフレコはかなり緊張したのですが、ヘッドフォンから聞こえる木村拓哉さんの声に癒されながら、何とか乗り切れました。今でも木村さんの素敵なお声が耳に残っています(笑)。今回、ドラえもんやのび太、それにナタリー、皆それぞれに意見や正義があって、それが溢れて、ぶつかり合いながら冒険をしてく、めちゃくちゃ熱い物語になっています。私もですが、みんな『ドラえもん』を観ながら大人になっていったと思います。今回は、さらに新しい『ドラえもん』が見られる、とても楽しい物語になっています。是非とも、ご家族で『のび太の新恐竜』を観に来てください!それと、ナタリーのセクシーボイスもご期待ください!!●欲しいひみつ道具子供の頃は「スモールライト」で小さくなって、友達の生活を覗いてみたいと思っていました(笑)。でも今はやっぱり「どこでもドア」!ニューヨークと日本を簡単に行ったり来たりできるのが魅力的です。あと、「ほんやくコンニャク」も欲しいし、「タケコプター」も欲しいんですよ!欲しいものがいっぱいありすぎて困ります(笑)。●「タイムマシン」で行ってみたい時代バブル全盛期だった、80年代の日本へ行ってみたいです!お札でタクシーを拾うとか、バブル時代の伝説をよく耳にしますが、本当にそんなことがあったのか、タイムマシンで行って経験してみたいです。『映画ドラえもん のび太の新恐竜』3月6日(金)全国公開
2020年01月29日原案:イーピャオ、漫画:小山ゆうじろうによる、同名のウェブコミックを実写映画化する『とんかつDJアゲ太郎』が、6月19日(金)に全国ロードショーされる。この度、その主要キャストが明らかとなった。主人公は、東京・渋谷の片隅にある老舗とんかつ屋「しぶかつ」の跡取り息子、勝又揚太郎(かつまた あげたろう)。父・揚作(あげさく)のもと、キャベツの千切りを作る毎日を送っている彼は、ある日、弁当の配達で渋谷のクラブへ。はじめて訪れたその場所で音楽にあわせ盛り上がるフロアに、これまでにない高揚感を体感。お調子者のアゲ太郎は“とんかつ”も“フロア”もアゲれる男「とんかつDJアゲ太郎」を目指していく。この度、主人公アゲ太郎を、北村匠海が演じることが発表された。北村は『君の膵臓をたべたい』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、『君は月夜に光り輝く』などに出演する一方、ダンスロックバンド「DISH//」のボーカル&ギターとしても活躍している。原作の大ファンであった北村も、まさか自分がアゲ太郎を演じるとは思いもしなかったという。「最初は戸惑ったし、バカで全力で一直線のアゲ太郎のテンションについていくのに必死だった」と、爆上げテンションへの挑戦を語った。また、とんかつ屋の三代目としてキャベツの千切りの練習もこなし、「線のように細くリズミカルに千切りできるまで」に上達したという。アゲ太郎が憧れる見習いスタイリスト・苑子の役には、『暗殺教室』でのヒロイン役や『東京喰種 トーキョーグール【S】』などに出演している山本舞香。さらに、アゲ太郎のライバルともなる気鋭の大人気DJ、屋敷蔵人を演じるのは、ドラマ『今日から俺は!!』『アシガール』に出演し、公私ともに北村と親交のある伊藤健太郎が演じる。そして、アゲ太郎のDJの師匠、DJオイリーを演じるのは、『あしたのジョー』『るろうに剣心』『翔んで埼玉』の伊勢谷友介。また、加藤諒、浅香航大、栗原類、前原滉、池間夏海、片岡礼子、ブラザートムなど、個性派俳優たちの出演が決定している。そして監督は、映画『チワワちゃん』で疾走する若者を描いた、二宮健が担当する。キャストなどのコメントは以下の通り。■北村匠海(勝又揚太郎)原作コミックは僕の周りにいる音楽関係の友達たちの間でも話題の1冊でした。ポップでキャッチーな絵柄とコミカルな笑い。そこに、DJのレジェントたちへの深い理解とリスペクトもあり勉強にもなる。ユーモアと本気の、そのいい塩梅のギャップが最高です。そんなマンガの主人公、アゲ太郎をまさか自分が演じるなんて……と、最初は戸惑いました。バカで全力で一直線。そんなアゲ太郎のテンションについていくのに必死でした。正直、「DJととんかつは同じだ!」と、と言われてもちょっと違うんじゃない?って思います(笑)。でも、とんかつビートの中に身を委ねていると、不思議と「あ、これ同じかも!?!!」となる瞬間がいくつもあって、それが面白かったです。撮影前にはDJの練習だけでなく、キャベツの千切り練習もかなりしました。おかげで線のように細くリズミカルに千切りできるまで上達しました。■山本舞香(服部苑子役)台本を読んだ時、どんな映像や音楽になるんだろうと想像するだけでワクワクしました。私は、クラブに行ったことがなくて、もちろんDJも見たことない!だから、クラブでの撮影は、どんなところなんだろう!?と、かなり好奇心旺盛に観察してしまいました(笑)。苑子はアゲ太郎の憧れの女の子です。アゲ太郎みたいな不器用な男の子を助けてあげる優しさがあり、場を明るくする子だなって思ったので、笑顔を大事に演じました。匠海くんのアゲ太郎はこれまでにない新鮮な感じ。撮影前は変顔して気合いを入れていて。それで、振り切ったお芝居をしているのが面白かったです。■伊藤健太郎(屋敷蔵人役)僕が演じた、屋敷はアゲ太郎のライバル的存在。IT企業を立ち上げ、社長業をやりながらDJとしても才能を持つすごいヤツ。一見、無表情でクールなんだけれど根っこにはアゲ太郎くらいアツいものを持っている。その熱量を忘れずに大事にしながら演じました。17、8歳から「売れような」って切磋琢磨してきた匠海と、こんないい形で共演できたことは夢のようです。■伊勢谷友介(尾入伊織/DJオイリー役)同じ道を志す若いヤツに、いい加減ながら道を指し示すDJオイリーという存在は、今いる自分の立場とも似通う部分が多く、抵抗感なくとても自然な形で役柄に入ることができました。北村くんはもちろん、三代目のチームと一緒にいることが多かったので、若い子たちとの時にくだらなく、時に真面目な会話もとても楽しかったです。なにか没頭できるものをみつけ、パワフルに人生を広げていく若者たちの姿をみることは、それだけでとてつもない幸福感や高揚感を与えてくれる。そのことに、この作品で改めて気づかされました。■二宮健監督この度、とんかつもクラブのフロアもアゲられる男「とんかつDJ」を目指すアゲ太郎に負けない、華やかなパワープレイで『とんかつDJアゲ太郎』を実写映画化するという大業を、偉大なキャスト、スタッフチームで成しました。「お客さんに思いっきり楽しんで欲しい!」という熱いバイブスヤバめの一品に揚がっております!そして、グルーヴ感MAXのキャストたちが、アゲ太郎ワールドの中で、未だ見せたことのなかったコメディセンスをアゲアゲのサクサクで炸裂させてます。揚げたてで早くお届けしたい。それでは、前人未到のウルトラHAPPYムービーで、皆さんのハートとお腹と耳を満たしに2020 スペシャルイヤー参上致しますので、どうぞお楽しみに!!■原案:イーピャオ先走るけど、やるときゃやる!愛すべき東京ボーイ・アゲ太郎と北村さんとのハマり具合が最高でした!そして彼を取り巻く家族、友達、DJ、憧れのヒロイン…渋谷の道玄坂を一本入れば現実にみんな住んでんじゃないか?って妙な感覚に…この世界、混ざりたいッス!■漫画:小山ゆうじろうこんなヘンテコな作品に、日本が誇る超実力・超個性派俳優たちが結集し、結果、良い化学反応が起こりまくっていた!全キャストのハマり具合にbig up!は言わずもがな、特に、勝又一家の4人からは、グルーヴ感すら漂っていた!『とんかつDJアゲ太郎』6月19日(金)全国ロードショー
