チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (117/342)
近松門左衛門が描いた極限の愛をフラメンコで表現する衝撃作「Ay 曽根崎心中」。12月12日(水)より東京・新国立劇場で上演される同公演に徳兵衛役のカンテ(唄)として出演する三浦祐太朗が、自身のオリジナルアルバム『FLOWERS』より『菩提樹』を唄うことが決定した。【チケット情報はこちら】『菩提樹』は、作詞が阿木燿子、作曲が宇崎竜童。山口百恵の名曲『さよならの向う側』を手がけたふたりが三浦祐太朗のためにタッグを組んで作ったもの。三浦がアルバムを作るにあたり直々にオファーして作られた曲だ。今の三浦祐太朗を表現して作られたという『菩提樹』だが、実は三浦祐太朗の母、山口百恵が引退前に歌ったラストソング『さよならの向う側』のアンサーソングとなっている。『さよならの向う側』は、愛しい人との別れを惜しみながら想いを馳せている曲だが、アンサーソングである『菩提樹』は、相手を想い、また逢えることを固く胸に誓い想いを巡らせる曲となっている。時代を超えて、世代を超えて作られたアンサーソングは、曽根崎心中におけるお初と徳兵衛の生き様にもリンクする。公演で徳兵衛役を務める三浦祐太朗がどのような想いを込めて歌い上げるのか、期待が高まる。公演は12月20日(木)まで、チケットは発売中。
2018年09月19日9月30日(日)にチームスマイル・豊洲PIT(ピット)で開催される「重神機パンドーラ」ネオ翔龍市民感謝祭に梅原裕一郎の出演が決定した。【チケット情報はこちら】「重神機パンドーラ」はTOKYO MX ほかにて放送中の TV アニメ。2031年、中国の翔龍(シャンロン)にて次世代エネルギーとして開発されていた量子リアクターの暴走事故により、生物、機械、植物を超越・融合した未知なる特異進化生物「B.R.A.I」が出現。事故から7年、驚異的スピードで進化を遂げ人類を滅亡の危機に陥れた「B.R.A.I」に対抗する人類最後の希望の砦、絶対防衛都市「ネオ翔龍」を舞台に、残された居住区を守る戦闘チーム「パンドーラ」の活躍を描く。同イベントは、シリーズ構成・脚本 根元歳三が書き下ろすオリジナル朗読劇を中心に、トークあり、ゲームありのスペシャルイベント。今回出演が決定した梅原はネオ翔龍の市長兼防衛軍司令官、セシル・スーの秘書官、ジェイ・ユンの声を担当している。今回の出演決定にあわせて、オリジナル朗読劇のストーリーが公開された。朗読劇のタイトルは「感謝祭 復活のゴールド大パニック!?」。舞台はとある日のネオ翔龍。市長セシル・スーが市民のために感謝祭を開こうとしている。各登場人物が感謝祭の準備を行う中、重大なアクシデントが発生!会場を巻き込んだドタバタ劇が繰り広げられる。また、イベント会場限定で販売されるグッズ情報も公開。チケットは発売中。■「重神機パンドーラ」ネオ翔龍市民感謝祭9月30日(日)【昼の部】開場15:00 開演15:30【夜の部】開場18:30 開演19:00会場:チームスマイル・豊洲PIT(ピット)(東京都)料金:7,000円出演:前野智昭 / 花澤香菜 / 津田健次郎 / 東山奈央 / 内田雄馬 / 梅原裕一郎 / 茅野愛衣 / 檜山修之 / 石川界人 / ゲスト:河森正治総監督
2018年09月18日銀杏BOYZが2019年1月15日(火)に東京・日本武道館で単独公演「世界がひとつになりませんように」を開催する事が決定した。昨年10月に開催された日本武道館公演「日本の銀杏好きの集まり」のMCにて「また武道館でやります」という宣言どおりとなる、今回の開催決定。武道館公演に先駆けて11月より行われるツアー「GOD SAVE THE わーるど」は全会場が即日完売している。チケットの一般発売に先駆けてオフィシャルWEB先行を実施中。受付は9月30日(日)午後11時59分まで。■銀杏BOYZ日本武道館 公演「世界がひとつになりませんように」2019年1月15日(火) 開場 17:30 / 開演 18:30全席指定-前売り 6,500円※小学生以上は有料、未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで膝上可)。但し、お席が必要な場合は有料。
2018年09月18日今年6月、ロシアの名門マリインスキー劇場バレエの研修生、永久メイがセカンドソリストとして正式入団したというニュースは、多くのバレエファンを驚かせた。230年余の歴史があり、伝統と革新を続けるバレエの殿堂で、日本人がソリストになるのは異例のことだ。11月のマリインスキー・バレエ日本公演で、初めてバレエ団員としての凱旋舞台に立つ永久メイに話を聞いた。【チケット情報はこちら】「バレエ団の秘書の方から“ウェブサイトを見てごらん”と言われ、セカンドソリストのところに私の名前と写真があるのを見て初めて知りました。大々的に貼りだされるわけでもなく、あっさりしているんです。でも突然のことでうれしくて信じられなくて、家族に伝えて泣いてしまいました。練習内容や役は、研修生のときからソロの役をいただいていたので、特に変わらないですね」。指導教師は、プリンシパルのエカテリーナ・コンダウーロワも教えている、元プリマのエルヴィラ・タラソワ。バレエ団からの期待のほどがうかがえる。モナコのプリンセス グレース アカデミーに留学中の2015年、参加していたサマースクールでの踊りがユーリ・ファテーエフ芸術監督の目に留まったことが入団のきっかけ。2017年、17歳でマリインスキー・バレエに研修生として入団後は数多くのソロを踊ってきた。「入団した頃は、ロシアで私のことを知ってる人は誰もいないし、楽しく踊るだけ!と緊張もせずに踊っていましたが、今は知らない間に私の踊りの動画があがっていたりして、誰かが見てると思うと、少しずつ緊張するようになってきました」芸術の都、サンクトペテルブルクに住み、人々のバレエへの関心の高さも肌で感じている。「毎日公演があるのに、毎回客席が満席になるんです。そのことに驚きましたし、常連の方も多いので、拍手する場面も他の国と違います。たとえば『白鳥の湖』では、4幕の幕が開いて、白鳥の群舞の美しいポーズに対して拍手が起きるんです。バレエをよく観て分かっているからこそだなと感じます」。客層も幅広く、老若男女さまざま。「中にはかなりの高齢で、歩くのにサポートが必要なほどの方もいらっしゃって、それでもバレエを観に来たい、と思ってくださることに感動します。そういう方たちのために踊るのは本当にすごいことなんだ、と感じますね」バレリーナになりたかった母に連れられて3歳でバレエをはじめ、気付いたら踊っていた。今は母から託された夢を叶えている。「舞台で踊っているときは、役のことしか考えていないですね。衣装を着て生の演奏で踊ると、稽古場とは違うテンションになり、役になりきれるのが楽しくて」。長い手足に恵まれた美しいライン、天使が舞い降りたかのような輝く舞台姿は、観客から愛される天性のオーラを纏っている。憧れの役は『ジゼル』。「マリインスキーに入ったからには、ロシアンバレエに溶け込み、でも自分の個性は失わずに、ロシアの観客の方たちに納得してもらえるようになりたいですね」公演は11月28日(水)より東京・東京文化会館大ホールにて。チケット発売中。取材・文:郡司真紀