2020年01月29日『美女と野獣』『ライオンキング』『アイーダ』『ターザン』『メリー・ポピンズ』『リトルマーメイド』『アラジン』『アナと雪の女王』……。ディズニーがブロードウェイに送り込んできたヒットミュージカルの名曲たちを、豪華キャストの歌声とオーケストラの生演奏で届けるコンサートが、1月30日(木)と31日(金)に東京国際フォーラム ホールAで開催される。ブロードウェイ進出第1弾となった『美女と野獣』の初演から25周年を迎えることを記念し、2019年に開催された『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』の、好評を受けての再演だ。出演は、『ライオンキング』ブロードウェイ公演にムファサ役としてたびたび出演しているアルトン・フィッツジェラルト・ホワイト、同じくナラ役を長らく務めた経験を持つキシー・シモンズ、『メリー・ポピンズ』メリー役オリジナルキャストにして『美女と野獣』ベル役も当たり役とするアシュリー・ブラウン、そして『ターザン』ターザン役オリジナルキャストのジョシュ・ストリックランド。またゲストシンガーとして、子役時代に『美女と野獣』と『ライオンキング』、大人になってから『アラジン』『ライオンキング』『ノートルダムの鐘』の日本公演に出演し、2018年にはウエストエンドデビューも果たした日本が誇るミュージカルスター、海宝直人も参加する。それまではどこか猥雑なイメージも付きまとっていたブロードウェイを、ファミリーで楽しめる健全な劇場街へと変えた功績も持つディズニーミュージカル。日本を含む、世界のミュージカルシーンに与えた影響も計り知れない。敬意と感謝を込めて、ぜひ家族連れで足を運びたいコンサートだ。文:町田麻子
2020年01月29日BRADIOが1月29日、東京・NHKホールで「BRADIO 10th Anniversary Hall Tour」の初日公演を行う。BRADIOの2019年は、シングル『O・TE・A・GE・DA!』のリリースに始まり、「47都道府県ツアー “IVVII Funky Tour”」を約4カ月の間に敢行し、濃密な1年を過ごした。結成10周年を迎える2020年も早々にドラマ『大江戸スチームパンク』の主題歌である『幸せのシャナナ』を配信リリース。好調な滑り出しに今後の活動にも期待だ。本日から始まる「BRADIO 10th Anniversary Hall Tour」は、彼らにとって初となる単独の全国ホールツアーだ。3月15日の宮城・トークネットホール仙台まで全7カ所をめぐる予定となっている。ボーカルの真行寺は「難しい音楽の知識がなくても『なんだか力がもらえる』『思わず笑顔になれる』『よくわからないけど泣けてくる』という気持ちを共有できるライブになったら嬉しいです」とコメント。今夜の公演も素直に楽しめるステージになるだろう。記念すべき初演をぜひ現場で目撃してほしい。■公演情報「BRADIO 10th Anniversary Hall Tour」1月29日(水)東京・NHKホール開場18:00/開演19:002月1日(土)福岡・福岡国際会議場 メインホール2月11日(火・祝)大阪・NHK大阪ホール2月14日(金)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール2月22日(土)新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館3月7日(土)北海・道新ホール3月15日(日)宮城・トークネットホール仙台 大ホール
2020年01月29日『ペンギン・ハイウェイ』のスタジオコロリド、第2弾長編アニメーション映画『泣きたい私は猫をかぶる』が、6月5日(金)に劇場公開されることが決定。あわせて、キャスト、スタッフが発表され、特報映像が公開された。『借りぐらしのアリエッティ』『風立ちぬ』など、スタジオジブリの長編アニメーション映画で声優として活躍した志田未来。アニメ『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎(かまど・たんじろう)役や、『東京喰種 トーキョグール』アニメシリーズで主人公・金木役を務めた花江夏樹が、それぞれ本作の重要な役を演じる。監督を務めるのは、『美少女戦士セーラームーン』シリーズ、『ケロロ軍曹』シリーズなども手がけた佐藤順一と、スタジオジブリで『千と千尋の神隠し』に携わった気鋭のクリエイター柴山智隆。脚本を『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『空の青さを知る人よ』の岡田麿里が務める。志田が演じるのは、クラスで「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれる、ちょっと変わった中学2年生、笹木美代。彼女はまっすぐで熱烈な恋に落ちている。思いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(花江)に毎日、果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。それでもめげずにアタックを続ける彼女には、誰にも言えないとっておきの秘密があった……。公開された特報映像は、ゆれ動く気持ちと不思議な世界が交差する内容。ひょんなことから猫に変身できる不思議なお面を手にしたムゲは、猫になって日之出のところへ会いに行くことに。猫の姿だと一心に愛でてくれる日之出に対して幸せな気持ちを募らせていくムゲは、日之出の部屋まで会いに行ったり、胸に飛び込んだりと愛情を全身で表現する。果たしてムゲは“本当の自分”を見つけることができるのか?キャスト、スタッフのコメントは以下の通り。■志田未来(笹木美代、猫・太郎役)●出演が決まった際の感想今回、ムゲ役をやらせていただけると聞いて、びっくりしました。 さらに花江さんとご一緒させていただけるということで、すごくプレッシャーも感じましたが、本当に嬉しかったです。●演じたキャラクター“ムゲ”について本当に明るくて、まっすぐな女の子だなと思いました。今時珍しいくらい自分の気持ちを素直に出す子なので、観ていてすごく気持ちのいい子です。ただ、周囲からの愛に気づけていない幼い部分があったり、学校などで見せる外の顔と自分の部屋にいる時に見せる内の顔にギャップも見られます。 そんなムゲの全てが魅力的に描かれていると思いました。●観客へメッセージこの作品は、一歩踏み出す勇気をあたえてくれる作品になっていると思います。ムゲが猫になった姿もとっても可愛いらしいので、是非楽しみにしていてください。■花江夏樹(日之出賢人役)●出演が決まった際の感想すごく雰囲気がいい作品というか、日常をきりとっているんですけど、すごくファンタジーがあって、そこの絶妙な感じがすごく素敵な作品だなと思いました。結構猫が出てくるんですけど、僕すごい猫がめちゃくちゃ好きなので、これは運命的な作品かなと思いまして、すごく演じられるのが楽しみでしたし、志田さんとこうして共演することもすごく光栄だなって思いました。●演じたキャラクター“日之出”について日之出は思っていることを全面に出せない男の子で、将来の夢とかこれから先の未来をどう進んでいくかって、まだ決めかねている。中学生らしいといえばらしいんですけど、ムゲから日之出に向けられた気持ちに、なかなか気づいてあげられなかったりとか。そういうちょっと思春期真っただ中の、男の子だなと、思います。そこが彼の良さでもあるのですが、そこからどう気持ちが変わっていくかとか、意思がだんだんかわっていって、ひとりの少年からだんだん青年みたいな気持ちに移りかわっていくところが、魅力的だなっていう風に思います。●観客へメッセージこの作品には、コミュニケーションをするときに、あと一言言えたらどれだけ楽になれるかという、誰にでもある気持ちやメッセージが込められています。日常をきりとったきれいな映像の中で、猫の世界に行ったり、猫になってしまったりという現実離れしたファンタジーの要素も加わったすごく面白い作品なので、是非楽しみにしていてください。■監督:佐藤順一もし猫だったらもっと楽に生きられるかもしれない。まわりにあわせて自分の心にふたをしたり元気なふりをしたり、笑顔をはりつけたりしなくていいから。うまくやれなくて波立つ心を絶えず隠して陽気にふるまう少女を志田未来さん、波立つ心を自ら押さえつける少年を花江夏樹さんが、自然さとヒリヒリした痛みが同居する二人を鮮やかに演じてくれました。■監督:柴山智隆「ムゲと日之出と猫たちを、煙突の立ち並ぶこの街にありありと描きたい。まだ見ぬ“となりの世界”も」 佐藤監督をはじめ、信頼できるスタッフと試行錯誤しながら少しずつ積み上げていく作業は面白く、スリリングな毎日でした。 ムゲたちが生きる世界と時間を少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。■脚本:岡田麿里佐藤監督の匠の技と、柴山監督の作品への深い愛情、スタッフひとりひとりの日々の情熱により、どこか懐かしい作品が生まれました。主人公のムゲというあだ名は、無限大謎人間の略です。謎の多い状況のなか、謎と思われているムゲの成長を、劇場でご覧いただけたら幸いです。『泣きたい私は猫をかぶる』6月5日(金)より公開
2020年01月28日桜庭の“異物感”をうまく出せたら俳優・岩田剛典が“覚醒”のときを迎えようとしている。AI(人工知能)が全国民の個人情報・健康を管理し、欠かすことのできないライフラインとなった2030年の日本を舞台に、医療AI<のぞみ>が暴走しテロリストとして逃亡者となるAI開発者桐生(大沢たかお)の逃亡劇を描いたサスペンス超大作『AI崩壊』。岩田が演じるのは、桐生と対立する天才捜査官・桜庭。天才VS天才の頭脳戦が、本作の大きな見どころだ。知的な銀縁眼鏡の下に覗かせる、感情を一切排した眼差し。落ち着き払いながら迷いのない声のトーン。それらのすべてが、MIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号を取得した天才肌の桜庭というキャラクターにリアリティをもたらしている。「入江(悠)監督が『桜庭をもうひとつの正義として描きたい』とおっしゃっていて。確かに桜庭の考え方はドライでシステマチックだけど、そのベースには世の中をより良くしたいという厚い正義感がある」AI暴走の犯人として容疑をかけられる桐生。桜庭は、捜査AI<百眼>を駆使し、逃げる桐生を追いつめる。その絶対的な存在感を発するために、岩田はどんなことを心がけたのだろうか。「まずはまばたきを一回もしないでいようと。イメージは、人より体温の低い、低体温な動物のような人間。桜庭は、これだけたくさん登場人物がいる中で、最も人間味の薄い男 。その“異物感”をうまく出せたらと」また、MIT出身というバックボーンに説得力を持たせるためにも、こんなオリジナルのアイデアをプラスした。「海外から帰国した人って、ちょっと人との距離感が違う気がして。だから台本には書かれていないんですけど、初対面で挨拶をするときに握手をしてみようと。普通、警察の人間が事件現場で握手なんてしないと思うんですけど、あえてそうすることで桜庭らしさが 出ればと思った。他にも名刺の渡し方とか、所作についてはいろいろ工夫しました」また、随所に挟まれるリアクションにもこだわりを見せた。「役づくりの段階で、IQが高い人の特徴を調べたりもしました。あまり一貫性はなかったんですけど、意外と変人が多いということがわかって。中でも参考になったのが、頭が良い人は人の思考の二歩も三歩も先を読めるから、想定外のことがほとんどない。だからあまり驚いたり慌てることがないそうなんです。そうした実例も踏まえつつ、桐生がとった行動に対して桜庭がどうリアクションをとるか。かなり細かく計算しながら演じました」入江監督が称賛した岩田剛典の“引き算の芝居”AI研究者として共に天才の領域にいるのが、桐生と桜庭。劇中では「逃げる者/追う者」 という相反する立場だが、このふたりにしか分かち合えないものがあると岩田は考えた。「桜庭は誰の意見も聞かないし、微塵もブレない芯がある男。逆に言うと、自分の部下も含めて誰とも対等に話ができないと思っていた。そんな桜庭にとって、初めて自分と同じ目線で話せる相手が桐生だった。そういう意味では、桐生に会えてうれしいという気持ちがあった気はします」こうした岩田の深い役づくりや読解力に、監督の入江悠も絶賛。岩田の演技を「余計なものを足さない、引き算の芝居」と舌を巻いた。そう監督からの賛辞を伝えると、岩田の表情がうれしそうに輝いた。「まさに引き算の芝居でしたし、それについては撮影に入る前からかなり綿密に考えていました。これだけの作品でキーマンとなる大きな役をいただけたからには、絶対期待に応えたい気持ちがあった。だから、とにかく現場では全神経を集中して、感覚を研ぎ澄ませていました」そう真剣に語る表情には、俳優として確かな自信を深めた手応えが窺える。三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE、EXILEのメンバーとして活動する一方、近年は『 去年の冬、きみと別れ』『パーフェクトワールド 君といる奇跡』『町田くんの世界』など俳優として目覚ましい躍進を遂げる岩田。そのフィルモグラフィーにおいて、この『AI崩壊 』は記念すべき1本として刻まれることになるだろう。『AI崩壊』1月31日(金)全国公開(撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明)