2018年09月14日キューブ若手俳優サポーターズクラブC.I.A.による初のライヴイベント「SUPER LIVE 2018」が12月28日(金)・29日(土)に開催される。メンバーの川原一馬、冨森ジャスティン、井阪郁巳に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「C.I.A.(Cube Infinity Artists)」とは、加藤諒や白洲迅らキューブに所属する“Infinity(無限)”な可能性を秘めた若手俳優たちのサポーターズクラブ。昨年12月のキックオフイベント以降、定期的にイベントを開催している。今回ライヴのプロデュースを手がけるのは川原。メンバーによるプロデュースはイベント第4弾にして初となる。川原は「今までは“ファンイベント”に近いカタチでしたが、今回はガッツリ“ライブ”です。メンバーの個性を最大限に生かせる、“作品”に近いような面白いことができたら」と構想を語りつつも「C.I.A.に関しては、出るメンバー全員が前のめりで『自分たちがつくっているんだ』という思いでいてほしい」と全員参加型。「終わったらみんな泣いちゃうくらいのものができたらいい。そのくらい必死にがんばることが僕らの成長にもなる」と熱い時間を目指す。発足から数か月経ち「後輩もアイデアを出すようになってきた」(川原)と変化がみられるC.I.A.。井阪が「一馬さんがいるから今アピールしておきたい!」と、長年やりたかったというあることを提案すると、川原や冨森も「いいね!」と盛り上がる。冨森からポンポン飛び出す自由すぎるアイデアは次々と川原に却下され爆笑となったが、井阪は「ぶっ飛んだ発想が勉強になります。僕らの世代は挑戦しないことが多いので」と風通しのいい環境に新鮮さと刺激を感じているそう。「C.I.A.は僕にとってはチャンスであり、学ぶことが多い場。リハで先輩方が『こうしたらいいんじゃないか』と進める姿を見て、いつかああなりたいと思いますし、本番中もトーク力、見せ方はまだまだ足りないと実感します。同時に、そんな先輩方のおかげで緊張しつつも安心して自由に挑戦できます」(井阪)。冨森は、夏のイベントでラップを披露したことを「変わったことやりたいなと思って言ってみたら、通っちゃって」と笑うが、「面白いと思ったことは普段からストックしています。いつかできるんじゃないかと思うから」と意欲的。「若いメンバーにも自己主張してほしいよね」と開けた空気をつくり、「僕らは個々の俳優の集まりであってグループじゃないから。個性がぶつかり合わないと面白くならない」と場を楽しむ。発足から1年という節目に行われる「SUPER LIVE 2018」は、12月28日(金)・29日(土)に東京・品川インターシティホールにて開催。初のオリジナルソング『お揃いの1日』は今回も披露予定。現在、チケットぴあにて先行抽選プレリザーブを実施中。受付は9月19日(水)午前11時まで。取材・文:中川實穂
2018年09月14日韓国の男性デュオ、MXMが10月6日(土)愛知・Zepp Nagoyaを皮切りに4都市で開催するツアー「MXM Japan 1st Zepp Tour 2018 MXM WORLD」。同公演において「数量限定!KMF×MXMコラボ応援企画特別先着先行」の実施が決定した。【チケット情報はこちら】同先行は9月に開催されるK-POP音楽祭「11thKMF2018」とのコラボ。この先行でチケットを購入した方全員に、当日MXMから手渡しで“シークレットスペシャルプレゼント”がもらえる特典がある。先行は9月15日(土)午前10時から19日(水)午後11時59分まで。■MXM Japan 1st Zepp Tour 2018 MXM WORLD10月6日(土)Zepp Nagoya(愛知県)【1】開場13:00/開演14:00【2】開場18:00/開演19:0010月8日(月・祝) Zepp Sapporo(北海道)【1】開場13:00/開演14:00【2】開場18:00/開演19:0010月12日(金) Zepp DiverCity TOKYO(東京都)開場18:00/開演19:0010月13日(土) Zepp DiverCity TOKYO(東京都)【1】開場11:30/開演12:30 【2】開場16:30/開演17:3010月14日(日) Zepp Namba(OSAKA)(大阪府)【1】開場13:00/開演14:00【2】開場18:00/開演19:00
2018年09月14日「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「新日本紀行」「きょうの料理」「大河ドラマ」・・・。アニメ、特撮、映画音楽など様々なジャンルへ優れた音楽を提供した冨田勲(1932―2016)。日本が世界に誇るトミタの音楽を、壮大なオーケストラ、シンセサイザー、合唱、ダンスなどで堪能する贅沢なコンサート「冨田勲 映像音楽の世界」が9月17日(月・祝)に東京・東京国際フォーラムCで開催される。開催に先立って、12日に東京・浜離宮朝日ホールにてリハーサルが行われた。【チケット情報はこちら】場を引き締め、エネルギッシュな指揮で音楽を作り出すのは藤岡幸夫。世界中のオーケストラで活躍する藤岡の指揮で音楽を聴くと、自然と笑顔になり、前向きなエネルギーが湧き出るようだ。リハーサルは、総勢50名を超えるオーケストラ・トリプティークと、50人に及ぶ混声合唱によって『マイティジャック』『キャプテンウルトラ』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』『新日本紀行』などが奏でられた。リハーサルで聴いても壮大でゴージャス。あまりの迫力で、本番はさらに良くなると考えるとワクワクする。オーケストラ・トリプティークの演奏も素晴らしく、笑顔で進むリハーサルのなか、パーカッションのホールを揺るがす低音や、トランペットの強烈な響き、弦楽の美しい旋律、フルートのきらびやかに彩る音色など、カラフルな音の万華鏡のようだった。このコンサートは冨田勲の没後企画としても最大規模のひとつ。手塚治虫アニメ、NHKの大河ドラマ、「マイティジャック」など、映像のために作曲された傑作をゴージャスなオーケストラ演奏で楽しむだけでなく映像上映とオーケストラ、女子高生のダンス、合唱、シンセサイザーなど、通常のコンサートでは味わえないコラボレーションも予定しているとのこと。コンサートへの推薦コメントを寄せてくれた庵野秀明監督は、『マイティジャックの歌』を人生で1番聞いているとコメントしているが、今回のメインイベントのひとつが特別編集版『マイティジャック』の400インチ画面での上映にあわせてのオーケストラ演奏だ。リハーサルでも映像を上映しての細かい確認や調整がキビキビと行われていたが、日本でもこのようなシネマ・コンサートを行えるスタッフは限られており、プロフェッショナルな仕事の素晴らしさを垣間見ることができた。コンサートの最後には『マイティジャックの歌』みんなで歌おう!というお客様への気の利いた計らいも用意しているとのこと。今回は、様々な形で冨田勲にゆかりあるミュージシャンやクリエーターも参加する「冨田勲フェスティバル」とも言える大規模になり、夢のような大コンサートとなった。これは期待するしかない!チケットは発売中。取材・文:仁木高史(ライター)
2018年09月14日9月14日、東京・三軒茶屋・シアタートラムにて『たぶん世界は8年目』が開幕した。2006年に旗揚げした東京マハロの第21回公演となる。上演時間は休憩なし約1時間40分。9月23日(日)まで上演。【チケット情報はこちら】「福島の人、東京の人」を描いた今作の舞台は、原発事故の避難区域にある田所水道店の1階。道を挟んで舞台奥には、田所家の長男が暮らす家がある。田所家の三兄弟はそれぞれ独立し結婚していたが、震災の月命日には喪服を着て集まるのが常になっていた。三兄弟それぞれの生き方に、嫁いで来た女たちは振り回される。町で生まれ育った者、他県の被災者、今は県外で暮らす者など、背景が違う中でそれぞれの思い、ひいては複雑な町の現状が浮き彫りになっていく。彼らは顔を合わせては笑い、好きな漫画で盛り上がる。それは世界のいろんなところで見られる幸せそうな日常だ。家族ならではの遠慮や小さな諍いはあるものの、それはどこの家庭にもありそうなこと。しかし、身内でもある電力会社社員による定例の説明会に、東京に住む町の出身者が現れたことで、田所家の関係に大きな波紋が広がっていく……。彼らにとっての幸せとはなんだろうか。観劇後、副題の「幸せな私たち、興味がないあなた達」が重く響く。主宰・脚本・演出の矢島弘一は、2016年にテレビドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』脚本で第35回向田邦子賞を受賞。近年は『コウノドリ』『健康で文化的な最低限度の生活』などドラマ脚本でも活躍している。矢島の書く人間の複雑な心理が見え隠れする繊細な台詞を、俳優達が誠実に言葉にし、家族の微妙な機微を感じさせる。おそらく誰もが、愛情も憎しみもひっくるめて成り立つ家族関係のどこかに共感するだろう。しかし彼らは、被災者であり、事故を起こした電力会社の親族でもある。その関係性は、家族という共同体の不安定さと絆の強さだけでなく、今の日本に漂う原発事故への“空気”も浮かび上がらせる。けして押し付けるわけではない。私たちが目に留めていなかったもの、実は目を背けたかったのかもしれないことが、家族の物語の隅々に煙のように見え隠れしている。これまでも東京マハロは、不妊治療、いじめ、性同一性障害など様々な現代社会の問題を題材にしてきた。本作は原発事故から数年が経った被災地を舞台にしているが、社会問題だけを描いているわけではない。演劇によって家族を描き、家族の向こうに私たちは“明日”を探すことができる。取材・文・撮影:河野桃子