2020年01月28日ダニエル・クレイグ主演のミステリー映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』が、1月31日(金)より日本公開される。この度、劇中で“紳士探偵”を演じたクレイグのインタビュー映像が公開された。『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』は、来るアカデミー賞で、ライアン・ジョンソン監督が初の脚本賞にノミネートされた話題作。共演は、クリス・エヴァンス(『アベンジャーズ/エンドゲーム』)、アナ・デ・アルマス(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)、ジェイミー・リー・カーティス(『ハロウィン』)、トニ・コレット(『ヘレディタリー/継承』)、ドン・ジョンソン(『ジャンゴ 繋がれざる者』)、マイケル・シャノン(『シェイプ・オブ・ウォーター』)ら。ニューヨークの豪邸に住む世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の85歳の誕生日パ ーティーが開かれた翌朝、彼は遺体で発見される。名探偵ブノワ・ブラン(クレイグ)は、匿名の人物から事件の調査依頼を受けて現場である豪邸に到着。殺人事件と見極めた探偵は、パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら、屋敷にいた全員を第一容疑者として捜査を開始する。寡黙でタフなジェームズ・ボンドのイメージから一転、今回はおしゃべりで変わり者の探偵を演じたクレイグ。インタビューでは、「ジョンソン監督と仕事してみたかったし、こんな脚本にはめったに巡り合わないと、目を通して感じた。面白さが本物かどうか、すぐに読み直し 確かめたよ。幸せな気分になったし、飛び上るほどうれしかった。優れた脚本が僕に回ってきたことが光栄でね。すごく恵まれたことだし、監督が僕に任せようと信頼してくれたのが最高だ」と、喜びを語っている。そして、「僕はピーター・ユスティノフや、アガサ・ クリスティーの作品と共に育った。アルバート・フィニーがポワロ役の『オリエント急行殺人事件』が好きだ。ヒッチコック作品も観ていて、彼のサスペンスの撮り方や解釈に影響を受けている。当然、映画ファンのジョンソン監督はあらゆる作品の要素を吸収している。だから僕にとって、『ナイブズ・アウト』はそれほど真新しいミステリーではないんだ。でも監督の手腕で、現代的かつ強烈な作品になった。撮影と同じ楽しさを感じてもらえるといいな」と、観客にも新しいテイストのミステリーを体感してほしいというメッセージで締めくくった。『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』1月31日(金)より公開
2020年01月28日WANDSが1月29日にニューシングル『真っ赤なLip』をリリースする。90年代に『愛を語るより口づけをかわそう』『世界が終るまでは…』などの楽曲で一世を風靡したWANDS。彼らは2000年に解散を発表して活動を終了していたが、昨年11月、ギター・柴崎浩とキーボード・木村真也が新たなボーカリストの上原大史を招き、約20年ぶりに活動を再会した。今年はすでに「東京オートサロン2020」内で行われた「AUTO SALON SPECIAL LIVE」に出演し、存在感をアピール。そして新たなバンド体制として初の、シングルとしては約21年ぶりの『真っ赤なLip』がリリースとなった。先行してYouTubeにアップされた同曲のMVは10日ほどで30万回以上の再生を記録。マイナー調でセクシーな質感の楽曲だ。間奏のギターソロも見応えがある。また同曲は人気アニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマに抜擢されており、すでに放映も開始されている。番組とのコラボレーション企画として、主人公のコナンが楽曲に合わせて踊る映像も公開されており、彼が20年ぶりに踊っているとファンの間で話題だ。さらに番組と楽曲のAR(拡張現実)によるコラボも実施されている。多方面で注目のWANDS、21年越しの新曲をぜひ手に取って聴いてほしい。■リリース情報WANDS『真っ赤なLip』1月29日リリース・通常盤(CD)1. 真っ赤なLip2. 時の扉 ~WANDS 第5期 ver.~・名探偵コナン盤※『名探偵コナン』描き下ろしアニメ絵柄ジャケット1. 真っ赤なLip2. もっと強く抱きしめたなら ~WANDS 第5期 ver.~3. 真っ赤なLip -TV size-
2020年01月28日ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』、その来日公演が1月29日(水)に幕を開ける。2006年にビヨンセ、ジェニファー・ハドソン、ジェイミー・フォックス、エディー・マーフィーら豪華キャストによって映画化され、日本でも大ヒットを記録した『ドリームガールズ』。元々は『コーラスライン』を生み出した鬼才、マイケル・ベネットの演出・振付により1981年にブロードウェイで初演されたミュージカルで、オリジナル版はトニー賞6部門に輝いたほか、その後もたびたびリバイバルされている。ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』今回来日するのは、2009年にブラックミュージックの殿堂、NYのアポロシアターで誕生したロバート・ロングボトム演出・振付版。2010年、2013年、2016年に続き、じつに4度目の上陸となる人気公演だ。始まりは1962年のニューヨーク。シカゴ出身のエフィー、ローレル、ディーナはボーカルトリオを結成し、成功を夢見てオーディションに挑戦する日々を送っていた。プロデューサーのカーティスに見初められた3人はデビューし、トップスターの仲間入りを果たすのだが……? 公演は2月16日(日)まで。東京・東急シアターオーブにパワフルな歌声が響き渡る!文:町田麻子ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』
2020年01月28日昨年創立20周年を迎えたKバレエ カンパニーの21年目の幕開けを飾る公演、『白鳥の湖』が1月29日(水)から2月2日(日)まで東京・Bukamuraのオーチャードホールで上演される。このクラシックバレエの代名詞の、熊川哲也演出・再振付版の初演は2003年。英国を代表する舞台美術家ヨランダ・ソナベンドが手がけた美しい舞台装置や、熊川による巧みなストーリーテリングが好評を博し、初演以来たびたび上演されてきたプロダクションだ。毎回大きな話題になるのはやはり、白鳥オデットと黒鳥オディールという、相反するキャラクターを演じ分ける主演ダンサー。今回も、Kバレエ カンパニーならではの豪華な競演が実現する。まずは、今作に主演するのは5年ぶりとなる、世界最高峰の舞姫・中村祥子。そして、熊川をして「天才」と言わしめる若きプリンシパル・矢内千夏。さらには、2018年の公演で急きょ代役を務めて高い評価を得た小林美奈に、今回が初役となる成田紗弥。彼女たちがそれぞれのパートナー、遅沢佑介、高橋裕哉、堀内將平、山本雅也とともに織りなす、ドラマティックな『白鳥の湖』の世界に期待したい。文:町田麻子
2020年01月28日1月31日(金)から公開の映画『AI崩壊』で天才捜査官・桜庭を演じている岩田剛典さんのサイン入りチェキを1名様に!応募はぴあ(アプリ)にて2月4日(火)まで受付中。ぜひご応募下さい!お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=179dd4c1-b6b8-4400-8099-fe9c55f4c82d)
2020年01月28日劇団EXILEが約2年をかけて企画を練って原案プロデュースを手がけ、メンバー全員が出演することで話題を集めている舞台『勇者のために鐘は鳴る』が開幕。オリジナルキャラクターを作って仲間と会話しながらさまざまなクエストに繰り出す架空の人気オンラインゲーム“IGNITION”(イグニッション)の世界で、冒険物語が展開する。課金ユーザーのために行われる賞金1億円のスペシャル感謝クエストに参加した者たちが、さまざまな“珍ミッション”に挑戦。次第にそれぞれの目的が明らかになっていくというストーリーだ。ゲーム内キャラクターのゴージャスな衣装に身を包んだ9人の役柄は本人たちの言葉で説明すると、「ツノと衣装の下の靴にヒントが隠れている」アイドルの魔王(青柳翔)、「現実の世界では妻と娘とうまくいっていない悩みを抱えている」サラリーマンのY崎(秋山真太郎)。「ウルヴァリンのような見た目」のワイルドな武闘家のバチバチ(小澤雄太)。「独りよがりなところがあるものの、戦いを挑んでいくJACK(鈴木伸之)。「頭でっかちになるがゆえに決断をしていく」知能派の戦士・ナイト(町田啓太)。「見た目はチャラくて若者言葉を使うけれど心優しくてまっすぐな青年」だという僧侶の326〈ミツロー〉(小野塚勇人)。「ときどき言い間違いをしてしまう」忍者の半蔵(SWAY)。「3度の飯よりギャンブルが好き」な、うまなり(八木将康)。「現実では高校生でオンラインを通して人とのつながりを見出していく」青春〈アオハル〉(佐藤寛太)。町田が「僕らはもともとクセが強いんですが、それを全面に出したキャラ設定になっています」と語るように、インパクトが強く個性的なキャラクターが大渋滞している舞台だ。青柳は会見で「“1分前です”と言われているのに弁当を温め始める劇団員がいるんですよ」と稽古での様子を明かし、「最高のスタッフと最高の劇場、最低の劇団員です」と笑わせたが、小澤は手作りの牛丼、塩豚丼、キーマカレー、豚汁を振る舞い、全員が集結した稽古は熱くもリラックスした雰囲気だったよう。本公演は、映画、ドラマ、舞台、作家活動などそれぞれの個性を生かして活動している劇団EXILEだからこそのチームワークが感じられる舞台となった。鍛え上げられた肉体がさらに際立つ衣装を纏い、町田と鈴木がロジカルな兄とフィーリング派の弟という対照的な“伝説の兄弟”に。鈴木はソロの歌唱で、よく響く伸びやかな歌声を聞かせる場面もある。ゲームの世界とゲームをしている実際の人間たちのキャラクターや関係が描きこまれた脚本は緻密で、観る者を瞬時にバーチャルな世界に誘うセットも豪華。最大の見どころは2次元のようなスタイルを誇り、舞台映えするメンバーたちが身体を張ってミッションをクリアしていく場面だ。SWAYのラップを含む歌や踊りの他にも殺陣などのアクションシーンはもちろん、腹筋をしたり、フライングをこの場面で使うのか!という嬉しい驚きに満ちた演出が次々に登場する。とりわけ、ここまで振りきれた芝居を見せてくれることに思わず感謝したくなるほどの怪演を見せるのは、青柳翔だ。会見でも語っていたようにツノが目を引くビジュアルはカリスマ性あふれる魔王なのだが、マントをバーンッと脱ぐと印象は一転。ピタピタと肌にフィットしたピンクのタンクトップにホットパンツで、ダンサー(ただし人形)4人を引き連れて見事な歌声を聞かせる。映画『jam』の横山田ヒロシの伝説を塗り変えるような場面の連続に、劇団EXILEの不動のセンターともいうべき青柳の突き抜けた役者魂が感じられる。この公演が“LDH PERFECT YEAR2020”の一環として行われることに触れた秋山いわく、「僕らがプレイしているゲームは、PERFECT YEARのSeason1で掲げたテーマと同じ“IGNITION”という設定。お客さんに楽しんでいただける舞台を念頭に置いて作りました」と語るとおり、客席も巻き込んだ演出や、サイリウムを振って応援する場面もある。町田が「あらゆることを詰めに詰め込んでいる舞台。インパクトに残るところはそれぞれに違うかもしれない」と語っていたが、誰もが感じるであろうこの舞台の大きな魅力は、演者と観客の一体感とグルーブ感ではないだろうか。役者陣それぞれの個性を存分に味わいながらも劇団EXILEという集団への興味がさらに増す、中毒性の高い舞台をぜひ観てほしい。取材・文:細谷美香■劇団EXILE『勇者のために鐘は鳴る』東京公演TBS赤坂ACTシアターにて2月2日(日)まで上演大阪公演梅田芸術劇場メインホールにて2月13日(木)~2月16日(日)まで上演
2020年01月28日昨秋、公開されR指定作品の世界興行収入記録を塗り替え、日本でも50億円を突破する大ヒットを記録した『ジョーカー』のブルーレイ&DVDがまもなくリリースされる。ホアキン・フェニックスが演じた主人公・アーサーの日本語吹替を担当するのは『ワンピース』のサンジ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウなどでおなじみの平田広明。アカデミー賞最有力とも言われるホアキンの鬼気迫る演技を日本語に吹き替えていく難しさを明かしてくれた。平田が今回のアーサー役のオーディションを受けたのは、劇場公開(10月4日)以前のこと。近年では、セキュリティ上の問題で、映画の概要やストーリーについて全く説明がないまま、与えられた数シーンを演じるということが増えているそうで「映画の吹替ということ以外、一切情報がないまま手ぶらで(オーディションに)行った」という。その後、アーサーを演じることが正式に決定し、収録が行われたのは10月の半ば。その前に劇場で本作を観たというが、DCの『バットマン』の世界という枠組みを維持しつつ「独特のアプローチでリアリティのあるドラマになっていて怖かった」とその衝撃を明かす。売れないコメディアンで母と暮らすアーサーが、徐々に狂気の淵へと転落していき、やがて悪のカリスマ“ジョーカー”となるさまを描く本作だが、特に平田が戦慄を覚えたのが、アーサーが犯す殺人そのものではなく、その後のある行動だという。「通常の映画では、何か(きっかけとなる)事象が起きて、亀裂が入って、対立があって、ピークに“殺し”が来るというのがだいたいのパターンだけど、この映画は殺しでもまだピークが来ない。(殺人の直後に)無意識にって感じで所在なさげにふたつ、みっつダンスのステップを踏むところに彼のピークが感じられて“怖ぇな、撃った後に踊るんだ……?”と思いました」アーサー役でゴールデングローブ賞の主演男優賞(ドラマ部門)を受賞し、アカデミー賞の最有力候補とも言われるホアキン。これまでも『8mm』『裏切り者』といった作品で彼の声に日本語をあててきた平田だが、今回のアーサー役の彼を見て「(過去のホアキンの面影を)何ひとつ思い出せなかったですね、別人ですもん。え?これホアキン・フェニックス?」と驚きを禁じえなかったと振り返る。アーサーの独特の、そして状況によって変化していく“笑い声”が非常に印象的だが、吹替をする上で、むしろ難しさを感じたのはそうした特徴的な部分ではなく、むしろごく普通の日常のシーンでの何気ない会話ややりとりだったという。「静かにごく普通の日常を送ろうとしている、良きアーサーはどこにでもいそうな気の弱い人間なんですよね。そんな何の取柄も華もない男にリアリティを持たせるのが実は一番難しいんです。“普通”って何だよ?という話で、乱暴な言い方だけど、お腹から声を出して笑うのは誰にでもできるんですよ。何でもない芝居を何でもなくできるのが極みだなって思います。わりと最初の方のシーンで、彼がボソッと“つらいな……。もうたくさんだ”と言うんですけど、彼の芝居ってそれだけで(観客は)見てもいないいろんなつらいシーンを想像できちゃうんですよね。ホアキンは表情も込みでやっているけど、こっちは声だけなんだぞ!って言いたくなります」2008年に公開され、故ヒース・レジャーが狂気のジョーカーを演じて大きな話題を呼んだ『ダークナイト』の日本での興収が約16億円。決してそれと地続きの世界を描いているわけではないが、今回の『ジョーカー』の50億円超えがいかにすごいことなのかがよく分かる。なぜ本作がここまで広く日本で受け入れられたのか?平田は自身も含めて「誰もがみな、“ジョーカー”な部分を持っているんじゃないか?」と語る。「やっていることは褒められたことじゃないけど、どこか共感してしまう部分がある。そのリアリティなんじゃないかな?日本は恵まれていると思うけど、それでも社会の中にいれば文句や不満が出てくる。僕の中にも(アーサーとジョーカー)どちらの部分もあると思うし、アーサーは不幸な環境でそうなっていく。僕らみんな、どこかでアーサーを上から目線で見つつ、同情したり共感できるんじゃないかな?」「たぶん、僕の代表作のひとつになると思う」――。これまで数々のキャラクターに命を吹き込んできた名声優は、そう本作の手応えを口にした。『ジョーカー』ブルーレイ&DVD1月29日(水)より発売、レンタル、デジタルレンタル配信開始デジタルセル先行配信中