2018年09月14日梅田芸術劇場とイギリス・チャリングクロス劇場による新プロジェクトが始動。その記者会見が9月12日、都内某所で開かれ、チャリングクロス劇場の芸術監督で、『タイタニック』再演のため来日中のトム・サザーランドと、演出家の藤田俊太郎が登壇した。【チケット情報はこちら】日本演劇史上、かつてない挑戦となる今回のプロジェクト。日本とイギリスが共同で公演の企画・制作をし、イギリスキャスト版、日本キャスト版をそれぞれの国で上演する。その第1弾作品に選ばれたのが、1997年にオフ・ブロードウェイで初演されて以降、高評価を得続けているミュージカル『VIOLET』。そしてその演出を、若手実力派の藤田が担う。サザーランドと梅田芸術劇場との出会いは、2015年に上演された『タイタニック』の初演。その後もいくつかの作品を重ね、両者は強い信頼関係で結ばれていくことになる。そして梅田芸術劇場側の「人と人のコラボ―レーションをしたい」という本プロジェクトに込めた思いに、サザーランドが「それは面白い!」と即決で応えたかたちだ。藤田はまず英語のスピーチを披露。終盤「Sorry」と苦笑いを浮かべ、カンニングペーパーの存在を明かす場面もあったが、熱のこもったそのスピーチに、本作にかける並々ならぬ意気込みを感じさせた。続けて「僕の人生は演劇がすべて。新しい場所に行きたいし、新しい人に出会いたいという演劇的な体験を一生続けていきたい。だからこそこれだけ野心的なプロジェクトに出合えたことに、心から感謝です」と語った。またサザーランドは、「この才能あふれる演出家の作品が、イギリスのお客さまの目にも触れる機会が出来て本当に嬉しい」と藤田を絶賛した。そんな藤田は『タイタニック』の日本初演とイギリスでのツアー版を観劇しており、その時からサザーランドに強い尊敬の念を抱いていたという。「トムさんの演出って、シンプルに言うと観客がタイタニックと一緒に旅をしているということだと思うんです。ファーストシーンでは観客があたかもタイタニックを見送ったような視点をつくり、今度はいつの間にかタイタニックの乗客になっている。タイタニックを通したさまざまな視点を体感出来るというか。観客が作品を体験することを導き出せる、数少ない演出家だと思います」若き才能あふれるふたり。藤田演出の『VIOLET』イギリス公演は来年の1月に、サザーランド演出の『タイタニック』再演は、10月1日(月)東京・日本青年館ホールで開幕する。取材・文:野上瑠美子
2018年09月14日10月1日(月)に開幕するプロ麻雀リーグ「Mリーグ」の試合日程が決定した。【チケット情報はこちら】「Mリーグ」は、競技麻雀の普及と発展を目的として今年の7月に発足。参加7チームが8月7日に実施したドラフト会議での指名、交渉を経て、各3名の所属選手との契約を締結し、21名の初代Mリーガーが誕生した。今年の10月から3月に各チーム80試合を実施。10月から2月までは、毎週月・火・木・金曜日の19時から試合を行い、3月には上位4チームによる優勝決定戦として、毎週土・日曜日(※16・17日を除く)の19時から計24試合を行い、優勝チームを決定する。「Mリーグ」では、10月11日(木)以降の試合より該当試合でパブリックビューイングを実施。パブリックビューイングは東京・浜松町にある専用スタジオ「Mリーグスタジオ」横の会場にて開催。会場は150人ほどが収容可能で、Mリーガーによる生解説と共に対戦を楽しめる。また、試合終了後、当日出場した選手が駆けつけるファンミーティングイベントなども予定されている。パブリックビューイングのチケットは発売中。■「Mリーグ」パブリックビューイング概要【対象公演】・10月11日(木)・26日(金)・11月9日(金)・23日(金・祝)・12月7日(金)・20日(木)・21日(金)・1月10日(木)・11日(金)・24日(木)・25日(金)・2月11日(月・祝)・12日(火)会場:TABLOID(東京都)開催時間:毎試合開場18時試合開始19時(23時ごろ終了予定)料金:4,000円(1ドリンク付)
2018年09月14日全世界で2千万人以上の観客が熱狂し、2014年にはクリント・イーストウッド監督による映画版も公開されたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』。「シェリー」「君の瞳に恋してる」などで知られるアメリカの伝説的バンド、ザ・フォー・シーズンズの結成から成功への道のり、そしてメンバー間の確執までを彼ら自身のヒット曲で綴っていく内容で、日本では2016年に初演、その年の演劇賞を総なめした。その待望の再演が現在、東京・シアタークリエにて上演されている。チケ情報はコチラキャストは、リードボーカルのフランキー・ヴァリ役に、初演でも絶賛された中川晃教が続投。“天使の歌声”と称されるハイトーンボイスはさらに磨きがかかり、フランキー役に必須の“トワング”の発声は高いだけではない力強さも。フランキーの歌声が60年代当時のアメリカの若者たちを魅了したように、中川の歌声は観客の心をガッチリと掴む。さらに今回は芝居面でも格段の深みが出て、若い頃の無邪気さから、メンバー間のすれ違いが生じてくる物語後半の孤独感や疲労がクリアに伝わり、年月の経過とともに移ろう人生の浮き沈みを表現。中川なくしてはこのミュージカルの成功はありえない、と思う存在感で作品を牽引する。フランキー以外のザ・フォー・シーズンズのメンバーはダブルキャストで、中河内雅貴、海宝直人、福井晶一が出演する<TEAM WHITE>、伊礼彼方、矢崎広、spiが出演する<TEAM BLUE>の2チーム制。初演から全員が続投する<WHITE>は、もともと定評のあるハーモニーの安定感に加え、メンバーの個性がクッキリと際立ち、これぞ日本版ザ・フォー・シーズンズといった説得力。伊礼・spiが作品初参加となる新チーム<BLUE>もまた、ユニークだ。グループとして到底まとまらなそうなワガママな個性を炸裂させている彼らが、ひとたび歌声をあわせると、見ているこちらも嬉しくなるほど楽しそうにハーモニーを作っているのがいい。初日前の9月5日に行われた、ザ・フォー・シーズンズのメンバーと演出の藤田俊太郎による囲み取材では、「WHITEチームは研ぎ澄まされた“白米”のよう」(中河内)、「BLUEはクールでスタイリッシュ」(伊礼)と両チームがそれぞれアピール。藤田は「初演の評価はとても嬉しいが、そこに甘えるつもりはなく、新しい地平へカンパニーでたどり着こうと、WHITEチーム、BLUEチームそれぞれに作品の意義を追求した」と話し、中川も「再演も熱い『ジャージー・ボーイズ』になっている」と自信を語った。その言葉のとおり、音楽の魅力、物語の魅力が最大級に詰まった、最高のミュージカルになった再演版『ジャージー・ボーイズ』。東京公演のチケットはすでに入手困難ではあるが、全国ツアー公演ではまだチャンスはある。ぜひお見逃しなく。東京公演は同劇場にて、10月3日(水)まで。その後秋田、岩手、愛知、大阪、福岡公演を経て、11月10日(土)・11日(日)の神奈川公演まで全国ツアーが続く。
2018年09月13日ものまねアーティスト青木隆治が芸歴20周年を記念した全国ツアーを開催する。17歳でNHK「のど自慢」に出場し、24歳でものまね番組に出演。精巧な模写と圧倒的な声量、そして端正な顔立ちで瞬く間にスターへの階段を駆け上がった青木。今やメディアやステージでなくてはならない存在だ。「青木隆治」チケット情報「ツアーは集大成でもあり、始まりでもあります。今までやってきたものすべてを出し切って、次に向かっていく姿を見せたいですね」と青木。振り返れば、ものまねに挑戦したのは先輩からの勧めだった。「最初に出たテレビのものまね番組ではポルノグラフィティさんの曲を歌わせていただいたのですが、ものまねではなく、ほとんど地声でした。でもそれからは現場でいろんな方のショーを見て感銘を受けて、真剣に取り組み始めました」。過去の自分を赤裸々に語る青木。意識の変化を含め、ターニングポイントは他にもあったのかと尋ねると、「今がその渦中かもしれない」と答えた。「20年の節目に一度、初心に戻ってみようと考えたとき、僕は歌をやりたかったんだと。しかも世界に行ってみたい。そしてニューヨークのアポロシアターに出てみたいと思ったんです」。2017年、実際にアポロシアターに挑戦した。「世界でエンタメをやるのは甘いものではないということも分かりました。ただ、100%通用しないわけではないことも分かりました」と、手ごたえも感じた。「やってみないと分からないし、やった人にしか分からないことがある」と、経験がもたらすものは大きいと青木。今回の自身の20周年ツアーでは、歌やダンス、ものまね、漫才などオールジャンルのエンタテインメント選手権『アオキシアター~アマチュアナイト~』と称し各会場でオーディションを開催し、新人発掘のコーナーも設けた。「ぜひ、挑戦してほしい」と、その一歩をいざなった。詳細は公式サイトまで。「青木隆治 20th Anniversary Tour」は開催中。このあと、青森・兵庫・大阪・石川・滋賀を経て、東京・中野サンプラザでファイナルを迎える。チケットは発売中。取材・文:岩本和子
2018年09月13日12月31日(月)東京・東京国際フォーラム・ホールCで「ドラゴンクエスト」ウインドオーケストラコンサート カウントダウン公演の開催が決定した。大晦日公演は昨年も行われたが、カウントダウン公演は今回が初。1公演目、午後6時公演は、天空シリーズとして今なお愛され続けている「ドラゴンクエスト Ⅳ、Ⅴ、Ⅵ」の楽曲を上演。カウントダウン公演となる午後10時15分公演は、ロトシリーズ「ドラゴンクエストⅠ、Ⅱ、Ⅲ」を上演する。演奏は東京佼成ウインドオーケストラ、指揮は昨年の大晦日公演も出演した大井剛史が務める。「ドラゴンクエストⅠ~Ⅵ」までを一気に聴ける2公演通し券も販売。チケットの一般発売に先駆けて、現在プリセールを実施中。受付は9月14日(金)午前11時まで。■「ドラゴンクエスト」ウインドオーケストラコンサート12月31日(月)東京国際フォーラム・ホールC(東京都)【1】開場17:30 / 開演18:00【2】開場21:45 / 開演22:15
2018年09月13日今年20周年を迎えるthe band apart。彼らが主催する企画『SMOOTH LIKE BUTTER』が、昨年大阪で初の野外イベントとして開催。今年は20周年企画として彼らにゆかりのあるバンドをゲストに迎え、『SMOOTHLIKE GREENSPIA』として再び大阪にて開催される。「SMOOTH LIKE GREENSPIA 2018」チケット情報ゲストには昨年20周年という節目を迎えたACIDMAN、9月19日(水)に発売されるthe band apartのトリビュート・アルバムに参加しているFRONTIER BACKYARD、KEYTALK。過去にスプリットEPを出し、共にツアーを回ったバンアパファンにはおなじみのMOCK ORANGEと、the band apartとは切っても切れないバンドが集合!そして、オープニングアクトにはGLARE SOUNDS PROJECTIONが決定した。緑に囲まれた会場で気持ちの良い風を感じながら、普段のライブハウスとは違った、ゆったりとした時間をお楽しみください!チケットは発売中。
2018年09月12日いま、世界的に注目を集める女流作家ルーシー・カークウッドによるサスペンス仕立ての傑作「チルドレン」が、2018年、栗山民也の演出により、日本で初めて上演される。9月12日、東京・世田谷パブリックシアターでの上演を前に、報道陣向けにフォトコールと出演者による囲み取材が実施された。【チケット情報はこちら】巨大地震、大津波、それに伴う原発事故が起きた影響で海辺のコテージに移り住んだ夫婦の妻・ヘイゼルを高畑淳子が、夫・ロビンを鶴見辰吾が演じ、ふたりを数十年ぶり訪ねてくる女友達・ローズを若村麻由美が演じる本作。人生の後半に差し掛かった3人だが、昔は原子力発電所で一緒に働いていた核技術者同士。若村演じるローズは、その過去を踏まえ、衝撃的な提案をするためにふたりのもとへやってきたのだった――。すでに9月8日に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場大ホールでの公演を経た3人は、本作の手応えをすでに感じ取ったようだ。「お客様にじっくり観ていただき、大自然の警鐘などのテーマを表現した明かりがとても美しかったというお声をいただいた」と高畑が語ると、続く鶴見は、「帰りの電車の中でぐるぐる想像が止まらないような状態になる作品だと言われた」と、自身の友人からの感想を披露。若村は、「3人の科学者の話だが、人生後半に入って、各々の人生を振りかえったときに、シンプルにこのあとなにをすべきかを考えるような、ご覧いただいた方々にもお持ち帰りいただけるような意味深い演劇作品になったと思う」と自信をのぞかせた。「笑いどころも満載なので、テーマは重いが遠慮なく笑ってほしい」と若村が語るように、劇中は、思わずクスりとなる日常的な会話も満載。芸達者な役者が演じる洒落た会話と、男女3人という組み合わせの不安定な人間模様の行き先にも注目だ。「ただ原発の話・災害の話ではなく、“生きていこう”している話。そして、必ず人間に生まれたからには死ぬ。じゃあ――、という話なので、本当にかしこまらないで観ていただきたい」(高畑)という本作は、9月26日(水)まで世田谷パブリックシアターにて上演後、愛知、大阪、高知、福岡、宮城を巡演予定。チケット好評発売中。
2018年09月12日9月6日、池袋・サンシャイン劇場で『おおきく振りかぶって 夏の大会編』が開幕した。高校野球部を描いた大ヒット人気漫画の舞台版第2弾。17日(月・祝)まで上演後、28日(金)から30日(日)まで大阪にて公演する。【チケット情報はこちら】続編ではあるが物語は独立しており、<夏の大会編>で主人公の属する西浦高校は2校と試合をする。コーチ役の渡邊安理いわく「相手が変わればこちらの気持ちも変わるので面白い」。試合シーンでは演出・成井豊の「得点がいっぱい入るので忙しい」との言葉通り、怒涛の乱打戦が繰り広げられている。前半と後半はまったくカラーの違うチームとの試合。西浦高校は新たな戦い方を模索せざるを得なくなり、部員ひとりひとりの課題が浮き彫りとなる。「臨場感がすごい」と言うのは、Wキャストで主人公のバディ・阿部役を演じる大橋典之。傾斜のある“やおや舞台”の前面では、おおきく振りかぶるバッターたち。舞台中央奥で高く飛び、フライをキャッチする内野守備。次塁のベースに向かって駆け抜けるランナー……彼らの熱気が客席へとなだれ込む。初演に比べキャストに野球経験者が多いことで、じっくり野球の研究をし、試合にリアリティが増した。キャプテン花井役の白又敦は「新メンバーが入ってキャプテンとしてどう引っ張っていくかを悩んだ」そうだ。花井は物語前半に大きな壁に立ち向かうこととなり、白又はその苦悩を熱演している。主人公・ピッチャー三橋とキャッチャー阿部には大きな変化が訪れる。三橋役の西銘駿は、「初演では阿部に引っ張ってもらった。今回は三橋自身がエースとして自分で考えていく」と三橋の心境の変化を見せていきたいと意気込む。大橋は「阿部は“狡猾”と言われるけど、野球で勝ちたいという純粋な思いを根底に役を作りたい」と舞台に臨む。一方、初演から続き阿部役の猪野広樹は「バッテリーの関係がこう変わっていったというのを演じたい」と、ふたりの関係の変化に注力。次々と変化する試合の戦況に呼応するように、チームメンバーや相手の選手たちも自分なりの課題と向き合っていく。登場人物それぞれにドラマがあるダイナミックな構成だ。成井演出では「ここぞ!」という瞬間に、音楽がかかり踊り、興奮が高まる。「1時間45分頃起こる危機的状況をどう乗り越えるのか……そこがたまらない。ぜひお客さんにも味わって欲しい」と熱く語った。彼らの夏は、まだこれからだ。取材・文:河野桃子