2020年01月27日「ぴあ」調査による2020年1月24日、25日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、新田真剣佑、北村匠海が主演を務めた青春ラブ・ストーリー『サヨナラまでの30分』が第1位になった。ベスト10は以下の通り。1位『サヨナラまでの30分』92.7点2位『プリズン・サークル』91.8点3位『his』91.2点4位『ロマンスドール』90.0点5位『彼らは生きていた』89.2点6位『イーディ、83歳はじめての山登り』87.9点7位『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』87.3点8位『風の電話』86.1点9位『キャッツ』85.8点10位『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』84.4点『サヨナラまでの30分』は1本のカセットテープをきっかけに、出会うはずのなかったふたりの青年が出会うところから始まる物語。1年前にこの世を去ったミュージシャン・アキは、そのテープが再生されている間だけ、大学生・颯太になることができる。彼は颯太の身体を借りて恋人や友人に会いに行く。出演作の続く若手実力派・新田、北村が単に共演するだけでなくそれぞれの役を理解し、時に演じているところが大きなポイントだ。出口調査では本作で重要な役割を果たす“音楽”を高く評価している観客が多く、「新田真剣佑、北村匠海が入れ替わって、ふたりがそれぞれ歌っている場面が印象的。耳に残る楽曲で心に響いた」「見どころは友情ドラマとライブの場面。音楽が好きな人や20代の人におすすめしたい」などの声があがった。また、タイトルの通り、主人公ふたりの“入れ替わり”はいつかは終わってしまうもの。観賞した観客からは「せつなかった。颯太の身体を借りて語ったりはするけれど、自分だとは思われていない。自分の言葉として届かない設定がせつない」「物語を観ていると、いつかはふたりの入れ替わりが終わってしまうとわかっているけど、それでも前に進んでいく感じがとてもよかった」などの感想が出た。青春、恋愛、少し変わった設定、若手俳優の熱のこもった演技、そして感動の結末……注目ポイント満載の作品で、劇場は10~20代の観客を中心に盛況。今後も口コミでさらに動員を増やしそうだ。(本ランキングは、1/24(金)、1/25(土)に公開された新作映画11本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2020年01月27日人気シリーズ『攻殻機動隊』最新作にして、“攻殻”史上初となるフル3DCGアニメーション『攻殻機動隊 SAC_2045』が、Netflixで4月に全世界独占配信される。この度、メインキャスト、音楽および、オープニングテーマ・アーティストが発表。あわせて最新予告編とティザービジュアルが公開された。同時に、謎に包まれていたストーリーも公開されている。『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズを手がけた神山健治、『APPLESEED』シリーズを手がけた荒牧伸志によるダブル監督で、Production I.GとSOLA DIGITAL ARTSによる共同制作となった本作。メインキャストを務めることになったのは、田中敦子(草薙素子役)、大塚明夫(バトー役)、山寺宏一(トグサ役)。その他、神山健治監督による『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズにおいて同役を演じたオリジナルキャストが公安9課を再び演じることとなる。劇伴の音楽を手がけるのは、戸田信子と陣内一真。これまで『METAL GEAR SOLID』シリーズ等の音楽を担当し、『ULTRAMAN』(2019年)に引き続き、神山・荒牧両監督の作品世界を彩る。オープニングテーマを手がけるのは、常田大希(King Gnu)によるプロジェクト、millennium parade(ミレニアムパレード)。常田大希が主催する、「世界から見た東京」をテーマに、デジタルネイティブなミレニアル世代を中心としたミュージシャン、映像ディレクター、CGクリエイター、デザイナー、イラストレーターなどのクリエイティブ集団だ。オープニングテーマとなる『Fly with me』は、本作をイメージした書き下ろし楽曲となり、既に自身のライブでは、本作のオープニングテーマという内容は伏せて披露されていた。本楽曲におけるアーティスト名は、“millennium parade × ghost in the shell: SAC_2045”と名付けられている。あわせて、キャストによる劇中台詞、音楽およびオープニングテーマを使用した最新予告編が公開。また、本作のキャラクターデザインを手がけるイリヤ・クブシノブによる主人公・草薙素子と公安9課メンバーが描かれたティザービジュアル第2弾も発表されている。●ストーリー持続可能な戦争(サスティナブル・ウォー)がもたらす新たな支配種“ポスト・ヒューマン”再び組織される草薙素子率いる公安9課、通称“攻殻機動隊”2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来――。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊”が組織される。●常田大希(millennium parade)コメント攻殻機動隊の主題歌を作って欲しいというオファーを頂いた時、身体中の血が湧き上がったのを今でも覚えている。なぜなら俺たちがmillennium paradeで作ろうとしている世界観は攻殻機動隊から多大なる影響を受けているから。二つ返事でやらせて欲しいと伝えた。今回主題歌に決定したmillennium paradeのFly with meという曲は、攻殻機動隊 SAC_2045の主題歌であると同時に俺たち自身の主題歌でもある。そのくらい愛着と思い入れのあるこの楽曲が、攻殻機動隊の一端を担える事をとても幸せに思います。2020年春、全世界同時配信。楽しみに待っていてください。『攻殻機動隊 SAC_2045』Netflixにて4月全世界独占配信