2018年09月11日大阪・中之島の中之島ビッグトップで上演中のシルク・ドゥ・ソレイユ創設30周年記念作品『ダイハツ キュリオス』大阪公演。イギリスの産業革命を彷彿させる幻想的な世界観の中、伝統的かつ革新的な演目を展開。次々と繰り出される驚異のパフォーマンスに日本公演ではこれまで、65万人が熱狂した。「シルク・ドゥ・ソレイユ ダイハツ キュリオス」チケット情報まもなく約1年半に及ぶ日本ツアーの折り返しを迎える9月8日、日本公演スペシャルサポーターの橋本環奈が大阪公演に来場、キャストをねぎらう「陣中見舞い」イベントを行った。本公演のエンディング後、イベントMCの川島壮雄関西テレビアナウンサーに呼び込まれた橋本が客席から登場すると、思わぬサプライズに会場は大きな歓声に包まれた。カナダ・バンクーバーでも『キュリオス』を観た橋本は、この日の大阪公演で4回目の鑑賞となる。「客席の後ろの方で見ていたのですが、ステージと客席とが一体となっている空気を感じました!」と声を弾ませる。バンクーバーではキャストとの交流もあり、キャストのひとり、マチューにはトランポリンの演目『アクロネット』を教えてもらった。「トランポリンを飛んだらフラフラして、ちょっとしか飛べなかったのですが楽しかったです!」と振り返る橋本。コーヒーデートをした思い出も振り返り、マチューも「あの日のことはよく覚えています。またお会いできてうれしいです」と再会を喜んだ。そして、アーティストにプレゼントを持ってきたと橋本。オリジナルの手ぬぐいを贈呈し、キャストを労った。イベントの最後には「『キュリオス』も折り返し地点を迎えましたが、今日観に来られた方もご家族や恋人、お友達とみんなで観に来てほしいです!」と会場に向けて呼びかけた。橋本もリピーターのひとり、「何度観ても楽しめます!何度も観てほしいです!」とその魅力をPRした。『ダイハツ キュリオス』大阪公演は11月4日(日)まで上演中。取材・文:岩本和子
2018年09月10日ビクターエンタテインメントと毎日放送(MBS)が共催するロックフェスティバル『ビクターロック祭り大阪×MBS音祭2018 supported by uP!!!』が、10月7日(日)大阪城ホールにて開催される。「ビクターロック祭り大阪×MBS音祭 2018 supported by uP!!!」チケット情報最終出演者として、坂本真綾、THE BACK HORNが発表された。7月にシングル『逆光』(スマートフォン向けゲーム「Fate / Grand Order」第2部主題歌)をリリースしたばかりの坂本真綾、ビクターロック祭りへの出演は幕張開催、大阪開催通じて初となる。Digital Single『ハナレバナレ』を9月13日(木)配信スタートするTHE BACK HORN。大阪でのフェス出演といえば、先日の『RUSH BALL 2018 20th Anniversary』での大盛況も記憶に新しい。ビクターロック祭りは2014年、16年の幕張には出演しているが、大阪での出演はこちらも初となる。なお、これまで出演者として家入レオ、さだまさし、四星球、薬師丸ひろ子、ADAM at(オープニングアクト)、ナオト・インティライミ(スペシャルゲスト)が既に発表されている。坂本真綾、THE BACK HORNを加え、さらにさまざまな幅を揃えた陣容となった今回の『ビクターロック祭り大阪×MBS音祭2018』。是非、ジャンル、世代の壁を越えた競演に期待してほしい。チケットは発売中。今後も随時、イベント情報を発表していくので、『ビクターロック祭り大阪×MBS音祭2018~supported by uP!!!』オフィシャルサイトをチェック頂きたい。
2018年09月10日12月6日(木)から10日(月)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、14日(金)から16日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼで上演される舞台『遙かなる時空の中で3』。同作のメインキャスト12名のキャストビジュアルが公開された。【チケット情報はこちら】同公演はコーエーテクモゲームス原作の人気シリーズ「遙かなる時空の中で」舞台化10周年企画。今回は2004年に発売された同名の女性向け恋愛アドベンチャーゲームを原作に、源平合戦が繰り広げられる異世界を舞台にした物語が描かれる。出演は吉川友、井上正大、早乙女友貴ら。チケットの一般発売に先駆けて、チケットぴあではキャスト先行を実施。選択キャストの非売品ブロマイドが特典となる同先行の受付は9月8日(土)昼12時から17日(月・祝)午後11時59分まで。■舞台『遙かなる時空の中で3』12月6日(木)~10日(月) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)12月14日(金)~12月16日(日) サンケイホールブリーゼ(大阪府)脚本:坪田文演出:西森英行キャスト:春日望美:吉川友有川将臣:井上正大源九郎義経:早乙女友貴ヒノエ:杉江大志武蔵坊弁慶:石渡真修有川譲:千綿勇平梶原景時:輝馬平敦盛:星元裕月リズヴァーン:村上幸平梶原朔:野本ほたる白龍:稲垣成弥平知盛:中村誠治郎(特別出演)
2018年09月07日1880年開場のイタリアの名門ローマ歌劇場の4年ぶり4度目の来日公演開幕を目前に控え、指揮者・演出家と主要キャストによる開幕記者会見が開かれた(9月5日・東京文化会館)。今回最もファンの注目を集めているのはふたりの女性演出家の起用、ともに著名な芸術家を父に持つアーティストだ。ヴェルディ《椿姫》は、映画監督フランシス・フォード・コッポラの娘ソフィア・コッポラの演出作品。映画監督として、『マリー・アントワネット』や『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』等、次々にヒット作を生んでいる彼女だが、2016年にこのプロダクションでオペラ演出家デビューを飾った(映画『ソフィア・コッポラの椿姫』として公開された)。大きな話題は主役ヴィオレッタの衣裳を巨匠ヴァレンティノ・ガラヴァーニがデザインしていること。実は演出にコッポラを指名したのも彼。つまりヴァレンティノありきの製作陣とも言える。実際コッポラは、衣裳を軸に演出プランを練ったと述べており、豪奢なドレスはまるでドラマ全体を象徴するかのような強烈な存在感を放つ。ローマ初演時の指揮者でもあるヤデル・ビニャミーニは会見で、「伝統的だが、フレッシュな新しい感覚のプロダクション。素晴らしい作品を日本で再現できるのはうれしい」と語った。主役ふたりもフレッシュな売り出し中の若手。ヴィオレッタ役のフランチェスカ・ドットは初来日。アントニオ・ポーリのアルフレード役で日本でもおなじみだ。彼らふたりもローマ初演時のキャスト。一方、プッチーニ《マノン・レスコー》はキアラ・ムーティ演出。父親は現代の大指揮者リッカルド・ムーティだ。2012年に演出デビューした彼女だが、女優として数々の受賞歴を持つ。幼い頃から劇場で父親の仕事を見て育ったことが彼女の大きなバック・グラウンドになっていることは言うまでもないだろう。今回の《マノン・レスコー》のプロダクションは2014年にローマで初演。指揮は父ムーティだった。彼女は演出コンセプトについて次のように語った。「プッチーニはマノンが最初から自分の宿命を予見しているかのように描いている。私も終幕の砂漠の荒野をモチーフとして、マノンの世界をその砂漠の上に作り上げました」マノンを演じるのは、ヴィヴィッドなピンクのスーツでひときわ華やかに会見に現れたプリマ・ドンナ、クリスティーネ・オポライス。彼女も初来日だ。「現代最高のプッチーニ歌手」と称される彼女だが、キアラ・ムーティが「演技をつけながら私が感動してしまうほど素晴らしい」と激賞する、その演技力にも大いに期待しよう。ローマ歌劇場日本公演は、《椿姫》が9月9(日)・12(水)・15(土)・17日(月・祝)、《マノン・レスコー》が9月16(日)・20(木)・22日(土)に上演(16日(日)のみ神奈川県民ホール、ほかはすべて東京文化会館)。取材・文:宮本明
2018年09月07日栗山民也演出、高畑淳子、鶴見辰吾、若村麻由美出演の三人芝居『チルドレン』。34歳のイギリス人劇作家ルーシー・カークウッドが2016年に発表し、今年のトニー賞演劇作品賞にもノミネートされた注目作だ。その日本初演に向けてギアを上げつつある稽古場に潜入した。【チケット情報はこちら】物語の舞台は、大地震をきっかけに津波と原発事故が起きた町。元物理学者の夫婦、ヘイゼル(高畑)とロビン(鶴見)が暮らすコテージに、20年以上前に原子力発電所で夫婦の同僚だった女性ローズ(若村)が訪れる。久々に再会した3人の胸には、様々な思いが去来しーー。この日の稽古は、劇の終盤。ひとしきり、互いを懐かしみ、はしゃぎ、複雑な気持ちに襲われ……と、幾つもの感情を通過した3人の今を象徴するかのように、部屋には夕日が差し込み、波の音が静かに響く。しっとりとした雰囲気の中、ある重要な決心を語り、ヘイゼルとロビンにも決断を迫るローズ。「発展途上国の半分の人間は電気なしでやっている」「あなたたちに電力を使う権利はないわ」と言う彼女の言葉が、他のふたりに、そして観る者に深く突き刺さる。過去の責任をどう取り、未来にどのようなものを残すのか。次の世代のために、今の世代には何ができるのか。ナチュラルな日常会話を通して、普遍的な命題が、強く痛切に訴えかけられていく。高畑はヘイゼルの表向きの強さと裏腹の脆さを体現。鶴見のロビンには女性たちに愛される男の魅力と悲哀が滲む。若村は陰影のある演技でローズの孤独や決意を表していく。3人が紡ぎ出す心の機微は、細やかで豊かだ。酸いも甘いも噛み分けた彼ら大人が、旧知の人間を相手に、ある瞬間には、子供のようにムキになり、狼狽し、生への執着をむき出しにする。3人揃っている時とひとり欠けてふたりになった時で雰囲気が変わるのも、リアルで面白い。そして、何気ない会話から、各自が隠し、あるいは封印して自分でも忘れかけていた優越感や劣等感、罪悪感などが浮かび上がる。人は誰しも、傍から見る以上に繊細で入り組んでいるのだ。三者三様の立場や思いに私達はうなずき、彼らの会話に共感を覚えながら、大きな決断に至るまでを見守ることになる。その一挙手一投足、言葉ひとつ表情ひとつたりとも見逃せない。台詞劇の醍醐味にあふれた作品の開幕は間もなくだ。公演は9月8日(土)埼玉・彩の国さいたま芸術劇場大ホールより。その後、 全国を周る。取材・文:高橋彩子
2018年09月07日『最遊記歌劇伝-異聞-』が東京ドームシティ シアターGロッソで開幕。初日に先駆け、ゲネプロ、囲み取材が行われた。【チケット情報はこちら】峰倉かずやの漫画『最遊記異聞』(一迅社刊)を原作に、これまで上演してきた『最遊記歌劇伝』の新シリーズとなる今作。唐橋充(烏哭三蔵 役)、三上俊(光明三蔵 役)、うじすけ(待覚法師 役)らこれまでも同作への出演してきた役者のほか、主演には田村心(峯明 役)が抜擢。また峯明と三蔵法師の称号を争う修行僧には、小沼将太(桃醍 役)、深澤大河(玄灰 役)、古谷大和(青藍 役)、前川優希(道卓 役)、二葉勇(蝶庵 役)、月岡弘一(丸福 役)、齋藤健心(抄雲 役)、福井将太(義兆 役)、谷戸亮太(隆善 役)、と豪華な顔ぶれが揃った。ゲネプロ前の囲み取材では、キャストらがそれぞれ意気込みを語った。『最遊記歌劇伝』シリーズにも長らく出演している唐橋は、「若い子たちのラインができたらいいな、そしてそれを続けて峰倉作品をどんどん語り継いでいけたらいいなと考えていた」と話し、「稽古場、初日を迎える中で、これは絶対評判になるだろうな、と。評判を呼び、また太い源流が続いていくんじゃないかな」と今後への期待もみせた。三上は「新たな扉が開きました。これがスピンオフということではなく、最遊記歌劇伝の志を若いみんなも、僕らも持って演じています。必ず楽しんでいただけると思います」と作品への自信をみせた。また殺陣や、アクションも多く含んだ今作。谷戸は見所として、「若い皆さんが汗だくになってやっているところ」をあげ、「30過ぎても本当に大変ですけど一生懸命がんばります!」とコメントした。三蔵法師を目指す修行僧という役柄に絡めてコメントした古谷は、「我々役者は本番を迎えて千秋楽へいくことが三蔵法師になることに近いのかなという気持ちでここまできました。自分たちががんばることはもちろん、そういう姿をたくさんの人にみてもらえることをかみしめて演じて生きたいと思います」と話した。また主演となる田村は、「稽古が本当に修行のような日々で、初日を迎え今日から本当の修行がはじまるんだなと思っています」と話し、「来ていただくお客様に、何かを届ける気持ちと責任を忘れずにがんばります」と意気込んだ。『最遊記歌劇伝-異聞-』は9月9日(日)まで、東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて。(c)峰倉かずや・一迅社/最遊記歌劇伝旅社 2018
2018年09月07日現在、全国を巡演中のヨーロッパ企画20周年ツアー「サマータイムマシン・ブルース」 「サマータイムマシン・ワンスモア」が、11月10日(土)に神奈川・関内ホールで大千秋楽を迎える。開幕から約1か月上演しての感想を、代表で作・演出を手掛ける上田誠、メンバーの石田剛太、酒井善史に聞いた。【チケット情報はこちら】20周年を記念し、2001年に初演された初期の傑作「サマータイムマシン・ブルース(以下、ブルース)」と、その15年後を描く新作「サマータイムマシン・ワンスモア(以下、ワンスモア)」を交互上演する今回のツアー。幕が開いて上田は「今回の、初期の作品と新作を見比べてもらうという企画は、今の僕らとしてはハードルが低いものではありませんでした。“20年経っておもしろくなくなったな”と言われるのが本当に怖かった」と明かす。しかし実際の評判は上々。「挑んでよかったなという気持ちです。20年の蓄積で、役者の力、スタッフワーク、脚本と、昔にはない結集感があると言われて。いい20周年になったなと思います」。舞台に立つ石田も「お客さんが一緒になって楽しんでもらえてる感覚があり、やっていてすごく気持ちがいいです」と笑顔を見せる。2作品を交互に上演する毎日。石田が「『ブルース』が意外と難しいんですよ」、酒井も「感情の変化が今の僕らと違うから、一瞬ついていけないときがある」と明かすと、上田は「『ブルース』は元気なんです。作家って、続ければ続けるほど書く筋肉がついて作品の尺が長くなるもので、昔は僕も1時間の劇が精一杯でした。そこからだんだん書けるようになってきて、新作の『ワンスモア』は2時間半あります。だから若いときに書いた『ブルース』は、ストーリーの量は少ないのですが、その代わりに筆が元気にあちこち走っている。まだ書き方をわかっておらず、あっち行っても楽しいしこっち行っても楽しいしという“書くのを楽しんでる感じ”がすごくあって。いい意味でも悪い意味でも無駄な台詞がすごく多いんです。逆に『ワンスモア』は無駄がない。すべてに意味があるし物語としても深くなっています」と根本の違いを語る。その違いが、演じるうえでは「『ブルース』は元気で『ワンスモア』はテクニカル。両方違う部分で大変なのですが、それがいいですよね」(酒井)とよい緊張感に繋がっているのだそう。「20年やって、やっとわかってきたことがあり、最近いろんな歯車が合い始めた感覚もある」(上田)というヨーロッパ企画の“今”を堪能できる公演は、11月10日(土)の神奈川・関内ホールまで全国で上演。また、9月8日(土)24時からはテレビ神奈川にて、ヨーロッパ企画20周年記念ツアーのメイキングやメンバーの特別座談会、ゆかりある方々の証言集など盛りだくさんの特別番組「ヨーロッパ企画20周年特別番組サマータイムマシン・ブルース+ワンスモア」が放送される。取材・文:中川實穗