2020年01月27日1月25日、26日の全国映画動員ランキングは、トム・フーパー監督が名作ミュージカルを映画化した『キャッツ』(全国380館)が初登場で首位を飾った。公開3週目の『カイジ ファイナルゲーム』(全国333館)は先週と変わらず2位をキープ。公開10週目の『アナと雪の女王2』(全国383館)も先週1位から3位になるも大きく順位を落とさず好調だ。公開3週目の『パラサイト 半地下の家族』(全国176館)は先週5位から4位に順位をあげた。公開6週目の『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(全国377館)は先週3位から5位になった。そのほか公開6週目の『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』(全国323館)が再びベスト10入りし9位に。60周年を迎えた長寿子供番組の劇場版2作目『映画 おかあさんといっしょすりかえかめんをつかまえろ!(全国124館)は初登場11位につけている。次週は『嘘八百 京町ロワイヤル』『AI崩壊』『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』『バッドボーイズフォー・ライフ』『前田建設ファンタジー営業部』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『キャッツ』2位『カイジ ファイナルゲーム』3位『アナと雪の女王2』4位『パラサイト 半地下の家族』5位『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』6位『ラストレター』7位『記憶屋 あなたを忘れない』8位『フォードvsフェラーリ』9位『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』10位『メイドインアビス 深き魂の黎明』
2020年01月27日アニー賞の結果が発表された。作品賞を受賞したのはNetflixオリジナルの『クロース』。インディーズ作品賞は、Netflixが世界配信権を獲得したフランスの『失くした体』だった。日本からはインディーズ作品部門に『天気の子』『プロメア』『若おかみは小学生!』がノミネートされていた。これら3本はいずれも無冠に終わったが、意外だったのは『トイ・ストーリー4』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』、またゴールデン・グローブを受賞した『Missing Link』も無冠だったこと。『アナと雪の女王2』も、ジョシュ・ギャッドが声優部門を受賞したのにとどまっている。過去にはピクサー、ディズニーが制覇してきたオスカーの長編アニメ部門も、今年は予測が難しくなりそうである。文=猿渡由紀
2020年01月27日国際ピアノコンクールに挑む4人の若きピアニストたちの姿を描いた恩田陸原作の映画『蜜蜂と遠雷』のヒットによって、ピアノ・コンクールへの注目度が大幅にアップしている。それは、映画に登場する主人公たちの演奏を担ったピアニストたちのコンサートにも影響があるらしい。今までコンサートに来たことがないような人たちまでがクラシックに興味を持ったのだとしたら、それは実に喜ばしいことだ。そしてその効果は、原作の舞台となった「浜松国際ピアノコンクール(浜コン)」自体にもありそうだ。同コンクールは、後に「ショパン国際ピアノコンクール」優勝者となるラファウ・ブレハッチ&チョ・ソンジン、そして「チャイコフスキー国際コンクール」を制した上原彩子などなど、過去に錚々たる優勝者や入賞者を排出してきたことにより、レベルの高さは折り紙付き。映画公開の1年前に開催された第10回「浜コン」の優勝者ジャン・チャクムルは、今まさに「優勝者ツアー」の真っ只中だ。2019年4月16日にスタートしたこのツアーは、日本国内22公演とドイツ&フランスの2公演を加えた24公演の長丁場。これは若きピアニストにとって、世に出るためのご褒美であるとともに、大きな負担のかかる課題でもあるに違いない。いよいよ終盤に差し掛かった優勝者ツアーは要チェック。「浜コン」を制した俊英の実力や如何に⁉ジャン・チャクムル photo:公益財団法人墨田区文化振興財団 2019/8/5すみだトリフォニーホール大ホール (c)三浦興一●公演概要1月31日(金)横浜みなとみらいホール大ホール「ジャン・チャクムルピアノリサイタル」●ジャン・チャクムル(ピアノ)トルコ人ピアニスト、ジャン・チャクムルは、2017年スコットランド国際ピアノコンクール、続く2018年第10回浜松国際ピアノコンクールで第1位となった。(公財)アルゲリッチ芸術振興財団賞受賞。1997年アンカラ生まれ。レイラ・ベケンシル、アイシェ・カプタンのもとで音楽を学び始め、菅野潤やエムレ・ シェンに多大な影響を受ける。2012年、アンカラの高校を卒業後、パリ・スコラ・カントルムにてマルセラ・クルデリに師事し、2014年首席で卒業。以来、アリエ・ヴァルディ、レスリー・ハワード、ロバート・レヴィン等多くの著名な音楽家との演奏機会に恵まれる。これまでに母国トルコの主なコンサートホールを始め、アッシャーホール(エディンバラ)、サルコルトー(パリ)、ムジークヘボウ(アイントホーフェン)等で演奏したほか、著名な国際音楽祭にも多数出演している。現在ヴァイマル音楽大学にてグルツマン教授の指導のもと研鑽を積んでいる。
2020年01月27日AIを題材にするなら、今このタイミングしかないと思った『22年目の告白 -私が殺人犯です-』で興行収入24億円超のヒットを記録した入江悠監督が、「ずっと夢だった」と語る近未来を舞台としたオリジナルサスペンス作品に挑戦する。それが、1月31日(金)から公開の映画『AI崩壊』だ。「僕は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『ターミネーター』シリーズを観て育った世代。いつか自分が監督になったとき、そういうSF映画をやってみたいなという想いがあったんですけど、これだけの規模でやれる機会なんてそもそもなくて、ずっと胸にしまったままだったんです。それが、『22年目の告白 -私が殺人犯です-』がヒットしたおかげでチャンスをもらえて、こうして実現に至りました」舞台は2030年の日本。人々の生活を支える医療AI「のぞみ」が突然暴走を開始。年齢、病歴、納税額などあらゆるデータをもとに人間の生きる価値を選別。基準に満たない者を殺戮する未曾有の大混乱が巻き起こる。「もともとAIに興味はありました。しかもAIは今が過渡期。あとほんの少し時期が遅れたら、あっという間にAIもひとり1台携帯を持っているのと同じぐらい当たり前のものになる。AIを題材にするなら、まさに花開こうとする今このタイミングしかないなという想いでした」AI暴走の首謀者として指名手配されたのは、「のぞみ」の開発者である天才科学者・桐生(大沢たかお)。国民から英雄扱いされていたはずの桐生は、国家を揺るがすテロリストとして警察から追われる身に。面白いのが、ここで桐生を追跡するのもまたAIであること。最新のAI監視システムが、必死で身を隠す桐生を追いつめる。まさに令和時代の新しい逃亡劇だ。「桐生が逃亡を図る中で、どんなものを見せられるかについては、人工知能学会に入会したり、専門家の方に取材したり、1年間、じっくり時間をかけて調べた上で脚本を書きました。映画の中ではいろんなテクノロジーが登場しますが、本気で権力が国民を監視しようと思ったら、どれもできちゃうそうなんですね。僕たちの生活はそんな恐ろしさと背中合わせにある。そういった危機感を持った上で、来るべきAI社会に向けて『じゃあプライバシーについてどう思うか?』というような議論が広がればという想いを込めました」破格のスケールとテクノロジーで実現したアクション超大作桐生の逃亡劇は、一般道路を封鎖したり、巨大貨物船を貸し切ったり、破格のスケールで描かれた。「それはもう大変でしたね。日本って撮影させてもらえない場所が結構多くて、一般道を何日も封鎖したまま、そこに車を何百台も置いて撮影するなんてこと、通常では考えられない。今回は、たまたま名古屋の駅前の公道を貸してもらえたから実現できた。おかげで、従来の日本映画にはないスケールの画を撮ることができました」そんな大規模な撮影に、主演の大沢たかおも意気軒昂の表情だったという。「道路いっぱいに並んでいる何百台もの車を見て、『ここまでリアルにやってくれたんだ』と。映画は、嘘をつけない。そういうひとつひとつの積み重ねで、役者のみなさんの芝居の熱も変わってくる。その熱量がスクリーンから伝わったらうれしいですね」AIの発達が、従来の逃亡劇のあり方を根底から覆した。では、テクノロジーの進化は映画撮影の現場にどんな革新をもたらしたのだろうか。「CGの技術はすごい進化を遂げていると思います。今回で言えば、アナログでやっていることも多いんですけど、たとえばモニターに表示されるパソコンのプログラムとか、CGの力を使っている箇所は全部で900カットくらいある。この数は、相当数のもの。10 年前だったらできなかったと思います」入江監督から見た大沢たかお、そして岩田剛典の魅力デジタルの力に感嘆する一方、生身の人間の力に感動する場面も多かったと言う。「桐生に関しては、当初は昔のハリウッド映画の主人公をイメージしていたんです。けれど、大沢たかおさんが『そこまでアクションがすごすぎると、スーパーマンになってしまう』と。確かに桐生は科学者としては天才だけど、肉体的には普通の人。だからアクションに関しても、もっと無様にしたいと」撮影中は、大沢と何度もディスカッションを重ね、桐生のキャラクター像を構築していった。「大沢さんは、僕が頭の中でイメージしていたものを、ちゃんと生身の人間に落とし込んで表現してくれた。大沢さんの意見が入ることで、僕の考えていたものがより豊かになったんです。これは今の人工知能の技術ではできないこと。俳優とコミュニケーションをとりながらつくっていく映画の面白さを改めて実感しました」他にも大沢たかおの演技プランが活かされている場面は随所にある。「娘役の心ちゃんと手をつなぐシーンは、大沢さんのアイデアです。手をつなぐことで温度が伝わり、父親ひとりで娘を育ててきた日々や、娘を助けたい気持ちがより明確になった。そんな大沢さんの姿を見ながら気づいたんですよ、感情やぬくもりは人間が持っている才能なんだって。それは大沢たかおさんという俳優を主人公に迎えたことでもらえた大きな収穫でした」一方、桐生と敵対する天才捜査官・桜庭は岩田剛典が務めた。「岩田くんはある種の天才だと思います。彼が今回見せてくれたのは、“引き算の芝居”。余計なことを何もしないんですよ。表情もずっと変わらないし、所作も無駄な動きがない。下手するとロボットになってしまうところまで引いた先に、冷静沈着な捜査官という人物造形をなし遂げてくれた。普通できないですよ、こんなこと。俳優ってもうちょっと感情を大きく爆発させようとか、どうしても芝居を足したがるんですけど、岩田くんは引いて引いて無にした先に、桜庭のエリート感を表現してくれた。すごく勇気のいる作業だったと思います」現場では岩田と好きな映画の話で盛り上がった。入江作品の中でも「『ビジランテ』が面白かった」と感想を伝えてくれた岩田に、入江は映画好きの血を感じたそう。「ハリウッドとか、今の世界のトレンドは芝居をどんどん引き算して、余計なことをしない先に豊かさを出す方向へ向かっている。今回の岩田くんの芝居はまさにそれですよね。余計なものを一切引いた上で役を構築できる才能に驚かされました」メインストリームを歩いていない人に興味がある『SR サイタマノラッパー』で頭角を現し、今や映画界に欠かせない存在となった入江悠。その作品群には、『SR サイタマノラッパー』の匂いを感じる『ビジランテ』や『ギャングース』といったアンダーグラウンドな人々を描いたものもあれば、今回の『AI崩壊』や『22年目の告白 -私が殺人犯です-』のようなエンターテイメント大作もある。ジャンルやカテゴリーの枠にはまらない活躍を見せる入江悠だが、両者の間で何か共通するものはあるのだろうか。「基本的には何も変わらないと思っています。僕が見つめたいのは、この社会とそこで生きる人。『SR サイタマノラッパー』はこの社会からちょっと浮いている人たちのお話ですけど、この『AI崩壊』も主人公が社会から追いつめられていくお話。メインストリームを歩いていないという意味では共通項はあるんです。それは、僕がそういう人が好きだから。たぶん渋谷でパーティーしてイェーイと盛り上がっている人のことは僕には描けない。孤独を抱えていたり、何かを背負っている人に興味があるんです」この言葉を聞いた瞬間、『AI崩壊』の見方がまた変わった気がした。日本映画界期待の星が挑んだ渾身の大作。2020年というアニバーサリーイヤーを飾る1本になりそうだ。『AI崩壊』1月31日(金)公開(取材・文/横川良明)
2020年01月27日『不能犯』や『虐殺ハッピーエンド』等で知られる宮月新の同名漫画を、橋本環奈主演で映画化したサスペンス『シグナル100』が現在公開中。担任の教師に“自殺催眠”をかけられた36名の生徒たちが、生き残りをかけて壮絶なデスゲームを展開する作品だ。コメディエンヌとしての才能を開花させ、昨今、TVドラマや映画での振り切った演技が度々話題になるなど、その確かな演技力で話題作に続々出演している橋本。若者を中心に絶大な人気を誇る彼女の主演作としては、本作が初の“R15+”作品となる。橋本が単独主演を務める映画が公開されるのは、『セーラー服と機関銃 -卒業-』以来のことで、実に4年ぶり2作目。連載当時から実写映画化不可能といわれた超問題作である本作での姿に、彼女の4年の成長を確かに感じさせる。橋本が演じるのは樫村怜奈という役で、生徒たちを恐怖のどん底に突き落とす担任教師・下部に中村獅童が扮する。その他、小関裕太、瀬戸利樹、甲斐翔真、中尾暢樹、福山翔大、中田圭祐、若月佑美、前原滉、栗原類、恒松祐里といった注目の若手キャストが大集結。誰もが鬼気迫る演技を見せつける。監督は、『さまよう小指』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014のグランプリを受賞、独特の世界観で海外のファンも多くもつ竹葉リサ。脚本は、『20世紀少年』シリーズや、『GANTZ』『ドラゴンボールZ 神と神』『ザ・ファブル』といったヒット映画の数々を手がけてきた渡辺雄介が務めた。担任教師の手により、突如として自殺催眠をかけられた36人の生徒たち。“遅刻をする”、“電話をかける”、“涙を流す”、“あくびをする”、“スマホを使う”……等々、普段取っている行動が彼らの死を招く。その催眠発動のシグナルは全部で100もあり、死の催眠を解く方法は、クラスメイトの死のみだ。死への恐怖から人間の本性が徐々に暴かれていき、やがて生き残りをかけた壮絶なデスゲームへと発展していく様に、ぜひ劇場で震えて欲しい。『シグナル100』全国公開中
2020年01月27日