2018年09月07日9月17日(月・祝) 、東京都と東京都交響楽団が新たなワンデー・フェスティバル「サラダ音楽祭」を立ち上げる。東京芸術劇場を中心に、池袋エリアのさまざまな会場で、コンサートや楽器体験、ダンスのワークショップなど多岐にわたるイベントが一日中繰り広げられる、街を挙げての「祭」だ。「音楽を通してワクワク・ドキドキを!」を合言葉に、コンサートを聴いて楽しむのはもちろんのこと、どんどん参加して一緒に盛り上がろうというのが狙いで、キャッチフレーズの「歌う!聴く!踊る!(Sing and Listen and Dance!!)」の頭文字をとったネーミングが「SaLaD=サラダ」というわけ。普段不足しがちな心の栄養素を補って活力を取り戻すフレッシュ・サラダにもなるだろう。【チケット情報はこちら】フェスティバルの中心は、東京芸術劇場コンサートホールで行なわれる大野和士指揮・東京都交響楽団のふたつのオーケストラ・コンサート。まず午後1時からは、0歳児から入場OKの、その名も「OK!オーケストラ」。TV番組でも活躍中、子どもたちにも人気の小林顕作を司会に迎え、指揮者体験コーナーや、話題の学ラン姿のコンテンポラリー・ダンス・カンパニー「コンドルズ」によるグリンカの歌劇『ルスランとリュドミラ』を用いたダンスコラボも。《ドラゴンクエスト》やディズニー・メドレーとストラヴィンスキーの《火の鳥》が並んでいるのがふるってる。マエストロ大野さすが!チケットは完売していたが、9月8日(土)より追加販売がはじまる。そして熱心なクラシック・ファンも大満足なのが夜7時からの音楽祭メインコンサート「プルミエ・ガラ」。ニーノ・ロータのハープ協奏曲を聴かせる吉野直子の登場や、藤木大地が喜歌劇「こうもり」からオルロフスキー公爵のアリアを唱う前半に続いて、後半は、荒々しいエネルギーが炸裂するオルフの《カルミナ・ブラーナ》が演奏される。ここでもコンドルズが、主宰の近藤良平とともに登場。《カルミナ・ブラーナ》はもともとバレエを伴っての上演が想定された作品なので、この形がいわば完全版だ。いったいどんな演出でどんなダンスが?もちろん声楽曲なので、合唱・独唱には活躍どころ・聴きどころが満載。新国立劇場合唱団、光岡暁恵(ソプラノ)、藤木大地(カウンターテナー)、小林大祐(バリトン)という実力派が揃った顔ぶれが頼もしい。1990年の東京芸術劇場開館でクラシック音楽ファンにも一気に身近になった池袋が、2020年を目前に新たな音楽の街として生まれ変わりつつある。今年はGWの大型音楽祭ラ・フォル・ジュルネも開催されたし、来年には、池袋西口公園の広場が本格的な野外劇場にリニューアル。大型商業施設から、緑豊かな公園、横丁の焼鳥屋まで、多彩な顔を持つ魅惑的な池袋。初秋の1日、池袋を音楽で満喫し尽くそう!取材・文:宮本明
2018年09月07日「いま最も旬でうまいラーメンは?」をコンセプトに関西最強のラーメンを決定する「第7回 究極のラーメンAWARD関西」が、9月6日(木)発売のムック本『究極のラーメン2019関西版』(ぴあ)にて発表された。『究極のラーメン2019 関西版』情報はこちら今回新たにメンバーを入替えた“関西ラーメン四天王”と呼ばれる有名ラーメン通4名が選考委員を務め、1000店以上ものノミネート店の中から総合グランプリに選んだのは、南森町で行列の絶えない人気店「颯人」。ブランド地鶏の旨味とコクが、滑らかシルキー麺と一体化した極上の一杯が味わえる、ラーメンマニアから圧倒的支持を受ける関西を代表する名店だ。グランプリの記念盾が贈呈され、店主の石垣直人さんは「ありがとうございます! 驚きの一方で、売切れやお待たせした方に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、受賞の喜びをかみしめた。また、新店をはじめ、醤油、塩、豚骨、鶏白湯、味噌、つけ麺などの各部門のグランプリ&準グランプリ店も同時に発表。今回も関西のラーメンシーンの最新トレンドが分かる、興味深いラインナップとなっている。『究極のラーメン2019 関西版』9月6日(木)発売本体680円+税ぴあ
2018年09月06日演出家・森新太郎と中山優馬の初顔合わせにより、東京・世田谷パブリックシアターで上演される『The Silver Tassie銀杯』のメインビジュアルが公開された。【チケット情報はこちら】本作は、アイルランドの劇作家ショーン・オケイシーが第一次世界大戦から第二次世界大戦へと変遷する激動の時代のなか、1928年に発表した戯曲で、1929年にロンドンで初演。ダブリンを舞台に、第一次世界大戦中、輝かしい将来を嘱望されたひとりのフットボール選手・ハリーが戦争の犠牲となっていく様を描いた反戦ドラマ。公開されたメインビジュアルのデザインコンセプトについて、制作側より次のようなコメントが寄せられた。「モチーフとして大きいものは、上部の当時の戦争を彷彿とさせる写真、中央の主人公・ハリー(中山優馬)の横顔、下部のフットボール場と思われる芝生。人生を大きく一変させていく過酷な戦地と、平和で希望に満ちていた頃に駆け抜けた芝生との間に挟まれた、青年ハリーが見つめる視線の先にあるものとは?絵の具を飛ばしたように散らばる模様は、過去、現在、未来に及ぶ様々なハリーの思いや、不安定な時代の中に生きる人々の無数の思いを表し、そんな数多の感情が交差していく中に深く静かに侵食されていくハリーの横顔をとらえています。ですが、この横顔の青年はハリーに限定されない、当時の市井に生きる人々の象徴的な横顔、つまり登場人物全員の横顔としてもとらえて頂ければと思います。制作時の意図は上記のイメージになりますが、こちらはあくまで解釈の一例に過ぎません。ご覧になるお客様にご自由に発想して頂き、ハリーの視線の先にあるものを無限にご想像頂ければ幸いです」共演は矢田悠祐、横田栄司、三田和代のほか、20曲以上の歌唱シーンがあることから演技力、歌唱力が評価されたキャスト22名が集結。歌あり、笑いあり、涙ありの賑やかな“反戦悲喜劇”を立ち上げる。公演は11月9日(金)から11月25日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演。チケットは9月9日(日)より一般発売開始。
2018年09月06日衰えていく肉体と精神に困惑する老父とフォローに疲弊していく娘。父娘を軸に、観客自身も高齢者の視点を体験するという斬新な手法で書かれ、フランス演劇賞最高位のモリエール賞最優秀脚本賞を受賞した『Le Pere 父』が2019年2月に上演される。【チケット情報はこちら】作者フロリアン・ゼレールは教師から作家へと転身し、30代前半で今作を書き上げた俊才。現代版『リア王』とも呼ばれ、既に世界30か国以上で上演された戯曲の日本初演で主人公アンドレを演じるのは、舞台はもちろん映像作品でも第1線を走り続ける橋爪功だ。「薄紙に包まれた劇薬。戯曲を一読し、そんな感想を持ちました。人が、普段はできれば考えたくない、直視したくない生命体としての不安や孤独に満ちていて、観終えたあと、安易に感想を言い合ったりしたくならない作品。だからこそ信頼して観客に丸投げできるし、同時に俳優の立場からは四の五の言えない逃げ場のなさが、現実逃避しがちな自分に良い刺激になるんじゃないかと思って」とニヤリと笑う橋爪の口元には、既にフランス的皮肉なウィットが浮かんでいる。演出はオリジナル初演を手掛けたラディスラス・ショラー。橋爪は「所属する劇団は、かつて英・米・仏・北欧といった海外の演出家を招いた創作に熱心で、ひと通り手合わせした中でも、フランス人演出家は1番“言葉だけでは分かり合えない”印象が強かった。自分のスタイルが明確にあり、簡単には他人の意見に賛同しない。徹底した個人主義の文化圏から来る有能な若手演出家と、今の自分との間でどんな創造ができるのか楽しみですね」と、“はじめまして”から起こる化学反応を心待ちにしている様子だ。場が進むごとにアンドレの記憶や意識は混乱し、時間軸や彼を囲む人々の役割も曖昧になっていく構成は、演者にとってハードルになりそうだが「長く生きていると、前夜何時間も悩んでいたのに、寝て起きたらスッと楽になるようなことがある。人はそうやって自分の中に蓄えてきた経験や知識、後悔の念などを、老いと共に今度は希釈することで命を長らえる生き物。そう考えるとアンドレの身に起こることは自然だし、本人にとって苦痛だけでもないはずだけれど、家族にはそれが“父親が壊れていく”という恐ろしい現実として映る。一方向に時間が流れず、場面やせりふが行ったり来たりするので覚えにくさはあるけれど、人間特有の、生き物としての変容を演じることは興味深いですね」と、橋爪の中での戯曲分析はかなり進んでいるよう。人間なら誰しも避け得ない「老い」を巡る悲喜劇を、円熟の演技と艶で魅せてくれるであろう舞台を心待ちにしたい。公演は2019年2月2日(土)から24日(日)まで、東京芸術劇場 シアターイースト、3月16日(土)・17日(日)兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールほか、4か所にて上演。取材・文:尾上そら※『Le Pere 父』の正式表記は、「Pere」の「P」と「r」の間の「e」にアキュート・アクセントが付く
2018年09月05日12月9日(日)から12月25日(火)までの17日間、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールで音楽イベント「毎日がクリスマス2018」が開催される。2008年に横浜ランドマークホールで始まった同イベント。各日で異なるアーティストが出演し、横浜のクリスマスシーズンを盛り上げている。11年目を迎える今年は、第一弾アーティストにSURFACE、JASMINE、アンジュルム、wacci、奥華子、NakamuraEmi、中田裕二、ISEKI、でんぱ組inc.などの出演が決定。今後の発表にも期待が高まる。チケットの一般発売は10月6日(土) 午前10時より。■「毎日がクリスマス2018」日程:12月9日(日)~12月25日(火)会場:横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール(神奈川県)
2018年09月05日太鼓芸能集団「鼓童」の新作公演『巡-MEGURU-』の全国ツアーが11月に開幕する。本作は、1981年のベルリン芸術祭でのデビュー以来、実にさまざまな挑戦を行ってきた鼓童にとっても、これまでにない取り組みになるという。今作で初めて演出を手掛ける住吉佑太と、奏者として出演する山脇千栄に話を聞いた。【チケット情報はこちら】外部の演出に依頼するのではなく、鼓童内部のメンバーでの演出による、楽曲も全て新曲、衣装も新調する公演は、鼓童初の試み。それはつまり新世代の革新かと尋ねると、そうではないと住吉は言う。「鼓童は30周年を迎えたときに“自分たちだけではどうしても打ち破ることのできない固定概念を打破したい”と考え、芸術監督に坂東玉三郎さんをお迎えし、本当にさまざまな壁を取り払ってもらいました。それを経て今、自分たちで新たな1歩を踏み出す時期がきた。そこで、これまで大切にしてきた作品をやりながらも、常に新しいものを作り続けていかなければいけないと考えました。その第1弾がこの作品です。ただ、新しいものをつくるにしても、僕は太鼓や鼓童のカッコよさを変えたいわけではない。本来のカッコよさに辿り着くまでの入り口を増やす作品だと思っています。この作品は、僕と同世代の方々にも楽しんでもらえることをテーマにしています」。具体的には「クラブミュージックやダンスミュージックなど、僕ら世代にとっての身近な音楽からインスパイアされた楽曲がいくつかあります」と住吉。奏者の山脇も「使うバチやそのタッチ、音量など、いろんな部分が繊細につくられているなと思います。太鼓にはいろんな音があると学ぶ日々です」と語り、これまでにない鼓童の音が楽しめそうだ。その音のキーになるのは、山脇が演奏するマリンバ。住吉は「僕がやりたい音楽の大きなテーマに“反復と揺らぎ”というものがあって。公演タイトルでもある『巡』という楽曲も、何度も何度も反復していくようなものをつくりました。ただ、繰り返す旋律って、太鼓でやるとメロディがないので繰り返し感が出ないんですよ。でも笛だと息継ぎがあるので人間臭さが出ちゃったりして。それでマリンバに至りました。淡々とした繰り返しを表現できるし、民族楽器にも西洋楽器にも自然の音や電子音楽にも聞こえる無色透明さがあるので」。山脇も「マリンバに合うのはどんな音なのか、先輩たちの音を聴いて、自分の音を聴いて、作品作りに向かっています」と新鮮な組み合わせに取り組む日々だ。「インストバンドのライブに行くような感覚で来てほしい」(住吉)という、鼓童ファンはもちろん音楽好きにもオススメの本作は、11月に始まる全国ツアー後、12月19日(水)から23日(日・祝)まで東京・文京シビックホール大ホールにて上演。取材・文:中川美穂
2018年09月05日アイドルグループ℃-uteの元メンバーで女優として活躍する矢島舞美が舞台『LADY OUT LAW!』でヒロインを務める。9月14日(金)の開幕に先駆けて、ダイジェストによる公開稽古をおこない、ダイナミックなアクションを披露した。本作は、第三次世界大戦により荒地となった地球を捨てた人類が、広大な宇宙ステーションへと移住した西暦2250年が舞台。各国が競い合うように宇宙事業を拡大させる中、宇宙ステーションを破壊して回る半身機械の少女の出現によって巻き起こる宇宙アクションファンタジー。新鋭作家の池田純矢が書き下ろした新作で、岡村俊一が演出を手掛ける。公開稽古で矢島は、襲いかかる男性キャストを剣で次々と倒し、キレのある見事な殺陣を披露。力強くスピード感のあるアクションはハラハラドキドキと気持ちを高ぶらせ、舞台の熱気が伝わってきた。「精神的にも肉体的にも強い女性の役。かっこよく、説得力のある役ができるように頑張ります」と矢島は抱負を語った。岡村が演出する舞台に数多く出演している味方良介は、「岡村さんの演出ではこれまでとは違うというか、なかなか最近見ないようなスピーディで深くて、でもシンプルな作品。新しい感覚でキャストに伝わっているように感じます。みんなで出しあったものを日々積み上げていくというおもしろい時間を過ごしています」と手応えを持って稽古に取り組んでいるよう。池田も、「自分で書いた台詞がさらに深みを増していて。書いた自分でも気づかなかったような瞬間があったり。早く客席で見たいですね」と嬉しそうに語った。キャストには、神尾佑が「自分以外は全員平成生まれ。昭和の最後の砦として頑張りたいと思います」と意気込みを語るように、池田が主宰する「エン*ゲキ」にも出演する鈴木勝吾や、小野健斗、松井勇歩、増子敦貴、ダンスヴォーカルグループDream5の元メンバー日比美思ら、最近舞台で活躍する若手が揃った。矢島は、「この舞台を観て、生き方や日頃の意識がなにか変わったって言ってもらえるように、キャスト、スタッフで力を合わせて素敵な熱い舞台を作っていきたいと思います。魂のぶつかり合いを観に来てください」とPR。エネルギーにあふれた作品になりそうだ。『LADY OUT LAW!』は9月14日(金)から24日(月・休)まで、品川プリンスホテル クラブeXにて上演。全14ステージ。チケット発売中。取材・文/門宏
2018年09月04日